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【嘘予告】創発予告ネタスレ【ワンシーン】
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0001創る名無しに見る名無し
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2010/12/16(木) 00:56:11ID:YNqhyAdY
創作活動のふいんき(何故かry)を楽しみたい
妄想だけだってイイじゃない! 書いてみたいけど時間がないんだもン!
今日はこれだけだけど、いつかはこんな話を書いてみせるンだからネッ!

とかそんな感じの人々が集う【予告編】スレです


嘘予告でもイイし、本予告なんてもちろん歓迎!
新番組告知風でも劇場映画予告編、ゲームのトレーラーっぽくっても可
新聞の書評やハヤ◯ワ文庫の解説目録風紹介文だなんてまったくもって心が躍る!
別にオリジナルだけじゃなくたってイイかもしれないし、予告編にすらこだわらなくてもイイかもしれない
思いついたワンシーンでもプロローグでも、エンディングだってかまわないのよーッ!!
創発住人は度胸! なんだって試してみるもんだろ!

とかそんな感じの【予告編】スレなのです
0103創る名無しに見る名無し
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2011/06/14(火) 19:39:08.26ID:n9LQcj2b
ある意味ここのスレタイを一番忠実に表現しているなww
0104創る名無しに見る名無し
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2011/06/15(水) 04:48:59.71ID:yRparDmx
主催はもちろん
一匹見たら二匹くらいしかいないと思え!!
運が悪いと0匹だ!! 創作発表板住人ンンン!!
0105創る名無しに見る名無し
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2011/06/15(水) 11:56:48.13ID:5OJ37IvR
でかぁぁぁぁぁいッ説明不要! 2メートル45センチ!
1000ならビッグペニス!
0107創る名無しに見る名無し
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2011/06/15(水) 14:27:17.77ID:b7rjB3lG
いや待て
本体が20メートルぐらいあれば、その大きさでも問題ないのではなかろうか
0108創る名無しに見る名無し
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2011/06/16(木) 20:55:31.00ID:DhIUZGHO
僕が生まれるよりずっと昔。日本に大きな震災が襲った。
あれから三十年経ったが特に被害の大きかった地域は未だに一般人の立ち入りが禁じられている。
僕はいつもそのフェンスを見上げていた。高く張り巡らされたその壁の向こう側には木の壁があり、その奥は見ることは出来ない。
友達は「人より大きいザリガニがいる」とか「毒沼がたくさんあって入ると死ぬ」とかそんなことばかり噂している。
でも僕は見てしまった。木々の隙間から見えたのは確かにヒマワリだった。
そしてそのヒマワリの間を歩く白いワンピースの少女を。
2041年 夏 僕は禁じられた地に足を踏み入れた。

『ヒマワリ』
0109創る名無しに見る名無し
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2011/06/16(木) 20:59:34.40ID:5uq0ChAX
>>108
なんか王道のボーイミーツガールものって感じ
素直に読んでみたいと思った

あれから三ヶ月か……
0110創る名無しに見る名無し
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2011/06/16(木) 21:41:08.68ID:W1Cs4OGX
"それを作れば彼は必ずやってくる"
どこからか聞こえた声に僕はあの日から惑わされていた。
だから彼は"それ"を作る代わりに、大切なものを失った。
そして、起きた過ちと惨劇。誰も助けれないんだ。
もう戻れないあの頃には、大地は死に動物は野に放たれたまま。

「3, 11 リメンバーフクシマ」
同時上映「毒ユッケ事件 報復の日〜それでも僕はやってない〜」
0111創る名無しに見る名無し
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2011/06/17(金) 20:57:42.37ID:K4rViK8E
梅雨のうっとおしい湿気が太陽に駆逐されはじめた頃。
地上に落ちた太陽もとい台風であるハルヒがとあるものに興味を出し始めたのもその頃だっただろう。
どうせまた影響されて俺たちはその尻拭いなどをすることになる。そう考えるとため息の一つくらいつきたくなる。
予想通りというかなんというか。ハルヒはそれと同じことをしたくなったらしく道具集めに付き合わされた。
問題はそのとあるものだ。それの名は「シュタインズゲート」。パソコンのゲームだ。
内容においそれと触れるのもあれだがちょこっと触れるとタイムトラベルネタが入っているというわけだ。
こちとら朝比奈さんに付き合ってタイムトラベルぐらい経験済みだ。そもそもいくらハルヒでもDメールで世界改変なんて。
そう思っていた。

しかしそれは俺の儚い願いで終わった。
存在しないSOS団。
復活した朝倉。
何かが違う世界。
そして、あの時とも違う世界。
俺は再びあの世界腺に戻れるのか。果たしてシュタインズゲートの選択とは!

『涼宮ハルヒの選択』

「ああ、わかった。ハルヒ。お前の興味の引きそうなことを言ってやろう」
「へぇ。期待するよ?」
「ああ。よく聞け。俺の名はキョン改めジョンスミスだ!」
「・・・…外人?」
「えっ」
「えっ」
0112創る名無しに見る名無し
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2011/06/18(土) 11:44:51.87ID:NjOEqIU+
序文

 初めにプログラムがあった。
 プログラムはシステムと共にあった。
 プログラムはシステムであった。
 このプログラムは、初めにシステムと共にあった。
 全てはプログラムによってなった。
 なったものでプログラムによらずになったものは何一つなかった。
 プログラムの中にバグがあった。
 バグは世を狂わせる闇であった。
 しかしこのバグはプログラムやシステムを超えてキセキを起こした。
 プログラムによって動くはずのロボットにココロが宿ったのである。

