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【三題使って】 三題噺その4 【なんでも創作】

0001創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/08/21(火) 22:23:12.07ID:UYwdNwrK
三つのお題をすべて使って創作するスレです。

創作ならなんでも可。
折を見て新しいお題を出し合います。
過去のお題の投下もどうぞ。

お題の提出は一人一題まで。早い者勝ちです。
お題クレクレ以外はsage推奨です。

初代スレ 三題噺
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1219901189/
前スレ 【三題使って】 三題噺その3 【なんでも創作】
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1287933564/
0074創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/02/09(土) 00:09:23.80ID:RXrNucir
もう1個こないので
age(お題じゃないよ)
0075創る名無しに見る名無し
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2013/02/09(土) 01:49:31.83ID:jLDPWEmt
それでは「チョコレート」
>>69
まさかメイドをそんな風に料理してくるとは思わなかったwww
0076 ◆fYyeotwGiw
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2013/02/10(日) 01:50:37.61ID:CA4gMWIG
ハニーブラッド


 僕はチョコレートをパキポリ音を立てて食べる。チョコをくれたのはユキナで今日はバレンタインデーなのだ。
僕が貰ったチョコは1個だけで、だけどその1個が彼女の手作りだからそれでいい。
他の女の子のチョコなんて僕には必要ない。パキポリ。
「美味しい?」彼女がにこにこしながら聞いてくるので、僕はその笑顔をずっと見ていたくて美味しいよと答える。
そうすると彼女はもっとにこにこする。
でも正直な感想を言うとちょっと変な味がする。ビターでほのかにスイートでラブリーなハートの形をしたチョコレート。
ビターでスイートな味の中にちょっぴりメタルな感覚を僕の舌はキャッチする。
パキポリ。うん、やっぱり気のせいじゃない。味覚だけじゃなくて、僕の嗅覚もその異変をキャッチする。
人は嗅覚で味を脳に伝える。そして僕の脳はこの味を思い出す。

 これは鉄の味だ。

 でもチョコレートに鉄なんか入れはしない。チョコと一緒にアイアンをテンパリングする奴なんかいない。
鉄分を含んでてチョコレートに混ぜることができるもの。ほうれん草なんて可能性は僕には浮かばない。これ血じゃね?

 もう1かじりパキポリして僕の疑惑は確信に変わる。いや間違いなく血じゃん。
チョコの隠し味に血?そんなの聞いたことがない。っていうか誰の血だよ。
 僕はちらりとユキナを見ると、彼女はやっぱりにこにこしている。んで彼女のカーディガンの袖からちらりと手首が覗く。
その手首に包帯が巻いてあるのが見える。バシッ!と僕の頭にフラッシュライトがたかれるようにして、場景が浮かび上がる。
ユキナが自分の手首を切って血をチョコにポタポタ落として、それをぐーるぐーるとかき混ぜている。
コーヒーにミルクが渦巻くように、溶けたチョコに赤い血が渦巻いている。
 そんな光景を思い浮かべながら僕はチョコを食べきってしまう。
ユキナはにこにこして僕もにこにこする。
彼女の血が僕の中に混じったことを感じる。ほんの僅かな血だけど、彼女のものが僕と混ざり合う。
それだけで彼女の気持ちがわかるから僕は彼女に何も聞かない。
0077 ◆fYyeotwGiw
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2013/02/10(日) 01:55:12.82ID:CA4gMWIG
ユキナは僕と1つになりたかったのだ。僕を愛しすぎてるが故に。
愛とはつまりお互いで1つになって、1+1=1にするという事なのだ。
世界中のすべてを巻き込んでただ1つの存在が愛なのだ。
普通の人はそれをセックスでやる。だけど彼女はそれでは満足しなかったのだ。
だいたいセックスなんて一晩終わればまた1+1=2に戻ってしまう。なにより中に入り込んで1つになれるのは男だけだ。
これではあまりにも理不尽じゃないか。彼女はそう思って血を僕の中に入れようとしたのだ。
僕の胃に収まったユキナの血がそう教えてくれる。

 その日から僕は吸血鬼になる。
 僕はまだ高校生で吸血鬼になるには幼すぎるけど僕の精神は完全にユキナの血に飲み込まれてしまう。
僕は彼女の血をチューチューする。首からはしない。大抵は人差し指にちょっと傷をつけてそれにむしゃぶりつく。
たまには舌を少し切って、キスしながら彼女の口に溢れる血を唾液といっしょに飲み込む。
僕も彼女もそれで絶頂に達するからセックスはなくなった。


 だけどある日とうとうユキナが貧血で倒れてしまう。傷だらけの彼女の身体をみて、両親は不審に思い僕を疑う。
その傷から僕が血を吸いましたと告白しようとしたけど、彼女になにも言うなと止められる。
そんなことを言えば僕は頭のおかしい人間と思われて病院か刑務所に入れられてしまうからと。
でも僕は彼女の血が飲めないことで頭がおかしくなりそうだ。血は毎日身体の中で作られている。
彼女の血が飲めなければ、そのうち僕の身体を巡る血から彼女の血がなくなってしまう。

 結局全てはユキナの自傷行為ということで片がつく。そして僕じゃなくて彼女がおかしな病院にいれられる。
どこか遠くの病院で、ユキナの両親は僕に場所を秘密にしたまま彼女を連れて行ってしまう。
ユキナから連絡がないのは何故か考えたけど、彼女も僕に血を吸われるのはもう嫌だったのだろうか?
ユキナからやってきたことなのに?
順当に考えればそんなことはないだろう。
手前味噌な意見ではなく、僕はユキナの血を吸う必要があったしユキナは僕に血を吸われる必要があったはずなのだ。
0078 ◆fYyeotwGiw
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2013/02/10(日) 02:01:21.33ID:CA4gMWIG
 僕はいろんな手段を使ってユキナの行方を捜したけど見つけることが出来ないまま受験シーズンを迎える。
忙しさのなかで僕はユキナのことを諦めて、僕の吸血鬼も眠りにつくけどすぐに目を覚ます。

