続き

漫画喫茶に入ると空調が効いていて、不快な湿気が取り除かれてようやく解放された気分になった。が、今度は店の店員に対して緊張した。
店員は若い女で少しばかり綺麗だった。私の頭ボサボサで無精髭が顔を見すぼらしくしていて、服は汗でベトついて臭かった。予期した通りその店員の態度は悪かった。
私は自分の身なりを気にしながら、自分が惨めな存在であるからこの女は塩対応なのだという考えに囚われていた。
女は無表情にパッパッと会員証を見ながらタッチパネルを操作して無造作に受付用紙をバインダーに挟んで不快だと言わんばかりに私にそれを渡した。
終始私が落ちぶれた人間であるかのように情けない思いを抱いて受付を済ませた。
ドリンクバーで3つのコップにお茶とジンジャーエールと烏龍茶を入れてトレイに乗せてブースへ向かった。私はこの時までまだ不快な感情を抱いていた。
部屋は狭い座敷でごろ寝ができた。私は直ぐに横になった。そしてそのまま泥のように深い眠りに落ちた。