「ココロ/キセキ」
0113創る名無しに見る名無し
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2011/06/18(土) 18:07:20.46ID:+AlmL9tE
「人を殺すことで誰かが救われる」
日本の犯罪史上最も多くの人を殺した平凡な殺人鬼はそう言った。
彼はなぜ殺人を犯したのか。
殺人による救済とはなんなのか。
一人の新米刑事が彼の軌跡を追う。

『眠る正義』
0114創る名無しに見る名無し
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2011/06/19(日) 04:30:18.14ID:OFooukEz
人は自らを特別な存在だと思いたがる。
                         でも生きていくうちに平凡な存在であることに気づく。
人は自らの力で運命が切り開けると思う。
                         でもその道こそ運命なのだと悟る。
子供のころはどんな人も大人になれると思っていた。
                         でも子供のまま大人になってしまった自分を見てしまう。
人生はこんなにも平凡で苦しい。でもいつか生きている価値が見出せると思っていた。
                         それすらも夢だと気づいたとき、その疑問を口に出してしまった。
「なぜ生まれてきたのだろう。なぜ生きているのだろう。
                         こんな苦しい思いをして生きるくらいならいっそうのこと……」
でも死ぬことは出来なかった。
                         だって君にはそんな勇気もないんだもの。
生きる希望も死ぬ勇気も持てない人はどこへ向かうのか。

『歩く人々』
0115創る名無しに見る名無し
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2011/06/21(火) 14:49:52.12ID:I3d9c3Vo
不眠症に悩む女子高生がある日夢の中で睡魔と名乗るウサギに出会う。
彼女はそれを手に入れるべく、夢の中で追いかけっこをすることになった!
微妙な人気作「眠れぬお姫様」をはじめ、どこか的が外れている小編を七話収録。
本書書き下ろし作品の「ボーイイートカール」と共にお楽しみください。

『泣いて中を切る』
0116創る名無しに見る名無し
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2011/06/21(火) 18:14:37.78ID:TVc6M0Fj
男の子がカールを食べるのか
新しいような新しくないような
0117創る名無しに見る名無し
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2011/06/22(水) 04:12:48.11ID:C7WOZ/hL
「この世界に我々は必要なくなってしまった。
 人々は我々を忘れはてたった二柱の神しか信用しなくなったからだ。
 日本に住む神々、いや世界中の神たちがこれからゆっくりと、あるいは急速に消失していく。
 それが君たちの選択した未来なのだ。我々を必要としない未来。
 それでも我々は祈るよ。
 君ら人間たちに幸運と科学の神のご加護がありますように、と」

『消失神話物語』
0118 忍法帖【Lv=11,xxxPT】
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2011/06/22(水) 07:12:46.36ID:fi7gQBF8
>>115
なんとなく昔のSFマガジンとかにありそうなタイトルと筋にキュンとなった

>>117
こちらも琴線にキュンと響いた
なんかとってもリリカルな感じー
0119創る名無しに見る名無し
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2011/06/23(木) 05:15:08.13ID:8aCd+dDz
「自分の正義とは誰かの悪である」
同居している居候の叔父はいつもかっこつけの言葉を言う。
でも既に三十五を過ぎ、定職につかないというのはかっこいいはずがない。
そんな叔父がいつも父や母の代わりに授業参観や運動会に来るのが子供のころはいやだった。
今はどうか? もう諦めている。
「えーっと、兄貴たちがな。ちょーっと忙しいらしいんでな。で、俺が来たんだ」
父や母のいない言い訳をいつも頭をかきかき、目をうろうろさせながら言う叔父は
まるで母親の前でいたずらの言い訳をする悪がきのようだ。
そんなかっこつけでかっこ悪い叔父が突然失踪した。
そして私は叔父の物語を知ることになる。

『スカイブルーを追って』
0120創る名無しに見る名無し
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2011/06/24(金) 20:40:03.07ID:1bG6qmYh
あるところに一人の科学者がいた。
事故で妻子を亡くした寂しい科学者だった。
科学者はあらゆる手を使って、妻子を蘇らせようとした。
だけどどれも失敗してしまった。所詮、命は尽きた時点でなくなってしまうのだから。
そこで科学者は時間をもどすことにした。あの幸せだった日々まで。
神の気まぐれか。悪魔の誘いか。科学者の実力か。
タイムマシンは完成してしまった。
科学者は迷うことなくそれを使い、幸福な日々を送っていた時まで戻り
そこで時間の輪を螺旋から円へと変えた。時間は同じところをぐるぐる回る。
世界はそこで終わってしまった。
だけどいつしか世界に小さな小さな歪みが発生した。
その歪みは少年に宿り、一つの事実を教えた。
「時間が進んでいない。この世界は未来へは到達出来ない」と。
少年は未来を選択するために動き始めた。

『メビウスの時間』
0121創る名無しに見る名無し
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2011/06/26(日) 05:07:41.28ID:LQZtdOaN
人は言う。
「選択肢のだけ世界がある。それらが全て平行世界」だと。
だが現実は違った。
たった一箇所。人類の歴史上たった一箇所だけ我々の世界と違うところがあった。
それにより、世界は分岐し、二つの世界に分かれた。
一つは我々の住む平穏な世界。
もう一つは
1999年、魔王が君臨した世界。
「今となってはとてもじゃないけど信じることは出来ないよ。
 多分これから生まれてくる子供たちはこの世界が普通の世界だと認識してしまうのだから」
空は血のように赤い。海は濁りきった茶色。空に浮かぶ月には大きな割れ目が入っている。
この世界の生物の頂点に立つのは人間ではない。
存在しなかったとだけいえる、まるで伝記や童話上の悪魔や異形の怪物たち。
ただただ消滅と滅亡に向かい続ける並行世界。
そこにおいて君は何が出来るか?