 大学に入った僕は色んな女の子と付き合って多くの血を吸う。ユキナと同じ血の味をした女の子を捜す。
僕はどの女の子が血をくれそうかどうか一目でわかるようになる。そういった女の子の血を僕は吸う。
だけどユキナと同じ血の味をした子は見つからない。
僕の中にいろんな血が混じって僕の身体は誰の血が流れているのかよくわからなくなる。
そしてその中にユキナの血が入っていないのが虚しくなる。
その虚しさを埋めるために僕はまた他の子の血を吸う。そしてまた虚しくなる。
 吸血鬼はもっと高貴な存在じゃなかったろうか。本当の吸血鬼はこんなに手当たりしだい女の子の血を吸ったりしない。
これじゃ僕はダニだ。
 そうか僕は吸血鬼なんて高尚なものじゃなかったのだ。僕はただのちっぽけな虫けらで、血を吸ってぶくぶく太ってしまいには動けなくなってしまう、
あの間抜けなダニなのだ。


 ダニは醜悪で病原菌を持ち込む害虫だから人に忌み嫌われて駆除される。
僕も周りの人たちに女の子の血を吸っていることがバレて忌避されるようになる。
そんな僕のことを他人は吸血鬼と呼ぶようになったのが僕には耐えられなかった。なぜなら僕は吸血鬼ではないから。

 それから僕は人里離れて山に篭る。うち捨てられた茅屋があって、そこに住む。
ここでは誰も僕を吸血鬼とは呼ばない。人間も居ないから血を吸う事もできない。
山には獣がいるけど僕は彼らの血を吸う気にはなれない。代わりに他のダニが彼らの身体にくっついて血を吸う。
そして僕の身体にもくっついて血を吸う。僕はライターの火を近づけてそれを引っぺがし、踏み潰す。
ダニはプチッと音を立ててぺちゃんこになり溜めていた黒い血が地面に染み込んでいく。
そして僕もそうならないといけないことに僕は気づく。

 僕は飛び降りるための場所をさがす。ここは山だからすぐに峻厳な崖が見つかる。
びゅーびゅー山風が正面から吹き付けてくる。僕が一歩前に出れば僕はぺちゃんこにはなれないだろうが、潰れることはできる。
でも僕の足は前に出ない。足が震えてる事に気づく。
僕は息を整えて前に出ようとするけど身体がいう事をきかなくて、岸壁で1時間ほど立ち尽くす。
自分の情けなさにほとほと嫌気がさした僕は茅屋に戻ることにする。
0079 ◆fYyeotwGiw
垢版 |
2013/02/10(日) 02:04:57.66ID:CA4gMWIG
その帰り道にある木でおっさんが首を吊っているのを見つける。
僕が岸壁を探している時には無かったはずなので首を吊ったのは1時間以内かそこらだろう。
僕はどうしようかと逡巡するけどほっとくことにしてまた歩きだす。けどやっぱり気になるので戻っておっさんのとこへ行く。
糞尿の臭いが鼻をつくけど思っていたより臭くはない。口からはだらしなく舌が垂れていて、目は飛んで行った自分の魂を追うように天を向いている。
これが死んだ人間かーとしげしげ眺めてから僕は持っていたナイフでロープを切っておっさんがドサリと地面に落ちる。
 持ちあげようとしたが生きることを止めた人間の身体というのはものすごく重いということを思い知る。
仕方ないので僕は一度茅屋に戻って、そこに放置してあったリアカーを持って行く。そこにおっさんの身体を入れてまた茅屋へと戻る。
よっこらせとおっさんを床に寝かせる。だらしないので舌をしまって目も閉じさせる。そしてナイフでちょっと指を切って血を舐めてみる。
あれ?と僕は思う。
これはユキナの血と同じ味じゃないだろうか。
おっさんの人差し指をゴリリと切り落として、その血を僕は飲んで愕然とする。
これはユキナの血の味だ。なんでこんなおっさんとユキナが同じ血の味がするのか。

 僕の脳裏にユキナのあのにこにこ笑顔が浮かぶ。ユキナの体中についた傷を思い出す。
あの傷は全部僕がつけたものだったろうか。そうじゃない、僕がつけていない傷もあった。
あれはユキナが自分でつけた傷なのだ。なんのためにそんなことを?
 僕はおっさんを見下ろす。この血の味は死と絶望の味なのだ。生きることを諦めた人間の味なのだ。
やはり僕はユキナの血を吸う必要があったしユキナは僕に血を吸われる必要があったのだ。
僕はユキナが死んだことを悟って泣く。
ユキナを助けてやれなかった自分を呪って泣く。
おっさんの死体の前で大声で泣く。
 僕は泣きながらナイフを手にして、指に傷をつけ染み出た血を舐める。


ユキナの味がする。


僕は再び山奥へ入った。
 
                               (了)
 
0080創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/02/10(日) 02:06:31.07ID:CA4gMWIG
以上リヤカー・手前味噌・チョコレートのお題です。
手前味噌の使い方が違うかもしれません。
0086創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/03/11(月) 23:52:49.55ID:vOJO+R1o
虹の根元
0087創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/03/13(水) 09:09:04.52ID:o7pKkdYE
オチがつかないので三題目を下さい。

