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他に行き場所の無い作品を投稿するスレ4
0001創る名無しに見る名無し
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2011/11/26(土) 22:10:24.21ID:7gG7Ni10
とりあえず書いてはみたものの、一体どのスレに投稿するべきか分からない自作の作品を投下するスレです。
仲間外れの方、空気読めない方で、想像力と妄想力をもてあまし気味の方は是非、こちらのスレへどうぞ。

批判、批評、ご意見はなるべく簡潔に。変に貶したり感情的にならずに優しく見守ってあげましょう。

【過去スレ】
他に行き場所の無い作品を投稿するスレ3
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1281009558/
他に行き場所の無い作品を投稿するスレ2
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1248339137/
他に行き場所の無い作品を投稿するスレ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1223547316/
0302 ◆KazZxBP5Rc
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2013/10/06(日) 00:46:17.17ID:RoIUA5k0
ヤツはまず俺の顔に攻撃を仕掛けてきた。
額から頬からまんべんなくだ。
しょうがない。ヤツを引き離し、俺は例の物を取り出した。
卑怯かもしれないがこれでも食らいやがれ!
例の物を放ると、思いっきり遠くに飛んでいった。
狙いが外れたって? そんなことはねえ。
ヤツはそれを見るや否や例の物に飛びついて行った。
くくく、お前は噛み付いたら離しやしねえ。その習性を利用させてもらうぜ。
はっ! こんなときに……妹が来るなんて!
ヤバい、今ヤツに見つかったら巻き添えを食らうぞ!
やめろ、ドアを開けるな、おい、待て!
「何遊んでんの?」
「わんわん」
0303創る名無しに見る名無し
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2013/10/06(日) 02:25:59.03ID:JFqCZoa+
「ねえパパ、ペット飼ってもいい?」
泥まみれで帰ってきた我が子から、開口一番に飛び出した言葉がそれだった。

「悪いがウチにはそんなお金ないよ」
あれこれ言って誤魔化す事はできるが、厳しいようでもきちんと理由を告げ納得させる。
それが家の教育方針だ……というのは建前で、実際ただひたすら貧乏なだけである。
その辺りは幼いながらに、我が子も理解しているだろう。

「でも拾ったんだよ。タダだよ」
なるほど、そこを推してくるとは順当に守銭奴として育ってきているな。
しかしそれだけではこの先生きのこれない。

「拾うのはタダでもね、飼うには色々お金がかかるんだよ。餌代とかね」
タダより安いものはない。正に手本のような例である。
だが我が子は引き下がらなかった。決して理由に納得していないからではない。

「アーちゃんはね、ちゃんと自分でエサとってくるんだよ。吠えないし、かみついたりしないもん」
「ううむ、思った以上に考えているじゃあないか。そのアーちゃんはどういう動物なんだい?」
「ヘビだよ」
「ヘビ!? ヘビなのにかみ付かないのかい? 毒とか、あるかもしれないだろう?」

予想外の答えに驚くが、だからといって感情にまかせで否定するのは大人のやる事ではない。
ヘビが危険というのはあくまで一般のイメージであるし、実際にペットとして飼育する人間だっている。

「毒なんかないよ。ずかんで調べたもん」
「そうなのか? それじゃあパパにも見せてごらん」
「ちょっとまって」

そういって我が子は急いで、部屋の中に入っていった。そうして一呼吸も置かないうち、またこちらへと戻ってくる。
てっきり既に家の中に入れていて、それを直接もってくるのかと思ったが、小さな手に握られているのは図鑑のほう。

「えーとね、これ!」
図鑑の真ん中にデカデカと掲載されたその種族。
噛み付く必要などない。何故ならその大口で、あらゆるものを丸呑みにできるからだ。
毒も必要ない。その巨体でしめつけるだけで、あらゆる生物の動きを止める事ができるからだ。
ああ、アナコンダだからアーちゃんなのね……ってオイ。

「ねー飼ってもいい?」
そうねだる我が子の声の後ろにシュウシュウと奇妙な音が重なる。
ああ、そうかヤカンかけっぱなしだったな。きっとそうにちがいない。
その日我が家には、無料のオープン型ホームシアターが完備される事になる。ただしタイトルはB級作品一本だが。
0304創る名無しに見る名無し
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2013/10/20(日) 22:43:12.68ID:a/FKEbMG
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4598802.png

某所で「血管の浮いたおっぱいっていいね」という話題が出た時にかいたラフ
もうちょい描き込んで色も付ける予定だったが時期を過ぎてしまったんでボツ供養
0306 ◆ePrWFcKhKU
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2013/11/10(日) 15:36:32.24ID:+au34mPQ
◆◆◆姉貴が半裸で寝てるんだが[01/05]

「姉貴が半裸で寝てるんだが……」
「ホントだ。お姉さん、戻ってきてるんだね」
「風呂を使いに来ただけだ。昨日、銭湯を出入り禁止になったらしい」

今回こそ姉貴、アパートを引き払うかもな。それは悪いことじゃない。
ただタイミングがなぁ……俺、幼馴染と付き合い始めたばかりなんだ。

「トップレスはいいとして、なんでコシミノなの?」
「役作りだろ。台本握ってないし、どうせエキストラ……あれ?おい!!」

幼馴染は制服のスカートをたくし上げていた。スパッツが膝をくぐる。

「コシミノの下に履かせなきゃね」
「いや、履くものくらい姉貴の部屋に残してあるはず」
「あぁ、そだね。んじゃ私、見繕って来るよ」

幼馴染は2階へ。俺は姉貴が散らかしたリビングの片付け。
ビールは自分で持ち込んだのか?バイト先からクスねてないか心配だ。

ドアが開く。幼馴染が意気揚々と、コシミノ姿で立っていた。
0307 ◆ePrWFcKhKU
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2013/11/10(日) 15:39:48.80ID:+au34mPQ
◆◆◆姉貴が半裸で寝てるんだが[02/05]

「せめてブラジャーくらい着けろ」
「小さい頃、全裸スカートで遊んだよね。3人で」
「俺にも似た格好させるツモリじゃないだろな?」
「似た格好じゃないよ。ペニケース持ってきた」

幼馴染からのニューギニア土産だ。姉貴が無理にネダって入手した一品。
何としても装着は回避したい。姉貴が目覚めれば……今の状態ですら予測不能。

「それな、精霊が宿ってたぞ。元の場所に仕舞ってこい」もちろんデマカセ。
「知ってるよ?頼まれた通り精霊入りのを買ったもん」

マジか?……んなの聞いてねーよ。

「呼ぶときはスイッチを『強』に合わせるんだよ」
「ホントにニューギニアで買ったのか?……お、おい、あんまイジらない方が」
「うわああ、これ、電池、液漏れ?」

白濁した雫が先端でみるみる膨らむ。
0308 ◆ePrWFcKhKU
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2013/11/10(日) 15:51:07.43ID:+au34mPQ
◆◆◆姉貴が半裸で寝てるんだが[03/05]

「絶対揺らすなよ」

洗いたての灰皿が視界にあった。掴んで差し出す。セーフ。
新聞紙をテーブルに広げ、粘液がこぼれないようペニケースを載せる。

「うん?ああ……それ、精霊のヌケガラかな?」
「姉貴!!」「お姉さん!!」
「もういなくなっちゃったかなあ?……ちょっと『強』にしてみてよ」

幼馴染がスイッチを鳴らす。液体が吹き出し、宙に筋を描いて姉貴の乳房へ。
軽く着弾音が鳴った気がする。姉貴の口から「ふぅ」と息が漏れた。

「お姉さん、これ使って」箱ごとティッシュを差し出す幼馴染。
「必要ないよ。それより成就してよかったね。このまま妹になっちゃえ」

幼馴染が姉に抱きつく。胸に顔を埋める。テッシュで拭けばよかったのに。
つーか、まだ付き合ってることを教えてないぞ?どこで分かるんだ?

「私、今からロケ。サイパンなの。交尾するならアパート使っていいよ」

そう言い残し、ペニケースを手に家を出る。最後まで半裸のままかよ。
0309 ◆ePrWFcKhKU
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2013/11/10(日) 15:59:00.47ID:+au34mPQ
◆◆◆姉貴が半裸で寝てるんだが[04/05]

翌日。姉貴のアパートに入ると幼馴染が卵を溶いていた。
パンケーキを焼くらしい。冷蔵庫に卵と牛乳が残ってたから、とのこと。

精霊、成就……昨日は質問をはぐらかされた。
この部屋でなら少しは詳しく説明できるらしい。もう割とどうでもいい。
見慣れたつもりのエプロン姿が新鮮に映る。こんな場所だからだな。

「それ、お姉さんのペニケ。私が預かってたの」
んなもん食卓に載せんな。つーか、ペニケースを略すと可愛いな。

「願い事を込めて交換するの。それが部族のシキタリ」
ペニケの脇にパンケーキが並ぶ。おい?バターにしては白濁としてるが……。

「私の想いは叶った。お姉さんのも叶わなきゃ嘘だよね?」
指で2つに畳み、フォークを突き立て、ゆっくり俺の口元へ。

後退りする俺にニジり寄る。更に身を乗り出す。片足ずつ、膝を、食卓へ。

玄関を放つ音「遅くなっちゃった!」幼馴染!?

