速い時間の流れの中でB

都会に生活をして、しばらく経つと人間関係ができてくる。そうやっていろいろな人間と接していると、今度は世界で起きていることすべてを知りたくなっていった。
夜に部屋に独りでいると、渋谷や新宿や原宿や池袋で何が起きているのか、どんな同世代の人間がいるのか、どんな話をして何をしているのかがとても気になった。そしてその場にいない自分を悔やんだ。街にいる人間たちを羨んだ。
とても静かな都会の夜だった。そして明日起こるであろうことに胸躍らせながら目を瞑る。深い闇の中にいる自分、都会の夜は想像のなかで燦然と光を放っていた。そうやって、大学生活の始まりには眠りに落ちる時に淋しくなった。