宇宙が舞台の小説を5行ずつ書いて行くスレ [転載禁止]©2ch.net
私は空を見上げた。
ニュースでは、シャトルが軌道から外れ
永遠に地球に戻れなくなるかもしれないという。
シャトル内の人達は発狂寸前だろうなあ。
その頃、シャトル内では、 フリーズ! ジスイズ、スペースジャック!
サングラスをかけた女が立ち上がり、ブラスターを構えて叫んだ。
乗客たちはうつろな目で数秒ばかり女をみつめていたが、やがて事態を飲み込んだらしい、
中年女性の短い悲鳴が合図となって、驚愕と恐怖が波紋のように機内に広がり始めた。
サングラスの女に続いて、仲間とおぼしき3人の男も立ち上がっていた。 仲間と思しき男の特徴は左から
1人目は中肉中背、身長155p 額にハートのマークあり 服装は全裸、年齢は15〜20歳の青少年
2人目は筋肉質 身長3m近く 服装はタンクトップとマスク以外のモノは無し 年齢不詳
3人目は着ぐるみを着ていること以外は不明
いずれも銃火器を装備しているようだ 客室後方から新たな悲鳴が上がった。乗客たちが窓外を指さして口々に叫ぶ。人が、外に人が。
宇宙船の窓の外にあるのは、当然ながら宇宙空間である。絶対零度付近の黒い真空。
恒星や彼方の銀河から直射する過酷な宇宙線。人が、生きてそこにいるはずはない。
だが、彼らは居た。金糸を縫い込んだ白の法衣、剃髪した頭には絢爛たる花々と龍の刺青。
宇宙適応型サイボーグの肉体を持つ、唯物グノーシス派ヤクザ僧侶の一隊が、外からもシャトルを包囲していた。 (間に合わなかった……!)
窓の外に一瞬目をやったあと、女は仲間たちを見回した。
サングラスの内側で目が泳いでいるのを自分でも感じる。せめて、焦燥をこれ以上顔には出すまいと思う。
シャトルの窓から外はよく見えない。
が、奴らが歌う賛美歌の音色が聞こえた気がした。 ヤクザ僧侶たちはゆっくりとシャトルに近づいていく
シャトル内に入り客のざわめきは大きくなり女の震えや動悸も酷さを増していく
そして奴らとシャトルの距離が手を伸ばせば触れられる程度になった時
奴らのリーダーと思わしき人物が手をそっとシャトルの窓に手を伸ばした
シャトルに触れるとそこに何もないかのように壁面を通過してきたのだ。 シャトル内の人々の幻覚症状。
地球に戻れない…。
このままだと、地球からどんどん遠ざかり、
このシャトル内で死ぬ…?
水と食糧の備蓄はどうなってる…? 「なんのアトラクション?」「あの改造技術、外宇宙のやつなんだってな」「かっけー」「あたしも外出たーい」
人質としてとった筈のカネ持ちどもがかわす呑気なやりとりに小さく舌打ちする
「外宇宙への旅行に我々も参加する!呑んでいただければ、あなた方へは危害は加えない!」
3メートルの高みからモロダシが言った。女性人質全員の視線は、彼の陰茎と陰嚢に注がれていた
まさか星間ガードがシュンクレスバタリオンの戦闘サイボーグを遣っているとは……!女は能天気な情報部の連中を心中で呪った