「スーパー混んでてさぁ、薬局も寄ったし」

食卓の女がペニケに吸い込まれる。なのに……そこから見えないハズないだろ?
0310 ◆ePrWFcKhKU
垢版 |
2013/11/10(日) 16:03:48.95ID:+au34mPQ
◆◆◆姉貴が半裸で寝てるんだが[05/05]

完全消滅に数十秒。その間も買い出し品の整理をしてた。

「何か落ちてるよ……焼きたて?」幼馴染がしゃがみ、床からパンケーキを掴む。
「お前……本物だよな?」質問する俺の膝に肘を乗せ、こちらを見上げている。
「もし私が何かの偽者でも、私は私だけどな」否定も肯定もしない。

「さっき迄ここに偽者がいた。俺は見破れなかった」正直に話す。
「区別なんか、ずっと前からできてないよ?」何のコトだよ!?
「……」とにかく俺は区別できなかったらしい。誰と誰とを?

会話が途切れ、俺の膝で拾得物を頬張る。心臓のような咀嚼に目を奪われた。
それは俺のために焼かれたはず。俺に食べる義務がある。今になって気付く。
背中を抱き上げ唇を繋ぐ。舌で何度も押し上げてくるソレは、甘味が足りない。

味わって喉へ流す。おおかた移し終えた頃、膝を跨いて這い登り、俺に被さる。
今度は残留物を押し落としてくる。
幼い頃、同じように姉貴は俺に食べさせた。フザケて。時間をかけて。

俺からも舌を伸ばす。歯茎の表裏、歯の窪み。食べ残しは許されない。

先ほどから幼馴染が俺達の食事を見つめている。
半裸で横たわり、膝を抱え、食卓に収まっていた。

(完)

===========
以上です。読んでくれた人、ありがとね
0311TロG ◆n41r8f8dTs
垢版 |
2013/11/25(月) 01:11:10.57ID:HpAltg7K
けたたましく鳴り出すゴングの音に合わせて、男は勢い任せにリングロープから飛び跳ねる。
自分と同じかそれ以上に筋骨隆々な敵柄レスラーの下へと一気に詰め寄ると、背筋を大きく背伸びしながら片足を上げる。
宙返りしながら放たれたその片足は、綺麗にレスラーの顔面を捉えた。


wrestler


『出たー! スペルドルフィンのドルフィンサルトだー!』

一気に沸き立つ観衆と共に、実況席の解説者がリングの上の男の技を解説する。
頭にイルカを模した勇ましい覆面を被った、スペルドルフィンと呼ばれたレスラーは着地して地に付いている片膝を上げる。
そして間髪入れず相手がこちらに気づくよりも素早く、スペルドルフィンは足元へと仰向けで滑り込んだ。
滑り込むと同時にがっしりと引き締まった両腕でがら空きの両足を押さえると、そのまま前方へと相手を押し倒す。

『続いてドルフィンスペシャル荒波固めだ! これは痛い!』

まるで波が寄せては返すように、スペルドルフィンは両腕で固定した両足を前後へと押したり引いたりする。
この技は相手の動きを封じるだけでなく、無理やり筋肉を伸縮させる事により痛みを与えるという地味にエグい技だ。
もうこれが出た時点でスペルドルフィンの勝ちは決まったものだ、とはプロレスファンの間でよく言われている。

実際、スペルドルフィンの攻めに相手レスラーは苦悶の表情を浮かべて逃げようと身をよじる。
だが、スペルドルフィンは決して力を緩めない。ギブアップか、レフェリーの判定を聞くまで決して油断はしない。
何十秒立ったか、相手レスラーは必死に床をタップした。ギブアップだ。

両腕を両足を即座に離して、スペルドルフィンは立ち上がった。先ほど以上に沸き立ち盛り上がる観衆。
あらゆる方面から焚かれるフラッシュを浴びながら、悠々といった調子でスペルドルフィンはリングから下りていく。
すぐさまセコンドであるパートナーであるシー・ボウズが付き添い、勝利の決めポーズを決めながらその場を後にする。


「ふぅ……今日もしんどかったな」

控え室。パイプ椅子に腰掛けて、覆面を脱いでスペルドルフィンは一息付いた。
ここ最近は勝ち星が続いており、ファンからもすこぶる評判が良い。客の入りも上々だ。
だが、良い事続きでもない。その証拠に、シー・ボウズが新聞紙をスペルドルフィンに渡した。
無言でそれを受け取り、スペルドルフィンは新聞紙を広げる。

「また書かれてるのか……」

その一面にはデカデカとこう、見出しが付いていた。

また荒波固めか! ワンパターンレスラースペルドルフィン!

「なぁドルフィン。お前もっと工夫とか出来ないのか?」

シー・ボウズの問いに、スペルドルフィンは自分でも納得出来ないといいたそうな表情を浮かべて言う。

「俺だってバリエ増やさないととは考えてるよ」
「そうか? にしても前の試合も前々の試合も荒波固めだっただろ」
「つってもドルフィンサルトやサマーデイズスペシャルをやっても同じ事書かれるだろ」
「いや違う」

シー・ボウズのサングラス越しの目が微かに鋭く光る。
伊達に長い間パートナーに就いている訳ではない。そこらの記者よりも、シー・ボウズは熟知している。
今、スペルドルフィンに何が起きているのかを。
0312TロG ◆n41r8f8dTs
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2013/11/25(月) 01:12:35.66ID:HpAltg7K
「お前の技には大まかに分けて二つしかない。跳ぶか絞めるかだ。後は絵面映えしない打撃技か」
「いやそれだけでも十分だろ……」
「俺が言いたいのはそういうことじゃない」

スペルドルフィンに向き合う為、適当にパイプ椅子を持ってきてシー・ボウズはそこに座る。
座って懐から表紙がボロボロになっているメモ帳を取り出すと、それを広げてスペルドルフィンに見せる。
そこには今日までの試合の日程と勝敗の結果、それに。

「この丸とバツと三角は何だ?」
「お前がフィニッシュした時の技の種類だ。丸が跳び系の技で、バツが絞め系の技、三角がそれ以外だ」

と、言われてスペルドルフィンはその記号がどんな風に羅列されてるかは確認してみる。
三ヶ月前は丸とバツが交互に入り混じり、自分ではどんな風に決めたかは覚えてないが、三角も多い。
だが二ヶ月になると大体丸が七割、バツが三割で三角が消えた。

そしてここ一ヶ月はほぼバツだけになっている。

「あれ……俺こんなサブミッション使いだったか?」
「とぼけるな。お前の絞め技なんて荒波固めかさざ波落とし位しかないだろ」

スペルドルフィンは我ながら愕然とする。こんなにも自分が横着になっていた事に。
あまりにも試合試合試合が続きすぎて疲れていたのか、それともさっさと試合を終らせようと脳味噌がパターン化してしまったのか。
毎度盛り上がってくれる観客達にかまけて努力を忘れてしまったのか。様々な要因がスペルドルフィンのなかで反芻する。

「何にせよだ。少しは考えて戦わんと、スポンサーから見放されちまうぞ、ドルフィン」

パタンとノートを閉じて、シー・ボウズはそれを懐にしまうとパイプ椅子から立ち上がった。
立ち上がり、新聞紙を丸めると呆然としているスペルドルフィンの肩を軽く叩くと、いった。

「次の試合は三日後だ。短い期間だが何か新しい技を考えておいてくれ。頼んだぞ」

そう言い残し、シー・ボウズは主催との打ち合わせの為に控え室を後にした。
誰もいないがらんとした控え室で、スペルドルフィンは両手を口元に寄せて考える人と化す。
新しい技、新しいわざとそう簡単に言われたが、今日に至るまでスペルドルフィンはスペルドルフィンなりに試行錯誤を続けてきた。
どうすれば見栄えが良くなるのか、派手に立ち回れるのか、自分なりに頑張ってきたつもりだ。

だが、この仕事も長く続けてくるとこういう難題からは逃げられない、と分かっていたのだが。
プロレスというのは格闘技というジャンルである以上に、ショーだ。観客は屈強で大柄な男達がどんな戦いを魅せてくれるのか。
一体どんな試合を見せてくれるのかを楽しみにしている。まず日常では見られない、汗と筋肉が織り成すファンタジーを。

そんなショーの中でプロレスラーとはすなわち役者だ。役者ならば常日頃、新しい分野へと挑戦しなければならない。
進歩なくして成功は無し。これは別に役者に限らず、どんな職業にも当てはまる考え方ではある。
いつごろから自分がこうも停滞してしまったのか、スペルドルフィンには見当が付かない。
こんな怠けてしまった己自身をまず叩きのめしてやりたい気分だと思う。そんな事をしてる暇があるなら新しい技を……。

だが、思いつかない。何だよ、新しい技って。とスペルドルフィンは内心憤る。
打撃もサブミッションも、さすればロープを使った跳び技もそれなりに工夫してきたつもりなのに。
これらを含む事の無い技なんてそれこそ凶器攻撃だとか位しかないじゃないか。
凶器を使うなんて自分のポリシーに真っ向から反する。ならば投げ技か。いや、投げ技は流れに組み込むのはアリだがトドメに使うにはちと弱い。
一体どうすればいいんだ……。こうも一人で考え続けていても埒が明かない。
0315TロG ◆n41r8f8dTs
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2013/11/25(月) 01:15:03.65ID:HpAltg7K
シー・ボウズに相談してみるか……と思い立った矢先。

「何やら思い悩んでいるようじゃな」

いつの間にかドアを開けて、何者かが控え室へと入り込んでいた。
驚いてスペルドルフィンはその何者かへと顔を向ける。顔を向けて……しばし困惑する。

そこに立っていたのは、変なマスクを頭にすっぽりと被った少女だった。
自分で作ったかのような、所々綻びが結構目立ち、修羅という漢字が大きくプリントされている覆面のマスク。
マスク以外は全身を薄いピンク色のファイティングスーツで纏、胸は平坦。腕も足も短い。
ハッキリと言えば幼児体系だ。身長は小学生くらいだが、体格は幼児と言ってもいいくらい、幼い。

