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849コメント715KB
あなたの文章真面目に酷評します Part107
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0001創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/02/16(金) 02:13:26.81ID:OxQxjXnd
あなたが書いた小説・論説文・エッセイなどの文章を真面目に読み、感想・添削・批評を行います。

■過去ログ
前スレ
あなたの文章真面目に酷評します Part106
http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1515357787/

まとめwiki
ttp://www6.atwiki.jp/kata/

■投稿する人へ
投稿する前に読み返しましょう。
投稿が複数レスにわたる場合は、1/2のように、全体レス数がわかるようにしましょう。
投稿には「批評お願いします」等、投稿であることがはっきりわかるように書き添えましょう。
他人の文章のコピペ、作者になります行為は厳禁です。外部リンクを貼る場合はサイト内にその旨を表記する等、作者本人がアップロードしていることが分かるようにしてください。
文量が多い場合は外部リンクを貼ったほうがいいかもしれません。
もしも文章を無視されてしまったら、もう一度批評をもらえるように頼んでみましょう。目についたものから批評していくので、見落としもあります。
辛辣なことを言われても落ち込みすぎないように。批評をした人とあなたの相性が悪かったのかもしれません。ただ、あなたの作品をそういうふうに受け取る人もいるということを心にとめておいてください。

■批評する人へ
当スレは投稿者を育てるのが目的なので、できるかぎり良い所と悪い所を具体的に挙げて投稿者が納得する形で批評をしてあげてください。

■次スレ
スレッド容量が480KBを超えたら投稿を控えて次スレを立ててください。そうでない場合は>>980を踏んだ人がスレを立ててください。
0359創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/16(金) 03:55:37.00ID:INAj9u7t
添削係が書いた作品を読ませてもらっても似たようなことが言える。
同じような主張や同じようなやり取りの描写ばかり増やしていって文字数だけ多くなっていっても
肝心な本質部分は何も書けてない。
何を削って何を重点的に書くべきか、もう少し、何を伝えたいかを見極め
構成考えたほうがいいと思うが、いやなら別にいいけどね。
0360創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/16(金) 03:58:36.19ID:INAj9u7t
そのためにも、口語体でダラダラと会話が続く話を考えるんじゃなく
文語体で起承転結をはっきりさせて話を作る癖をつけたほうがいいということ。
0361319
垢版 |
2018/03/16(金) 04:47:36.40ID:yvzpKWJE
なぜ情景描写や状況説明がないかと言えば、それらを書くのには設定を考えなくてはならないからで、自分を含めて、ぽっと思いついた話をそのまま書くと後回しになるのではなかろうか。
しかし、それが悪いかと言えば、応募作を書くとか構想段階であればそうとも言えないだろう。書き進めながら考えていけばいいし、決めたら書き加えたり、書き直したりすればいいのだ。原稿用紙に手書きじゃなければそう難しくもないだろう。
投稿サイトに連載とかになればそう簡単にはいかないかも。

こう言うとプロットの話になって揉めたりするのだけど、そもそもプロットを書くか書かないかというのは、先に苦労するか、あとで苦労するかなのではなかろうかと思ってみたりするのだ。プロットなしで書いた話は超詳細なプロットなんじゃね? という感じ?

話を変えて、小説らしい小説とはなんだろうかと考えてみると、戯曲と言われた「黒豹出版文芸部〜ロム猫先生の黄昏〜」でも一応お話はわかると思うのである。しかし、一般にいう小説らしくない。
なぜかと言えば、やっぱり描写と説明、内面描写の不足だろう。特に説明、内面描写は小説特有のものではなかろうか。

と、ここまで書いて筆を置こう。
なぜなら「黒豹出版文芸部シリーズ」のネタになりそうだからである(シリーズにするんかい!)。
しまったなぁ。

>>357
「安楽椅子探偵」はアガサ・クリスティのミス・マープルシリーズなどである。
まぁネタです。戯曲っぽく書いたのは文字数制限を守りたかったのでわざとです。
ト書き的なものは地の文である。


>>358
つまらないセリフなのは置いといて、そこをシーンで書かないのはなんだかなぁ。
ト書き的なものは書かないことも含めて重要である。誰がしゃべったかがはっきりしているものについて、「と○○が言った。」と故意に書くのは意地悪である。

>>359
添削係の欠点はそんなことじゃないのである。

>>360
その論はあなたの思い込みである。物語を考えるときにセリフを考えたりしないのである。考えるのは、物語がどう展開していくかだ。
ラストシーンを決め、なぜその場所がわかったか考え、その推理に必要な理由を考え、その推理に使ったロジックっぽいものを前もって書くことを決め、時間調整のために乗り過ごしたことにし、ついでに口論させて、とかである。
セリフを前もって考えないことはないが、だいたいその場の勢いだ。
なぜセリフを口語体で考え話を作るなどと思うのか。
それは、あなたがそうだからである。
そしてそんな話の作り方をするのはあなただけ、かもよ?
0364創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/16(金) 08:10:09.01ID:GLYUKXEb
ちょっとな、読んでないからなんとも言えないんだ
勝手にしてくれ
じゃあな
俺のことを添削係だと思ってくれても思わないでくれてもどっちでもいい
俺には関係ないから
さよなら
0365
垢版 |
2018/03/16(金) 08:20:43.94ID:p7/dyIS8
>>352
そんなの関係ねえ

「『いかに哀れに思うらん』僕には片言の詩しか浮かんで来ないけど」

「昨日咲き誇っていた花々は今日には萎れている光景を何度も目にすると、『物の哀れ』というありきたりの言葉が浮かんでくる」

これでよし
0366創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/16(金) 08:24:33.50ID:+2g7yI0v
あるいは

昨日咲き誇っていた花々は今日には萎れている光景を何度も目にすると、『もののあわれ』というありきたりの言葉しか浮かんでこないけれど、どこか繊細な感情が呼び起こされる
0367
垢版 |
2018/03/16(金) 08:26:09.40ID:+2g7yI0v
まあ、書いていて、もののあわれがどうとか意識していなかったが、それならこんな感じ。
0368創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/16(金) 08:43:39.50ID:vpk0WBHv
ほら、こいつは誰の意見も聞こうとしないんだ
受け止めることもできない
自己顕示欲で書いたものを読ませようとするだけ
だから次々、反省なしにアップしてるだけ
意見するのは無駄
0369創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/16(金) 11:40:02.60ID:hddYJQG8
>>367
難しい話は別にして、
たぶん「すばる」じゃなくて「新潮」の応募するんだろうから、「もののあわれ」は自重しなはれ。

どうしてもこの部分が(作者にとって)必要なら、
>「いかに哀れに思うらん」僕には片言の詩しか浮かんで来ないけど
にしときなはれ。
三月末日締め切りだから時間がない、なので理由は省略。
あれこれ言っている暇はないだろ。
グッドラック!
0370フカ
垢版 |
2018/03/17(土) 14:34:38.17ID:fypwwDWD
こんにちは、お久しぶりです、フカです。
ご無沙汰してまして失礼しました。すみません。
「復楽園」の次に書いた作品ですが、先が思いつかなかったのと、元ネタは友人の小説ですので、賞には応募しない予定です。
noteにて無料公開してます。未完作品の「むぎわらとんぼ」です。
忌憚なくご感想をお聞かせください。 

また、先日は色々とアドバイスを頂き、ありがとうございます。
今、新作を書いてますが、こちらでのアドバイスがすごく為になってます。重ねてお礼申し上げます。

https://note.mu/fukamininoue/n/n7f8e20005a49


では、皆さん、よろしくお願いします。 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:aa69868e8407a14ba8117b78f27d82ae)
0371創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/17(土) 17:14:22.24ID:fzlPhB6O
>>370
一章の途中でギブアップ。
相性の問題もあるだろうけど、気になることをひとつ。
冒頭に読者を引きつけろ、ということで苦労するけれど、今回のこれはいただけないだろう。釣りでした、というのは読者をもだましたということである。というよりは、読者を釣るため、だますためだけの冒頭でしかない。
読者をだますということはなくはない。しかしそれには「やられた!」という一種カタルシスをもたらすものでなければ評価されないだろう。もしくは「ふざけんなw」と笑わせるとか。
こういう書き方で次の展開に繋げるというのもあるのかもしれないが、その他の要因(キャラクターとか会話とか変な読点とか)もありがっかり感が強くリタイアとなった。
わがままでダメな読者でごめんなさい。
0372創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/17(土) 17:14:39.10ID:L40mlbXb
>>370
>「復楽園」の次に書いた作品です
>元ネタは友人の小説です
誤字とか用字用語の乱れとかが目立つね。応募前だとこんな感じで書いているのかな?
元ネタというより、友人の電子テキストに手を入れただけなんじゃ…と思うぐらい文章がゆるいね。
まあ内容と文体がよく合っているとも言えるから、書き分けているのだろうけど。
今回の投稿テキストは「男のファンタジー」を描いた小説だね、そうとしか言いようがないよ。
0373フカ
垢版 |
2018/03/17(土) 18:07:42.91ID:fypwwDWD
>>371
ご感想ありがとうごさいました。
わがままでダメだなんて、とんでもないです。
一章だけでも読んでくださって、ありがたいです。

確かに、半日でざっくり書いてみただけの作品だから、前の二作よりも劣るとは思います。
友人が書き迷っていたので、ひとつの例として書いただけなのですが。
でも、やはり読者を騙すつもりはなくても
、そう思わせてしまい、申し訳ないです。たとえ原案がそういう始まり方だから、私よりも友人が騙したとも言えなくはないでしょうね。でも、晒した罪は同じかも。
つまらないものを読ませてしまい、失礼しました。
今度はもっとちゃんと書いた作品を作ります。

今書いているのは、新人賞に応募するので、みなさんには落ちても受かっても、ご報告させて頂きますね。
お読み頂きありがとうです。
0374フカ
垢版 |
2018/03/17(土) 18:19:09.11ID:fypwwDWD
>>372
お読みくださりありがとうございます。
確かに、友人が書き迷っていたので、一例として、私ならこう書くよ、と軽い気持ちで書いたのが、バレバレですね。失礼しました。
やはり、異性を演ずるのは限界があるのでしょうか。難しいですね。

文章がゆるいのは、数時間か半日で、練らないで書いたせいかもです。
自分ではまあまあの出来かなと、甘く考えていましたが、やはり酷評スレの方々の目は誤魔化せませんね。
いつもは、大抵原稿用紙で書いてからパソコンに移して推敲します。が、今回は直接パソコンで書いています。やはり手抜き?感はあるのかもです。なんだか悪い事してしまいましたかね

本当にすみませんでした。

今は秋の〆切の新人賞の物を書いてますので、発表は来年の今頃です。落ちても受かっても、こちらの方々にはお世話になりましたので、ご報告させて頂きますね。

ありがとうです。
0375創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/17(土) 18:26:17.45ID:fAl5lRTJ
>>370
まあ、文章はやはりうまいのでそれなりには読める。
だけど軽い。深みがない。ドラマのダイジェストみたい。
昭和は終わった、平成なのよ、みたいなセリフがあるけど、平成も終わりの時代に何言ってんの? と思った。

文章力と持続力あるんだから、読みやすいものだけじゃなくいろんな本を読んで言葉のセンスを磨きなよ、と助言したい。
DVなんて一単語で済ませるべき言葉ではない。
ただ、ミミさん同様、キャラは立ったいる。猫、うまく使いなよ、せっかくキャラがありながらあの使い方ではもったいない。
0376フカ
垢版 |
2018/03/17(土) 18:42:35.24ID:fypwwDWD
>>375
ありがとうございます。
確かに、平成も終わりですよね。鋭いツッコミ痛み入ります。

実は原案者は六十代のおじさまです。(あくまで小説仲間であって、男女のあれはありませんよ。笑)

ミミさんを覚えていて下さり、嬉しいです。あれは初めて書いた純文学だし、7年かけて書いたので、思い入れがあります。

確かに、猫のキャラは私も気に入っています。
もう少し頑張りますね。

あと、やはり表現が凡庸ですよね。一応国文科にいたのですが、もうだいぶ昔の話なので、最近はあまり難しい本は避けているかもです。
自分では、シンプルで伝わりやすいものを好む傾向があります。でも、おっしゃる通り、もっと表現を磨くべきですよね。