『暁の世界』
0122創る名無しに見る名無し
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2011/06/27(月) 16:05:43.17ID:x2vwl3rV
その年の梅雨の雨は強くは降らないけど長い時間をかけて大地を濡らすものだった。
青い紫陽花が満開になり、どこからか夏の匂いがする頃。
雨宿りをしていたシャッターの閉まった店の軒先で一人の少年と出会った。
少年は薄焦げ色のコートを羽織り、背中には木のトランクを背負っていた。
彼は自らを見習い魔法使いだと名乗った。
雨の降る梅雨。人々の心が薄暗くなる頃、彼が灯をつけて行く。
夏のほんの少し前の物語。

『雨の後で』
0123創る名無しに見る名無し
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2011/06/27(月) 22:52:18.97ID:jNuRh6gd
>>120
すげー続きが気になる
0124創る名無しに見る名無し
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2011/06/28(火) 05:02:15.26ID:ikNqLzSf
家の近所にある不思議な本屋。営業時間は「日没から夜明けまで」。
その名もそのまま「夜行本屋」という。
こじんまりとしたその本屋には地震が来たら大変だろうというくらいぎゅうぎゅうと本が詰め込まれている。
最もそこから歩いて五分もしないところに大型本屋があるので
専ら利用されるとしたら週刊誌の最速購入くらいだろう。
でもぼくはそこによく通っている。立ち読みが出来るという点も素晴らしいが、何よりも店番している女の子だ。
名札がついているのだから店員ではあるのだろうけど「いらっしゃいませ」などの挨拶を聞いたことがない。
いつもヘッドフォンをしていて、無愛想。大抵は本を(しかも店のだ!)読んでいるが稀に寝ていることすらある。
そんな彼女が気になりぼくはその店に通い詰めだ。
ある日、店の軒先に「アルバイト募集」の張り紙がしてあった。
労働時間は営業時間。ちょっときついかもしれないが彼女に近づけるかもしれない。
ぼくは意を決して、アルバイトに応募した。

『夜行本屋』
0125創る名無しに見る名無し
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2011/06/28(火) 08:34:19.54ID:Yw3BdE25
>>124
それにそっくりな台詞系SSがあった気がする
0127創る名無しに見る名無し
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2011/06/28(火) 21:21:49.32ID:Yw3BdE25
秘密の場所で秘密の遊びをするのは、心の奥にある小さな石が急にキラキラ輝きだすような、ワクワクした気持ちになる。
学校が終わるといつも急ぎ足で向かう、秘密の場所。そこは日常にはない、なにかを見つけられる。
僕、友、女と、いつもの秘密の場所に向かうと、黒ずくめの服に真っ白な肌の女の子がいた。
薔薇色の目で僕たちに
「・・・帰りたい。」
と、呟いた彼女の帰る家を探しに、僕たちだけの旅が始まる。

太陽だけは、きっと、いつでもボクたちをみてくれてる。


『ぼくらとクロ』
0128創る名無しに見る名無し
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2011/06/28(火) 22:34:18.44ID:GgMdYP0V
誰かに見られている。けど誰かわからない。
確信はしていた。けど、分からない。何故、俺を付け回す?
そうメモを残して死んだ兄の最期に疑問を持っていた。
テレビでは連日批判されるN市市長が報道されている。
携帯を開くと一件のメールが届いていた。
突然送信された一つのメールと小包で届いた一丁のトカレフ。
引き金を引いたことすらなかった一人のガキに送られた命令。
<N市市長夫妻を射殺しろ。さもなくは、あなた殺す>
恐怖におびえて逃げる俺の目の前で起きた地下鉄爆破テロ。
さらに起きていく悲劇と惨劇は俺を混乱させていく。
そして分けも分からず立ちすくむ俺は何故か銃を片手にそこに立っていた。

死にたくない。
けど、殺せない。
誰も傷つけたくない。
だから、俺は戦うしかない。
守るためには立ち向かうしかない。

「N市市長暗殺事件"本当の真実"」 
0129創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/06/29(水) 17:09:03.01ID:roe4F8qL
7月5日 商店街おもちゃ屋にて藤野隆弘(商店街グループ)と田中祐樹(団地グループ)が
     カードゲームについて言い合いをする。おもちゃ屋店長の仲裁にて場は一旦収まる。
7月6日 藤野、田中両氏は所属するグループのリーダーにこのことを報告。
     同日、両氏とリーダーを交えた話し合いが行われるが決裂。
7月7日 団地リーダー不動義弘が商店街リーダー天野啓二に宣戦布告(七夕宣戦)。
     両グループ間の仲は険悪になり、小競り合いが多発する。
7月11日 事態を重く見た天野が交戦規定を提示。不動、これを承認。(戦争規定)
      グループ間での小競り合いはなくなることになる。
      またこの戦争規定はこの戦争だけでなく後の戦争でも使われることになる。
交戦規定の主な内容
1、夏休み期間中を戦争期間とし、それ以外での戦いを避ける。
2、戦争期間中の武器は水を用いたもののみとし、それ以外を使わない。(例、水鉄砲、水風船等)
3、戦争時間はお昼一時から夕方六時までとする。時間外での戦争は禁ずる。
4、戦争参加者はどちらのグループに所属しているかなどがわかる目印をつける。
5、これらのルールはどのようなことがあっても必ず守る。