「虹だよ、ねえ」
「ふん。お前、アレを先まで追ったことがあるか?」
「え? あ、あの、虹の先には夢が埋まっているって、姉さんが」

 指を東の空に向けて、弟が言ってみるが、生き延びることに擦り切れた姉の心には届かない。

「だからお前は馬鹿なんだ。虹の根元に埋まってるのは、父さんと母さんの墓だよ」
「ちっがうよ。そんな訳あるもんか!」

 だけどそうだ。幼い命を護ることだけを背負った姉が、最初に見たのは両親の最期。

「っ、声が大きいよ。西の森から奴らが来る。ここに伏せてな」
「うん、……でも?」
「うるさいねえ、私は大丈夫だよ」

 数世紀に亘る迫害を忍んだ一族の、最後の二人が反攻を試みる。一人はそれをそうと知って、
もう一人はそうと知らずに。

「……はっ、はは」

 血溜まりに姉が一人、残念そうに笑う。少しだけ、足りなかった。

「勝てないのか。ヒトには、どうしても……っ!」

 弟はここに、一人。他に誰もいない生を、厭でも継いで生きていく。

「姉さん、虹の彼方に、ほら」

 曇天に復讐を誓う男が、ひとつ。
0089創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/03/22(金) 23:12:57.47ID:euNm+DI9
たくしあげ
0090創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/04/20(土) 01:04:12.83ID:t7emPGoy
お題リセットしましょう
0091創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/04/20(土) 07:36:09.30ID:W9kS1WdO
「パンチラ」
0092創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/04/20(土) 09:35:52.90ID:u5hlBMU7
「毛深い」
0093創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/04/20(土) 18:30:09.99ID:f8jTluO9
「眼鏡」
0094創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/05/04(土) 21:27:12.50ID:2+UuMUH3
別にどうという事もなかった。
彼女が毛深い事に意味なんか無かった。
……多分、一時的には。

少し前に初めてキスをした。
つまるところファーストキス。
そして、なんか、顎の少し先がジョリっとした。ただそれだけ。

只それだけなんだ。
誰もがうらやむ美人さん、彼女は俗に言うそれだった。
只、只そう、何か夕方になると顎の辺りに青みが掛かるだけ。
只それだけの可愛い女の子。

少し前に歩道橋を渡った時に風が吹いた。
その時にスカートが翻ったんだ。
……もっさりしていたんだ。
……はみ出すほどに。

俺は、この厚ぼったいレンズの先にそれを見てしまった。
……俺は、俺はどうしたらいいんだろう。

なあ、誰か教えてくれ。
俺は、俺はどうすれば……。
0095創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/05/04(土) 22:18:13.52ID:W9EpC1sM
まあ、そういうのすきなひともいるしw

久しぶりの投下乙乙!
0096創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/05/05(日) 04:22:02.07ID:+xAjNMy1
「彼女」はわるいこじゃないぜ
乙乙
0097創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/05/17(金) 21:14:45.13ID:4xvsJUcj
お題age
0098創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/05/18(土) 17:26:28.52ID:Qdg88yjS
「地下鉄」
0099創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/05/19(日) 22:54:11.69ID:D1FPmjUa
「太鼓」
0100創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/05/22(水) 00:24:19.45ID:6kGh6JJH
age
0101創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/05/29(水) 19:00:59.36ID:BgTh54eS
「規制」
0102「地下鉄」「太鼓」「規制」 ◆91wbDksrrE
垢版 |
2013/05/31(金) 05:09:36.73ID:c2u70aEf
 篝火がたかれたその地下道に、にわかに音が響き始めた。
 その場にいた数人の人々が、一斉に顔をそちらに向ける。

 どーん、どーん、どーん。

 遠くから太鼓の音が響く。それが合図。

 どーん、どーん、どーん、どーん、どーん。

 音はどんどん近く、大きくなっていく。そして、その音の源が、ゆっくりとその姿を現した。

「駅舎に着きましたー! お降りの方はお忘れ物にお気をつけくださいー!」

 そこは駅だ。そして、太鼓の音の源は、木製の――そう、大型の車とでも言うべきものだった。
 車と言っても、ガソリンで走るそれではない。いわゆるひとつの、人力車だ。
 篝火の中で、大型人力車はそれを引く十数人の姿とともに、ゆらゆらと揺れている。

「……地下鉄も、随分と前時代的になったものだよなぁ」

 そんな老人の呟きを背に、私は地下車(ちかぐるま)へと乗り込んだ。
 幸い、今日はダイヤに乱れは無いようだ。時刻通りに学舎へと着けるだろう。

「おじいさん、贅沢言っちゃいけませんよ。もう世の中には電気なんかのこっちゃいないんですからね」
「わかっとるわい。これはこれで味があっていいもんだ」

 老人を窘める声にチラリと後ろを見れば、その妻君らしき老婦人が老人を窘めていた。
 電気の枯渇――要するにそれは、資源の枯渇だ。それが全社会的問題として取り上げられるようになってから、
わずか数年でこの世界からはろくな資源がなくなった。
 そうなって初めて、人間は自らを律しはじめたのだ。
 資源に関する規制が敷かれたのは、資源が枯渇してから――何という馬鹿な話だと、そう誰もが思う話だが、
実際に歴史は物語っている。人類は馬鹿である、と。
 今持って馬鹿であるのかどうかは、今を生きる身にはわからず、後世の人間の判断を待つしかないが。

「……ふぅ」

 昔ならば五分とかからずたどり着いていた道程が、今や三十分強かかる。
 だが、その時間もまた、かつての愚行への罰則であると考えれば、致し方ないと言えるのかもしれない。
 ……まったく、自分はそんな風に罪を後世に残すような、未来の人間に馬鹿者だと評されないような、
そんな人間になりたいものである。
 故に私は今日学舎へと通うのだ。

 どーん、どーん、どーん。

 次の駅舎が近づいてきて、太鼓の音が鳴り始める。
 目的地までは、もう後三駅程待たなければならない。
 私はカバンから本を取り出し、それを開いた――

                                               おわり
0103創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/06/03(月) 12:49:33.21ID:M6UoVXBH
こんな移動手段なら人身事故は起きないだろうねー