ご指摘、ありがとうございます。
0377創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/19(月) 21:02:21.35ID:KyWOOvh/
>>370
45歳で"僕"っていうのと、作者を反映していそうな"僕"の自分語りな独白に共感を得るのが、読んでいて、しんどい。
話が進むにつれ、文節が長くなりすぎな感じで、雑さを感じる。
文章全体は、こなれてる感じで悪くなく、"今"を描けてるだろうし、でもやはり、この登場人物に感情移入できそうにない。
好みの問題なのかもしれないけど。
0378創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/19(月) 21:21:05.05ID:KyWOOvh/
相対的に、こういうスレに文章を載せる人は
自分語りというか、書き手自身を主人公に置き換え語らせているような作品になりがちで
ようは書き手の主張や価値観に感情移入できるかどうか次第だな。
書き手を反映していないような(自己主張しない)登場人物の出てくる作品なら、もう少し気楽に読めるんだがな。
どうして皆、作品の主人公に書き手の価値観を反映させたがるんだろうか?
書き手の価値観に好感が持てるならまだいいが、いい意味でも悪い実でも、
こういうスレに投稿したがる連中は、偏屈な価値観を持った連中が多く、読者が共感もって読むのがしんどい場合が多い。
0379創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/19(月) 21:22:28.70ID:KyWOOvh/
いい意味でも悪い実でも、×
いい意味でも悪い意味でも、〇
0380創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/19(月) 21:24:34.72ID:t3xtdrrY
偏屈な価値観とは?具体的に。
0381創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/19(月) 21:39:59.10ID:IBcWnDCO
『むぎわらとんぼ』(未完)
筆者は女性。
原案は60歳代男性。
主人公=僕=45歳。
0382創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/19(月) 21:42:18.81ID:KyWOOvh/
百人いれば百人の価値観があるものだが、人それぞれの価値観ってのは、共通項はあっても
こだわりな部分までは、他人は共感得るのは難しいもの。
これが売れっ子のプロ作家の場合は、その作家の価値観に共感を覚えてくれるファンが読んでくれるのだが、
素人作家さんの場合は、それを前面に出しすぎると、そもそも共感を得て読んでくれてるわけじゃないので、個人の好みもあるだろうが、しんどいのだ。
なので、偏屈な価値観に見えてしまいがち。
ブロ作家を真似ず、汎用的に共感を得られるような、こだわりのない主人公(要するにあまりにも作家自身の価値観を反映させないように)を書くことをまず目指すべき。
0383創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/19(月) 21:50:18.67ID:KyWOOvh/
>>381
作者の男女の差とか年齢とか言ってるんじゃなく、
要するに。こういうスレに投稿する多くの作品で"僕"の自分語りで比重を占める作品が多くみられるが
自分語りの比重が大きいと、感情移入できる人とできない人に分かれてしまうので
私の場合は感情移入を妨げる結果を生んでると思った次第。
この本に金出して読みたいか?と訊かれると読む気は起きない。

繰り返しになるが、好みの問題ではあるけど、ファンに読んでもらうプロ作家の場合と違い、
素人が書く場合は、あまりに自分語りに書くと、読んでくれる人を限定させると思われ。
0384創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/19(月) 21:59:47.95ID:KyWOOvh/
具体的に言うと、"僕"の一人称なので
"僕"がどう思ったか、”僕”にどう見えてるかで延々と読まされる。
その”僕”が語る感想に少しでも感情移入させない部分が起きると、その先を読むのが、しんどくなるのよ。
それをさせないように”僕”の思い入れを抑えて、読み手が共感してくれるように書くのもまた書き手の技量だとは思う。
まあ、"僕"の語り口に全面的に同感だと思う人にには、読み進めるのがしんどくないことなんだろうけど、と。

かつて添削係が、なろう等に投稿してた長文なんかでもその傾向が強かった。
"僕"の体験。”僕”の思考に延々付き合うのがしんどいな。もう少し”僕”の思いは端折って話の筋に文字数を割けばいいのにな……とね
0385創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/19(月) 22:07:56.52ID:KyWOOvh/
「し」さんが書いたものでも、主人公がやたら自分の価値観で語りたがるのが多いでしょ?
そこに共感得るものがない場合、最後まで読まされるのは、とてもしんどいのだ。
もう少し抑えて、読者に汎用的に共感を得れるところでやめておけばいいのにってね。
そういう共通項がこのスレの書き手の作品には、多い気がす。
0386創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/19(月) 22:22:14.27ID:KyWOOvh/
ようするに、ここに載せる人の大半がそうなんだけど、
そんなに長い作品でもないのに、そのうちの比重として登場人物の過去とか、エッセイ的な要素が多すぎでバランスが悪い。
短編に、それは必要以上には要らないから、エッセイ的な要素を削って物語を読まさせてほしいのだ。
0388創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/20(火) 10:53:55.36ID:wIPo7UN9
>>377
ご指摘ありがとうございます。
確かに、女性が男性を演じるには限界があるのでしょうか。その結果、僕、に読者が感情移入できないと言う事になってしまったのでしょうか。好みの問題と言う一言では片付けてはいけない問題かもですね。
やはり、私自身も感情移入しながら書いていないのが原因かなと。
なんだかつまらない物を読ませてしまい、申し訳ないです。
0389フカ
垢版 |
2018/03/20(火) 11:02:19.36ID:wIPo7UN9
>>378
ご指摘ありがとうです。
なるほど、偏屈ですか。
でも、私の私見ですが、書いてるのは人間ですし。どうしても主観と言うか、書き手の価値観などが出てしまうのは仕方ないと思います。
そもそも、客観なんて他者の主観に過ぎないと、恩師が言ってました。
ほかの方々どう書くかは分かりませんが、私は偏屈と言われても、やはり自分の価値観をもとに書くしかないように思います。
なんだか、生意気言ってすみません。
0390フカ
垢版 |
2018/03/20(火) 11:11:03.98ID:wIPo7UN9
>>382
なるほど。勉強になりました。ありがとうです。
つまり、もっと作者の考えよりも、主人公が 独立したもの?として表現されるべき、と言う意味でしょうか。
作者=主人公ではつまらないですよね。
確かに一人称語りは作者の声がダイレクトに現れやすい反面、作者と感覚が合わない場合は読んでいてしんどいですよね。
一人称は諸刃の剣のように思います。

私は器用ではないので、これから先上手く書けるか自信はありませんが、皆さんのアドバイスを作品に活かせるように努力します。
重ねてお礼申し上げます。
0391創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/20(火) 11:20:03.85ID:wIPo7UN9
>>383
ご指摘ありがとうございます。
確かに一人称は読む人にとってつらい時もありますね。よく気をつけます。

でも、我が師匠は、
自分が好きなもの、書きたいものを書かないと意味がない!
とおっしゃってます。
周りの意見や他の作品の事に振り回されないように、とも。

なら、こんな酷評スレになんか来るなと言われそうですが、やはり私は自信がないので。
それと、こちらの皆さんがきちんとした目をお持ちなので、ついつい…。
いつも勉強させて頂きありがたいです。

今書いている作品に、こちらで学んだことが生きていて、自画自賛になりますが、自己最高の作品になりそうです。

みなさん、本当にありがとうございます。
0392フカ
垢版 |
2018/03/20(火) 11:22:48.86ID:wIPo7UN9
>>384
なるほど、何となくわかってきた気がします。
つまり、読者にもっと寄り添って書いて欲しいって事ですよね。
心に留めておきます。

ありがとうです。
0393フカ
垢版 |
2018/03/20(火) 11:23:57.70ID:wIPo7UN9
>>385
なるほど、ありがとうです。
もっと頑張ります。
0394フカ
垢版 |
2018/03/20(火) 11:24:48.92ID:wIPo7UN9
>>386
はい、気をつけます。
ありがとうございました。
0395フカ
垢版 |
2018/03/20(火) 11:26:03.96ID:wIPo7UN9
>>387
私は目が痛いですw
0396創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/20(火) 12:11:57.15ID:gDjBW/Hi
『むぎわらとんぼ』(未完) はフィクションとして成立しているので、改稿するなら「構成」を替えることだね。
人称とかそういうことは実は大したことじゃないよ。
0397フカ
垢版 |
2018/03/20(火) 12:39:12.34ID:wIPo7UN9
>>396
ありがとうございます。
なるほど、構成ですか。考えてみます。
今は他の、新人賞に出品したい作品が優先ですが、いつかまた書いてみたいです。
とりあえず、今は戦争に関する話を秋の〆切までに…と思います。
こちらでのアドバイスが生きてる筈なので、もし受賞したら、皆さんに何かお礼がしたい気持ちです。
頑張ります!(^^)ノ
0398創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/20(火) 14:34:01.81ID:gDjBW/Hi
「構成」とはなんですか? と聞き返さないところがめんどくさくなくて素晴らしいですねw
さて、老婆心ながら、
公募文学賞のトレンドのひとつは「戦争を知らない若い世代による戦争小説」らしいですよw
2014年新潮新人賞・高橋弘希『指の骨』、2016年太宰治賞・夜釣十六『楽園』なんかがそうだ。
だからどうした、なんだけど、一度、あなたの師匠に相談してみたらどうだろう。
オリジナリティをどこにおくべきか、とかについてね。
『楽園』なんかは、あなたの書きつつある作品とアウトラインが似ているかもしれないし。
だって、祖母が出てくるんでしょ? 
まあ、少なくとも参考までに読んでおいたらどうだろう。

>パチンコで稼ぎを食いつぶす三十歳の青年が主人公。
一枚のはがきをきっかけに九州の元炭坑村で“祖父”と暮らし、
不思議な南洋植物を育てながら太平洋戦争の体験を繰り返し聞くうち、
日本の過酷な現地支配や文化工作が自分の記憶と重なっていく。
(北陸中日新聞)
0399創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/20(火) 15:18:57.38ID:gDjBW/Hi
【投稿テキスト早見表】
>>6 「おむすび」 お題文芸 外部リンク
>>42 「猫とメガネと天気管」 詩的散文
>>127 -128 伝奇小説
>>166 -167-168 「し文学」
>>187 「サミクラウス」地の文縛り 外部リンク
>>195 「し文学」
>>196 バディものパロデ
0400創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/20(火) 15:19:21.51ID:gDjBW/Hi
>>203 エッセイ
>>221 -222-223 バディもの
>>233 「し文学」
>>234 「し文学」
>>240 「し文学」
>>257 −258-259 「し文学」 マイナー改稿・再投稿
0401創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/20(火) 15:19:39.60ID:gDjBW/Hi
>>263 -264 「し文学」 マイナー改稿・再投稿
>>272 -273 「し文学」 マイナー改稿・再投稿
>>275 -276-277 百合小説
>>319 「黒豹出版文芸部2〜赤い標的〜」 バディもの文言・白話(文語体・口語)
>>325 「し文学」
>>370 ファンタジー 外部テキスト
0402フカ
垢版 |
2018/03/20(火) 16:16:31.67ID:wIPo7UN9
>>398
アドバイスありがとうございます。

一応、一昨年に群像に出した作品をリライトしてます。本来なら新作を出すべきなのですが、どうしても力を出し切ってない感じがあったので。
内容は、傭兵(ボランティア兵士)とその恋人の女性の話です。傭兵に恋した女性の内面にクローズアップしたラブストーリーと言うか。私にとっては、戦う男たちへのラブレター、またはオマージュ的な作品です。

祖母というか、ミミさんも出てきます笑。戦争経験者として、さらりと、ですが。

戦争について、キャラごとに違う考え方があって、それぞれの立場から戦争を語る感じ?です。

『楽園』と『指の骨』ですか。チェックしてみますが、多分ネタは被ってないと思います。

情報、恩にきます!
てんきゅー!^ - ^
0403創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/20(火) 16:52:29.89ID:gDjBW/Hi
>戦う男たちへのラブレター
なるほど、これは意表を突かれた、オモシロイいテーマだと思うけど、
群像に出したとも言うし、どんなテイストの作品なのかなかなか想像ができないw
時代物なのかな?
まあこれ以上の質問は、ネタバレしるし、応募に支障がでるだろうから自重。
グッドラック!
0404フカ
垢版 |
2018/03/20(火) 17:08:13.79ID:wIPo7UN9
>>403
ありがとうです。
自画自賛ですが、過去最高傑作の予感です。

これで箸にも棒にもかからないなら、群像さんは…と他社に乗り換えるくらいの気持ちです。

いい結果、つまり群像新人文学賞受賞なら、一年後に、こちらにお知らせします。
予選通過なら、またネット公開します。皆さん、手ぐすねひいて酷評して下さい笑。

箸にも棒にもかからないなら、他社に放り込むので、一年半後の公開…かな?