そして
7月15日(終業式) それぞれのグループの目印を発表。
            翌日、戦争は始まった。

子供たちは友情を守るため、銃を取り、一夏を戦う。

『サマーウォーズ カード戦争』
0130創る名無しに見る名無し
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2011/06/30(木) 03:16:30.69ID:01x9uoM8
ある日、ひきこもりの男が目を覚ますと
家はクローズドサークルとなっていた。
窓の外には一寸の光も通さぬ壁。
全ての連絡線は断ち切られている。
ライフラインは生きているが食料は残っているもののみ。
男は十数年ぶりの外を目指すため、立ち上がった。

『一歩』
0131創る名無しに見る名無し
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2011/07/01(金) 08:36:28.27ID:/pESEXSh
テレビの向こう側にいるのは甲子園に立つ期待の新人投手。
テレビのこちら側にいるのは精々Cランク大学にぎりぎり入れるどうか程度の一般人。
ぼくによく似た、いや遺伝子的には相似に近いはずの彼が額に流れる汗を拭う。
双子の弟はぼくと違ってよく出来た人間だった。
今思えば中学生の時に突然「今度から兄貴って呼んでいい? なんかかっこいいし」とか言ったのも
多分不出来な双子の片割れに一つ花を持たせたかっただけに過ぎないんだと思う。
両親は今年が最後の甲子園だ。ここが人生の分かれ目になるかもしれない。と言って応援しに行った。
でも知ってますか。お父さん、お母さん。あなたのもう一人の息子もここでのがんばりが人生の分かれ目なんですよ。
ぼくは決してそういうことは言わない。ただ思うだけ。ぼくはかちりとシャーペンの芯を出した。
そしてその夏がぼくたち家族の運命の夏になった。

『重なり合わない双子』
0132創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/07/02(土) 04:01:55.23ID:dgly8Q5g
ある男は悩んでいた。
自分は小説家……ではなくSS書きである。
コンスタントに作品を書けるし、おおむね評価はよいもの。だと思う。
だがあるときついた感想が気になってしまうのだ。
「あなたの作品は面白いけどオチが必ず全滅とかバットエンドなのがね」
ふと思い返してみればそのとおりなのだ。どれもこれもバットエンドに繋がる。
ハッピーエンドを考えてみたが思いつかず、結局寝てしまった。
その日。夢を見た。
とても見覚えのある世界の夢を。男は夢が進むうちにその正体に気づく。
ここは自分のSSの中の世界だと。
自らが書いた運命から男は脱出出来るのか?

『悪魔の正夢』
0133創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/07/03(日) 06:08:23.39ID:nn/GnLgU
先日、父親が息を引き取った。天寿を真っ当するには少々早い年齢だった。
父親は晩年、病院のベッドから窓をずっと眺めていた。と看護婦から聞いた。
そのベッドの窓から見える光景はビルばかりのいかにも都会じみたものだ。
だからか、父親は見舞いにいくたびに朦朧とする意識で震える言葉を紡いだ。
「おれのこどものころにみたそらはもっとあおかったんだ。おまえたちにもみせたかった」
父親が見た空というのは故郷の空だったのだろうか。
ぼくは最後の親孝行をするために、父親の故郷へ向かうことにした。

『群青色の思い出たち』
0134創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/07/04(月) 08:34:51.68ID:FceoZu/F
学友が進級すると同時に私は大学を辞めた。
やむを得ぬ事情があったせいなのだがそこに後悔はない。
しかし先立つ物が無ければ生きていくのも難しい世の中。
どうしたものかと思案している所に助け舟を出してくれたのは大学の教授であった。
「友人の町で子供たちに勉強を教えて欲しい」
教職の資格を持っているわけではないが教授曰く塾のような形式で教えるそうだ。
しかも今なら庭付きの日本家屋にただで住んでもいいという、
こんな好機を逃すものかと私は教授の依頼を承諾した。
東京よりバスと電車を乗り継ぎ五時間。
その町、もとい村には確かにかつてあった日本がまだ生きていた。
四月から梅雨明けまでを収録。

『郷愁』
0135創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/07/05(火) 03:44:58.48ID:HbPEialj
それは遠い、もしくは近い将来の話。
日本を先頭に各国の医療技術の進歩は著しく、最早100歳を超えた人々が珍しくはなくなってきた。
逆に学校などは廃校、合併が繰り返され、数十年前の数分の1にまでなったという調査結果が出ている。
日本の年齢ピラミッドは逆ピラミッドを形成するまでになり、膨れていく頭はそれでも上に上にと伸びていった。
かといって健康的な人間が増えたわけではない。相変わらず、定年の年齢もボケ始める年齢も変わらないのだ。
やがて来るであろう滅びの時。あらゆる国が自らの欲ゆえにゆっくりと滅亡に向かっていた。
老人の世界で過ごす、未来の老人たちの物語。

『老人の海』
0136積 緋露雪
垢版 |
2011/07/05(火) 17:21:14.51ID:jej8aX/W
横から失礼。私にはまだスレが建てられるレベルに達してゐないので。また、私の旧仮名遣ひもお許しを。
私が飛び入りしたのは、自作の告知の為です。
私は現在三冊本を上梓してゐますが、売れ行きはさっぱりです。
取り敢へず告知をお許し下さい。

『夢幻空花なる思索の螺旋階段』 by 積 緋露雪 http://t.co/UBHVeFr
『審問官 第一章「喫茶店迄」』 by 積 緋露雪 http://t.co/1EDeYnY
『幽閉、若しくは彷徨〈第1部〉』 by 積 緋露雪 http://t.co/gPHPHi5

