「はぁい〜。ゆくあてもあらへんし、ご一緒させてもらいますわ〜
そちらのお兄さんも、五穀みのりと言います〜よしなにねぇ〜」
魔法列車を前になゆたに状況と魔法列車の話を聞き、同行を承諾。
戦闘のどさくさにお互いの顔もよく見合わせられなかったので、ようやくここで顔合わせして挨拶ができたのだった。


挨拶を交わしているところでなゆたの拳骨が真一の脳天に落ちる
と共に真一の背中に張り付いていた藁人形が破裂した
未だにダメージを肩代わりする効果が続いており、真一の頭には拳固の痛みは伝わらなかったのだが、きっと心には伝わったであろう。
涙目になってお説教するなゆたの後姿を見ながら、クスリと笑みを浮かべてみのりが動く

「うふふ、真ちゃんゆぅんやねえ。
こんな可愛い彼女を泣かしたらあかへんよ〜」

なゆたのお説教が終わった頃合いを見計らいそういいながら真一の頭、拳骨が落ちたあたりを撫でながら、声をかける
藁人形から届いていた声と同じことから、五穀みのりであることが判るだろう。
そしてそっと耳元に口を近づけ

「見させてもらったけど〜真ちゃんとなゆちゃんて結構好対照なパートナーやデッキ構成みたいやん?
一緒に肩を並べて戦う事は出来ても、うちがしよったみたいにフォローや守ってあげる事は難しいやろうからぁ辛いと思うんよ
うちが出来るからと言ってあまり助け過ぎても、なゆちゃん彼女としての立場もあらへんやろうしねぇ
そういうところ、ちゃ〜んと汲んであげるんが、色男ゆうものやよ〜」

腕組みをしてそっぽを向いているなゆたを目線で指示しながら、吐息と共に囁く。
みのりの中で真一への評価は、当初は無鉄砲で理論的な行動ができない、というものであった。
だが、ベルゼブブへの飛び移りなど、もうここまでされると一周回って清々しく感じてしまうほどになっている。
本来ならばなゆたと異口同音の注意を与える所だが、思わずつついてしまいたくなる程度には。


>「さ! お迎えも来たし、このフィールドには用はないわ。早く魔法機関車に乗ろう!」

なゆたが振り向いた時には、すっと位置を外し、ゆったりとした足取りで魔法機関車へと乗り込むのであった。