なんにせよ、皆さんに早く読んで頂きたいです。
頑張ります!
(^^)ノシ
0405フカ
垢版 |
2018/03/20(火) 17:09:50.83ID:wIPo7UN9
>>404
手ぐすねひいてお待ちください、の間違いw
0406創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/20(火) 17:18:00.84ID:gDjBW/Hi
杞憂に終わればいいのですが、群像だったら「反戦」が底流にないとハネられるでしょ。
とか思っちゃいますね、大丈夫なんでしょうか? 傭兵になった理由にもよるかなあ。
師匠は一昨年、Go!サインだしたの? とかいろいろ興味あるマッチングですねw
「野性時代フロンティア文学賞」なんかどうかなあ。
できるだけフィットする賞を選んだほうがいいのは確かですが…。
0407フカ
垢版 |
2018/03/20(火) 17:27:02.03ID:wIPo7UN9
>>406
師匠は、一昨年の段階ではGoサインでした。
非日常と女性心理が上手く書けてると、褒めて下さいました。でも、なぜか予選敗退。

一応反戦小説をと思って書いてますが、夢物語な反戦小説ではなく、リアルな意味での反戦小説をと思って書いてますが。でも、思想面ではねられるんじゃ、とも心配ではありますが。
師匠が大丈夫だとは言ってますから、まず大丈夫かと。
野生時代も魅力的ですが、テーマが、女性心理なので、純文学だとは思います。

ご心配、ありがとうこざいます。
0408創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/20(火) 17:33:30.69ID:gDjBW/Hi
なるほど。
リメイクして同じ賞に出すのは筋が悪いと思うけどね。
まあ師匠が今年もGo!なら。
0409フカ
垢版 |
2018/03/20(火) 17:37:14.31ID:wIPo7UN9
>>408
下読みの人が被る可能性もあるので、不利ではありますが再応募を選びました。
他社に出して、これ群像落ちた奴じゃん!と思われたらもっと不利かなと。
とりあえず、完成したらまた師匠に提出します。
ありがとうこざいます。^_^
0410319
垢版 |
2018/03/21(水) 15:41:23.68ID:/EZlTalA
黒豹出版文芸部2を小説的に書いてみたのだけれど、面白いと言ってくれる人は戯曲的なものがよかったのだろうか、
とか、
鈴子のアンニュイ設定外したらめちゃ元気になってしまって、こんなのがっかりだ! とか思われたらどうしよう、
とか、
前のは戯曲的だったので内面描写皆無だったのだけど、やっぱり鈴子寄りで内面を書くべきか、などと迷いながら書いたら中途半端になってしまって、がっかりだ、
とか、
読み直せば読み直すほど訂正入って終わらない、
とか、
悩みはつきないのですが、三レス分だけお願いします。

あ、タイトルは「黒豹出版文芸部2〜赤い標的と緑の毒薬〜」に変更します。
割と神視点です。
ネタになった人は笑って許してね!

酷評お願いします。
0411創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/21(水) 15:43:25.31ID:jrO0aWDA
楽しみだねー
0412319
垢版 |
2018/03/21(水) 15:43:40.70ID:/EZlTalA
 黒豹出版は、東京都○○区に八階建ての本社ビルを構える中堅出版社である。本社ビルといえば聞こえはいいが、竣工からかなりの年数が経っており、鈴子などは出社の折にそのビルを見上げては、
「やっぱりちょっと傾いてる気がするなぁ」
 とつぶやくのが常だった。鈴子の配属されている文芸部は六階にある。
 黒豹出版では年に一度、一般から広く小説を募集する新人賞を設けていた。有望な作家を発掘するためである。つい先日、その募集が締め切られ、選考作業に入っていた。
 鈴子ら若手編集者は、その一次選考の下読みという作業に当てられていた。応募作品を読み、いいと思った作品を次の選考段階へと送るのである。実力のある新人を発掘するとともに、力のおよばない者には引導を渡すことになる。楽しくもあり、また辛くもある仕事だった。
「これ、退屈であくびが出るよ、ふあーあ。あ、あくびしたら涙が出てしまった」
 花代はわざとらしく言うと、ティッシュで両目を拭った。めんどくさい男である。
「で、どうするんだ、それ?」
 そのティッシュで鼻を拭ってゴミ箱へ放った。
「うーん」
 鈴子は花代から受け取った応募作を両手にうつむいた。
 文章でいえば即アウトである。鈴子と花代、ふたりの文章のプロが脳内補正しながらやっと読み解いて内容を理解したのだ。しかし、その内容は素晴らしい。花代と鈴子の涙がそれを証明していた。
 ある程度の瑕疵ならば校正、書き直しを経て出版にこぎつけることは可能である。だが、この文章はどうか。ある程度どころではないのだ。編集者らが一言一句ああしろこうしろと言ってそれなりのものにすることはできるだろうが、それでは作品はこの作者のものではなくなってしまう。
 ちょっと前なら編集者自身が手を入れることもあっただろうが、今は時代が違う。少なくとも黒豹出版ではそうだ。この作者は書き直せるだろうか?
 鈴子は答えを出しかねていた。
「こんにちは」
 おだやかな声に鈴子は顔を上げた。にこやかに微笑む若い男がすぐそばに立っていた。鈴子よりはるかに若い。
「阿々楠《ああくす》くん」
 早熟の天才作家、阿々楠先生である。ふたりは担当していないが花代と馬が合い、よく訪ねてくる。すでに中ヒットを二本飛ばしていて、いずれ大当たりがくるとふたりは踏んでいた。作品もいいし、若いうえになかなかのイケメンなのだ。営業部に活を入れなければ、と普段花代は息巻いている。
「ごるぁ! 先生をつかまえて君付けとはなんだ!」
 花代が丸めた誰かの校正ゲラを振り上げた。
「あっ、す、すみません!」
 鈴子が体をすくめて花代のデスクからさっと離れた。
「や、やめてくださいよ、先生なんて。君付けで結構です」
 阿々楠先生は面映ゆそうな顔で言うと、ふたりの間に割って入った。
「いや、そういうわけには――」
「ところで花代さん、なんで泣いているんです?」
「泣いてねーし」
 先生にずいぶんな言いようであった。
「あ、これです。新人賞の応募作」
 鈴子がその作品を鼻まで掲げて阿々楠先生に示した。
「へー! そんなにいいものが送られて来たんですか!」
 目を輝かせる阿々楠先生の言葉に、ふたりはなんともいえない微妙な顔をした。
「読ませてもらえませんか?」
「えーと」
 鈴子が花代の顔を見ると、花代は小さく頷いてみせた。
「ではここ以外には持ち出し禁止でお願いしますね。パクったりしないでくださいよ」
 鈴子の果てしなく失礼な言葉に花代は一瞬にして青ざめた。しかし、当の阿々楠先生は気にした風もなく、もちろんです、とにこにこしている。
 壁際にあるミーティングテーブルに阿々楠先生を案内しかけた鈴子は、花代のデスクにあるティッシュの箱をひょいと取りあげた。
「あ、おい」
「いいじゃないですか、減るもんじゃなし」
「いや、減るし」
 花代の言葉を無視して阿々楠先生を案内し、鈴子は給湯室に行った。コーヒーメーカーのポットを嗅いで煮詰まっているのを確認すると、ドリッパーで新しくコーヒーを淹れ、阿々楠先生の元へ持っていった。
「あ、どうも……」
 いくらか読み進めたらしい阿々楠先生は困った顔をして鈴子を見上げた。文章のひどさに戸惑っているのだ。
「あの……」
「大丈夫です」
 鈴子は力強く頷いた。読めばわかる、という意味である。
「あ、そういえば阿々楠先生は、今日はどういう用むきでこちらへ?」
「ああ、次回作の打ち合わせに」
 そう言った阿々楠先生の顔はどこか憂いを含んでいるようだった。
0413319
垢版 |
2018/03/21(水) 15:46:27.55ID:/EZlTalA
「うまくいかなかったんですか?」
「前途多難なようです」
 阿々楠先生は寂しそうに苦笑した。作家の書きたいものと出版社が求めるものが食い違う場合がままある。そういうときに両者を上手にすり合わせるのも編集者の腕の見せどころだ。しかし、中には作家に有無を言わせない編集者もいる。阿々楠先生は若いのでそんな目に遭っているのかもしれない。
 鈴子は言うべき言葉を見つけられず、ただ黙礼すると、給湯室にお盆を下げに行った。
 戻ってくるときに阿々楠先生がぶつぶつ言いつつ応募作を読むのを見て、鈴子は笑いをこらえながら自分の席に腰をおろした。ふんっと鼻から息を吐いて気合いを入れる。読まなければならない作品は、まだまだたくさんあるのだ。

 阿々楠先生は最初こそ、うーん、とか、マジかー、などと唸っていたが、やがてやっぱり静かになり、最後には溢れる涙を拭ったのであった。
 その後すぐ阿々楠先生は帰っていった。なんだか元気が出たようである。応募作のコピーはしっかり鈴子が受け取った。
「そんなにすごいの? ちょっと見せてよ」
 デスクに戻った鈴子の手にした問題の応募作を、島の向かいの席からひょいとさらっていったのは、桃ちゃんこと坂下桃子《さかしたももこ》である。
 桃ちゃんは大きい。身長は鈴子よりちょっと高いだけなので百五十五センチくらい。横に大きいのだ。桃ちゃんの肩を横から押せば、くるんと回ってまた元通り立つんじゃないかと思うほどである。年齢は鈴子よりふたつ上だが、ほとんどの編集者は桃ちゃん≠ニ呼んでいた。鈴子も例外ではない。
「あ、ちょっと、桃ちゃん」
「いーじゃん。あたしの分はあまりピンとくるのなくてさぁ」
 そう言って桃ちゃんはどっかりとチェアにお尻を落とした。桃ちゃんも新人賞応募作の下読みを何作か当てられているのだ。ぎしりとチェアが悲鳴をあげた。
「ま、いっか」
 鈴子は次の応募作をデスクに置いて、背筋を伸ばすと鼻から息をふんっと吐いた。鈴子なりの下読みの際の儀式である。精神を集中させるのだ。ゆっくりと一ページ目をめくる。数行を読んだ鈴子の目が大きく見開かれた。
 桃ちゃんが向かいで「うわー、なんだこりゃ」と言うのも耳に入らない。
「こ、これはすごい――」
 鈴子は夢中でページを繰った。
 最後のページを読み終えてページをもどすと、鈴子はチェアに背を預け両の腕を組んだ。その顔に浮かぶのは戸惑いだった。眉尻が下がっている。
 ふと顔を上げると桃ちゃんがぽろぽろと涙をこぼしていた。
「どうだった?」
「泣けるわー。でも、これを通すのはなんというか抵抗あるねぇ」
 桃ちゃんが鼻の下にティッシュを当てて言った。やっぱりぶつぶつ言いながら読み進め、黙って、ほろりときたのだろう。そのまま出版しても話題になるのではなかろうか、などと考えたが今はこの新しい難題だ。
「なんだかまた難しい顔をしてるな。今度はなんだ?」
「あ、花代さん」
 すぐ後ろに花代が立っていた。
「今度のはですね、素晴らしい文章です」
「ほう、いいじゃないか」
「ええ、全体が、これ美文! という感じで、特にこの――」
 鈴子は応募作のページを繰った。すぐに目的のページを見つけ、花代に渡す。
「主人公が出かけるときに下駄を履くんですけど、下駄の描写が素晴らしくて――」
「は? 下駄? 一体なにを――」
 その部分を読む花代の言葉が止まった。
「これはすごい……下駄をここまでの言葉で語るとは……それに、まるで今実際に自分が下駄を履いているようだ……」
「その下駄が、戻ってきたときにはサンダルになってるんです」
「なんで?」
「わかりません」
 鈴子はふるふると頭を振った。鈴子は「でも」と言って、応募作を取り返すとふたたびページを繰って、花代に渡した。そのページを花代が読む。
「ああ、サンダルを擬人化してこう書くと、かくも美しくなるのか……」
 花代は体を震わせた。
「そ、それでどういう話なんだ?」
 興奮冷めやらぬ様子で花代が言った。
「話らしい話はありません」
 鈴子はまっすぐ花代の目を見つめた。
「……ないの?」
「ありません」
 鈴子は力強く頷く。
「話らしい話のない話かぁ」
 花代の肩がすとんと落ちた。
 話らしい話のない小説はあまり一般受けしないのだ。ひらたく言えば――。
「売れないんだよなぁ」
 花代の言葉を聞いた鈴子は、やや強い口調で言った。
「小説は売れないとならないんですか?」
「そりゃそうだろ」
「うわ、即答ですね」
 鈴子はのけぞった。なに言ってんだ、こいつ、というような花代の視線が刺さる。
0414319
垢版 |
2018/03/21(水) 15:57:07.08ID:/EZlTalA
改行が多過ぎて書き込めなかった。4スレになります。勘弁。