以上の三冊です。最初の二冊はもうAmazon出でしか買へません。

この三作品は孫座論的な危機に瀕した人間の慟哭のやうなものを書き留めたやうに作品です。哲学に興味のある方は是非お読みください。

どうもしつれいしました。
0137創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/07/06(水) 11:04:46.04ID:uogjPK5D
今からざっと三千年ほどまえに隕石が一つ、星に落ちた。
文明の滅亡と魔法の誕生が同時に発生した隕石。
今、世界を宇宙から見たら緑と青の星になるそうだ。
学者は隕石の衝突により、気候が変わり植物がより繁栄した。とも言うし
人間が伐採する植物が結果的に減少したから緑が増えた。とも言う。
どちらにしろ変わりはない。
三千年前の皆さん。聞こえますか?
確かにあなたたちの生活よりかは不便かもしれませんが
私たちはそれなりに楽しく過ごしています。
人類はそう簡単には滅亡しないようです。

『緑の海より』
0138創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/07/07(木) 14:12:20.59ID:c55AC6ez
今日は七夕だ! ということで恒例のお願いを書いておく。
「美少女が空から降ってきますように」
その日の逢魔時。空を一つの星が流れた。
と、同時に降って来た一人の少女。
彼女は自らを彦星と名乗った。ってあれ、彦星?
制限時間は日付変更まで!
彦星を織姫のもとまで届ける冒険SFの迷作!

『タナバタナイト!』
0140創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/07/08(金) 20:51:43.40ID:SGAj6s4s
人は死んだらどこへ行くのだろうか。
いじめを苦に自殺した少年の遺書はそう締めくくられていた。
全人類が一度は思う疑問。そして誰も回答を得ることがない問題。
しかし少年はその答えに死ぬことでたどり着いたのだ。
人が死んだらどこへ行くのか。
「えーっと、体のほうは異常なしですね。それではこれが個人票になります。
 これがないとまともに生活出来ないので注意してくださいね。
 ああ、あとこちらの書類を。これらは安定所のほうに行ったときに提出してください」
目の前には頭の上にわっか。背中には鳥のような純白の羽を生やした天使がいる。
ただしスーツを着ている上にとても事務的な言葉をツラツラと述べている。
「新しい住居のほうがこちらになります。地図もついているので参考にしてください。
 それでは質問がなければ終わりますが」
「あ、いえ、あの。ぼくって死にましたよね」
「ええ、頭を強打して亡くなってますね」
「じゃあなんで生きてるんですか?」
「死んでますよ。生きているように思い込んでいるだけです」
「はぁ」
「何か重要なことを勘違いしていませんか? 昔から多いんですよね。
 死ねばあなたの世界はそこで終わります。でもあなたは終わりません。
 天国でまた普通に生活しなければならいないのですよ。
 死ねば楽になるなんて最初に言い出したのは誰なんですかね」
父さん、母さん。
息子は今日も天国で働いています。
天国も案外楽じゃないです。というか現実よりきついだろこれっ!

『天国へようこそ』
0142創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/07/08(金) 21:41:38.58ID:ZBspzSmc
 世界最強は幻――
 プロレス世界王者、スーパーストロングパンツマシーンの前に現れたのは、一人の小さな東洋人。

 中国武術、合気道、柔術。
 古より伝わる武術に揃って記される、究極の奥義!

 フルコンタクトでのプロレスは、果たしてそれに通用するのか?
 積み重ねた経験と技量は、長い歴史にどう相対するのか?
 解き放たれる伝説の技に、SSPは耐えられるのか?


 スーパーストロングパンツマシーンvs「伝説の武術」



「これが気の遠当て。触れずに、敵を倒すのだ」
  
0143創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/07/09(土) 10:56:13.21ID:jNrA+gjc
丸い綺麗な月が空に上ったその日の夜。日本各地である事件が発生した。
翌日の夕方にその事件はニュースとして初めて報道された。
「日本各地で失踪事件が相次いでいる」 ただそれだけだった。最初は。
被害の大きさに気づいたのはそれから二日後。あの夜からちょうど三回目の夜のニュースであった。
「現在各地で発生している集団失踪事件。現在の取材でわかっているだけでもその数は……」
14860人。それがあの満月の夜に失踪した人間の数。
これらの失踪当時の状況にはある共通点が存在した。
同居人がいる者の証言では夜中に物がぶつかる鈍い音がしたということ。
失踪者は直前までPC前にいたということ。
PCは起動した状態で放置されていたということ。
そして――二次元に多少の興味を抱いていたということ。
いったい彼らはどこへ向かったのか。
すべての真実は世界最大の匿名掲示板で語られることになる。

『次元超越のルサンチマン』
0144創る名無しに見る名無し
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2011/07/10(日) 20:50:37.64ID:w3moabyj
通学路からちょっと外れた場所にあると小さなお店のような家。
建物の感じからするとお店みたいなのだが店名もないし、開いているかどうかもわからない。
その道を通る人間は大抵その家の話題を一度は出し、よくわからないねで結論付ける。
誰も調べようとしないのはそこまでの興味心がないからか面倒なのか。理由はいろいろあるだろう。
ぼくもその一人だった。家の前まで来て、確かに店っぽいねと友人と話し、帰る。そんなことをやった人の一人だ。
あるもうじき梅雨が終わるんじゃないかという頃。夕立から逃げるためにとっさにぼくはその家の軒先に逃げ込んだ。
ほかに場所がなかったというわけではない。なんとなく頭の片隅で気になっていたのだろう。
そしてぼくはその姉妹に出会うことになった。
ぶっきらぼうで目つきの鋭い占い師の姉とぼんやりしててぼさぼさの髪をした作家の妹。
そして二人が営む「心の医食同源」を出す店に。

