他に行き場所の無い作品を投稿するスレ4
とりあえず書いてはみたものの、一体どのスレに投稿するべきか分からない自作の作品を投下するスレです。
仲間外れの方、空気読めない方で、想像力と妄想力をもてあまし気味の方は是非、こちらのスレへどうぞ。
批判、批評、ご意見はなるべく簡潔に。変に貶したり感情的にならずに優しく見守ってあげましょう。
【過去スレ】
他に行き場所の無い作品を投稿するスレ3
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1281009558/
他に行き場所の無い作品を投稿するスレ2
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1248339137/
他に行き場所の無い作品を投稿するスレ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1223547316/
「カズミチさん…好きです。お付き合いして…ください…」
「色々な事情により、その気持ちに答える事はできません」
「えっ?」キョトン。勇気を振り絞って告白をした少女の想いは、簡単に却下されてしまった。
少女の名前は一岡珠姫。まだ小◯生に見える幼い見た目の女子高生、もとい女子校生だ。
相手のカズミチこと九十九和道は、49歳の独身男性(会社員)。この年齢まで彼女どころか好きになった女性すらいないという寂しい人生を送ってきた。
まだ出会って半年の二人だが、まるで10年以上経ったかのように様々なイベントをこなしてきた。
春は花見、夏は海、冬は温泉、さらにクリスマスやバレンタインも何度かあった…あれ、出会って半年とは?
「わ、私が子どもみたいな見た目だからですか?」
タマキはありがちな質問をぶつけてみた。確かにはたから見ると親子にしか見えない年齢差だし、下手すれば男性のほうが誘拐犯と間違えられる可能性すらある。
常識的に考えて、30歳も上の男性が恋愛対象になるのはありえない。
「まあ、色々とあってさ…」
カズミチは言葉を濁した。彼もまた、小◯生の女児に欲情…失礼しました。とにかくそういう趣味は無かった。
実際は女子校生なのだが、それでも未成年に手を出すなんてことはおっかなくて出来ない。
「せ、世間の目とか」
どうしたカズミチ。それでも男か。相手の女が抱いてくれと請うているのだ。
「そこまでは言ってませんよ。ていうか誰なんですか」
タマキは虚空に向かってツッコんだ。それはともかく、彼女にしてみれば今までの話は何だったのかという話だ。
「覚悟はできています。たとえ後ろ指を指されても…」
凄い意気込みが伝わってくる。それでもカズミチはタマキの想いを受け取ろうとはしない。
「君は、40代の独身男性の作者の妄想を固めた架空のヒロインなんだよ」
カズミチはタマキを説得しようとするが、作者とか架空とか言われてもピンとこない。
元々はこんな子が彼女になればいいな〜。という理想を描いたフィクションに過ぎないと。
それならば、最後はそんな理想の女の子が作者の自己投影となる主人公と結ばれてハッピーエンド…となるのでは無いか。
しかし、予想外な事が起こったのだ。
ライトノベルとして刊行されたこの物語は、何故かわからないが売れ続けた。
その分析は他に譲るとして、ライトノベルが売れたら待っているのはメディアミックスである(諸説あります)。
アニメ化の話が出てくると、作者は二つ返事で承諾した。
アニメによって原作のライトノベルも売れるので(そうならない場合もあります)、作者は断る理由が無かった。
多くの目に触れるということは、そういう事ですね。
作者の妄想は白日のもとに晒された。やはり作者のパーソナリティが主人公まんまというのが、バレたのが痛かった。
作者は話を終わらせる事にした。こんな都合のよい美少女は存在しないという現実に向き合うために。
「そういうわけで、さよなら」
そう言うと、カズミチは消滅した。残されたタマミは、今までの事を忘れて新しい道を一人で歩き出した。