「で、でも、本当にいい物を出版するのがわれわれ出版社の義務だと思います」
「じゃあなぜその本当にいい物が売れないんだ?」
「う」
「読者が求めていないものがいい物なのか? 誰も求めない物をいい物だというのは欺瞞じゃないか? いや、それはむしろ驕りだ!」
「でっ、でも!」
 鈴子は食い下がった。
「でもなんだ?」
 花代は霜がつきそうなほど冷ややかな目で鈴子を見下ろした。
「――売れるかどうかは出版してみないとわかりませんよね?」
「う」
 花代が怯んだ。鈴子の目がきらりと光る。
「売れる売れないというのは結果論です。先の見えない世間に対して自分たちがいいと思った物を問いかける、それがわたしたちの使命です! 売り上げがなんだというのです。売れなかったらなにが悪いんですか!」
「それじゃ会社が潰れるだろ」
「それは困りますね」
「だろう?」
「この間買ったバッグのローンも残ってますし」
 なんだか小さい話になってきた。
 花代は大きく息をついた。
「俺だってなにも売り上げだけが正義だと思っているわけじゃない。どうしても世に出したいという作品を、幾度も上に掛け合ってなんとか出版にこぎつけたことだってある」
「ど、どうだったんですか?」
 花代の顔に暗い陰が差した。
「あ、いいです。なんとなくわかっちゃいました」
「いいと思うものを出すのも大事だ。しかし、売り上げを度外視するわけにもいかない。会社が潰れるということの前に、作家の生活もかかっているからな」
「そうですね」
 鈴子は素直にうなずいて視線を落とした。
 作家の小説での純粋な収入は、主に原稿料と本の出版による印税である。印税は発行部数に応じて支払われる。売れて重版がかかればそれだけ印税が発生し、作家の収入が増えるのだ。反対に売れなければ執筆に集中することが難しくなるだろう。
「それで、この小説は売れると思うのか?」
 鈴子の頭にぽんと話のない小説が載せられた。鈴子はそれを受け取り、
「デビュー作では難しいかもしれません」
「ほう」
「でも何作か出したあとだといけそうな感じはしますね」
「つまり?」
「最終まで残して担当をつけ、ほかの出版社に渡さない。名前が売れたころ、この本を出す」
 鈴子はやや邪悪な顔でにやりと笑った。
「じゃあそういうことで俺から言っといてやるよ」
 花代は自分のデスクに戻っていった。
「今度はどんなの?」
 桃ちゃんがまた向かいから話らしい話のない応募作を取り上げた。ほとんど自分のデスクに乗っている。
「あっ。もうー、桃ちゃんだって割り当てあるでしょう?」
「休憩だよーん」
 桃ちゃんはどこからかおせんべいの袋を取り出していた。
「下読みの休憩にほかの応募作を読むなんて、好きだねぇ」
 と鈴子は笑った。
「それくらいじゃなきゃ編集者とかやってられないでしょ」
「まぁねぇ。あ、汚さないでよ」
「わふぁっふぇるっふぇ」
0415319
垢版 |
2018/03/21(水) 15:58:33.56ID:/EZlTalA
 わかってるって、と言った桃ちゃんを疑わしげに見ながら、鈴子はデスクに肘をついた。開いた両手に顎を載せ、
「小説家ってさぁ」
 と言った。
「ん?」
「ストーリーだけでもダメだし、文章だけでもアレだし、大変だよね」
 応募作を読んで思ったことだった。物語を紡ぐ能力と文章を編む能力があわさって小説が生まれるのだ。どちらか一方しかないと一部の例外を除いて広く読まれるものは書けないのではないか。それをひとりの人間に要求されるのだ。ほかにも人物造形力や構成力などが必要となるだろう。大変だ。
「なにを今さら」
「でもほかのエンタメ作品なら分業みたいなことができるじゃない? 漫画なら原作と作画が分かれてるのって結構あるでしょう?」
「そうだね」
 桃ちゃんはおせんべいをぱきんと噛み割った。
「小説じゃそういうの、ないよね?」
「なくはないけど、あまり聞かないね」
「出来ないのかな?」
「ひょうふぇ」
 と言いかけて、桃ちゃんはおせんべいをごくんと飲み込んだ。
「小説のさ、ストーリーと文体って重なってると思うんだよね。その文章じゃなきゃ物語が成立しない、みたいな。だからきっと、原作と文章を分けちゃったら面白いものができない」
「そっかあ」
「多分ね。それに――」
 桃ちゃんは真面目な顔で鈴子の目をのぞき込んだ。鈴子の喉がごくりと鳴った。
「な、なに?」
「収入が半分になっちゃうじゃん!」
 破顔大笑する桃ちゃんだった。
「もう! 夢のない話! わたしも休憩!」
 鈴子はデスクに両手をついて勢いよく立ち上がった。
 そりゃあ悪うござんしたね、と笑う桃ちゃんを残して鈴子は給湯室に向かった。
0416創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/21(水) 16:50:23.52ID:6GXk0k5z
率直にいって、前回までの投稿は面白かったけど、今回はどうかな……。
パロディ的な面白さはないし、ありきたりだよね、やりとりが。
下手だけど泣かせる、上手いけど筋がない、良いけど売れない、とかさ。
書き方も前回みたいでよかったんじゃない?
きっと一番大きいのは書き方を変えたことだと思うな。
0417創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/21(水) 16:51:23.46ID:6GXk0k5z
「瑕疵」なんて表現は、編集の現場では使わないでしょ?
欠点という意味があるからといって、これってどちらかというと法概念用語だよね。
瑕疵担保責任とかさ。
それに、たかが編集者を「文章のプロ」とはいわんだろ。とくに当の編集者は尚更使わんだろ。
そんな編集者がいたとしたら、そいつは単なる「威張り」だろ。
あくまで「文章のプロ」は作家だよ。建前上でも。
社内にいるとすれば、それは編集者ではなく、校閲係が「文章のプロ」的な存在といえるかな。
黒豹出版では違うのだろうがw なんか読んでいてリアリティは削がれるのは、こんな細部の違和感だよ。
0418創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/21(水) 17:06:07.93ID:6GXk0k5z
あっ、続きがあったw
そうか、思い出した、バディ物のパロディだったから勢いがあってよかったんだな。
今回は編集部とかでありがちな、ダラダラ働くとかいう感じがよく出てけど、バディ物的要素はなかったね。
まあ創作論を読ませようとするテキストを、バディ物的に読もうとして文句いっていたことになるかなw
つうことは、まるっきりスレチだったかしら。
0419創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/21(水) 17:12:39.15ID:Tt97xsTw
売れる売れない、いい小説とは何か、ここに書かれているほど単純な話じゃないよね。編集だってこんな単純に選り分けているわけじゃない。失礼だよ。
百田の糞小説の劣化版みたい。
0420319
垢版 |
2018/03/22(木) 08:08:52.02ID:Eqjle/I4
>>416
ありがとうございます。

戯曲的な書き方はそれはそれで結構しんどいのです。やっぱり説明や描写はしたいのです。
え? なんちゃって古文風のやつですか? あれで新人賞の説明をしようとして気が遠くなりました。
それでも今回の後半は戯曲的かもです。というか……。

>>417
「文章の瑕疵」という表現をどこかで見た気がするのです。それで「なるほど!」と思った気がするのです。
「欠点」というと、なんだか書き方の悪い癖のような感じですが、「瑕疵」だと誤字脱字やてにをはの間違いや書き方の悪い癖などを全部含むような感じです。
あと、一般的に使われていると思います。

編集者は「文章のプロ」だと思います。校閲も文章のプロ。作家は文章のプロという言葉では足らないような感じですね。
それぞれの役割というか、分野が違うというか。
プロという言葉をどう捉えるかにも関わってきますね。
とはいえご指摘のような違和感を覚える方もいるでしょうから、「読むことにかけては文章のプロ」とかにするのがよさそうですね。

リアリティ……求められていたんですか……ど、どうしよう……。

>>418
バディものを編集者でずっとやるのは難しいかなぁ。やるとしたら作家を交えたトリオで取材に行って、そこで……みたいな感じですかね。
目指すのは、シチュエーションコメディ、というかギャグマンガみたいなもの? 脱力系で。
今回は別ジャンルのパロディですかね。
創作論的なもの(というほどのものじゃないですが)はなんというか、雰囲気?
どんどん文句言ってください!
0421319
垢版 |
2018/03/22(木) 08:20:46.70ID:aOgRfD/S
>>419
ありがとうございます。

やっぱり中途半端というか、なんだこれ? みたいな感じですよね。
もっとふたりにポリシーをしっかり持たせるか、ジレンマを抱えたまま次の展開にもっていくか、そもそもなにも書かないか、ですかね。
削ったり付け足したり、いろいろしながら、なんかあまりに語りすぎるのも面白くならないかなぁと、変な切り方をしてしまいました。反省です。

書くなら、売り上げ度外視でも、売れりゃあなんでもいいんだよ! でもないふたりになると思います。当たり前か。
0422創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/22(木) 09:29:04.84ID:h67Jant1
>>412

>黒豹出版は、東京都○○区に八階建ての本社ビルを構える中堅出版社である。
>本社ビルといえば聞こえはいいが、竣工からかなりの年数が経っており、鈴子などは出社の折にそのビルを見上げては、
>「やっぱりちょっと傾いてる気がするなぁ」
>とつぶやくのが常だった。鈴子の配属されている文芸部は六階にある。

「詳細な説明」から「印象を語る台詞」へと移る順番に二度手間の冗長さを感じた
ここは、最初に「印象を語る台詞」で読者の興味を引いて、
「詳細な説明」に入った方がスムーズでは

>黒豹出版では年に一度、一般から広く小説を募集する新人賞を設けていた。有望な作家を発掘するためである。つい先日、その募集が締め切られ、選考作業に入っていた。
>鈴子ら若手編集者は、その一次選考の下読みという作業に当てられていた。応募作品を読み、いいと思った作品を次の選考段階へと送るのである。
>実力のある新人を発掘するとともに、力のおよばない者には引導を渡すことになる。楽しくもあり、また辛くもある仕事だった。