なんだか登場人物が全員チョンマゲ&着物で脳内再生された
0104創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/06/16(日) 01:28:19.76ID:pUpFY7pb
地下鉄 太鼓 規制

どっと人が掃き出され、やっと息がつけるようになった矢先というのに。
床にあんなものが落ちているじゃないか。

世間は超高齢化、晩婚化に加え貧困化し、超少子化になって久しい。
子供を持つのはある種の特権になってしまった。
子供に関する物を見せるのは持てない人間への攻撃だから規制するべきだとフェミニストな政治家が出てきたときは失笑されたものだが、今では変わってしまった。
あのような害のない昔の玩具ですら今では人権家からすれば差別の象徴だ。
確かでんでんだいこ、というのだったか。

でんでんだいこは床で不安定な均衡を保っている。
小さな珠は太鼓の皮の上で時折小さく跳ねる。
地下鉄の振動で振動しているのだろう。
皮の舞台の上から珠が今にも落ちそうだ。
…それにしても地下鉄というのはこんなに揺れるものだったのか。
小さな珠が跳ねるたび懐かしくも哀しい音がする。
窓からは暗い壁しかみえない。人もいなくなっている。
降りる駅はまだだろうか。まだ着かないのか。
まだ降りられないのか。
俺は珠の音が止む前に降りたい。
珠は不安定な均衡をまだ保っている。
0105創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/06/16(日) 13:32:48.15ID:xDPynMEZ
地下鉄の中っていうロケーションがいいねえ
0106創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/06/16(日) 22:19:18.84ID:onH5RDWM
おつおつ

でんでんだいこの珠の不安定な均衡というのは生命力を失った
人間社会のことでもあるんだろうか

ところでそろそろ次のお題行かないか
0107創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/06/19(水) 20:58:13.25ID:qP0A7/pV
それでは
お題「マッチョ」
0109創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/06/23(日) 12:10:16.85ID:Ax8ys7Hy
炭酸
0110「マッチョ」「ポニテ」「炭酸」 ◆fYyeotwGiw
垢版 |
2013/06/25(火) 09:12:24.29ID:IkB4wZCi
 朝食をとりにいくと親父がポニーテイルになっており愕然としたわけだ。朝っぱらからなにやってんだこのおっさんと思いつつ、無視することにする。
朝っぱらから親父の悪ふざけに付き合うほど僕も暇な学生ではない。

「おはよう。」
「おはよう。」

 読んでいた新聞から顔をあげた親父が日常的に挨拶してくるので、こちらとしても返事をしないわけにはいかない。
ほとんどが白に染まり、歳に逆らえず薄くなった髪を無理やり後部になでつけ束ねたその顔は、滑稽すぎてぶん殴ってやりたくなる。
 でも僕はがんとして無視を決め込み、朝食を運んでくる御袋を待っていると、御袋までポニーテイルになっていて開いた口がふさがらない。
年甲斐もなくなにやってるんだこのばばあ。御袋の髪はパーマでもわんもわんしており、それをぐぐっと後ろにもっていき纏めているので、
ポニーテイルというよりぼぼんと広がった黒綿飴みたいになっている。
それが力士体型とあいまって暑苦しさに拍車をかけ、後輩に溜め口をきかれるくらいに腹立たしい。

 なんだこいつら。

 僕は早々に朝食を平らげて、学校へ行くことにする。馬鹿だ馬鹿だと思っていた両親が本当に馬鹿だったとは、
なんとも嘆かわしい。石ころでも蹴って通学してやろう。


 家を出るとゴミだしに向かう隣の奥さんと出くわした。
「あら、いってらっしゃい。」
 僕は軽く会釈してそのまま歩き出すが、彼女もポニーテイルだったことを見逃さない。
いつもは清楚で流れるような黒髪を、きゅっと黄色いヘアゴムでとめており、ああこういう髪型も似合うんだな。朝からいいものを見た。ふほほ。


 とかなんとか気持ち悪く一人でニヤニヤしていると、この辺では結構かわいがられている野良猫が塀垣の上をとぼとぼ散歩している。
陽色の毛並が綺麗なこいつもなんとポニーテイルになっているじゃないか。
「おう、坊主。しっかり勉強してこいや。」
「あ、どうも。」
 僕が頭を下げるとやつは上機嫌に頷きながら去っていった。猫が馬の髪型をするとは世も末だなあ。


 しかしどいつこいつもポニーテイルにしていやがる。すれ違った小学生の集団がポニーテイルだだったがもう驚きはしない。
だけど飛び出し注意!の看板小僧がポニーテイルまでなっていたのには驚きを禁じえない。
こいつは昨日まで黄色い児童帽を被っていたはずだがそれも脱いでいる。看板は大分前に設置されたもので、
ところどころ赤錆びて剥げ上がってしまっているのだが、髪のところだけ新しい。体は剥げているのに頭は禿げてない。ぷくく。
「おい、何を笑っておるんじゃわれ。」
看板小僧がどすを聞かせた声を出して僕を睨みつけた。僕はびくっとなり「え、いやなんでもないです。」としとどろもどろする。
「あんまなめとっと、おめー飛び出すぞこら。」
彼はそう言いながらずずいっとにじり寄り、看板の上からでも解るマッチョな筋肉を見せつける。
「すいません、本当になんでもないんです。勘弁してください」


 僕は慌ててその場から走り出した。背後で舌打ちが聞こえて泣きそうになる。
 だいぶ走って息が切れてしまい、僕はえらい目にあったなと思いながら膝に手をついた。
ああ、くそ喉が乾いた。顔をあげると丁度いいところに自動販売機があった。
ラッキーと思い僕は小銭を入れてコークを買う。がらんごろんどどーんとペットボトルが取り出し口に落ちてくる。
 僕はふう、と一息つきながらそれを取り出し、キャップの蓋を捻った。すると、ヴヴヴヴヴぶしゅー!と勢いよく炭酸が噴出した。
「Oh,Shit!」
 僕は慌てて顔を背け手を伸ばした。勢いよく飛びだし放物線を描くその黒い液体は、ポニーテイルのようだった。
 なんでこんな目にあわにゃならんのだ。ファック。
0111創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/06/25(火) 22:32:18.86ID:fI5LAdiG
乙でしたー。
まるで薬をキメてるようなカオスな世界観が面白かったです!