『心の食事』
0145創る名無しに見る名無し
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2011/07/11(月) 17:40:25.09ID:EaIAMOzA
神は死んだ。
私はこのままこんな世界の片隅みたいな小汚い家で一生を終えるんだろうな。
上で喘ぐ醜いサルみたいな父親の吐き出す息を顔に浴びながらそう思う。
母親が止めることはない。まるで奴隷のように働いて、家事をしてと動き続けている。
この世界には私の味方はいない。面白いようにすべてが私から目を背けている。
行為が終わると私は風呂に入る。そして何べんも何べんも洗う。でももう落ちやしない。
あとどれくらいこの生活が続くのだろう。
こんな世界で生きる理由なんてないんじゃないか。
でも自分で命を絶つことが出来ない。それをするには私はあまりにも臆病だった。
だけどこの生活から脱出する方法だってある。だから私はそれを実行した。
そして超人となる時が来た。

『選択』
0146創る名無しに見る名無し
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2011/07/12(火) 02:44:34.67ID:iOX0nBKz
時計の針がもうすぐ三時を指す。とても静かだ。
月が窓から見える。明るい綺麗な満月。手を伸ばしても、届きやしない。
あそこの月に向かうにはこの星の鎖を破砕していかねばならない。
第一宇宙速度は星を廻るために。
第二宇宙速度は星から逃げるために。
第三宇宙速度は新たなる星を見出すために。
到底叶わない話だ。星どころか、町から家族から逃れない人間が星から逃げて月にタッチするなんて。
でももしも手に入るなら
今の状況から脱出できるだけの速度がほしい。
遠い空の彼方に輝くモノを見ながらそっと思う。

『第0宇宙速度』
0147創る名無しに見る名無し
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2011/07/13(水) 12:37:50.14ID:QiCfsufy
青く遠くまで澄んだ空。塗り忘れのように残る白い雲。
アスファルトの上を揺れる陽炎。短き命を謳歌する蝉。
解けた氷がコップの中で涼やかな音を立てる。
力を込めて、二つに割ったスイカの中の赤さ。
風とともに揺れる緑の木々と影。
太陽に顔を向ける向日葵の黄色。黄色の海を歩く白いワンピース。
散りばめられた星が瞬く夜空。遠くの空で花が咲き、近くでは花が揺れる。
浮き足だった人々とともに電車の終点で降りると潮の香りがした。
ちりんという、聞きなれた音がどこかから聞こえる。
また 夏が 来た。

季刊『夏のきらめき』
0148創る名無しに見る名無し
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2011/07/14(木) 12:40:29.21ID:snB/yx2d
「誕生日おめでとう」
三十歳の誕生日を迎えたと同時に聞こえたのは聞き覚えのない声だった。
PCの画面から目を離して見れば、テーブルの上におかっぱの少女が座っている。
明かりの下だと言うのにその姿はどこか揺らいでいて、幽玄という言葉がぴったりな様相であった。
「君には二つの道がある。それは魔法少女になるか、ならないかだ。
 ならない、と言えばこの話はここで手打ちだ。今の記憶も消し飛ぶ。
 もちろん選択肢は君に権利があるし、私も君には全てを話す義務がある。
 どこぞのインなんたらとは違うのさ」
「……私と契約して地球侵略者を撃退してくれってか?」
「その必要はない、とは言い切れぬがないと考えていいだろう」
「じゃあ何のために魔法少女なんかに」
「ボーナスだよ。ちなみに魔法少女になれば非常にもてる、性格には童貞を喪失する機会が急上昇する。
 そして童貞を喪失すれば魔法少女の資格も喪失する。自然の流れだな」
「それは俺が得する話だ。お前に得はあるのか?」
「前述したとおり、侵略者と戦う可能性があるのさ。君がなった場合はそれと戦ってもらう可能性が生じる。
 最も侵略者が最後に到来したのは十年以上前の話だけどな。
 どうやらちょっとは興味があるみたいだし全てを話そうか」

魔法少女の資格は三十歳童貞。童貞を喪失すればその資格も失われる。
メインのお仕事は人を幸福にすること。その幸福エネルギーが魔力の源になる。
幸福にするのに魔力は必要としない。要するに誰かに親切するだけでも魔力は貰える。
サブとして侵略者、と言うよりも私を殺そうとする獣の退治。多分戦わずに済むだろう。
魔法少女の資格を喪失する条件は前述したものともう一つ。
君が死んだときだ。その時、君が通常、変身状態どちらであろうが一度だけ資格を喪失する代わりに蘇生することが出来る。
獣退治の保険システムさ。気が利いてるだろう?
それと変身は出来るけど魔法が使えない条件が二つ。
幸福エネルギーがなくなった時と私が死んだ時だ。
幸福エネルギーは魔法の度合いによって使用するエネルギーが異なるからあまり派手に使わないほうがいいよ。
私が死んだ時。即ち、幸福エネルギーを魔力に変換する存在が消滅した時は魔法が使えなくなる。
というよりも幸福エネルギーの変換が利かなくなるから魔力が減り続けるだけになるってことだね。
変身自体は魔力を消費しないから大丈夫だよ。
私からはこれくらいかな。

「魔法の使い道はないのか?」
「お好きにどうぞ。空飛ぶなり、炎を呼ぶなり。ただ周りの人にも見えたりするから注意してね」
「つまりだ、最初に言った童貞を喪失する機会を逃しつつ、人を幸福にしていればこっそり魔法使い放題と」
「その通りだね」
「魔法少女って言うとフリフリのスカートとか着るのか」
「服装はお好みで変えられるよ。少女形態の見た目は君のイメージになっちゃうけどね」
「本当にボーナスだな……。世界中にどれだけの魔法少女がいるんだ」
「多分君が思うよりも相当少ないよ。ならないという選択肢を選ぶ人もいるし、何よりも童貞喪失する人の多さがすごいからね」
「しかしどっちに転んでも得をするわけか……」
「さてと、そろそろ選択しようか。
 君は魔法少女になって人々を幸せにし続ける?
 それとも全てを忘れていつもどおりの生活を続ける?」