結末までの概要が全て語られている
読者に先を予測させ、展開の驚きを削る

>ある程度の瑕疵ならば校正、書き直しを経て出版にこぎつけることは可能である。だが、この文章はどうか。ある程度どころではないのだ。
>編集者らが一言一句ああしろこうしろと言ってそれなりのものにすることはできるだろうが、それでは作品はこの作者のものではなくなってしまう。
>ちょっと前なら編集者自身が手を入れることもあっただろうが、今は時代が違う。少なくとも黒豹出版ではそうだ。この作者は書き直せるだろうか?
>鈴子は答えを出しかねていた。

同じく全容の繰り返し

>おだやかな声に鈴子は顔を上げた。にこやかに微笑む若い男がすぐそばに立っていた。鈴子よりはるかに若い。

ややくどい
年齢差は鈴子の喋り方で分かるし、後で早熟とも表現される
キャラクターが登場する場面なので、想像させる余地を残しても面白いと思った

>「これはすごい……下駄をここまでの言葉で語るとは……それに、まるで今実際に自分が下駄を履いているようだ……」

楽しい

全体
神目線とのことだが、地の文で語り過ぎに見えるところが多かった
キャラクターはシンプルに描き分けられているが、
地の文との連携でミスしてテンポが悪いところがある
大筋として、「ストーリーは良いのに文章が稚拙な小説」「美文なのにストーリーが破綻している小説」の二項対立がある
それぞれについて「エピソード」や「言い合い」がもっと欲しい
作家にはどうにも得手不得手があって、それでも背負っていくしかないね、
という重みを話の中で増していくと最後の余韻は強くなるのでは
0423創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/22(木) 10:18:29.38ID:1B5kwAwy
人物を描くのが上手い。
花代と鈴子の話をもっと読みたいと思った。
業界ものは細部が肝要かと思います。
真実かどうかより、納得し得るものがあるかどうか。
内輪の要素があるので客観的にはなれないが、個人的にはこのシリーズのファンです。
あとは、内輪から脱したときに十分に楽しめるほど人物を描けるか、そういう部分になるかと思います。

でも、自作も内輪でお願いしますw
次は誰が登場するか、楽しみです。
0424創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/22(木) 10:50:58.99ID:MunEt03c
>>420
リアティティでいえば「黒豹出版リミッテッド」で行くなら止めないけどさw
そんなことより、
>戯曲的な書き方
>今回の後半は戯曲的かもです
こういう理解の仕方の方が気になるよ。
会話「」ばっかりだから戯曲的とか、地の文がほぼないから戯曲的とか。
そんな言い草は「なろう」のテンプレか、カルチャーセンターの第一回目の授業で教える程度の方便だろ。
エッセイ風だ、とかもそうだ。
しかし、小説と戯曲なんかはまったく別のものだろ。
ほぼ会話「」しかなかろうが、地の文がなかろうが、小説になっているものは小説なんだよ。
そのへんのところをちゃんと考えないと、今回の投稿テキスト書いてて、あれ? なんでこうなっちゃったんだ? 
と思ったりしなかったか?
0425319
垢版 |
2018/03/22(木) 11:43:39.37ID:aOgRfD/S
あ、これ、終わってません。すみません。

>>422
○出版社の説明のこと

 なるほど! と思ったんですけど、この場面は前の話からダイレクトに続いてるのでセリフが最初だと違うシーンに思われそうです。
 でも面白いと思うので、なんちゃって古文風の頭に入れたいですね。おんぼろ社屋は書いておきたいことなのです。
 そもそもなぜここで説明するのかってハナシですね。前書いてなかったせいです。

○新人賞の説明、瑕疵うんぬんのこと

 紛らわしいところで切ってすみません。

○若いがくどいこと

 確かにですね。まとめるか、削るか。

○下駄のところのこと

 ありがとうございます。

○全体のこと。

 うう、テンポ難しいですね。
 エピソード、言い合いで、小説のことだけの話しの方がよかったかなぁ。

>>423
ありがとうございます。
そろそろネタ切れです。あの人を書いたら怒りそうだし。
0426319
垢版 |
2018/03/22(木) 12:03:23.12ID:aOgRfD/S
>>424
戯曲というか、シナリオを意識して最初のは書きました。
柱があって、セリフがあって、ト書きがあって、内面描写はないもの。
柱をト書きに混ぜたり、ちょっとは説明を入れたりしましたけど、そういう風に書きました。
それで思ったことは色々ありますが、長くなりそうですので割愛します。
ト書きはシナリオなどではもっと少ないものかもしれませんが、ト書き的なものを書くのが好きなので。
ト書き的なものという言い方も変なのかもしれませんが、わかりやすいというかそんな感じで使ってます。

戯曲的と書いた理由は秘密です。
0427319
垢版 |
2018/03/22(木) 12:08:55.46ID:aOgRfD/S
>>424
あー! すみません!
ありがとうございます!
0428319
垢版 |
2018/03/22(木) 12:39:44.13ID:aOgRfD/S
もうちょっと時間を置くつもりでしたが、次を投げます。4レス。
字下げしてないところは改行してないところです。

 コーヒーメーカーのものは煮詰まっているし、自分のためにドリップするのは面倒だった鈴子は、インスタントコーヒーの瓶を取るとマグカップにふたさじ入れた。ミネラルウォーターをちょっとだけ入れるとスプーンでかき混ぜる。こうしてからお湯を注ぐとインスタントコーヒーでも美味しくなるのだ。テレビで得た知識であった。
「鈴ちゃあん」
 すぐ後ろから気持ち悪い猫なで声が響いた。
「うわあ!」
 鈴子は驚いて、危うくカップを落としそうになった。
 あわてて振り返ると、思った通りの人物がそこにいた。
 編集者の朱川《あけがわ》である。明るい茶色のジャケットに真っ赤なシャツ、ビンテージ風ジーンズである。本物のビンテージではないのは桃ちゃんが見破ったのだが、本人はそれを気づいていない。文芸部は服装規定はあまり厳しくないのだが、それでも朱川はちょっと浮いていた。あまり似合ってもいない。
 鈴子などはそういう服装を好まないのだが、花代はそんなことはなく、むしろかばうようなところがある。鈴子はその理由を知っていた。
 あまりに花代の机が散らかっていたときに勝手に片付けたことがあり、その際に写真を見つけてしまったのだ。朱川より派手な格好の花代が写っていた。今では地味なスーツばかりの花代だが、若いころは自身も朱川のような格好をしていたのだ。かばうのもさもありなん、である。
 笑っているところを花代に見つかってこっぴどく怒られてからは、もう鈴子は他人のデスク触ることはない。散らかっているようでいて、本人にはなにがどこにあるかわかっているのだ。だいたい勝手に触るなど失礼である。
「びっくりさせないでください」
 鈴子は胸元に手を当てて言った。
「おや、俺に会ってどきどきしてるね?」
「驚いたからです」
 鈴子が朱川を好まないのは服装や、にやにやした軽薄な態度や、それほど親しくはないのに鈴ちゃんなどと呼ばれることのほかにも理由があった。
「またまたぁ。それはそうと、例のこと、考えてくれないかなぁ?」
 例のこと――。
 鈴子が担当する作家のうち、ふたりがメガヒットを飛ばした。黒豹出版創業以来となる大当たりだ。鈴子がすごいことをしたというわけでもない。構想段階で感想を聞かれたり草稿を見せられたときに思ったことを言っただけだ、と鈴子は思っていた。
自分ごときが言ったことが参考になるのかと考えていたくらいである。すべては作家の力なのだと思うから得意になることもなかった。それでも人気のある作家の担当というのは嬉しかったし、一緒に仕事をするのが楽しかった。だが――。
 朱川は、その担当を変わって欲しいと言ってくるのだ。そもそも担当というのは編集者同士でやりとりできるものではない。業務命令によってなされるものだ。作家が、編集者と馬が合わず変更を申し出てくる場合はあっても、編集者から変わりたいなどと言うことはできない。作家と出版社との関係にもひびが入りかねないことだ。
「何度言わせるんですか。無理なことは無理です」
 鈴子はカップに電気ポットからお湯を注ぎながら言った。かき混ぜ具合は足らなかったが、一刻も早くここから去りたいと思っていた。
「そこをなんとかさぁ。怒らせるようなことをしたりとか」
 朱川がにやにやと笑いながら言った言葉に、鈴子はかっとなった。作家と編集者の、いや、人間同士の関係をなんだと思っているのか。コーヒーをぶっかけてやろうかと思ったが、かろうじて残っていた冷静な部分がそれをとめた。
コーヒーは熱い。朱川は火傷するだろう。そうなると悪いのは鈴子だ。傷害罪だ。さらに火傷の痕が顔に残ったりしたらいくら賠償金を取られるかわからない。バッグのローンもまだ残っているのだ。落ち着いてきた。
「馬鹿! なことを言わないでください」
 鈴子は朱川の顔を見ずに給湯室を出た。
0429319
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2018/03/22(木) 12:41:58.15ID:aOgRfD/S
 鈴子がぷりぷりしながら自分のデスクへ戻っていくと、花代のデスクの前に真っ黒なスーツを着た男が立っていた。後ろ姿なので誰かはわからない。
 お葬式の帰りかな?
 デスクのそばまで来ると、桃ちゃんが今度はナッツをぽりぽりやりながら原稿を読んでいるのに気がついた。けしからん! あとで分けてもらおう。
 鈴子がデスクにコーヒーカップを置くと、黒いスーツの男が振り向いた。
「やあ、鈴木さん」
 さわやかに微笑むイケメンは欅道《けやきみち》先生であった。この人こそ、鈴子の担当するメガヒット作家のひとりだ。ハーレムハードボイルド小説が老若男女問わずうけて、シリーズ第三巻が先月刊行されたばかりだった。四巻は現在執筆中で締め切りはまだ先だ。ほかに依頼しているものはないはずだった。
 ちなみにもうひとりは、超メガヒットを放ったロム猫先生である。本屋大賞でふっちぎりの一位、ミステリーではないのにこのミス大賞で二位だったのだ。苦情は皆無だという。ロム猫先生はすごい人だったのである。バディものを知らなかったが。
「こんにちは、欅道先生。今日はどういった用向きですか?」
 鈴子は近づきながら言った。
「夕方からコンサートがあってね」
 欅道先生はさわやかに白い歯を見せると某アイドルグループの名前を言った。
「夕方からなんだけど、ここから近いのでみなさんのお顔を拝見にあがりました」
「あー、そうですか」
 鈴子の顔から表情が消える。
 いい歳してなんであんな小娘どもを鼻の下伸ばして見にいくかなー。
 もちろん本人にそんなことは言わないが、顔には出た。
「どなたといらっしゃるんですか? まさかおひとりじゃ――」
 鈴子が言葉を途中で切ったのは、花代の体がびくっと震えたからだ。デスクの向こうに立っていた花代は、鈴子と目が合うとロボットのようにぎこちなく視線を外した。
「まさか花代さん――」
「いや、どうしてもって言うから――」
「花代さんがですよ」
 にこにこしながら欅道先生が言った。
「どういうことですか! 来年は惑わなくなる歳でしょう!」
「ら、来年じゃない、再来年だ!」
「あんまり変わりませんよ! いいおっさんが若い女の子のお尻を追い回すような真似して恥ずかしくないんですか!」
「ちょ、ちょっと恥ずかしいけど鈴木には関係ないだろ!」
「まぁそうですけどね!」
「いいじゃないですか。花代さんだってたまには若い娘《こ》で目の保養をしないと」
「若くなくてすみませんねぇ!」
 うっかり欅道に鈴子が噛みついたとき――。
「うぐあっ!」
 背後であがった尋常ではないその響きに驚いて振り返った。オフィス中央付近の島のデスクから、明るい茶色のジャケットを着た人物がフロアに崩れ落ちるところだった。朱川だ。
 オフィスにいた十人ほどは動かなかった。なにが起きているかわからず動けなかった。
 朱川は背中を丸めてフロアに横たわり、弱々しくうめいていた。その口からは、緑色の泡が吹きこぼれていたが――うめき声がやんだ。
「あ、朱川さん……?」
 近くにいた若い男性編集者がおそるおそる朱川に近づいていく。
「触らないで!」
 鋭い声が響きわたった。欅道先生だ。若い編集者はびくっと体を震わせると動きを止めた。
「もう……死んでいます……」
 厳しい顔で欅道先生が言った。
 オフィスの空気が凍りついた。
「うう……」
 朱川がか細い声を上げた。
「生きてるじゃないですか!」
 鈴子が叫ぶ。
「あ、あれ……?」
 欅道先生は首をかしげた。
「救急車!」
「AEDはどこだ!」
「そんなの置いてましたっけ?」
「一一九番って何番!?」
 黒豹出版文芸部は怒号とお約束に満ちあふれた。
0430319
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2018/03/22(木) 12:44:35.88ID:aOgRfD/S
 救急隊員が朱川を担架で運び出すのを、鈴子は花代のデスクのそばで見送っていた。朱川は意識はないものの、息はあるようだ。
「朱川さん、大丈夫ですかね?」
 鈴子は誰にともなく言った。答える声はなかった。
「口から吐いていたものを見たか?」
 ややあって花代が言った。さすがにいくぶん顔が青ざめている。
「緑色の泡でしたね」
 鈴子が花代を見つめた。
「あんなものは初めて見ましたねぇ。いったいどういうことでしょうか」
 そう言うと、欅道は朱川が倒れていた場所に歩いていった。まだフロアはそのままで、朱川の口からこぼれたものが残っている。鈴子らも欅道のあとをついていった。
 欅道は泡の痕のそばにしゃがむと、顔を近づけた。
「む、アーモンドの香りがします」
「アーモンド!?」
 鈴子は思わず声を上げた。こういう状況でアーモンドの香りといえば、青酸カリだろう。殺人未遂事件か!? このまま朱川が帰らぬ人になってしまえば――。
 ん、待てよ? と鈴子は振り返り、そこにナッツを噛み砕く桃ちゃんを発見した。手に持った袋にはまぎれもなくアーモンドの文字。
 においの正体はこれか!
「桃ちゃぁん、ややこしいこと、しないでよぅ」
「え、なにが?」
 桃ちゃんはきょとんとした顔で言った。
「んーん、なんでもない」
 鈴子はこっそりため息をつくと、
「アーモンド臭は事件と無関係です」
 と欅道に向きなおった。
「そっか」
 欅道は気にした様子もなく立ち上がると、朱川のデスクの上に目をやった。
「しかし、これは病気で倒れたというわけではなさそうです」
 欅道はくるりと鈴子らに体を向けた。
「これは殺人事件です」
 再びオフィスに緊張が張りつめた。
「ま――」
 鈴子は喘ぐように声を出した。
「――まだ死んでいません」
「まだ≠ニか言うな」
 花代が鈴子に体をぶつけた。
「あ、すみません! 朱川さんは死んだりしません!」
 いくら嫌な相手だといっても、死ねばいいとは思ったことはないことはないにしても、死んでいいという法はない。
「朱川さんというんですか。まあ生死は問題ではありません」
 いやいやあるだろう、と心のなかでツッコんだのはひとりやふたりではなかったが、誰も言葉にすることはなかった。
 欅道は朱川のデスクに歩みより、そこに置かれた白いマグカップを上から覗き込んだ。
「これが緑の泡の正体ですね」
 床の泡を踏まないように鈴子らはデスクに近寄り、同じようにマグカップをのぞき見る。そこには緑色の液体が入っていた。なんだかどろっとしているようで、カップのふちから二センチほどのところまで満たされている。その上一センチほどまで入っていたように、うっすらと緑色の痕があった。ふちの一カ所が汚れているのは飲んだからだろう。
「なんだこりゃ」
 花代が言った。野菜ジュースにしてはとろみがあり過ぎるようだ。
「あ、それは十日ほど前から持ってくるようになった、なんでも彼女の手製の飲み物のようです」
 朱川の隣の席の、近づこうとして止められた若い男性編集者がおそるおそる近づいてきて言った。田所という名前だ。
「彼女ですか。どんな方かご存じですか?」
 欅道が言った。
「いえ――そう言えば、はっきり彼女とは言ってなかったかな? なんとなくそう仄めかすような言い方だったかも」
「ふむ」
 欅道は考えこむようにこぶしを顎に当てた。
「これはいったいなんなんですか?」
 鈴子が田所に言った。田所は短く切ったくせっ毛をごしごしと撫でつけながら、
「たしか、野菜と海草と梅干しだったかな」
「うえ、まずそう」
 と言ったのは桃ちゃんである。鈴子と花代も顔をしかめた。
0431319
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2018/03/22(木) 12:48:18.54ID:aOgRfD/S
改行なしで続いています

