まだ書きかけですが、批評お願いします
短編として顛末は思い描けているのですが、それが中々文章にならず困っています

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カーテンの引かれた薄暗い部屋の中、一つのロボットがたたずんでいた。
すらりとした四肢が付いていて、虚無を見つめるその整った顔は少しの幼さを秘めている。時折、はためくカーテンから溢れる光がその黒髪をきらきらと照らしていた。
このロボットはとても緻密に出来ていた。最近一般化したヒューマノイドU-Ry型の機械的な顔に比べて、はるかに血が通っているように見える。端から見れば人間の女の子と見分けがつかないだろう。
そのロボットを愛しそうに眺めていたユリは、思い立ったようにそっとロボットの腕を撫でた。
柔らかくてハリのあるその白い肌は、ユリが記憶するサユリの肌そのものだった。
ユリは堪らなくなり、そっとロボットを抱き締めた。生体温度に保たれているロボットの表面温度がユリを安心させた。
「サユリも抱き締めて」
ユリは愛しそうに呟いた。
声紋を認識したロボットはユリをそっと抱き締める。その行動に愛情は微塵も含まれていない。ただ主人の命令通りに行動しただけだ。
ユリもそれは理解していたが、それでも満足していた。
だって、彼女が真に求める人は、もうこの世にはいないのだから。
ユリには幼い頃からサユリという想い人がいた。サユリはユリの五歳も年上で、相手をしてもらう内に好きになったのだ。
その恋は中学生になっても無くなることはなかった。その頃、サユリは16歳になっていて、もう結婚できる年だった。だから、自身が大きくなったらサユリと結婚すると内心息巻いていた。だが、その年の夏、想いを遂げられぬまま、サユリは事故で死んでしまったのだ。
ユリは抱き締めていた手を解くとロボットの顔を見つめた。その顔はサユリが死んだときと同じ16歳のものだ。ユリはもう同い年になっている。
「目を閉じて」
サユリの代用品にユリは小さく囁いた。
ロボットは言われるがままに目を閉じる。目をつぶるロボットの顔は身近で見てもサユリにそっくりだ。
ユリは顔をロボットに近づけていく。そして、そっと唇を重ねた。本物を愛すかのごとく愛しそうにそっと。