批評お願いします。

「猫とメガネと天気管」
重いカーテンが窓を遮っている。
猫には開けることができず、下を潜ることもできない。
天気管は言った。
「今日は晴れだ」
猫は知らない。
窓の向こうには、澄み切った青空があることを。

猫は真っ暗で広い部屋にいる。
そこにはメガネがいる。
メガネは喋らないが、音を出す。
「トン、トン、トン」
その振動で、猫はメガネに気付く。
振り返る猫。
反対から触れられる手。
猫にはメガネが分からない。

天気管は言った。
「今日も雨だ」
猫は知らない。
窓の向こうには、たくさんの雫で埋め尽くされていることを。
「トン、トン、トン」
振り返る猫。
鼻先を撫でる手。
猫は知っている。
メガネには手があり、足があり、顔があることを。

重いカーテンは、ずっと窓を遮っている。
だけど、カーテンが開いていた時もあった。
天気管は言った。
「今日も雨だ」
猫は壊した。
窓の向こうを告げる、お喋りな天気管を。
「トン、トン、トン」
振り返る猫。
猫を持ち上げる手。
猫は知っている。
天気管も、窓の向こうを知らないことを。
放される手、落ちていく猫。
砕けた天気管が、猫を貫く。
猫は知っている。
カーテンを閉めたのは、メガネということを。