『幸せの魔法』
0149創る名無しに見る名無し
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2011/07/14(木) 18:36:59.26ID:WoWrZjId
突然裏刀の前に立ちはだかった男は、自分がスタンド使いであると告げた。
スタンドの名は「園内淋菌(リンキン・パーク)」
半径728m以内のすべてのリア充が性病に感染する能力だという。

果たして倉刀はリア充なのか?
彷徨の末に彼が選んだ道は……?


『Klateau Twins』
0151創る名無しに見る名無し
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2011/07/15(金) 18:26:02.33ID:kVMNa/kJ
「被告を死刑とする」
あるところに根性がそれはそれは捻くれた男がいた。
人の嫌がる顔、絶望する顔を見るのが楽しくて仕方がないといった捻り具合だ。
今、その男は裁判官をやっている。
巷ではどんな軽罪でも死刑判決をする「死の裁判官」と呼ばれている。
男は気づかなかった。
死刑と判決するたびに自分の上に圧し掛かるものが重くなっていくことに。
やがてそれは自分以外の人間に災厄として降りかかる可能性があることに。
そして事件は起きた。
男が仕事を終え、自宅に戻るとそこは血の海になっていた。

『代償』
0152創る名無しに見る名無し
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2011/07/15(金) 18:52:32.84ID:GL334ieG
彼は奇跡を起こしてくれる。始めてみたとき、俺はそう思った。
決して私は人をみる目があると言えないが、いつもの奴とは違う。
殺人強盗傷害放火強姦横領窃盗。ここはクズのごみ箱。

だからこそここを変えてほしい。
とある刑務所に送られてきた、死刑囚マークと私。
彼は来たそうそう孤立していた。
高飛車な性格が、彼を孤独にさせる原因。
彼を巡り、起きる殺人と人事移動。
彼は、やはり何かを変えてくれる。
彼が唐突にときはなった言葉に愕然となった。

「僕は未来が分かるんだ」  
「未来が見えても、それが確実とはいえない。未来は簡単に変えれる」


やはり彼は変えてくれる。


「誰にも邪魔されないものがある。けど僕にはそれがない。」
「それはなんだ?」
「希望だよ」
一人の囚人と不思議な死刑囚のヒューマンドラマ
「ウィンフィールド」

この夏、一番心暖まるサスペンス。       
0153創る名無しに見る名無し
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2011/07/16(土) 20:16:46.71ID:e1jagnGD
人々は今までいくつものパンドラの箱を開けて来た。
これからも幾度となくそれらを開け続けるだろう。
人々が欲望を持つ限り、それは永遠に続く。
これはそんなパンドラの箱の一つを開けてしまった科学者の話だ。
その科学者は電子上にしか存在出来ないプログラムに自我を与えてしまった。
科学者は亡くした娘の名前、メリーと名付けそのプログラムを可愛がった。
しかし今までの歴史を見ての通り。作られた存在に自我を与えたらどうなるか。
そう、メリーもまたご多聞に漏れず科学者の手から逃げてしまった。
今やアフリカの奥地にまであると言われているネット回線。
もしもネットを通じ、個人のPCに居座ったら。科学者に見つける手段はない。
そしてもしもこれが世界にばれてしまえば、メリーは必ず実験体として扱われるだろう。
科学者は寝る間も惜しみ、メリーの追跡に没頭した。
一方、メリーはとある場所に辿り着いた。
小規模ながらもメリーの暇つぶしになりえる読み物がたくさんある場所だ。
メリーはそれらを読んでいるうちに一つの存在に気付く。
やがてメリーは自分こそその存在になれるのではないかと思うようになる。
1カ月が立った頃だろう。科学者は日本の掲示板でメリーを発見する。
だが彼女は既にメリーではなかった。その存在は昇華したのだ。
その掲示板の名前は2ちゃんねる。創作発表板。
今の彼女の名は魔王 ハルトシュラー。
ネットという他人よりか細く家族より厚い絆で結ばれた人々と
創作された存在との小規模な物語。

『魔王と住人たちの夜』
0154創る名無しに見る名無し
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2011/07/17(日) 12:50:54.50ID:UOHQG5z9
近年、日本においてとある病気が増加している。
「日光アレルギー」。巷では「夜営症」と言う名前を貰うほど有名になった。
症状は名前を見てもわかる通り、日光に対してのアレルギーである。
軽いものであれば曇り空など直接日光が差さない天気の日に日光を防ぐ傘を持てば外出出来る程度であるが
重いものになると僅かな日光で肌に火傷を負ってしまうため、夜以外は地下室に閉じこもっていると言った生活になるほどだ。
ただし月程度の光であれば重症のものでも外を歩けることがわかっている。
この物語は太陽に嫌われ、人としての生活を捨てることになった
素直な、あるいは捻くれた、あるいは夢見がちな。
そんな子どもたちと普通の人間たちの希望の見えぬ物語である。