お題は「ふんどし」です。
0114 ◆91wbDksrrE
垢版 |
2013/11/24(日) 11:47:12.61ID:iOL7Qq87
 僕はずっと考えていた。
 なぜ「ふんどし」なのだろう、と。
 何がかと言えば、それは衛藤ヒロユキがドラクエ四コマなどで描いていた、
大根を掲げてキャラクターが大きな声で叫ぶアレだ。
 なぜアレは「ふんどし」だったのだろう。
 無論、キャラクターがふんどしを履いているわけではない。いや、もしかすると
履いている可能性が無いわけではないが、少なくとも「ふんどし」と叫んで大根を
掲げる場面において、それが示唆されていた事は無かった。なかったように思う。
 なのになぜ「ふんどし」なのか。
 そもそも、大根を掲げる意味もよくわからない。考えれば考える程わからない事
だらけだ。だいたい、なぜ今僕がそんな事を考えているのかという、それすらも
わからないのだから、最早僕は何もわかっていないと言った方が良かった。
 わからない。わからない。わからない。ならばどうすればよいか。訊けばいいのだ。
 というわけで、僕は学生寮で同室の佐野君に、思い切って聞いてみた。

「なあ、佐野君」
「なんだ、高橋?」
「なんで『ふんどし』なんだと思う?」
「あー」

 しばし考えた後、佐野君はこう言った。

「暗黙の了解、って奴なんじゃないか?」

 ……。
 要は、不条理一発ギャグに意味なんて無い、という事なのだろう。
 結論を言えば、僕はこの朝の貴重な時間に、どうでもよい、至極どうでもよい
事を無意味に考え、時間を無為に潰してしまったのだという、これはそういう
話なのだろう。多分。 
 ……。
 オチが無い。

「とりあえず、先人に倣ってみようぜ!」

 佐野くんに促され、僕は台所から大根を持ってきて、二人で掲げ、叫んだ。

『ふんどし!』

 ………………。
 やはり、意味はわからなかった。
 終わり。
0115 ◆91wbDksrrE
垢版 |
2013/11/24(日) 11:47:57.75ID:iOL7Qq87
今回俺が得た教訓は、眠い時に三分で適当にお題を消化する話をでっちあげようとするな、という事だ、

ここまで投下です。
0118創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/12/13(金) 07:38:00.71ID:7BHwaXSq
放課後
0119創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/12/13(金) 15:31:19.77ID:iWG5QO46
マジック
0120『新年』『放課後』『マジック』 ◆jJPSSjBjOE
垢版 |
2013/12/14(土) 04:11:01.23ID:vd8PmtlA
新年明けて初めての登校日から帰ってきた息子が、何やら興奮した顔で話しかけてきた。

「お父さん、マジックやりたい」
「マジックか、懐かしいな。でも、どうしたんだ急に」

話によると新年の特別番組でマジックの番組があったらしく、その話題で放課後の教室は大盛り上がりだったらしい。我が家は年末年始は旅行に行くことが慣例で

、番組を見なかった息子はうまく話に入れなかったらしい。今年で三年生になるがまだまだ子ども。周りのまねをしたがる年頃だ。

「なるほどな。父さんも昔はマジックをやってて、みんなを楽しませたもんだ」
「そうなんだ。僕もマジックで驚かせたいんだ」
「そうか。父さん忙しいから教えてあげられないけど、明日道具を買ってきてあげよう」

そういうと、息子は満面の笑みで喜んだ。この笑顔を見れるのは、親冥利に尽きるというものである。

次の日、雑貨店で手品セットを買ってきた。選ぶのはなかなか骨が折れるというものだ。息子が放課後に遊ぶことを考えてトランプとコインを使ったタイプのセッ

トを購入した。急いで帰り、息子にみせると大喜び。袋を開け、パッケージを見た途端、妻の静止も聞かずに自分の部屋に戻ってしまった。

「まったくもう。お礼くらい言えばいいのに」
「ははは、きっと声も聞こえないくらい夢中なんだろうよ」
「そうだとしても、あとで言っておかなきゃ」
「そうだね。ところで、明後日の留守番の件は拓也に伝えたのかい」
「ええ、マジックで準備して待ってるって言ってたわ」
「それは楽しみだね」

息子の成長を見られるというのは親冥利に尽きるというものだろう。親のほうが楽しみにしているくらいだ。

二日後、息子に留守番をさせて夫婦で外出。何やら神妙な顔をしていたが、原因は初めての留守番か、それともマジックか。いずれにしろ、帰ったら褒めてやらね

ばなるまい。

用事も済み、そろそろ帰るよと連絡を入れて帰ると、家の前で何やら満足気な顔をした息子が立っていた。

「マジックはできたのか」
「うん、できたよ。入って入って」

何かをやり遂げた目に嬉しさ覚えながら玄関を開き、二日前の息子の反応を理解した。

「あー……」

隣の妻を見ると、どうすればいいのといった様子でこちらを見返してくる。

「友達から借りたんだ。どう、すごいでしょ」

得意そうな顔をする息子に対して、私が言えることは一つだった。

「ああ、よくできてる。じゃあ、雑巾持ってこようか」

一軒家だったことに感謝しよう……。
0121 ◆jJPSSjBjOE
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2013/12/14(土) 04:12:21.13ID:vd8PmtlA
初投稿で(言い訳)うまく話がまとめられなかったのですが、生暖かい目で見てくださいorz
0122創る名無しに見る名無し
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2013/12/17(火) 11:14:35.07ID:EaiETk31
な、何があった!
0123わんこ ◆TC02kfS2Q2
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2013/12/18(水) 19:05:53.71ID:Hp8FrsuY
『新年』『放課後』『マジック』で