「桃ちゃんはもっと野菜を摂った方がいいよ」
「え、どういう意味?」
「い、言った通りの意味だよ。いつもランチで野菜を残すじゃん」
「いーや、今の言い方は他意があった。どういうことが言ってごらん? お姉さん怒らないから」
「ウソだよ。○○って言ったら怒るでしょ」
「○○って言うな! ぽっちゃりと言え!」
「ほーら、やっぱり――」
「うるさい!」
 花代が怒鳴った。
「おまえら、人が倒れてその原因を欅道先生が探ろうとしてるのになにをつまらないことを言ってるんだ! だいたいいつもおまえらは――」
「花代さん、静かにしてください」
 欅道先生が顎に手を当てたまま言った。えぇー、俺かよ? とぼやく花代であった。
「謎は解けました」
 欅道先生が静かに言った。おおっ、とオフィスに声が上がる。
「先生! 真相はどういうことなんですか!?」
 鈴子は勢いこんで言った。
「このジュースが手作りだとすれば、常温ではそんなに長持ちしないはずです。そして、マグカップに注がれていますが、このまま持ってくるはずはありません。なにか他の容器に入れて持ってきているはずです。その容器は――」
 欅道先生はオフィスのみなをゆっくり見回し、
「――冷蔵庫にある」
 と言った。オフィスに沈黙が流れた。欅道先生の次の言葉を待つがなにも言わない。やがて鈴子が、
「そ、それで?」
「いや、それだけです」
「なんの謎が解けたって言うんだよお!」
「あわわ、桃ちゃん、ダメ! 落ち着いて!」
 欅道先生に詰め寄ろうとする桃ちゃんを、鈴子が体を張って止めて下手《したて》を取った。
 オフィスに漂うがっかり感をどう著《あらわ》せばいいだろうか。しかし、欅道先生は気にしない。
「冷蔵庫はどこにありますか?」
「給湯室ですね」
 花代が答えた。
「給湯室に入ったものが犯人です」
 欅道先生の言葉にみなは息を飲んだ。
「せ、先生、ほとんどの人が給湯室に入ります!」
 桃ちゃんと組み合ったままの鈴子が言った。いつの間にか、がっぷり四つになっている。
「ではもっと詳しい話を聞かせてください」
 すました顔で欅道先生は言った。
0432創る名無しに見る名無し
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2018/03/22(木) 20:40:38.63ID:wnCOF10Q
>>412-
毎度思うが、会話の合間の
--〇〇は言った。〇〇は○○した--が多すぎで、文章が非常に安っぽく見える。
加えて、ほとんどない地の文が、説明でしかない。
説明するんじゃなく描写しなくちゃいけない。それも安っぽくて下手に見える原因。
0433創る名無しに見る名無し
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2018/03/22(木) 20:54:47.50ID:wnCOF10Q
>>411
毎度のことだけど、それほど書き込みのない板なのに今回も
書き込みの三分後に、「楽しみ」とか自演臭く見えるんだが?w
0434創る名無しに見る名無し
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2018/03/22(木) 23:23:14.52ID:vPsgSnFT
楽しみなのは仕方ない
いちいち自演てそれはないだろ
0435創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/22(木) 23:25:03.33ID:wnCOF10Q
それにしても会話が多いと文字数多くても内容が薄くて
冗談半分で書いてるネタにしか見えないのが痛い。

ちなみに青酸系の毒物によるアーモンド臭ってのは
お菓子等の炒った後のアーモンドの甘いにおいとはちょっと違っていて
収穫前のアーモンドの甘酸っぱい香りでかなり違うものなんだよ
なのでアーモンドの袋ってネタにしか使えない。
0436創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/22(木) 23:29:00.35ID:wnCOF10Q
>>434
昼の三時に書き込んだすぐに三分で「楽しみ」ってレスがあると疑ってしまう。
こういう閑古鳥が鳴く様な板でそれはないわ。
もう少し遅らせてレスすべきw
0437創る名無しに見る名無し
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2018/03/22(木) 23:34:04.45ID:vPsgSnFT
ごめん、たまたまなんだ。
過疎スレかもしれんが、常連には関係ないから。
0438創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/22(木) 23:58:03.46ID:MunEt03c
>>428 -431

殺人事件? を起こして、謎解きに持っていったあたりから俄然面白みがでたきたね!
でも、なんでも知っているナレーションとミステリーは馴染まないよ。
あなたのテキストが「神視点」かどうかはしらんがw こういう書き方では「謎」を読者と共有できないから。
どんどん書ける、ってのはかなりのアドバンテージだよね、とくにエンタメ系は。
だから一度ちゃんと小説の書き方をマスターしておかないともったいないよ。
いまはなんか行き当たりばったりの書き方だろ?
 
0439創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/23(金) 00:30:41.29ID:mOlhRZhm
>>319氏は小説を書く基本がなってないよな。
せっかく皆がアドバイスしても、当の本人は褒められないと気が済まないようで
いいアドバイスされても食って掛かって、受け付けないし
それでは、一向に上達もしないな。
あまり考えもしないで、行き当たりばったりネタで書いたような文章を
褒められたいだけで投稿するのなら、他のスレに投稿すればいいのに。
ここは、文章を酷評してもらって(自分じゃ気づかなかったアドバイスをもらって)
文章を書く腕を上げたい人たちのスレだと思うんだけどな。
真摯に聞く耳持った者が、うまくなれる。
0440創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/23(金) 00:48:03.67ID:mOlhRZhm
わざと戯曲っぽく書いてるとかいう言いも痛々しいし。
過去の投稿作でも、内容によって変えるわけでもなく
ずっとそういう書き方しかできてないのに。
しかも戯曲としても、ダメ出ししようとすれば全面改稿したくなるほど、異常に稚拙だし。
へたくそな文章が少しでもうまくなりたければ、もうちょっとはアドバイスを聞く耳持ったほうがいい、と思う。
0441創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/23(金) 00:54:19.89ID:mOlhRZhm
間違わないようにしてほしいのは、非難や中傷で書いてるんじゃなく、
せっかくこういうスレに投稿するんだから、向上心があると見込んで、
本人の上達を願っての書き込みなので、間違わないように。
0442創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/23(金) 02:25:20.86ID:5nOZHbJh
自分は>>438を書いた者だけど、行き当たりばったりと言ったのは内容ではなくて、話法のことね。
念のため。(まあ各フェーズによって書き分けている自由さがあるともいえるけど)
あなたの言い方では「視点」のことだけど。
その意味では>>430の文章が話法的に一番しっくりくるわ。
一番ト書き的だけど、物語内容にもっとも相応しいのは430だと思うよ。
全編、430みたいだったらもっと面白かったと思うよ。
430みたいに、というのは会話だけでいい、とかいう意味じゃなくて、話法のことだよ。
0444創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/23(金) 03:34:22.47ID:5nOZHbJh
日付変わるとID変わるぞw
あとはこのスレは横スレは無価値w
作家がスルーしたレスは死にレスw
0446創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/23(金) 03:53:33.17ID:mOlhRZhm
まあ、横レスでもなんでも、>>428-431が、へたくそなのは間違いない。
どこをどう変えれば出来が良くなるか指摘してやってもいいが、全編にわたって多すぎてめんどくさい。
0447創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/23(金) 04:04:41.65ID:mOlhRZhm
誰かも言ってるように、ト書きが出来の悪い説明文にしかなってないのが良くないな。