「だが安心するが良い。わらわが来たからにはもうお前の悩みは消えたも同然じゃ」

と、鼻息を鳴らして無い胸を力強く張る少女。一体これはどうしたことか。
スペルドルフィンは組んでいる両手を解くと、椅子から立ち上がって少女の元へと怖がらせないようにゆっくり歩み寄る。
歩み寄り、そっと少女を回れ右させると、ドアから外に出して申し訳無さそうに言う。

「ごめんよお嬢ちゃん。ここは関係者以外立ち入り禁止なんだ。お父さんお母さんの所に帰ってくれるかな」

次の瞬間、勢いよく少女は振り返るとスペルドルフィンが閉じようとしたドアを鷲掴みにした。
そしてアルミ缶でも潰す様に容易に鉄製な筈のドアをバキバキと潰していく。これには思わずスペルドルフィン。

「うわっ、うわわ!」

本能的な恐怖感からか、ファイティングポーズを取りながら瞬時にスペルドルフィンはその場から後ずさった。
力一杯にドアをこじ開けると、背後から不気味なオーラを放出しながら少女が歩いてくる。
少女の目から紅く殺意に満ちた光が見えるのは幻覚だろうか。現実だろうか。

「お主は人の話を聞かぬな……」

「な、何なんだお前は? モンスターか? ゴーストか? 悪魔超人なのか?」

動揺しっぱなしのスペルドルフィンに対して、少女はやれやれと言った調子でパイプ椅子を動かす。
動かしてその上に座ると、人差し指を曲げて床に向けて小刻みに振る。一回、二回、三回と。
そのジェスチャーにスペルドルフィンは首を傾げていると、少女はドスの効いた声で言った。

「わらわの前に座れ。土下座でも何でもいいから座れ」

よもやこんな少女から指図されるなんてと。しかし目の前で起こった事を考えると、どう考えても逆らうのは得策ではない。
スペロドルフィンは仕方が無く、と言うより身を安全を考えて、少女に従う事にする。

「体育座りか……まぁ良い」

そうして少女は椅子から立ち上がると、体育座りをしているスペルドルフィンにようやく、自らの正体を明かした。

「わらわの名はデストロイ・ハルトシュラー。言うなればプロレス界の精霊じゃ」
「精霊? そんな精霊が何を……」
「何をって、おぬし悩んでおったじゃろう。自分の戦い方に。だから来てやったのじゃ」

ズバリと指摘されて、思わずスペルドルフィンは言葉に詰まる。
何故こうもお見通しされたのかは分からないが、恐らくこのハルトシュラーとなる精霊は本当に聖的な物なのだろう。怪力だし。
驚いた表情を浮かべているスペルドルフィンに、ハルトシュラーは愉快そうに口元を微笑ますと、言葉を続ける。
0316創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/11/25(月) 01:15:49.80ID:QC2DQ6Ct
支援
0317創る名無しに見る名無し
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2013/11/25(月) 01:17:34.24ID:psVUWCL9
しえん
0318TロG ◆n41r8f8dTs
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2013/11/25(月) 01:31:19.70ID:yiJaydHJ
「図星じゃな。そこでお前に尋ねる。お前にとってプロレスとは何じゃ?」

急に壮大な疑問が投げかけられて、困惑しつつも答える。

「それは……もちろん仕事だ。仕事だし俺の食い扶持だ」
「お? それはお主の本心か?」

口元は笑いつつも、ハルトシュラーの目がマスク越しから鋭く光る。その目を見、若干畏怖するスペルドルフィン。
だがそれ以上に投げかけられた言葉の意味を、頭の中で考える。本心……いや、本心には違いない。
しかしハルトシュラーが求めているのは多分、こういう答えではない、気がする。

「プロレスは俺にとって……」

一度、言葉が詰まる。詰まって、一寸考えて、返答する。

「プロレスは俺にとってサーフィンだ」

顔を上げて、スペルドルフィンはハルトシュラーを真っ直ぐに見つめ返したまま、そう答えた。
そんな返答に、ハルトシュラーは小さく頷くと、何故か人差し指と親指をピタリと付けた。
そして天高く腕を上げると、高らかに叫びながら指を鳴らした。

「ならばお前のサーフィンを見せてみろ!」

ハルトシュラーが指を鳴らした瞬間、スペルドルフィンとハルトシュラーが同時にその場から姿を消した。


「うわっ!」

体育座りの状態のまま、スペルドルフィンは何処かに連れて行かれて、驚きのあまり勢いよく立ち上がる。
気づけばそこは控え室ではなく、いつもの職場でありショーの舞台である、リングの上であった。
だが、普段は活気に満ちている観客の姿は人っ子一人いない。がらんと静まり返っており、ただ大きなスポットライトだけが、リングを照らしている。

「お前の相手はこいつだ! スペルドルフィン!」

どこからともかく、ハルトシュラーの声が会場一杯に響いて聞こえてきた。
一体どこにいるのかとスペルドルフィンは周りをきょろきょろうろちょろと探してみるが、その姿は無い。
代わりに目の前に現われたのは――――――――。

「お前が俺の相手かッッッッッ!」

そこには、スペルドルフィン以上に発達し盛り上がった、完成された鋼の筋肉と、頭に鯵の頭部を。
マスクやきぐるみとは思えない、気持ち悪い生々しさを誇る鯵の頭部を被った変な男がいた。

「うわっ、くせぇ、魚くせえ」
「初対面の相手にその狼藉!! 最早一片の情も掛ける必要無しッッッッ!」
0320TロG ◆n41r8f8dTs
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2013/11/25(月) 01:32:58.70ID:yiJaydHJ
そう呟きながら鯵頭は両腕両手に込められるだけの力を込める。
咄嗟にスペルドルフィンは防御か攻撃か、どちらかに体を動かそうとした、途端。

「――――――――なっ」

鯵男の拳は反応するよりも早く、スペルドルフィンの腹部を捕らえた。
鍛え上げられた上腕は伊達ではなく、防ぐ事もままならずスペルドルフィンは思わず痛みで嗚咽する。
だがそれで攻撃が止まるはずも無く、鯵男は両手を組んで硬く握ると、スペルドルフィンの頭めがけて振り下ろす。

頭部全体に走る激痛と、揺さぶられ混濁する意識。
その場に思わず突っ伏したスペルドルフィンに追い討ちを掛ける為、鯵男は凄まじい勢いで背面を踏みつける。

「必殺、鯵のタタキ〜! 貴様はもう終わりだッッッッ!」

意識も薄れ始め。呼吸も乱れだすスペルドルフィン。
そんな中、今更過ぎるがハルトシュラーが今敵対しているレスラーを紹介し始めた。

「紹介が遅れたがこいつの名はア・ジョー・チュウ。冗談みたいな身なりをしているが最強の男だ。
 極寒の海を一切休む事無く72時間泳ぎきるほどのな。お主に奴は倒せるかな」

とハルトシュラーは言うが、もうスペルドルフィンにその声は聞こえていないようだ。
疲労困憊と痛みによるダメージの蓄積で、最早今のスペルドルフィンはただの筋肉の塊でしかない。
このまま、ア・ジョーによって心も体も、叩きにされてしまうのだろうか。イルカの、タタキに。

――――――――スペルドルフィンの脳裏に浮かんでいるのは、オフの日の光景。

照り付ける爽やかな太陽の下で、大きく寄せては返す波の音を聞きながら、サーフィンに勤しむ。
激しい波に乗るのは大変だが、そんな太陽の下で色々な技を繰り出すのは非常に楽しい。
時に三日月のような弧を描いてみたり、思いっきりボートから離れて着地したり。
自分自身で新しい技を考え付いて、それを成功させたときのあの嬉しさといったら―――――――。


「……ム?」

ふと、違和感に気づきア・ジョーは小さく声を上げる。
完全に伸びていたはずの、スペルドルフィンの体が若干、動いた様に見えた。
だがそれは気のせいだったようだ。やはりスペルドルフィンは動かない。

「ふぅ、思わずビビッて鰯になる所だったぜ。だがもうフィニッシュ……だな!」
0322TロG ◆n41r8f8dTs
垢版 |
2013/11/25(月) 01:34:33.72ID:yiJaydHJ
楽しげにそう言いながら、ア・ジョーは最後の一発として大きく片足を上げた。

「これで、終わりだ〜ッッッッ!!」

次の瞬間。

目に見えぬ速さでスペロドルフィンは仰向けになると、左方へと転がった。

「何ッ!?」

予想だにしないスペルドルフィンの回避行動に、思わず振り下ろした片足が虚しくマットを叩くア・ジョー。
転がって即座に、スペルドルフィンは全身をバネの様に伸ばして勢いよく起き上がった。
起き上がり、肩で息をしつつも、ア・ジョーに向かって指を指す。

指を指しながら、言い放つ。

「ギッタギタの活け造りにしてやるぜ……この、鯵野郎!」


「ほうっ……」

どこからか、ハルトシュラーの吐息が小さく聞こえてきた。

「ふんっ! 今更起き上がったところで何を」
「行くぜ!」

ア・ジョーが何か言おうとするのを阻止する様に蜂、否、ダツ(グーグルとかで調べてみよう)の様に早いパンチがア・ジョーを襲う。
抵抗し様にも、鋭く突き刺さるように入ってくるスペルドルフィンのパンチに、ア・ジョーは成す術が無い。
あれほど艶々としていた自慢の鯵の頭が、次第に見る見る間に無残に変形していく。何か、グロい。