  「絵馬」



 初詣だし、今年こそいい年になりますようにと、絵馬に願いを託してみたものの、手がかじかんで上手く書けない。

 がくがくと、やっとのことで握るマジックは、うようよと木目に波打たせようとしていた。
 頭の中に言葉はすらすら浮かぶのに、マジックを持つ手が言うことを聞かないもどかしさ。
 絵馬売り場の脇でアキラはニットの手袋をはめたまま、少しでも指先の先まで血行をよくしようとグーパーを繰り返した。
それは功を奏すのかどうなのかは、誰も知らないし、自分でも分からない。しばし、それを繰り返しているうちに、ちょっとは
血の巡りが良くなったとの感覚が訪れた。やはり、何事も気は持ちよう。そして、息をはいて、筆を持つ。

 しかし、進まない。

 決意は心に宿るが、身には通じないものだ。

 新年を迎えたのだから、去年の辛い思い出を踏み台に、まだ見ぬ一歩をと……小さな夢を抱く矢先のことだった。

 「アッキーだ。生意気に絵馬なんか書いちゃって」

 これだから、年上の女の人は。
 アキラは筆取る手を止めた。

 「葉月先輩も来てたんですね」

 気まずい目をしてアキラが声の主へと振り向くと、息のかかるほどの距離でほんのりと赤らめた娘がマフラーに顔を埋めていた。
 去年、アキラを辛い目に遭わせた張本人だ。ただ、その苦情はアキラの勝手なる独りよがりによるものに過ぎないが。

 師走の頭、今から約一ヶ月前のこと。アキラは玉砕していた。
 放課後の廊下にて、アキラの初陣は討ち死にに終わった。
 アキラの想いは葉月のあっけらかんとしたセリフでにじられた。

 「恋人としてって、まだまだ見れないなぁ」

 人生初の告白は実らぬまま、凍てつく冬の空の底に沈んだ。
 アキラの先輩だからか、それともアキラのクチバシが黄色いのか。いずれにせよ、アキラにとって最悪な一年の締めくくりになった。
 終わりダメなら全てダメ……と、腐って腐って腐りまくる12月。

 葉月先輩は少年のような目をしてアキラの絵馬を覗き込むと、まだ何も書かれていないことを笑った。
 制服姿ではなく、活動的な私服姿の葉月先輩はまるでいたずらに明け暮れた小学生男子だ。ただ、葉月先輩も乙女なんだと、
アキラは声に出さずにフォローする。

 なぜなら。

 「アッキーの願いごとなんか、これに決まってるでしょ?」
 
 葉月先輩はアキラのマジックを奪い、さらりと『恋人が見つかりますように』と筆を滑らせた。


  おしまい。
0124「新年」「放課後」「マジック」
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2014/01/05(日) 03:16:12.29ID:BKNQ2jc+
 新年も近い12月下旬。
僕は放課後の町を歩いていた。
くたびれた商店街は柄にもなくライトアップして下品な光を放ち、形だけのサンタ帽をやる気もないおばちゃんたちがかぶり、聖夜を演出する体を取っていた。
つまらない。
僕は思った。
こんなの茶番だ。
誰も楽しんでいないのに、異国の宗教にかこつけた馬鹿騒ぎに何の意味があるのか。

 シャッターの降りた店の間、暗がりでミィ、と鳴き声がした。
一匹の子猫が顔を出す。
はぐれたのか、いるべきその保護者はいない。
肋骨が浮き出て空腹は明らかだった。
子猫は僕の足にすり寄る。

 僕は気まぐれで脇の小さな雑貨店で1缶200円もする子猫用の餌を買った。
 プルタブを引き抜き、子猫の目の前にコン、と置いてやる。
子猫は僕を見上げ、やがて遠慮もせず餌を食べ始めた。
僕は猫の傍らに座り、そっと頭を撫でる。

「健一くん……?」
 背後から聞き慣れた声が響く。
僕は立ち上がり、振り向いた。
同じクラスの川上さんだった。
彼女も帰りのようで鞄と反対の手にお菓子の入った買い物袋を下げていた。
「川上さん、どうしたの?」
「ううん、健一君、優しいんだなって思って」
 女子と話すことに慣れてない僕は誉められたことに照れを見せるまいと、堅く一文字に口を引き結ぶ。
「……猫、好きなの?」
「うん、まぁね」
 何となくいいなと思っていた子との校外での遭遇に、僕は狼狽える気持ちを隠して平静に話すことに努めた。
「うちね、猫いるんだ」
「そうなんだ」
「明日、来ない?」
「いいね……って、ええ?!」
 突然の申し出に平常心なんてどこへやら、僕は頓狂な声を上げていた。
「明日クラスの女子でクリスマスパーティなんだけど、ドタキャンが出ちゃって……。女子で来れる人もういないんだけど、健一君ならみんな呼んでいいって言うと思う」
 でも、と言いかけた僕の手をさっと彼女の冷たい手が掴む。
彼女は鞄からマジックを取り出し僕の手の甲に書いた。
『12/24 19:00』
「ケンタッキーも女子だけじゃ食べきれないし、絶対来てよね。そうそう、1000円分のプレゼント交換、忘れないで!」
 言うだけ言って彼女はじゃあね、とぱたぱたと駆けていく。
子猫がミィ、と鳴いた。

 その帰り道は少しだけ楽しく思えた。
僕は手の甲に目をやる。
彼女がくれた、それはまさにマジック。
今の僕には明日のイブのために、商店街の喧噪は楽しげな皆の喜びの声に満ちているように聞こえたのだった。

<了>(999文字)
0125創る名無しに見る名無し
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2014/01/08(水) 01:38:49.36ID:DcTd6zh4
お題ありませんか?
0126創る名無しに見る名無し
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2014/01/09(木) 10:29:46.43ID:/eCBTnzm
お題「ウォーロック」
0127創る名無しに見る名無し
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2014/01/17(金) 20:16:15.40ID:FmDzlR1Z
あげとこ
0128創る名無しに見る名無し
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2014/01/31(金) 06:07:08.01ID:0B9JD0LZ
お題を・・・
0131創る名無しに見る名無し
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2014/02/04(火) 22:53:54.40ID:oYvLORZr
誰か早くお題を
0133創る名無しに見る名無し
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2014/02/11(火) 12:25:18.08ID:Uc11aT6V
ウォーロック

男爵いも

兄弟

3つ出てると思うが。>お題
0134創る名無しに見る名無し
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2014/02/27(木) 00:54:16.97ID:/5cZnKfm
0136創る名無しに見る名無し
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2014/04/21(月) 10:01:24.03ID:XxHhJhsb
0137名無し
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2014/04/22(火) 16:24:10.81ID:J/UoVONA
柏崎誠人は窃盗犯
0138創る名無しに見る名無し
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2014/07/25(金) 11:09:24.93ID:bPjYrjT6
仕切り直しお題募集

↓どうぞ
0139創る名無しに見る名無し
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2014/07/26(土) 06:08:42.12ID:EzdlJhv3
美少女だけど男
0140創る名無しに見る名無し
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2014/07/26(土) 16:45:07.30ID:BuQ9MuYR
炭酸水
0142創る名無しに見る名無し
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2014/10/20(月) 21:31:58.26ID:7qprIz7S
 最高の胡瓜が成る土地を見つけたといって出奔した父の命日から四年、何故か親族の過剰な
保護を受けた私は今月、この色々あり過ぎて困った高校を卒業する。
「進学先の女子大に男が闖入しようとしているとの情報を入手しました。いかが致します?」
 それは俺だと初対面からの旧交を懐古した所で意味はない。この執事面した裏切り者が私を
売るつもりであることは既に知っている。片腹痛いがそれは仕方がない。
 母は亡い。私を産んで育て、敵があればそれを滅するために必要な全てを授けて逝った。
「誰ぞのストーカーなのか。男子のすることではないな、なあ?」
「いや、お厳しい。ですが今回のはお嬢さまのそれとは違う邪な企みがあると、これに」
 差し出された茶封筒から汚らしい白紙を引き出しつつ、問うた。
「答えの解っている茶番を呼んだりはしていないよな?」
「まさかっ」
 やたらいい声で易く跪いて靡くこの従僕が、裏切りを前提にしている筈なのに殺してしまえ
ないのはどうしたことだ。
「まあいい、どうせ豚の鳴く声だ。邪魔なら消せばいい」

 四月。どうしてこの学校は共学の体面を繕うのだ。都市圏にそれなりの敷地を抱いた私学が、
こうまで外界と隔絶されている理由がおかしい。
「あったんですよ、お嬢」
 つま先からそれ以外まで土にまみれた、土偶に似たそれが、したり顔で誇って見せる。
「気易く呼ぶな。それで?」
 従僕のヤスが入手してきた情報に私は驚愕した風を装う。

「ここの敷地、いや所有地の何処かに源泉があるそうで」
「ああ、手に入れた者には全てが約束されるというアレな。炭酸水が湧くんだろ?」
 父が追って消えたのはその一つだ。どうせそれは呪われている。
「いやいや、胡瓜を制する者には世界を云々とかのヨタじゃあないですよ、こいつはガチです」
「そうか。いいよ、行け」
 勝手にしたらいいのに、それで世界を制する筈のヤスはそこで消沈する。
「いや、それがですね? 私もそれなりに頑張っては見たんですが、女子力が足りないとかで」
 他の一族同様、皆殺しにしておけばよかった。物理的なそれは既に備わっている。
「……お前らは不細工揃いだからな」
「せめて神楽舞って遜色ないレベルの上玉を、と」
「死ね」
「いやそれはもう、野郎の願いが叶うまではこちとら死人も同然なんで」
 土気色の理由はそれか。
「……約束しろ。これが済んだらこの国から出て失せると」
「しますとも! お嬢に逆らってまで生きたくないですから!」
 何の間違いか、男ながら巫女としての能力を見出され、将門的な自称最恐の霊魂をパンツ一
枚で昇天させた過去が憎い。お前らも、子供なら誰だってやってみるだろ?
「特にお前は、俺の前に二度と顔を出すなよ」
「そりゃもう……」

 何で奴らは反省というものをしないのだろうか。
 緑色に光る生命体の輝きが、物理法則を無視したムーブで母船に帰還する様子を眺めながら、
私は誓って何も仕込んでいない袴姿で、それを眺めていた。
0143創る名無しに見る名無し
垢版 |
2014/10/21(火) 20:22:00.73ID:jDio0j8U
どういう事だよw
長編の一部だけ持ってきたみたいな感じ
0144創る名無しに見る名無し
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2014/10/22(水) 07:57:51.08ID:NLUwSLwb
とっさに思いついた長編を一レスにしたらこんなのになってしまった
残念な結果に終わったズビズダーを叩き直してみたい気分だったのは否定しない
0145美少女だけど男・炭酸水・胡瓜
垢版 |
2014/10/27(月) 00:41:36.19ID:1iBm/e1w
「先輩、私と付き合ってください」
 かたちの整った先輩の小さな耳が、私の言葉におどろいたのか、ピクリと動いて振り向いた。
「君が、私と付き合うって?」
 先輩の声は美しかった。低くて、よく響き渡って、でも鈴のように澄んでいて。
 ぷっくりとした唇が、ルージュを塗ったようになめらかで、白い肌に色っぽく動いて。
 カラーなんて付けないのにキラキラしたまつ毛の、おおきな瞳に見つめられると、私は何を
言われてもドキドキしてしまう。先輩よりきれいな子なんて、この世のどこにもいないだろう。
それくらい先輩は、とびきり最高の美少女だ。
「……私とじゃ、ダメですか」
 ほんとうは誰もいない校舎裏で、先輩の姿と声をひとり占めしてることが嬉しかったけど、
私は自信なさげにダメですか、と言ったのだった。でも、私には普通にクラスの子の半分よりは
可愛い自身があったけど、先輩とはつり合わないかもっていう不安は本当にあった。
だって私と先輩は同じセーラー服を着て、ローファーを履いてるけど、全然ものが違うっていうか、
モデルとそれを真似してる人くらいオーラが違う。
「別に、急に言われたから驚いてさ」
 私とじゃダメとも私でもいいとも言わずに、先輩は持ってた炭酸水を飲んだ。
炭酸水は先輩がいつも持ってる、外国の何て読むかわからないラベルが貼ってあるやつだ。
先輩はきれいだから、友達がたくさんいるけど、先輩自身は喋るほうじゃなかった。まわりの子が
きゃあきゃあ言ってると、先輩はときどきつまらなさそうな顔をして、持ってた炭酸水を飲むのだった。
私は先輩のそのしぐさがたまらなく好きだった。おしゃべりを無視された子たちが怒るどころか、
見とれてしまうようなそのしぐさが。
 先輩が飲む炭酸水は、ちょうど夕焼けになった空が写って輝いていた。この校舎裏の、
誰もいない場所の、ロマンチックな夕焼け。私が選んだ最高のシチュ。
ここで先輩と二人きりで話せるだけでも、最高に幸せ。
「……いいよ、君で」
先輩が言った。

それから私が見たものは、
あれは、
あれは胡瓜だ。
私の腕をつかんだ先輩が、強引に物陰に押し倒して。
男みたいに。そんなことあるはずない。
でも先輩のきれいな唇が、白い肌が私に触って、
私はとっても痛かった。
全部が終わって先輩が行ったあと、あの炭酸水のボトルが残っていた。
夕日に光っていた炭酸水は、ぬるくて酸っぱい、気持ちわるい水になっていた。
0148創る名無しに見る名無し
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2014/11/23(日) 13:06:04.64ID:tFOrJRvG
いいですとも!

「合体」
0150創る名無しに見る名無し
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2014/11/24(月) 02:26:15.38ID:NUGX7NHg
敗北
0151創る名無しに見る名無し
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2015/02/21(土) 10:49:32.64ID:b6PQst7O
完全な敗北だった。
負けた少女は茫然とし、相手を見ていう。
「負けたわ。あなたのいうなりになる。何でもいいなさいよ」
勝った男の笑いは卑猥に満ちていた。
「そのセーラー服を脱いでもらおう」
「わかった」
少女は潔く夏服を脱ぎ捨てた。
「これでいい?」
「だめだ。全部脱げ。丸裸になってもらおう」
「仕方ないわね」
少女は全裸になった。
「脱いだわ。次はどうすればいい?」
「合体!」
少女は思わず身構える。
しかし男は少女には目もくれず、彼女の抜け殻であるセーラー服と下着をかき集めた。
何をするかと思えば、それらを全部着てしまった。
男は高揚感に包まれ、高らかに笑う。
「わはははははっ。これで俺の望みはコンプリートしたぞ!」
それ以来、男とセーラー服は全く分離できなくなり、数奇なその余生を過ごす。
これがセーラー服おじさんのいきさつである。
0153創る名無しに見る名無し
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2016/01/27(水) 06:07:47.06ID:C6O7l1Yx
 
0156創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/08/31(水) 04:37:52.02ID:cOHXDcjI
a
0160創る名無しに見る名無し
垢版 |
2017/10/16(月) 18:00:22.10ID:/BQPnrEr
>>159
>お題の提出は一人一題まで

お題やり直し↓
0163創る名無しに見る名無し
垢版 |
2017/10/19(木) 19:46:55.97ID:VW1KbrXO
柴犬
0164創る名無しに見る名無し
垢版 |
2017/12/27(水) 09:32:18.32ID:C1Z7QFDy
家で不労所得的に稼げる方法など
参考までに、
⇒ 『武藤のムロイエウレ』 というHPで見ることができるらしいです。

グーグル検索⇒『武藤のムロイエウレ』"

ZXIQIAMUGG
0165創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/25(日) 03:57:41.19ID:WUmYbBpy
ちょくちょく傑作があるスレだ
0166創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/05/21(月) 06:11:30.37ID:tRZnwP6O
知り合いから教えてもらったパソコン一台でお金持ちになれるやり方
参考までに書いておきます
グーグルで検索するといいかも『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』

GWFZH
0167創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/07/02(月) 21:22:46.61ID:0cIaeNoO
良スレage
0168創る名無しに見る名無し
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2018/07/03(火) 18:03:29.25ID:f1dClnnX
VZG
0169創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/10/17(水) 20:17:40.15ID:ZU7x6aHX
中学生でもできるネットで稼げる情報とか
暇な人は見てみるといいかもしれません
いいことありますよーに『金持ちになる方法 羽山のサユレイザ』とはなんですかね

C5C
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