鈴子が言った。花代が答えた。だれそれは頷きました。だれそれが言うと……

うーん、下手すぎる。
0448創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/23(金) 08:54:42.52ID:ep3TwLWo
私はかなり上手いと思う。
何より大事なのは「書く内容が存在する」ことだ。
純文学の名を借りて内容のない小学生の作文を書いてるプロもいる中で
これは一線を画している。
0449319
垢版 |
2018/03/23(金) 10:18:34.37ID:PT3oClZQ
読んでいただきありがとうございます。

そんなひどく噛みついたかなぁ、と思って考えてみたら、ちょっと前の長文のことですかね。
あれは自分擁護ではなく、あまりにもひどい内容に万が一信じてしまう人がいたら大変だと思って書きました。

そもそも「1」の書き方については、誰かが「戯曲だ」と言ったことについて、ロム猫さんが課題の内容と文字数を言ってくれたので、ほとんどの人は「なるほどー」とか思ってくれたと思うんですね。
しかし、超短編の書き方として「1」がいいかと言えば決してそんなことはなく、むしろ悪見本です。ただキャラクターものだとかネタものだとかもあって他の人はスルーしてきた。

ところが彼は空気が読めなかったのです。「ネタとしか思えない」と言われてわたしがどれだけ戦慄したか――とても言葉ではあらわせません。今でもあの時のことを思い出すと――ああ! って、なに調やねん、といった感じですが、とにかく彼はアドバイスしてくれました。

一般的な書き方としても首を傾げざるを得ないような謎理論とわかりにくい書き方で。どこかネットで拾ってきたようなものを独自の解釈でヘンテコにして紹介しました。それで反論をしたわけです。

さて、レスについては全部に返レスすべきと考えていましたが、どうやらスルーすることもできるようなので、いくつかのものについてはスルーします。

>>434
ありがとうございます。
あまりに早くてびっくりしましたw
これも自演と思われるかもしれませんが当事者がわかっていればOKですよね。

>>435
アーモンドの情報ありがとうございます。
ネタっていうのは自分が思うものとは違う意味ですかね?

>>438
>>442
ありがとうございます。
内面描写的なアレですかね? 確かにキャラの内面をどこまで書くかはっきり決めてなくて、ちぐはぐ感はありますね。
地の文の語尾(?)なら、時間を置いたり長いレス書いたりすると変わったりします。ちょっとは変えたのですが、もっと統一すべきでしたね。

> いやいやあるだろう、と心のなかでツッコんだのはひとりやふたりではなかったが、誰も言葉にすることはなかった。
このへんが神視点。

>>448
ありがとうございます。
内容はあまりありませんw

さて、まだ続くのか! という感じですが、4スレ分ごめんなさい。
0450319
垢版 |
2018/03/23(金) 10:22:33.37ID:PT3oClZQ
 聞き取り調査でわかったことは、朱川は十時と昼食後と三時に例のドリンクを飲むこと、今日は朝からどこにも出かけてはいないこと、恨みをあちこちで買いそうだということ、恋人といわれる存在を誰も知らないこと、であった。
 欅道先生は、何者かが冷蔵庫の中のドリンクに毒物を混入したに違いないと言う。
「やっぱり彼女≠ェ怪しいんじゃない?」
「そんな、自分がすぐ犯人とわかるようなことするかよ」
「じゃあ内部の犯行ってこと?」
「うちの社員にそんなことをする者はおらん!」
「しかし、部外者が給湯室に入るなんてあり得ませんよ」
「じゃあやったのかな」
「お腹減ったなぁ」
「給湯室に誰が行くかなんて注意して見てないからねぇ」
「そもそも毒を入れたかどうかはわからないだろう」
「冷蔵庫にあるやつを飲んでみればわかりますよ?」
「やっぱり毒を入れたに違いないだろうな、うん」
 雑談モードに入った編集者たちがそれぞれ好き勝手なことを言っていると、欅道先生がおほんと咳払いしてみなの注目を集めた。
「田所さん、ランチのあとにも朱川さんはあのジュースを飲んだんですね?」
「あ、はい。いつも自分の席で飲みますから。今日も、まずそうだな、って思いましたから間違いないです」
「その時異常は?」
「特になかったと思います」
「つまり、ランチのあとから倒れるまでの間に給湯室に入った人です」
 編集長と副編集長が小さくセーフ≠フジェスチャーをした。偉い人は自分でお茶など淹れないのだ。
「あ、そう言えば」
 と言ったのは給湯室にいちばん近い席の長尾《ながお》という女性編集者だった。黒髪を後ろで束ね眼鏡をかけた地味な女性である。歳は三十半ばだ。
「三時ちょっと前に給湯室から『馬鹿!』って怒鳴る声が聞こえてきました」
「ああ、それ、わたしも聞いた」
 栗色の長い髪をゴージャスに整えた浜口《はまぐち》という女性編集者が言った。メイクも気合が入っている。歳は三十ちょっと。席は割と給湯室から近い。
「なんだか男女のもつれって感じの声だった。職場で痴話ゲンカかと思っちゃった」
「えー、そんなことがあるんですか?」
 鈴子はあきれた声で言った。朱川は女癖が悪いと聞いたことがあるような気がする。あんな男と付き合おうとする女《ひと》の気が知れない、と思った鈴子の顔を、ゴージャス浜口がじっと見つめた。
「あるんですか、って――あれは鈴ちゃんの声だったと思うけど?」
「えっ!?」
 鈴子は驚愕のあまり飛び上がった。鈴子が否定を求めて地味な長尾に視線をやると、睨むような眼差しにぶつかった。
「あれば間違いなく鈴木さんでした。声のあとすぐ怒った様子で給湯室から出てきました」
「ええっ! そんな馬鹿な――あっ!」
 鈴子は思い出した。給湯室で朱川に『馬鹿! なことを言わんどいておくれやす』と言ったのだ。ちょっと違う気もするが、最初の部分だけ外に聞こえたのだろう。
「鈴木、朱川とそういう仲だったのか……」
「花代さんまで! 違いますよ、あれは――」
 鈴子は朱川とのことを説明した。担当を変われとうるさく言ってくること、担当をはずされるようにわざと作家を怒らせるようにと言ったこと、お昼にラーメンをおごると言われて喜んでついていったら財布を忘れたと言って結局ふたり分を払わされたこと、給湯室で叫んだ言葉の意味。
「朱川め。そんなことを」
 花代が苦々しげに顔をゆがめた。
「なるほど――動機はあるわけですね」
 欅道の目がきらりと光った。
「ど、動機!」
 鈴子に朱川を殺す理由があるというのだ。
「そ、そんなことありません! そんなことで人を殺していたら、今までに何人を殺しているか! それに殺《や》るなら毒殺なんてしません!」
 おいおい、と花代がツッコんだ。
「あ、そ、そうだ! 朱川さんが一緒にいたのなら、毒を入れることなんてできないじゃないですか!」
「そのちょっと前にも給湯室に入ったよね?」
 と言ったのは地味な長尾である。
「え……?」
「わたしも見た! 結構長い時間いたよね?」
 ばっちりメイクの浜口も同調する。
「そ、それは、阿々楠先生のためにコーヒーを淹れてたからです!」
「コーヒーはコーヒーメーカーにあったでしょう?」
「煮詰まっているものなんか出せません!」
「なるほど、動機はあり、チャンスもあり、僕には煮詰まったコーヒーもなし――ですか」
0451319
垢版 |
2018/03/23(金) 10:27:08.67ID:PT3oClZQ
空行なしで続いています。

「あ、阿々楠先生といえば――」
 田所が声を上げた。
「なんだか朱川さんに新作の構想をひどくけなされたようです。朱川さん本人がちょっと得意そうに言ってました。あの人はそういうところ、ありますから」
「ふむ。阿々楠くんにも動機ありですか」
「そ、そんな! 阿々楠先生はそんなことしません! それに給湯室には行かないでしょう!」
「見たんですか?」
「え――?」
「給湯室に入っていかないところを見たんですか?」
 な、なにを言ってるんだ? 入っていないなら見えるわけがないではないか!
「そ、それは――」
「しかしまあ阿々楠くんの犯行とは考えづらいでしょう。その、新作の構想の話は今日のことなんでしょう?」
「ええ」
 田所が頷いた。
「今日のことなら阿々楠くんに毒物を準備できたとは思えませんからね」
 準備――この事件は計画的な犯行なのだ。鈴子の背中にぞくりと冷たいものが這い上がった。
「つまり鈴木さん、常日頃から被害者に恨みを抱いていたあなたが――第一容疑者なのです」
「あ……」
 鈴子を見つめるみなの視線が、背中を這い上がったもの同様に冷たかった。花代は鈴子の後ろにいたので顔は見えない。その顔がどんな表情を浮かべているのか――鈴子は見ることができなかった。鈴子の体が細かく震えた――。
 花代は半笑いで鈴子の背中を眺めていた。
「鈴木さん、正直に話すなら今のうちです。今ならまだ罪は軽い」
 欅道先生が低い声で優しく鈴子に言った。
「ひ、ひどい!」
 鈴子は片手で口元を覆うとオフィスを飛び出した。
「あ、鈴木!」
 あとを追おうとする花代の腕を欅道先生が掴む。
「け、欅道先生――」
 欅道先生はゆっくりと頭を振った。
「真実を求めるということは、時に非情なものなのです――」
 誰もなにも言わず、ただ静寂だけがオフィスを支配した。
0452319
垢版 |
2018/03/23(金) 10:36:53.76ID:PT3oClZQ
ごめんなさい、入らなかった。5レス。

 鈴子は屋上にいた。この季節――三月半ばにしては暖かい風に鈴子のやわらかな髪が踊っていた。和毛がふわりと揺れる。西の空には沈みかけた太陽が仄かに赤く、いまだ青い中天には薄い雲が流れていた。じきに暗くなるだろう。
 屋上からの街並みを鈴子は眺めた。黒豹出版の社屋より高いビルは周りにいくつもある。どれもきれいで、まるで磨きあげられたお姫さまが、つんとすまして立っているようだ。
 背の低いフェンスのそばで鈴子は――アイスモナカをぱくりとかじった。安っぽい味のやつだった。近くのコンビニで買ってきたのだ。濃厚でこってりしたものよりもこっちの方が鈴子は好きだった。
「んー、んまい」
 アイスモナカは半分ほどになっていた。
「ここにいたのか」
 声に振り返ると花代が立っていた。手にはコンビニ袋を下げている。
「探したぞ」
「すみません」
 鈴子は頭を下げた。頭を上げると、
「なんですか、その袋?」
「ああ、鈴木の好きなアイスモナカ――ってもう食べてるし」
「いくらでも入りますよ」
 無遠慮に袋に手を突っ込む鈴子を見て、花代の顔に微笑みが浮かんだ。
「疑いをかけられて落ち込んでるんじゃないかと思ったが」
「まさか! わたしはやっていませんし、無実なのは自分でわかってます。なんだか可笑しくって」
 鈴子はけらけらと笑った。
「だよな」
「でもあの場で笑うわけにもいかず、体が震えるまで我慢したんですよ。花代さんの顔を見ると大笑いしちゃいそうだったし。それでも吹き出しそうになったので逃げてきました」
「下手な演技しやがって」
 花代は苦笑する。
「いやいや、ノーベル賞級の演技でしたよ。『ひ、ひどい!』」
「ノーベル演技賞とかねーよ」
 ふたりの笑い声が空に吸いこまれていった。
「それでどうなったんですか、あのあと」
「それがなぁ、知り合いの大学の先生に調査してもらうって、マグカップと冷蔵庫の容器を欅道先生が持って帰ってしまって」
「ええっ!? 大丈夫なんですか、そんなことして!?」
「大丈夫じゃないだろうな。もう証拠能力はなくなっただろう」
 海外の犯罪科学捜査ドラマでいうと、証拠が汚染≠ウれた、というやつだ。
「ま、まぁ毒が入れられたって、はっきりしてるわけじゃありませんし……」
 しかし、病院で検査したところ、朱川の体内からは毒物が発見されたのであった。
0453319
垢版 |
2018/03/23(金) 10:40:23.07ID:PT3oClZQ
 翌日の黒豹出版文芸部オフィスには制服私服問わず、大勢の警察官が詰めかけていた。朱川は一命を取り留めた。警察では殺人未遂事件として捜査しているようだ。
「それでその飲み物はどこにあるんですか?」
 強面の刑事が言葉は丁寧だがドスの効いた声で言った。さすが本物、もの凄い迫力だ。しかし、欅道先生をショッピカレるわけにはいかない。いざとなったら差し出すしかないのだが。
「ま、まさかそんなこととは思わず、洗っちゃいました!」
 声が裏返る。なぜか鈴子が対応することになってしまっていた。
「ええ? 怪しいとは思わなかったんですか? 困るなあ!」
「は、はひ、すみません!」
 やましいことがなければ警察といえども恐れることはないのだが、やましいことがあるので超怖い。
「じゃあそのカップだけでもお貸しください!」
「え、えーと、どれだったかなぁ……」
 鈴子はふらふらと、朱川のマグカップのない°挙虫コに向かった。
「もう証拠らしいものは期待できそうにないね、荒らされちゃってるよ」
 青い作業服のような制服を着た細身の中年男性が、銀縁眼鏡をかけた背広姿の男に言った。作業服の男はキャップを後ろ前に被っている。鑑識課員だろう。靴は白いカバーで覆われていた。ほかに何人かの鑑識課員が、朱川のデスクの周りに這いつくばってなにか≠探していた。
「昨日から普通に仕事をしていたんでしょうからね。なにがあっても証拠にはならないな、こりゃ」
 銀縁眼鏡の男は腰に両手を当てて頭を振った。一見どこにでもいるサラリーマンのように見えるが、その目つきは鋭い。
「鑑識はもういいでしょう。ここからは我々の仕事です」
 銀縁眼鏡の言葉を受けて鑑識課の中年男性が、もういいぞ、と声をかけると、床を這っていた鑑識課員は立ち上がり、わずかな証拠物件らしきものを納めたビニール袋を手にオフィスを出ていった。
 銀縁眼鏡の男はオフィス内の編集者たちに鋭い視線を投げかけている。
「どうしました?」
 残っていた中年男性が銀縁眼鏡の男に声をかけた。
「なんだかね、様子がおかしいな、と思って」
 デスクで校正ゲラに目を通す振りをしていた花代にもその声は届いた。
「どういうことです?」
「うまく言えないが、殺人未遂事件があったにしては同僚たちの様子が変だ」
「そうですか?」
「これは勘だがね、刑事の勘は馬鹿にできんよ」
 花代の頬がぴくりと引きつった。
0454319
垢版 |
2018/03/23(金) 10:47:24.47ID:PT3oClZQ
また間違った! あと2。

「どーもみなさん、お疲れさまでーす!」
 編集者たちそれぞれに事情聴取をすると刑事たちが言いだしたとき、オフィスに元気な声が響きわたった。欅道先生である。後ろには車椅子に乗った朱川とそれを押す阿々楠先生がいた。
「朱川さん! もういいんですか!?」
 と鈴子は言ったものの、酸素マスクをした朱川は真っ青な顔で目はうつろ、呼吸は苦しそうだ。とてももういいとは思えない。
「なんだあんたは!?」
 鈴子が相手をした強面の刑事が欅道に詰め寄った。すごい迫力だが欅道先生は涼しい顔をしている。
「あ、こ、こちらは弊社で小説を書いていただいている欅道先生です」
 鈴子が言うと、
「えっ!」
 と大きな声を出したのは銀縁眼鏡の刑事であった。鋭かった目がなんだか潤んできらきらしていた。
「なんだよ、おまえ、知ってるのか?」
「し、知ってるもなにも――だ、大ファンです!」
 後半は欅道先生に向けて言った。抱きつきそうな勢いだ。
「やあ、そうですか。ありがとうございます」
 はっはっは、と欅道先生は余裕の高笑いである。
「ふーん、まあなんでもいいや。その作家先生がなんの用だ?」
「サ、サインをお願いします!」
「やめろ、おまえ! 捜査中だぞ!」
「その捜査ですがね――」
 欅道先生は警察手帳にさらさらとサインしながら言った。
「事件は解決しました。と言うより、そもそも事件などなかったんです」
「はあ? なに言ってんだ、おまえ?」
「ありがとうございます!」
「うるせえな!」
 銀縁眼鏡の刑事は怒声に動じずにこにこしている。
「……す、すみません……」
 息も絶え絶えの声で言ったのは朱川だった。
「……死にきれませんでした……」
 オフィスは静まりかえった。やがて、
「えっ、自殺未遂だったんですか!?」
 鈴子が言った。
「ふ、ふざけんな!」
 強面の刑事の顔が一瞬で真っ赤になった。
「会社で勤務中に服毒自殺なんてあるかっ! 不自然だろうが!」
「しかし本人がそう言ってますし」
「おまえが無理に言わせたんだろう! なあ、あんた! そうなんだろ!?」
 強面の刑事が朱川の肩に手をかけて激しく揺さぶった。うつろな目をした朱川の頭がぐらんぐらん揺れる。ちぎれて落ちそうである。
「け、刑事さん、死んじゃいます! 今度こそホントに死んじゃいます!」
 鈴子が刑事の太い腕に手をかけてやっと止めた。
「こんな茶番は俺は――」
 刑事のポケットから電子音が響いた。
「ちっ、誰だ、こんな――」
 取り出したスマートフォンの画面を見た刑事の顔色が変わった。直立不動の姿勢を取り、太い指で画面に触れた。
「はい――ええ、私です――えっ、そんな! あ、いえ――はい――」
 刑事はスマートフォンを耳に当てたまま欅道先生をにらみつけた。
「わかりましたぁ」
 不服を含んだ低い声で刑事は言うと通話を終わらせた。
「いったいなにをしやがった――」
「さあ、なんのことだか」
 欅道先生は口元に笑みを浮かべている。刑事はしばし欅道先生をにらみつけたままだったが、やがて、
「帰るぞ」
 低い声で言った。ぽやんとしている銀縁眼鏡の刑事を引っ張って強面の刑事はオフィスをあとにした。若い刑事や制服警官が慌てて追っていき、文芸部の者と作家がふたり残った。
0455319
垢版 |
2018/03/23(金) 10:53:11.41ID:PT3oClZQ
空行なしで続いています。

 しばらく誰も言葉を発しなかったが、
「いやぁ、それにしても自殺未遂だったなんて」
 田所がくせっ毛をごしごしやりながら言った。
「そんなわけないじゃないですか」
 欅道が笑った。
「えっ、違うんですか!?」
「やっぱり。ところでどうして阿々楠先生がいるんですか?」
 鈴子が阿々楠先生を指さす。阿々楠先生は困ったような顔で笑っていた。
「そりゃあ容疑者のひとりですからね。犯人当ての場所には必要でしょう」
「犯人当て!」
「そう」
 花代のデスクのまわりに編集者たちが集まっていた。昨日いなかった者もいるが、容疑者となる者はみな揃っている。
「今回の事件は大変でした。みんなに毒を入れるチャンスがあり、動機があった」
 欅道先生は後ろに手を組んで、ゆっくりと編集者たちの前を往復しながら言った。ちなみに動機とは、担当する作家や好きな作家をけなされたとかその程度である。
「鈴木さん!」
 欅道先生がビシッと鈴子を指さし、不意を突かれた鈴子はビクッと震えた。
「が怪しいと思ったんですがね」
 ふたたび後ろ手にゆっくり歩きはじめる。
「鈴木さんには動機もあり、チャンスもあった」
 本人を目の前にして動機とか言わないで欲しい、と鈴子は思った。
「しかし、彼女が犯人ではピースがぴたりとはまらないんです」
 欅道先生は足を止め、体を編集者たちに向けた。
「詳細は省きますが――」
「省くんかい」
 桃ちゃんの声がぼそりと聞こえた。
 欅道先生はゆっくりと人差し指を上げ、ある人物にぴたりと当てた。
「――犯人はあなたですね、みどり≠ウん」
 みどり≠ウんは、わっと泣き崩れた。

(終わっていないという……)
0457モニ
垢版 |
2018/03/23(金) 15:43:09.06ID:/AykrStr
モニです。また書き込めるかもしれません。またよろしくです。
0458319
垢版 |
2018/03/23(金) 20:17:48.15ID:PT3oClZQ
モニさん、お帰り!

あと3スレ。これで終わりです。長いことお騒がせしてすみませんでした。

 朱川とみどりさんは別室で話し合いを持つことになった。
 ふたりがオフィスを出たあと、ミーティングテーブルについた欅道先生を、鈴子ら編集者たちと阿々楠先生が囲んでいた。
「すごい推理でしたね、欅道先生。はい、お待ちかねの煮詰まったコーヒーです」
 鈴子がコーヒーカップを欅道先生の前に置いた。
「お、ありがとう」
「それで、詳しい推理をお聞かせ願いたいんですが」
「ええ。まずは動機なんですが、まぁなんだかんだ言いましたが、結局誰かを殺そうとするなんて男女のもつれ以外にはあまりないんです」
「身も蓋もありませんね! しかもそんなことないと思いますし!」
「しかし、そう考えるといろいろ見えてきます。特製ドリンクを作ったのは彼女≠セという話でした。そして毒物を混入させたのはこの編集者のうちの誰かです。彼女≠ニいうのはここの編集者ということになります」
「はあ、くどい説明ですけどそうですね」
「あ、そうそう。カップと容器からは毒物が検出されました。悪用されると困るので詳しくは言えませんが、充分に人を殺せる、どこででも手に入るものでした」
「そこをなんとか!」
「桃ちゃん、ダメだよ!」
「冗談よ」
「今はそんな雰囲気じゃないでしょ!」
 欅道先生はにこにこして先を続けた。
「鍵となるのは特製ドリンクです。健康にいいのかどうかは別にして変な飲み物ですね」
「ちょっと待ってください。まさかそのドリンクの――」
「そうです」
 欅道先生はにっこり微笑んだ。
「みどりさんは緑色のドリンクを自分に見立てて毎日朱川さんに飲ませようとしてたんです」
「おぇ」
「あ、急ぎの仕事があったんだ」
「下読み下読み」
 何人もがミーティングテーブルを離れていった。
「それって推理じゃありませんよね?」
「でも当たってたよ?」
 当たりゃあ推理じゃねえんだよ、と桃ちゃんが自分の席でぼそっと言った。
「それで、病院で生死の境をさまよい中の朱川さんを問い詰めたんです」
「鬼か!」
「まあ編集者イコール彼女が当たってたら聞けばわかったんだけどね。でもみどりさんの名前を出したときはめちゃ驚いてましたね。あの顔、見せたかったですよ」
 欅道先生は声を立てて笑った。もうミーティングテーブルにいるのは鈴子と花代だけだ。阿々楠先生は鈴子の席で桃ちゃんと談笑している。
「でね、詳しく話を聞いたんです。最初は言い渋ってましたけどね、弱ってたからちょっとアレすればぺらぺらしゃべりましたよ」
「アレってなんですか、アレって!」
 この人のほうがよっぽど犯罪者じゃないだろうか、と思ったりした。
「でね」
 欅道先生の顔がふっと翳った。
「ここでは言えないほどのひどいことをしていたんですよ、あの朱川って男は」
 朱川の呼び方が変わった。
「僕には、みどりさんだけが罪に問われるのは許せなかった。だから――」
「自殺を失敗したことにした――」
「それしか彼女を救う方法は思いつかなかったんです」
 欅道先生は寂しそうに笑った。
「あ、そういえばあの刑事さんへの電話! あれはなんだったんですか?」
「それは企業秘密」
 欅道先生はいつもの明るい笑顔に戻って言った。
「えー、教えてくださいよ!」
「だめだめ。僕にだって秘密はあるんです」
 欅道先生はコーヒーカップを手に取った。
「うわっ、本当に煮詰まってる!」
 顔をしかめながら笑う欅道先生を見ながら、本当はすごい人なのかしら、と鈴子は思った。
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