「ま、待て! 落ち着け!」
「断る!!」
「す、少し話し合おう!」

さっきまでの威勢は一体どこに消えたのか、必死になってア・ジョーは攻撃を止めてほしいと狼狽する。
が、スペルドルフィンにそれを聞き入れるつもりは無さそうだ。一気に間合いをつめると同時に、右足を力一杯に振り上げる。
そして左足を思いっきり蹴り上げて、その場で宙を返る。非常に、美しいフォームで。

「ドルフィン……サルト!」
0323TロG ◆n41r8f8dTs
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2013/11/25(月) 01:35:41.29ID:yiJaydHJ
振り上げられたしななかな右足は、ア・ジョーの顎の辺りを直撃した。
激痛により、フラフラと後ずさり、うな垂れるア・ジョー。これで、終わりではない。

「ドルフィン……」

ある程度ダメージを与え、スペルドルフィンは素早く、ア・ジョーの懐へと潜り込む。
そして、鯵玉の先端、人間で言えば鼻の部分を両腕で絶対に離さないようにがっちり固定する。
固定し、全身全霊でスペルドルフィンは、ア・ジョーの体を持ち上げた。

「止めろ……止めてくれぇぇぇぇ!」

宙に軽々と浮かぶア・ジョー。垂直になり、真っ直ぐにそびえるア・ジョーの身体。
無論、このまま持ち上げるだけで終わるはずが無い。最も恐れていた事態がア・ジョーに降りかかる。

「スプラッシュ・ダウン!」

技名を叫びながら、スペルドルフィンはア・ジョーをマットへと渾身の力で垂直のまま叩きつけた。
凄まじい衝撃がマットに走り、亀裂が走るかと錯覚する程だ。いや、実際マットに少しヒビが入っている。
ア・ジョーはスペルドルフィンの腕に組まれながら、力無く前方に倒れた。

どうやら、タタキになったのはア・ジョーの方だった様だ。
口をパクパクとさせながら目を開けて失神している様は、捌かれる前の鯵の様だ。

「……勝った、のか」

呆然としながらも、無残なア・ジョーの姿を見、スペルドルフィンは立ち上がった。
何とも苦しい戦いだった。ふざけた外見だが、今戦った男は間違いなく、強敵であった。
もしあの時。サーフィンの楽しさを思い出せなかったら。間違いなく、スペルドルフィンは敗北していたであろう。

「よくやった。素晴らしい戦いじゃったぞ」

いつの間にか、今まで姿が見えなかったハルトシュラーがスペルドルフィンの前に現われた。
傍から見るとずいぶん身長さがあるが、ハルトシュラーには形容できないオーラを感じる。というか後光が注している

「ハルトシュラー……さん」
「ハルトシュラーでよい。わらわの言葉、思い出したようじゃな」

スペルドルフィンは力強く頷くと、答える。

「あぁ。俺はすっかり忘れていたよ。仕事だとかショーだとかの前に、俺は……俺はプロレスが好きだ」

何も言わず、ハルトシュラーは温かな笑みを浮かべて、スペルドルフィンの言葉を聞き入れる。

「サーフィンと同じくらい、俺はプロレスの事を愛してる。目先の事に囚われて、その事を忘れていたんだ」
「それがお主の出した結論ならば、それが答えじゃ」
「なっ、ハルトシュラー!?」
0324創る名無しに見る名無し
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2013/11/25(月) 01:37:12.28ID:psVUWCL9
支援
0325TロG ◆n41r8f8dTs
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2013/11/25(月) 01:37:33.61ID:yiJaydHJ
またまたいつの間にか、ハルトシュラーが姿を消している。

「わらわは精霊である以前にただのプロレスファンじゃ。お前自身の道は、お前自身で切り開け」
「何かアドバイスとかしに来たんじゃないのか」
「そんな面倒くさい事、わらわが何故せにゃいかん。お前がどう戦うか、どんな人生を生きていくかは自分で決めるんじゃな」

次第にハルトシュラーの声が小さくなっていく。次第に、スペロドルフィンの意識もぼんやりとしてくる。
その中で、スペルドルフィンは一つだけ、どうしてもハルトシュラーに聞きたい事があった。

「ハルトシュラー、待ってくれ。一つだけ、一つだけ教えてくれ」

「何じゃ?」

「今日の俺は、波に乗れてたか?」



「あぁ。最高に乗っていたぞ」


『いやー今日のスペルドルフィンも最高にノッていますね』
『えぇ。あれほど技が多彩な選手も中々いないでしょう』

実況の解説が思わず身を乗り出すほどの試合を、リングの上でスペルドルフィンは繰り広げる。

あれから、スペルドルフィンはいつにも増して生き生きとそして楽しそうに試合に臨む様になった。
プロレスのみならず、総合格闘技などといった分野にも興味を持ち、そこで学んだ事をフィードバックしてプロレスに活かす。
この努力はプロレスラーという以前に格闘家としてすべき事だったのかもしれないが、その事をスペルドルフィンは何処か忘れていたのかもしれない。

勉強だとか仕事だとかの難しい事柄抜きに、スペルドルフィンは果敢に、そして愉しくプロレスに臨むようになった。
まだ未知なる試合が、未知なる選手が、未知なる未来が待ち構えている。その時が来ても決して自我に溺れたりしない様に。
今日もまた、プロレスという名の大航海にスペルドルフィンは乗り出す。今思い返すと、ハルトシュラーもア・ジョーも夢だったのか現実だったのか分からない。
そんな事よりも確かな事が一つだけある。それは


この海原を往く旅に、終わりは無いという事だ。


0326TロG ◆n41r8f8dTs
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2013/11/25(月) 01:39:39.88ID:yiJaydHJ
自演混ぜつつどうにか投下終ったぜ。
支援してくれた兄貴達、サンキュー、べりマッチョ
これからも閣下を、どっかで連載してるスペルドルフィンも宜しくな!じゃあな!
0327創る名無しに見る名無し
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2013/11/25(月) 01:52:10.12ID:psVUWCL9
おつです。SPD!SPD!
0330創る名無しに見る名無し
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2013/12/14(土) 12:35:53.54ID:h70236T6
おおおおおおおおおう想像以上のモフモフモップ具合ふぉふぉおおぉーーーーーーーーーうセンキュウゥゥォァーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!
0331創る名無しに見る名無し
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2013/12/16(月) 14:58:48.14ID:Yr4Wy1u9
私はあわてて公衆トイレに駆け込んだ。
「あの〜まだですか?」
「まだや」

「え〜〜まだですか?」
「まだや」

「まだですか?」
「まだ!」

「もういいですか?」
「まだや!」

そうしてヤット開いた便器には
ハンバーガーを50個積んだような
大きなUNKOが流れずに残っていた。

私はトイレをかえてすることにした。
0332創る名無しに見る名無し
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2013/12/16(月) 15:01:18.95ID:Yr4Wy1u9
次に駆け込んだトイレでも一緒だった。
「あのーーまだですか」
「まだや」
「えーーまだですか?」
「まだ」
「もういいですか?」
「まだやて」


そういったことを4度繰り返し、次に私が「まだや」という番になった。
我ながら大量の;l;ll;にびっくりした。
0333創る名無しに見る名無し
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2013/12/16(月) 19:34:58.31ID:nxesYY1Z
物事の大小とは他者によって決められるのではなく主観によって決定する。
他者にとって些細な事であっても自分にとって大事である場合もその逆もある。
私からするとこの世界は前者があまりにも多すぎた。
だから私はあの日、自殺をした。
宙に身を投げ、衝突する僅かな間に今まで何度も祈り、しかし助けてくれなかった神様に最期の願いを捧げる。
願わくば、次の世界は私にもっと優しい世界でありますように。
そういえば死んだら人ってどこに行くんだろう。

それからどのくらい経っただろうか。閉じた瞼の向こう側に光を感じた。
イグサの香りがかつての私の記憶を蘇らせる。
ゆっくりと目を開けると安っぽい木の天井が見えた。徐々に体に感覚が戻ってくる。
布団を捲り、体を起こす。そこは見知らぬ物が山積みになった部屋だった。
記憶を思い返しても残っているのは迫り来る地面まで。なぜ私はここにいるのか。
立ち上がって丁度後ろにあった窓から外を見る。
この部屋は水路に面しており、同じような家が並んでいる。
道の代わりに水路が敷かれているようだ。そこを舟に乗った人が通っていく。
あちらが私に気付き、被っていた笠を振る。私もつられて手を振り返す。
「おや、起きたようだな」
振り返ると黒髪ポニーテールの女性が立っていた。来ていたコートをその辺に放り、持っていた買い物袋を漁り始める。
「あの、ここはどこでしょうか」
「魂の国だ」
今の説明で十分だと思ったのか袋から出した物を私に放った。慌ててキャッチして包装紙を取ると普通のアンパンだった。
「とりあえず食べるといい。タダだ。感謝しろ」
「ありがとう……ございます。いただきます」
アンパンを少しだけ齧る。普通のパンのようだ。まだアンに達していない。もう一口齧る。甘いアンの味が口に広がる。
しかも粒アン。とてもおいしい。

