気がつくと目の前にタナカがいた。
あぁ、ありゃテルミット社のタナカで間違いねェ……

ずっとここを張ってたモンだから、あと有給休暇も3時間ってェとこだ。
終わったら会社に戻らなきゃいけねぇ。
あぁ、タマぁ撃ちてェ……

>『目標はコンテナの奪還と、犯人の逮捕。あとできれば裏で手を引いている連中もまとめて確保したいとのことだ。
 犯人以外に関しては最悪個人が識別できるものが残ればいいとも言われている』

タナカの無線を傍聴する。こうやって穴グラに潜んでた甲斐があったってもんだぜ。

『おう、俺だ。タイムだ。とんでもねェ……この時を待ってたんだ
報酬は俺のディスカバリー・ファイナンスの口座に振り込んでおいてくれ。時間がネェ』

俺ァさっさと穴から飛び出すと、推力推進ユニットを使って急速浮上、15mはあるかという岩のテッペンに陣取ったぜ。

「オラァ!!!」

ババババババ…… と弾薬を発射する。なんてこたぁねェ……普段射撃訓練でやってることと一緒だ。
ギガスなんていっても銃と同じよ。タマぁ撃つんだよ。
30mm超砲身アベンジャー砲だ。 そこらの戦車もエンジンまで貫通させるスグレモノだぜ。

ドォォォン!! ドゴォォォン!!

タナカ達を襲おうとする敵のギガスどもが次々と爆発する。そりゃ無理もねェ……
俺のタマは特別製よ。
天下のディスカバリー社の特殊開発一部のご謹製だぜ。
発射されたタマは敵の装甲にヒットしたら回転してメリ込み、そして内部まで侵入してから爆発する。
場合によっちゃパイロットも生きちゃいねェ……

っと、敵のボスが焦ったみてぇだ。コンテナを残る部下三体に任せて、
俺の方目掛けてチャージをはじめやがった。でも俺が誰だと思ったやがる。大体の兵器の威力は分かってんだぜ。
部下の方も周囲に対抗してシールドを構えやがった。

「おう、タナカ。そいつの攻撃を止めてくれ。
俺ァ今から新型兵器の実験をする。もう有給がキレそうなんだ。さっさと帰ってタバコ吸いてェ」

ここでタバコ吸ったら大爆発だぜ。なんせ俺のアーミースーツはタマだらけだ。

さて、俺は新兵器のボタンの安全装置をはずす。これはマシンガンレーザーというとんでもねぇ兵器よ。
防弾シールドだろうが、対撤甲バリアだろうが、貫通しちまう。科学兵器って奴よ。

しかも連射式ときてる。そうだよ、タマぁ撃つんだよ。

「俺はタイムだ。死にたくなかったらそのブツを降ろせ」

そう言いながらマシンガン・レーザーにチャージを開始した。

【よろしく頼む】