0004創る名無しに見る名無し
2017/09/20(水) 20:01:01.30ID:RxuePOP2「あの……。
名前って?」
「個体識別の為の名称です。
名前が無いと呼ぶ時に不便でしょう?」
「は、はぁ……。
でも、勝手が分からないので、そちらで付けて貰えませんか?」
その蟹は仲間を見回して、異議が無い事を確認する。
誰も反対意見を述べる物は無く、サティが皆の名前を付ける事になった。
「……では、貴方は鋏が大きいので『ビシズ』。
貴方は脚が長いので『グレッグ』。
貴方は右の鋏が大きいから『フィドラブ』。
貴方は甲羅が青味掛かっているから『ブルシェ』。
貴方は甲羅が真っ赤だから『レッシェ』。
貴方は甲羅が大きいから『ラージェ』。
えーと、未だ6つか……。
貴方は小さいから『ミニマン』。
貴方は目が大きいから『ステア』。
貴方は……何と無く普通だから『ノーマ』。
貴方で最後、『アンテ』!」
彼女は適当に名付けたので、不満が出る事を覚悟していたが、名前の意味まで考えない蟹達は、
全く気にしていなかった。
「分かりました。
私達の為に考えて下さった名前、有り難く使わせて頂きます」
そう畏まられては、サティの方が申し訳無い気持ちになる。