0039創る名無しに見る名無し
2018/02/16(金) 18:49:17.81ID:BeIP2iSU「あっ!
じゃあ、先輩、付けって事で」
「誰が信用するか!
お前、今まで一度も僕が貸した金を返した事が無いだろう!」
良い考えだと思っていたのに、即ラビゾーに否定されて、コバルトゥスは面食らう。
「えっ、借金なんかしましたっけ?」
「何度もしているぞ。
小額だから直ぐに返すと言いながらな!」
自分に都合の悪い事は直ぐ忘れられる、実に都合の好い記憶力を持っているコバルトゥスは、
借金の事を悉(すっか)り忘れていた。
悄気るコバルトゥスを慰める様に、ラビゾーは言う。
「紙と筆なら貸せるぞ」
「えっ、要らないッスよ」
「洞窟を探索するなら、地形とか記憶する必要があるだろう?」
「俺、記憶力は良い方なんで」
「じゃあ、借金の事も憶えてるよな?」
「いや、それは全然……」
「こいつ何なんだ」とラビゾーは憤然とした表情で口を閉ざした。