ここで飽きた
0334創る名無しに見る名無し
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2013/12/17(火) 01:48:22.07ID:IybXgz9b
人は平等だ。死をまえにして平等だとか言う人もいるけれども、あの圧倒的な東京のビルの窓窓
に差し込んで乱反射する太陽の欠片たちをみているとそう思う。
都会になれた人々はそんなもの目にもせず下を向いて電車に乗り込む。
私は思うのだ。どんなひとにも朝日は降り立つ。
あれは西暦2500年の12月だっただろうか。九州からでて5分前にあの大東京の待ち合わせ場所に着いた。
そう私の時計は5分すすんでいるのだ。
彼女とは文通の仲であったが、実際会ってみると話す事はそうそうなかった。
「何処何処行く?」「うん」「何何する?」「うん」そんな感じだった。
 今思うと彼女はアンドロイドだったのかもしれない。彼女からの話しかけはたった一つだった。
「一緒に写真撮る?」ニコニコして初めて言った言葉だった。
実はわたしも彼女が言い掛けるとほとんど同時に「っしょに写真撮る?」
といっていた。あまりにタイミングが同じなので笑った。
当たり前の当たり前にして当たり前のデートコース。
おわるのは案外早かった。

脳は物質だから心も物質なのかもしれない。ただ頭で思うデートコースは
5分私が進んでいただけだ。そういうプログラムだったのかもしれない。
プログラム終了時二人は初めて笑顔をかわした。しかしそれでおわりだった。

我々は本人の遺伝子から生まれたコピー、いざという時に内臓などを提供する使命がある。
その使命の為に生きている。いわばコピー人間だ。
われわれにまだ人権はない。心の証明ができないからだ。
0335創る名無しに見る名無し
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2013/12/18(水) 12:15:21.22ID:gfz5yj+I
時代トンネル

博士はとうとうタイムマシンを完成した。完成といえば完成といえるが、難点が一つあった。
未来なら未来、過去なら過去、行ったら行ったきりなのだ。
そのタイムマシンはそういう意味で未完成ということで時代トンネルと言われた。
いちどそのトンネルをくぐれば、家族とも恋人とも永遠の別れをしなくてはならない。
だからわけありものが使うのがほとんどだった。
でもそればかりではない、江戸時代に行って名君になるのだとか、進化論を実体験する
とかで夢を持ってくぐるものもいた。あとは自分の若かりし頃にもどって青春をもういちど
やりなおしたいとかである。しかし多くのものは時代そのままに生命をまっとうするという
選択肢を選ぶ者がほとんどであった。
だからそのトンネルはそのうち廃れて、ただのトンネルのようになって寝そべっているばっかりだ。
時代トンネルができたのが西暦1920年だからもうな一世紀近く経っている。
無用のトンネルが不気味に存在していたら一度疑った方がいい。
それは時代トンネルかもしれない。トンネルをくぐるとそこは・・・
0336創る名無しに見る名無し
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2014/01/21(火) 17:33:08.23ID:r6J4tu1z
 
0337創る名無しに見る名無し
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2014/02/08(土) 08:21:41.99ID:DI5jNCpF
0338創る名無しに見る名無し
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2014/02/15(土) 10:41:45.92ID:BueQG9yP
tesu
0341創る名無しに見る名無し
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2014/02/19(水) 22:27:08.40ID:IuGJ8fhS
何作ってるだw
0342創る名無しに見る名無し
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2014/02/23(日) 14:16:56.39ID:Yoh/RXxr
足なんかいらない
彼はいつもそう思っていた。
無職25歳高卒、彼の人生は働くことを強いていた。
「足がなくなればなー生活保護とかもらえるのにな。どうせ俺どこにも出ないし」
彼は自分の足をペンでつっついた。


その日の夜、彼はいつもと違う物音で目が覚める。
彼が部屋を見回すと、何か人影があった。
月明かりに映った人影の手には大きな鉈が握られていた。

人影は彼の足目掛けて鉈を振り下ろした。


「僕が思うに、足なんかいらないんですよ」
彼は大勢の観客前で短い足を見せながら演説した。
「人類は車、電車なんかを使って移動するようになった。足はこれからどんどん退化するでしょう。すなわち足のない僕らは、人類の進化の先にいると言えます」
観客はうなずく。
「そこで僕から皆様に、人類の進化を早めてあげようと思いまして」
会場の左右の扉が開き、大きな鉈を持った男が十数人現れた。

悲鳴が飛びかう中、近所の金物屋の男性が彼に向かって叫ぶ。
「やっぱりあいつが鉈を買いにきたとき止めるべきだった!何が悲劇の英雄だ!何が人類の進化だ!」
男性の足は薙ぎ払われた。

彼は少し微笑んで、短い足を愛おしそうに撫でた。
0343創る名無しに見る名無し
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2014/02/26(水) 16:00:24.99ID:NtBbIs+9
こわ
0345創る名無しに見る名無し
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2014/03/17(月) 23:25:16.07ID:cfMH5EmG
おういやっっほおおおおおおおおおおおう!!!!!!!!!!!!!!!!!!
0346創る名無しに見る名無し
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2014/03/27(木) 12:09:10.49ID:zaDiJTAE
 三つ子の魂百まで、というが、これはまったく正しいことだと僕は思う。
 3歳の誕生日に自宅の3階から三つ上の兄に突き落とされてから、
僕の魂はすっかりみょうな具合にへこんでしまった。
 人一倍も臆病で、勉強もできず、かといって努力も嫌いで、成績表は3がずらりと並ぶ低空飛行。高校生活も3年目にさしかかろうというのに、
さすがにこの調子ではまずいだろうと、自分の所属する二年一組の担任に三時間にも及ぶ説教をされたのが3日前、三月三日のことだった。
 僕は三兄弟の三男で、ふたりの兄たちにはさんざんな目に合わされてきた。
 太陽がさんさんと輝く真夏日に三キロ先の養蚕農家まで炭酸飲料のペットボトルを三本も届けさせられたり、凄惨なまでに散乱した賛美歌の楽譜を

ここまで書いて飽きた
0347創る名無しに見る名無し
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2014/04/12(土) 11:19:10.04ID:Bf/21Fpu
向こう用テス
0353創る名無しに見る名無し
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2014/05/29(木) 10:45:06.55ID:Iy42EYET
日テレプロデゥーサー赤坂アニメ理大ベースボール北京ダウニューヨーク塩素スープ 低原価テレビ問題分舞沖縄牛ライス

日テレプロデゥーサー赤坂アニメ理大ベースボール北京ダウニューヨーク塩素スープ 低原価テレビ問題分沖縄牛ライス

日テレプロデゥーサー赤坂アニメ理大金ベースボール北京ダウニューヨーク塩素スープ 低原価テレビ問題沖縄牛クイズ
0359創る名無しに見る名無し
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2014/06/05(木) 23:56:14.43ID:r7cUKn9F
SFもの 学園もの エロもので何個か妄想ネタあるんだが
どれをまず文にしてみるかでまよっとる
処女作というかなんというか・・・
出だしでどれもつまづく
0362創る名無しに見る名無し
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2014/06/10(火) 13:40:56.11ID:IJEBScgw
なんで苦しく寒く暑いのに 〔走りきる〕のか。
それは、馬鹿云え!
次の試合をグンとこっち有利にするため☆
0364創る名無しに見る名無し
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2014/06/16(月) 23:14:09.86ID:yC8QCUxP
うぉおーwwwww はえーwwwwww
かっけー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
0366ハイキュー!と黒バスのコラボ
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2014/07/18(金) 14:09:46.45ID:paJ30p1y
西谷「うんこを食わせろー!!!」
紫原「仕方ないな。俺のぷりんぷりんした桃尻でもおがめよ」
紫原は西谷の眼前でケツを出した。糞が待機した肛門がぐっとふくらむ。
西谷「ウホッ!いいケツしてる!」
西谷は口を開き紫原が脱糞するのを待った。
西谷のちんちんはギンギンに勃起していた。
0367創る名無しに見る名無し
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2014/08/15(金) 17:25:24.48ID:hevasESu
「ねぇねぇ、嵐の鳥って知ってる?」
私の机に座る行儀悪い娘が私に問いかける。
「知らない。机から降りて」
「やーだぷー」
彼女はそのまま机の上に寝転がった。勢いよく倒れたから彼女のワイシャツが少しめくれ
ヘソが見える。可愛らしいヘソだ。イヤになる。
この学校には登校日という不可思議かつ理解不能で意味不明なものがあり、その日は学校に来なければいけない。
夏休みなのに。
では学校に来て、何をするかというと特に何もせず少しばっかり担任の話を聞いて解散である。
夏休みなのに。
幸いにも登校時間は少し遅めなので早く起きなくてもいいが、夏の日差しの中を意味がないとわかっていながら
登校するのはなかなか苦痛で、周りの生徒も合わせて死の行進を思わせるものだった。
そして目の前に転がっている彼女は私をずっとからかい続けている。別の言い方をするとイジメをしている主犯格だ。
最も仲間が一人もいないので彼女の単独行動なのだが。
「あー、おへそみてるー。いーやーらーしーいー」
「うるさい。早く降りて」
「見てたこと否定しないんだ」
そういうと彼女はすーっとシャツの裾を上げて行く。イヤになる。
読んでいた本を閉じて、腹を平手で叩いた。
パァンと良い音が鳴った。今まで見てみぬ振りをしていたクラスメイトが一瞬こっちを見たがすぐに目線を元に戻した。
蛙の潰れたような悲鳴を上げた彼女は机の上を退くかと思ったが、そのまま全身の力を抜いてぐったりし始めた。
「ああ、もうだめ。今の一撃でHP0。ここから退けないわー」
「邪魔なんだけど」
「退けないわー。それでさー、嵐の鳥なんだけどさー」
こちらの意向を無視してそのまま話し始めた。
「季節の変わり目に嵐が来るんだよ。野分とかそういうの。知ってる? 野分」
「秋から冬にかけて吹く強い風」
「さっすがだねー。ご褒美としてキスしてあげる。早く顔こっちにー。んー」
「どいてくれる?」
「まぁいいや。昨日嵐だったじゃん。知ってる?」
知ってるもなにも昨日は台風が日本列島を襲ったのだ。
テレビをつければそのことばかりやっていたし、外を見れば雨と風が吹き荒れていた。
あれで知らないと言う人間はおそらく地下に幽閉された人間ぐらいなものだ。
「でねー。嵐の鳥って言うのは季節を変える嵐を持ってくるの。昨日の嵐にもいたんだー」
「そう」
「そうなんだよー。だから今日ちょっと涼しいじゃん?」
いや、それはない。絶好調に暑い。昨日のよるが幾分か涼しかったがあれは台風の風のおかげだろう。
「別に」
「そう? まぁいいや。でもさ、疑ってるでしょ。そんな鳥いるかって。疑ってるでしょー?」
彼女は楽しそうだ。とても子供っぽい言葉だし、実際子供っぽい行動もするし、子供ではないかとも
考えてしまうが彼女の美しい金色の髪と豊満な胸、そしてすらりとした腰つき。見た目は完全に大人なのだ。
イヤになる。
「でもねー証拠見つけたんだ。ほら!」
そういうと彼女は黒い羽を取り出した。どこから取り出したのかは深く考えない。
「それ、烏でしょ」
「違うよー、嵐の鳥だよー。よく見て」
「烏だから。はやく降りて」
「カラスじゃないってばー! ねーえー!」
夏休みだというのになぜ私は彼女の執拗なイジメを受けなければいけないのか。
思わずため息がこぼれてしまう。