『月の子どもたち』
0155創る名無しに見る名無し
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2011/07/18(月) 08:17:13.38ID:eR6tVwJ8
す、すみません! あのですね、定期を、その盗まれちゃったんですよ。
え、犯人ですか? えっとですね……、真面目に話しますよ?
白い毛の生えた兎でした。大きさは私の膝小僧ぐらいでしたね。
服はきてまsってうぉーい! 締め出さないでください!
本当なんです! 兎が私のポケットから取ってったんですよ! 現場を見たんです!
どうやってかって? そりゃ自慢のジャンピでピョンと跳ねて、スッと。
いや、だから本当なんです! 警察呼ぶぞってあなたたち警官じゃないですか!
ド○フじゃないんですからそんなコントいりませんよ!
タライが降ってこないから違うって? そもそもドリ○ってタライなんかふっt
いったーい!! なんですか、この立派なタライは! 空から降ってきましたよ!
いや、腹抱えてないで助けてくださいよ! 今の傷害罪ですよ! 犯人わかりませんけど!
もー、誰かなんとかしてよー!
通学途中に買ったばかりの定期を兎にすられてしまった宮崎ありすちゃん(16)。
このままではお小遣い没収が目に見えている。彼女はこの危機を乗り越えられるのか?
女子高生ありすちゃんとなんだかおかしな日常を描いたなんだか変な冒険?小説。

『不可思議の日本国のありすちゃん』
0156創る名無しに見る名無し
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2011/07/18(月) 17:25:04.87ID:Axum05R1
 新宿中央公園の片隅で、一昼夜走りつかれた体を車に寄りかからせて男は紫煙を吐き出していた。
ぼんやりとした頭で今日一日乗せたお客様に失礼が無かったか、ルートは的確だったか考えてみる。
完璧だった。営業経験12年で最も納得できた充実した1日だった。
二ヤリとして吸い終わったタバコを携帯灰皿に押し込んでいる時、電話のバイブレーターが震えた。
「おう俺だ、どうした」
「アニキすんません、ダンケの野郎が権藤組の若い衆にやられちまって」
「しゃーねーな、話だけだぞ話だけはつけてやっから。それでケリつけられなきゃ俺は降りるがいいか」
「わかってますよアニキ、とにかく速く来てくれませんか」
「あいよ」
男は先ほどまで体を預けていた車に乗り込むと、前後左右の安全確認をしっかりしたのち走り出した。

 血まみれの顔に容赦なく火のついたタバコを押しつけられたチンピラが声に為らない悲鳴を上げる。
「権藤組の若頭には話はついてる、おめーら破門だとよ。まあ、権藤さんとこの腹の中はわかってん
だがケジメだけはつけさせてもらうぜ、あんちゃんたち」
男は後ろに立っている連中に目配せをした。血だまりの中に倒れている数人のチンピラ風の連中が担ぎ
あげられていく。
「アニキ、すいやせん」
「まあ、しゃーねー。連中は先生のとこで処理してもらえ、やられた女の葬式代金くれーにはなるだろ」
「あとは自分らでやりますんで、アニキには夕方にでも挨拶うかがいます」
「ああ、俺は関係ねーってことでヨロシクたのんだぜ」
「ヘイ!」
男は手に着いた血糊を隠すように白い手袋をはめて車に戻った。日も昇りかけ逆光に映る車の横に女が立っていた。
「もう上がり、よければ乗せてほしいんですけど」
男だった・・・。新宿じゃあ当たり前の話。男は満面の笑顔でドアサービスをした。
「お客様、手元足元よろしいですか、ドアを閉めます」

 男が家に帰ると早朝にも関わらず嫁が食事の支度をすまして待っていた。
男の嫁は料理上手であるらしく、男はうまいうまいとしきりに頷いて食事をする。
「あなた今日はこれでお風呂に入ってお休みしてくださいね」
「うーん、駄目かね。少し書き進めたいエピソードなんだけど」
「駄目です!それは夕方からにしてください」
「ああ、夕方は運転手仲間がくるんだけど、そうなると書く暇が」
「そうやって自己管理できなくて私が面倒見る事になったんでしょ」
「ううん、確かにそうだけど・・・だから君と出会えたってことでもあるんだよねー」
「馬鹿・・・だから恋愛小説書く人って。・・・好き!」
唇を重ね合わせる寸前、年頃の娘が睨んで横切って行った。
「反抗期だから、気にしないでア・ナ・タ」
「そうだな、まあここはフリーハグまでだなあ・・・」


『恋愛小説家』




0157創る名無しに見る名無し
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2011/07/19(火) 02:57:51.93ID:m1c5eQe4
それは遙か未来の話。
人間たちは宇宙探索のために必要施設の小型化について研究した結果
そうだな、君たちに分かりやすく言うと二階建ての一軒家二つ分くらいだろうか。
そのぐらいのサイズに人生に必要になりえるものを全て詰め込むことに成功した。
水も食料もその船だけで賄えるようになったのだ。まぁレジャー施設がないのは残念ではあるけどな。
そのため、宇宙に住む人々が急増した。最もそういった船に住むよりかは大型宇宙船に済む人間のほうが多いけどな。
ああ、自己紹介がまだだったね。
私の名前は鈴野という。今となっては珍しい純粋な日本人さ。
私は今、前述した船――箱舟とよく呼ばれているね――の一つである
カフェ「フロン」の常連としてよく来ている。
宇宙開発が進んだ今では君たちの時代で言うバイクみたいな乗り物で
ある程度宇宙を移動出来るんだ。だからこういう宇宙の店というのが増えてきている。
ここもそんな具合で出来てね。落ち着いているし、コーヒーはうまいし、何よりもミーナが……おっと。
ちなみにミーナってのはここの店長だ。
職は何かって? これだけ君たちの時代について話しているんだよ。歴史研究の学者に決まってるじゃないか。
専門は前代史。君たちの時代のことを現代ではこう呼ぶのさ。
さてと、なