勇者と魔王
>>100のつづきです。
伝説的英雄の娘だったルキアは、大魔王ディアロの妻になった。
生まれ故郷のトアール村に帰ってきたルキアは、村人と再会した。
「魔族の手下になったお前を村に入れるわけにはいかない」
村人たちは武器を手にしていた。
しかし、ルキアはそれらをあっさりと退ける。
ルキアは自分の家の前に立った。
行方不明の父親を探して旅に出たルキアは仲間を集めて魔王城までたどり着いた。だが、戦いに敗れて大魔王ディアロと契りを交わした。
「帰ってきたのかい、ルキア」
ルキアの母親のマルチナが家から出てきた。
「ママ。ごめんね、話があるの」
「私は話なんて無いよ」
そう言うと、マルチナはルキアに攻撃を仕掛ける。
「ディアロ様に、連れてくるように言われたの」
ルキアは村に来た目的を伝えたが、マルチナはそれには応じなかった。
ならばしょうがない、と思ったルキアは暗黒魔法を繰り出した。
しかし、その魔法はマルチナには効かなかった。
「そんな、どうして?」
「こう見えても勇者ジオと共に冒険もした戦士の1人なんでね」
マルチナは、魔法のビキニを装備している。これによって魔法の力を吸収した。 >>106のつづきです。
今では大魔王ディアロの妻になった娘のルキアに対して、母親のマルチナは容赦無く攻撃を仕掛けた。
ルキアの放つ暗黒魔法は、マルチナが装備している魔法のビキニによって吸収されてしまう。
そのためルキアは暗黒武器を召喚した。
地獄の大鎌がルキアの前に姿を表した。
マルチナは「そんなものを振り回すような子に育てたつもりは無いよ」と吐き捨てた。
対するルキアが無言で振り回す大鎌を、マルチナはギリギリで交わす。
逃げ惑うマルチナは、反撃の機会を伺うがルキアの攻撃は止む気配が無かった。
「お父さんに会うために、あなたが必要なの」
ルキアはそう言うと、懐からカプセルを取り出した。
いつもはモンスターを詰め込んで戦場で放つ用のカプセルだったが、このカプセルは捕獲用の物だった。
そのカプセルは一瞬で巨大化し、マルチナをそのまま飲み込む。
大魔王ディアロは復活した魔王城でルキアの帰りを待っていた。
「ディアロ様。ただいま帰りました」
妻のルキアが、魔王城に戻って来た。
母親のマルチナを捉えたカプセルを見せると、ディアロは「よくやった」とルキアを褒め称えた。
ルキアの父親で伝説的英雄と呼ばれたジオはどこに消えたのか。その手がかりをディアロが握っていた。 >>114のつづきです。
大魔王ディアロの妻になったルキアは、行方不明になった父親の伝説的英雄ジオの手がかりをディアロから聞いた。
ラグラック城の地下に幽閉されているという。
空間移動魔法でラグラックに向かうルキアだったが、かつての仲間であるレオニール、マリーナ、アイリの三人を護衛に付けた。
ラグラック城の地下に向かうと、牢屋のような場所にジオの姿を見つけた。
「ルキア様。お気をつけて」
レオニールがルキアに話しかけた。
だがルキアは「大丈夫よ」と言いジオの元に近付いた。
この地下室には、ジオだけでなく伝説的英雄の4人が捕らえられている事が解った。
レオニール、マリーナ、アイリはそれぞれの牢屋に向かう事にした。
ジオはルキアの姿を見ると「おお、ルキアか」と立ち上がる。
ルキアは、カプセルから取り出されたマルチナをジオに見せる。
ジオとマルチナの間に生まれたのがルキアだ。
その時、ジオは「ちょうど腹が減っていたんだよ」と言いだした。
するとジオの体から鳥の首、大きな翼、炎をまとった尻尾が現れる。
四聖獣のスジャークと融合した姿になった。
四聖獣はかつて大魔王ディアロがその配下にした強力なモンスターだが、それぞれ伝説的英雄たちによって倒された。
しかし、その魂をラグラックの王が捕らえた英雄たちに融合させて、新たなモンスターを誕生させる事に成功したのだ。
そして、復活したスジャークはマルチナを掴むと、頭から一飲みにした。 5ch民は3行以上の長文は読めないのですから長文は禁止です >>121のつづきです。
かつて伝説的英雄と呼ばれた4人は、大魔王の復活のためにラグラック城の地下に幽閉されていた。
英雄の1人、剣士ドニー・ベルシュタインは、娘のレオニールと再会を果たした。
レオニールは幼い頃に神隠しに遭遇し、両親と離れ離れになった。それでも剣の腕を磨き、軍事国家アリウナスの兵士長に登りつめた。
その後、勇者ジオの娘を名乗るルキアと出会い、共に旅を続ける。
やがて大魔王ディアロの城に辿り着いたルキアらは戦いに敗れた。
ディアロに力を奪われたレオニールは、魔王軍の一員として、こうして父親のドニーと再会した。
「お父様、ご無事で何よりです」
レオニールは、ドニーは声を掛けた。
すると、ドニーの身体は大きな虎の怪物へと変化を遂げたのだ。
四聖獣のビヤッコーネと融合したドニーは、レオニールに襲い掛かる。
レオニールは武器のソードオブエターナルを構える。
かつてドニーが大魔王討伐に使った剣は、巡り巡ってレオニールが受け継いでいた。
「その剣は、私の物だ」
ビヤッコーネがそう言うと、ソードオブエターナルはその声に反応し、ビヤッコーネの手に渡った。
「流石は名剣だ。本当の持ち主が解るんだな」
そしてビヤッコーネが剣を振るう。無防備になったレオニールは、一瞬で右腕を斬られた。