「おい、あいつらまたいちゃついてるぞ」
「つーか何語で喋ってんの?」
「そりゃあれだろ。デンマーク語」
「なにそれ」
「外国から来た自由奔放な英語しか喋れない娘とどうみても堅物な委員長の英語のやり取りか」
「あいつら絶対カップルだって」
「キマシタワーを建設しよう」
0374名無しさん@そうだ選挙に行こう
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2014/12/13(土) 18:51:13.97ID:W8OWVQGN
あどけなさとのアンバランス
0375創る名無しに見る名無し
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2015/01/13(火) 10:09:05.68ID:lGTUe90X
HDD内整理してたら他に行き場の無いのが出てきた。
http://evohati.gto.jp/SIERRA/Sierra_index.html
一番古いファイルは一太郎の1989だったw
0377創る名無しに見る名無し
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2015/04/07(火) 23:55:31.56ID:RGsEEOKB
水兵さんですね(白目)
0379創る名無しに見る名無し
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2015/04/10(金) 14:18:57.65ID:KdmDDUt1
エロゲシナリオライターなんて、ライター扱いしなくてもいいとおもう。だれでも、書ける。

プロとして認めない
0382創る名無しに見る名無し
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2015/04/15(水) 16:01:05.12ID:kCtsRQO5
3年ほど前にプロットを作っていたショートショートですが、
最近、某所で同じアイデアが使われてるのを見ました。
ソレは中編の冒頭で、チラッと触れられているだけなのですが、
いずれにしても、盗作と思われるかもしれないので、公表できなくなりました。
丁度いいので、晒します。
0383さっさと晒せばよかった
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2015/04/15(水) 16:01:51.49ID:kCtsRQO5
「世界中の女を俺のメス奴隷にしてくれ」
一見、耄碌した爺にしか見えない神はちょっと困った声で言った。
「そんなことをすると、男どもが黙ってないと思うんじゃ」
「バーカ。男は全員それを受け入れて、命に代えても協力するんだよ。そのくらいデフォルトで組み込んどけ」
空気が読めないのか、このバカは。
「まあ、いいじゃろ」
「よし、じゃあ、今夜は、隣の奥さんを抱き枕にしよう」
「あーっと、それは困るのう。いろいろ準備もあるで、明日の晩まで待ってくれんか」
「はあ? ふざけんな。今すぐやれ」
「そーは言っても、無理なもんは無理じゃ。せめて明日の朝だの」
使えないヤツだ。
「しょうがねぇな。それで許してやらあ」
「では、の」
いうなり神は消えた。
その途端、唐突に眠くなった。
一瞬、神が何かしたのか、と緊張したが、この手のSSでは、
願いを叶える神が願いを言う側の精神に干渉しないことになってる。
だから、大丈夫だ。
0384創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/04/15(水) 16:02:50.81ID:kCtsRQO5
と思って油断した途端に眠ってしまったらしい。
次に目が覚めると拘束されていた。
いわゆる拘束服というヤツを着せられているようだ。
首から下は指一本動かせない。
「な、何だこれは?」
「オー、メが、サめましたか? ヤッコウが、ツヨすぎた、ヨーですね」
外人訛りの声が答えた。
目を開くと身長2mくらいありそうな金髪青目の外人さんが、黒揃えの背広で立っていた。
いや、外人さん「たち」が、だ。
俺の6畳の個室に7,8人。
当然、ぎゅうぎゅう詰めだ。
「ワレワレは、コクレンから、ハケン、されました。
ジャパンの、セイフの、キョカは、エテいます。
アナタは、ミスター○○で、マチガイ、ありませんネ?」
「そ、そうだけど」
「セカイ、の、ジョセイを、ドレイ、にしたのは、アナタ、ですね?」
「で、でも男はそれを受け入れるはずだろ」
「ハイ、ワレワレは、ソレを、ウケイレ、ました。
キョウリョク、したいと、オモっています。
ダカーラ、アナタを、コウソク、ホカク、レンコウします」
「何言ってるんだ、お前は!?」

「細かいニュアンスの違いもあるし、日本人同士で話し合った方がいいだろうな」
どこかで聞いたことが聞こえ、外人が別の男に場所を譲った。
「あっ、日本人いたんだ」
「うむ。内閣官房長官の××という」
「そう言えばテレビで聞いたことのある声だ」
「短い間だが、よろしく頼むよ」
「なんか、不吉なことを言われた気が……」
「そうだね。順番に説明した方がいいかな。
日本時間の昨夜10時ごろ、世界中の女性が君のメス奴隷になり、
男性はソレを受け入れて命に代えても協力することになった」
「じゃあ、なんで今、男に拘束されてるんだ!?」
「日本時間の午後10時は、イギリスでは午後1時、アメリカ東部では午前8時となる。
そのタイミングから世界中で今回の事態に対する対応が話し合われたんだ」
「な、なんか話が無茶苦茶デカイような」
「日本時間の午前2時、ニューヨーク時間で正午には、今回の事態に対応するための組織として、
従来の国連加盟国に加えて、台湾・ソネリランド・南スーダンなどの未加盟国を含めた
文字通りに世界中の国からの代表が集まって、拡大国連が結成され、
おおよそ4時間後にとりあえずの結論が出た。
それが今から1時間前、日本時間で今日の午前6時だ」
「しかも、話の進展が異常に早い」
「何を言うにも人類の存亡がかかっているからね」
「な、なんだ、その話の大きさは!?」
0385さっさと晒せばよかった
垢版 |
2015/04/15(水) 16:03:49.15ID:kCtsRQO5
「うむ、たしかに大きい話なんだ。
今、世界の総人口は70億を少し超えるくらいだ。
当たり前の話として、今生きている70億人が産む子供が、次の世代の人類だ。
今生きている人間が産む子供が70億人いれば次の世代も70億人の人口が維持できるが、
今生きている人間が産む子供が70万人なら、次の世代の世界の人口は70万人になる」
「な、何かすごい嫌な予感が……」
「ちょっと計算してみよう。
君がこれから200年生きたとする。
まあ、世界最高の医療関係者が命に代えても協力してくれるはずだから、そのくらいは何とかなるはずだ。
そして、365日、必ず10人の女性を妊娠させたとする。
その場合、10×365×200で、73万人の子供が生まれる計算になる」
「……70万ですか」
「たったの70万では技術の継承は不可能だ。
現在の文明は恐ろしく複雑に絡み合った個々の技術の集大成だ。
技術の継承が不可能なら、文明の継承もできないことになる。
拡大国連での暫定的な結論は、最低でも20億人は必要、ということになった」
「えっ、いや。でも」
「逆算してみよう。君があと200年生きたとして、1年に1000万人の女性を妊娠させてもらわなければ困る」
「はい?」
「365で割って、1日2万7000人。24で割って、1時間1100人。
60で割って1分19人。1人あたりで3.19秒となる」
「1人あたり3秒って?」
「しかもこの計算には君の睡眠時間などの休息が全く考慮されていない」
「おい、俺の人権はどうなるんだ?」
「拡大国連がした最初の決議が、君の人権を完全に抹消することだ」

「ちょっと。アンタらは俺が女性をメス奴隷にするのに協力するはずだろう」
「うむ。世界人口が70億だから、女性の人口は35億だ。
君があと200年生きたとして、1年に1750万人の女性を奴隷にしてもらうことになる」
「なんか嫌なデジャブが」
「365で割って、1日4万8000人。24で割って、1時間2000人。
60で割って1分33人。1人あたりで1.8秒となる」
「さっきより酷い」
「1人2秒もないんだよ。
『私はあなたのメス奴隷です』と宣言しただけでタイムオーバーだ。
そんな宣言だけを200年間延々とさせて、君を老衰死させるわけにはいかん」
「たしかに。そんな200年間で寿命が尽きたら、死んでも死にきれない」
「君が感情的に嫌がっているのはどうでもいいんだ。
そんなことをしたら、世界人類が次の世代を残せずに絶滅するんだよ」
「じゃあ、どうするんだよ!?」
「世界中の女性の戸籍・出生証明書・パスポートなど、
いわゆる公的な身分証明書に君のメス奴隷であることを意味する
一文が付け加えられることになった」
0386さっさと晒せばよかった
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2015/04/15(水) 16:04:48.22ID:kCtsRQO5
「そんなことで解決したことにする気か?」
「そんなことで解決したことにしないと社会が崩壊するんだよ。
その決定が下ったのがニューヨーク時間で午後2時だが、
それ以来、アメリカ全土で新しい身分証明書を求める女性が市役所に列をなしている。
男性もソレに協力している。
字が書ける男性は、片っ端から女性の証明書にその一文を書き足しているし、
車を運転できる男性は、女性を役所に連れていき、
声が出せる男性は、役所の前の行列の整理に協力している。
赤ん坊ですら、男の赤ん坊は、ウンコまみれ、オシッコまみれになっても泣くのを堪え、
ミルクも我慢しているんだよ」
「そっちの方が社会が崩壊してるだろ」
「いや、この方式なら1日だけ社会が止まるだけだ。
それに、アメリカでは昼間にこの方針が決まったから、混乱が大きかったが、
日本やヨーロッパでは夜のうちにだいぶ準備が進んでいるよ」
「準備って、どんな?」
「たとえば、この市では、各町内会の集会所に、仮の身分証明書が全女性分、用意されている。
免許書などの本当の身分証明書は明日以降の書き換えになる。
戸籍・住民票・印鑑証明書などの書き換えは、既に始まっているはずだ。
混乱は最低限に抑えられるだろう。
何を言うにも、全ての男性が協力しているんだからね」

「頭がクラクラしてきた。
あのな、そもそも、何で女性を妊娠させるのが、俺だけなんだよ?
俺のメス奴隷を他の男が妊娠させるのを許してやるから、拘束を解け」
本音を言えば、他の男が俺のメス奴隷を抱くなんて嫌なんだが、この場合は仕方ない。
「……他の男が妊娠させた女性と誰の子も妊娠していない女性、
メス奴隷にするなら、妊娠していない方だろう?」
「そ、それはそうだけど」
「女性を妊娠させた男性は、メス奴隷になるのを邪魔したことになる。
忘れてもらっては困る。我々男性は命に代えてもメス奴隷にするのに協力するんだよ。
メス奴隷になるのを邪魔するような男は世界中に一人もいないんだ」
「だ、だからって、お、お、お、お前ら……」
「安心したまえ、今、世界中の遺伝子学者や生物学者が研究している。
次の世代までには、君の子供同士でも、遺伝子による障害が出ないようになるはずだ」
「そ、そうじゃ、な、なくて……あれ。な、なんか、言いたいことが、ま、ま、まとめられない」
「ああ、さっきの無痛注射が効いてきたようだな」
「な、なんだって?」
「大丈夫。すぐに何も気にならなくなるさ。
ロボトミー手術の専門家も、みんな協力してくれているからな」
「……」
その辺で、相手が何を言ってるのか分からなくなり、10秒もしないうちに完全に意識を失った。

 終わり
0388382
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2015/04/17(金) 00:13:01.68ID:l9ry0kUh
>>387
だって、このSSの元になってるアイデアって、
「全部の女性が一人の男のメス奴隷になったら、
次の世代で人口激減して、
次の次の世代では人類存亡の危機になる」
って言うだけでしょ。
その中編では、冒頭でチート能力付きで転生できることになった主人公が、
全部の女性をメス奴隷してくれ、って神様に頼んで、その理屈で断られた。
結局、別の能力を貰って、中編のメインストーリーは進んでいくんだけど、
このSSは、そのアイデアを膨らませただけだから、かぶってるなぁ、と。
0389創る名無しに見る名無し
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2016/02/04(木) 07:01:14.77ID:2y0f0RbK
あなたは曲成分所属事務所降板スデカ40代リオ☆ですか☆ドーハの悲劇80代「国中ルーキー」「穀中ヨーキシャ」ですか?

それともSAVEいくつですか?☆huluさん☆?カジュアル客機ツアー

それともSAVEいくつですか?☆huluさん☆?

それともSAVEいくつですか?☆huluさん☆?(堺アイガン試飲運転)わしんトン財家税納同然
0391使えなくなったネタ
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2016/03/10(木) 21:32:59.52ID:NdURGdt7
とても頭の悪いデタラメな話をしよう。細かく刻んではめ込まれた金銀不徳な装丁の本には
人の成せる限りの悪業が記されていて、だからその本は黒の書と名付けられていた。
欲をもってページを開いた者は、その術を得ようと言葉を探して、嬉々として身を滅ぼし
黒の書に一項、新たに加わる言葉と化した。どうやら本は人の人生を食べて成長しているらしいのだ。
どんなことでも知ることが出来るだろう。どんな望みも叶えよう。
誰にも逃れることはできない
0392使えなくなったネタ
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2016/03/10(木) 21:40:14.75ID:NdURGdt7
ある日、少女は恋をした。胸に患う幼い痛みは、しきりに心の窮状を訴えるが、どうすれば良いのかも分からずに
想うだけで一日は終わり、また想うだけの一日ははじまる。それは世にありふれた美しい感情
誰かを好きになること、その結末がどうであれ過ぎてしまえば良い思い出となって、少女の人生を支えたかもしれない
しかし、そうはならなかった。少女は黒の書と出会ってしまった。
黒の書は、どんな場所にも、どんな時代にも、どんな国も言葉でも存在できる。
そこに一冊でも本があったなら、それは突然に黒の書となり得るのだ。故に黒の書は誰にでも所持される。
黒の書との遭遇は、一時の間に行われる、気付かずに開かれた記述は全てに応える知性を有していた。
少女は望んでしまった。彼の心を得る術を
黒の書と化した本は閉じられ、元の姿に戻る。少女はもう二度と元には戻れない。
少女は彼を手に入れた。もう死でさえも二人を分かつことはできない
0393使えなくなったネタ
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2016/03/10(木) 21:48:55.46ID:NdURGdt7
男は、約束された死を待つ者だった。許されぬ罪を自らの意志で背負い、不当に卑しめられた名を頂き
自らの誇りと信じて道を貫いた者達の一人であった。俗にはカルトと呼ぶものである。
疑いのないものを共有した仲間達は、男を犬に売り、保身と共に幾らかの代価を得たが
それは男の既知の及ぶところではなく、卑怯な手段で囚われようとも、その心が崩れることはなかった。
妄信の中で繰り返された言葉、魂の美しさのみが価値を持つ世界で永遠を生きる
それだけが男を支えるものであった。外界の情報を遮断し、空々しく不気味な思想を植え付け
社会が汚れていると吹聴することは、死を恐れない従順な兵士を都合よく生産することに成功していた。
信じた言葉が記された聖書が黒の書に変わる、その時までは・・・
男が望んだことは、社会の正常化。幾度も繰り返された理想の具現化。

ルールが変わる。世界の。全ての。
0394使えなくなったネタ
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2016/03/10(木) 22:05:10.91ID:NdURGdt7
一括りで表すなら、同じ動物だ。感情だってある。まだ知られていないだけだ。今はまだ信じてくれなくてもいい。
知性もある。何を言われているのかよく分かる。酷く嫌われていることも・・・でも、言いたいことはそんなことではないんだ。
あなた達と共に居て、いつもあなた達を見ていた。羨望と恐怖と愛着と、この感情を上手に表現するのは難しい。
あなた達はボク達の多くを知っている。でも、全てを知っている訳ではない。それは仕方がないことかもしれない。
極力、知られないように生きてきた。文字通りに命懸けだ。あなた達はボク達の存在を決して許したりはしないから
容赦なく殺されるけど、そのことであなた達を恨んだりはしない。どうか、それだけは分かって欲しい。
あなた達は偉大だ。成す事の全てがケタ違いに大きく、ボク達は余りにも矮小だった。生活の殆んどをあなた達に依存し
種としての本能に従うだけの存在だった。あなた達はボク達をそのように考えていたのだと思う。間違いではないが、
ボク達は日常の中で感謝する喜びを求めて、「ありがとう」を伝え合い、繋がる心のぬくもりを形のない宝物として大切にしている。
あなた達にも分かるはずだ。本当に大切なものは心なのだ。姿が違う、生き方も違う、でも心は?きっと理解し合える部分も多いはず
ボク達は、ずっとあなた達に感謝していた。今までは伝える術がなかったけど、これからは違う。ボク達はステキな本を見つけたんだ。
あなた達に殺されても、恨んだことはなかった。嫌われたくない、殺されたくない、許されたい、友達になりたい。
ボク達の姿をよく見てほしい。あなた達と同じくらい大きくなった。会話だってできる。きっと分かり合えるはずだ。
どうか、ゴキブリ、ではなく、友と呼んでください。そして、どうか一緒に生きてください。
0395使えなくなったネタ
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2016/03/10(木) 22:19:13.68ID:NdURGdt7
世界中を震撼させた巨大ゴキブリ戦厄の終結から数十年後、生存権を巡る泥沼の争いに勝利した人類は
総人口を百万人未満まで減らしながらも、焦土の上でたくましく栄えていた。世界国家思想の元に人種の境は消え
生き延びた有識者の寄り合いで法律を定めていた。争いの根因である黒の書の存在は人々に広く認知され
その取り扱いについては、常に議論が交わされてきたが、明確な答えは出せないでいた。
黒の書は神出鬼没の災害であった。何度か平和利用の道を試みたが、その全てが周囲に修復不可能な被害をもたらすのみであった。
もはや核兵器と遜色ない脅威であった。個人が所持し得る最悪の無差別テロ兵器という意味では、それ以上と言っても過言ではあるまい
誰ともなく呟いた「本なんか無くなればいいのに」どれが答えとなり大規模な焚書が行われた。
全ての本が燃え尽きた後、やっと人類は平和への道を歩みはじめるのだ。人々はそのように信じた。

人々は、いや・・・我々は何も知らなかったのだ。
もはや何をしても手遅れだ。現にあなたも開いてしまった。



この本を
0396使えなくなったネタ
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2016/03/10(木) 22:27:33.06ID:NdURGdt7
・・・ ・・・ ・・・

という感じのSCPネタを投稿しようとしたのだけど大して面白くなかったので
替わりにここに載せて供養する事にしたのでした。ナームー
0397創る名無しに見る名無し
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2016/06/05(日) 17:40:35.95ID:EBsQTDhX
感想を言おうにもだいぶ時間経っちゃったな。まあこういうオチもアリだな、モハメド。
0398 ◆g/byfS21bg
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2016/06/05(日) 20:13:49.96ID:EBsQTDhX
誰も見ないとしても供養だけはさせてほしい。

*エログロあり、注意!
0399革命の生け贄〜序章〜 ◆g/byfS21bg
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2016/06/05(日) 20:27:31.21ID:EBsQTDhX
 これから語られるのは我々の世界によく似たとある世界。その世界におけるとある歴史の1ページである。

 東西に伸びたセントラル=アースと呼ばれる大陸の中央にその国はあった。
その名は“エル=サンクトル王国”。

大陸における最も古い国家であり、この国からあらゆる文化や思想が生まれ、その周りに様々な国々が興った。
まさに世界の中心とも言うべき国であったが、ある思想によってこの国は滅ぼされた。

それは“民主主義”と呼ばれた。

簡単に言えば国民を国の主体とし、国民の意志と決定によって国を運営するという政治思想である。
エル=サンクトルを始めとする多くの国々は王と貴族からなる王政政治であり、民主主義は
王政を否定する思想として危険視され、弾圧と排除の対象とされた。

しかし、大陸歴1895年においてエル=サンクトル王国は民主主義革命によって滅ぼされ、新たに
“エル=モンサント民主主義共和国”となった。

この国は大陸における初の民主主義国家とされているが、多くの歴史家はこれを疑問視している。
というのも、エル=モンサントという国には色々と黒い疑惑があったからだ。
その最たるものが、最高指導者タレル=モン=サントの経歴である。

エル=サンクトル王国が健在だった頃、民主主義の弾圧を率先して進めていたのがタレル=モン=サントだったのだ。
彼の指揮のもと、多くの人々が投獄され、苛烈な拷問と陵辱、そして凄惨な処刑によって数多の命が奪われた。
やがて民衆の恐怖と不満が極限に達した頃、タレル=モン=サントは民主主義の旗を掲げ王国に刃を向けた。

「私は自らの良心に従い、王国の暴虐を糺す!民主主義こそ我々の正義だ!」

タレルは自身を良心の反逆者と名乗ることで今までの悪行を全て王国に転嫁し、革命の指導者となった。
そして民衆の蜂起から3カ月も経たずして王国は崩壊した。

国王を始めとした王族や貴族たち、その関係者は悉く捕らえられ、民衆弾圧の責任を負わされ処刑された。
革命という名の暴動は国中に広がり、地方を治めていた領主たちが暴徒と化した民衆によって惨殺された。
だが暴徒はそれに飽きたらず、領主の親族や使用人、果ては無関係の者まで衝動の赴くまま虐殺していったのだ。

歴史家たちは言う。タレル=モン=サントは民主主義という言葉を使って人々を誑かした悪魔だ、と。
0400革命の生け贄〜序章〜 ◆g/byfS21bg
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2016/06/05(日) 20:47:42.82ID:EBsQTDhX
 

   ***   ***

 そこはエル=サンクトルの首都、リュミエプールから数十キロ離れた森の中。
薄暗い森に伸びた太い枝に、その死体は吊されていた。

一見、両手首をロープで縛られ吊されてるように見えたが、それは違った。
両手の掌には穴が穿たれ、その中に死体を吊すロープが通されていたのだ。

遺体には着衣がなく、晒された裸身には暴力と陵辱の痕が生々しく刻まれていた。
さらにおぞましいことに死体は腹部を切り裂かれ、内臓を引きずり出されたあげく
秘所にチラシと思しき紙の束をねじ込まれていた。
その背中には刃物で刻まれた傷でこう記されていた。

“民主主義を舐めるなメスブタ”

かつては美しかったであろうその死に顔に張り付く苦悶の表情が、これらの陵虐が
生前に行われたことをまざまざと訴えていた。

無惨な骸に変わり果てた彼女の名はアルテリア=エル=サンクトル。
エル=サンクトル王家の第一王女であった。


 王女の死は国中に伝わり、国民の多くが深い悲しみと憤りに包まれた。
若く美しく聡明で心優しい王女はまさにエル=サンクトルの希望の象徴であり、いずれ国の未来を担うはずだった
彼女の死は国中のみならず、周辺諸国にも暗い影を落とした。
無惨な死に様を伏せて執り行われた国葬では、国民のみならず諸国の重鎮たちが弔問に顔を見せ、その中には
王女と婚約を交わし将来を約束していたウィルタリア国の王子もいたという。

国葬からさほど日を置かずして、王女惨殺の犯人、ならびにその一味が逮捕された。
主犯格とされた犯人の名はサイアン・フッド。彼は民主主義の啓蒙家として知られ、たびたび王女に
民主主義について講義していたという。
サイアンを逮捕した治安維持隊は犯行理由をこう結論づけた。

“サイアンは民主主義をネタに王女の関心を惹こうとしたが、一方的に欲望を募らせたあげく、惨殺に至った。
背中に刻んだ暴言と膣内にねじ込まれた民主主義を啓蒙する内容のチラシがその証拠である”と。

異例の早さで裁判が行われ、1ヶ月も待たずしてサイアンとその同士たちは処刑された。
処刑の寸前までサイアンは自身の無実を訴えていたが、誰もその言葉に耳を貸さなかった。
しかしそれが真実だったことは王女惨殺の真犯人たるタレル=モン=サントだけが知っていた。
0401革命の生け贄〜序章〜 ◆g/byfS21bg
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2016/06/05(日) 20:59:07.97ID:EBsQTDhX
かくして王女という生け贄を捧げたことで、タレルは痴愚の神を味方につけた。
世間は民主主義をテロリストの教義と信じ込み、国家治安維持隊の指揮官たるタレル=モン=サントは
国王から民主主義者の討伐と根絶を命じられた。

すべてがタレルの思い通りであった。

そしてタレルはさらなる生け贄を狩り始める。この国に民主主義の革命を起こすための捧げものとして───

   ***   ***


ゴーン……ゴーン……

エル=サンクトルの首都に鎮魂の鐘の音が鳴り響く。
アルテリア王女が亡くなって一年、この日は彼女の一周忌だった。

国民たちは彼女の死を悼み、一斉に黙祷を捧げた。
犯人が処刑されたところで悲しみがなくなるわけでなく、民主主義者は今も市井に潜伏しているという。
民主主義思想の撲滅、それが王女の魂に安らぎをもたらすと、国中の誰もが信じ込んでいた。
ごく一握りの例外を除いては。


「ふぁ…ふぁあああ〜〜」
その少女は心底疲れたと言わんばかりに大きなアクビをした。

「ずいぶんお疲れの様子だねえ」
「まぁね…」
「お店、そんなに忙しいの?よかったら手伝おうか?」
「いいよ、明後日にはエリサさんも帰ってくるし、もう一踏ん張りだから」
「でもあまり無理しないでね、ジュナ」
「わかってる、ありがと」
アクビをした少女を気づかって、友人たちが声をかけてくる。
彼女の名はジュナ=テルモンテ。家が居酒屋で、夜はウェイトレスとして家業を手伝っていた。
そして昼は、国立リュミエプール女学院の生徒として学院に通っていた。友人たちも学院の生徒である。

確かに友人たちの心配どおり、ジュナは疲れていた。
数日前に、一緒に働いていた雇われウェイトレスのエリサが里帰りのために休暇をとったからだ。
エリサがいない分、ジュナが頑張らなくてはならず、普段より疲れるのは当然である。
が、しかし。ジュナは疲労よりもあることに悩まされていた。それは店にやってくる“ある客”のことだった。


「よう、ジュナちゃん、元気してる〜?」
「今日も頑張ってるね〜ウヒヒ」

(また来たよコイツら……)
店に入ってきた男たちを見て、ジュナは心で舌打ちする。
紺地の軍服を着たその男たちは、国家治安維持隊の隊員たちだった。

「はーい、いらっしゃーい♪」
ジュナは忌々しい気持ちを隠しながら、営業スマイルで隊員たちを席に案内した。
0402 ◆g/byfS21bg
垢版 |
2016/06/05(日) 21:24:27.96ID:EBsQTDhX
とりあえず一休み。まだグロしかない
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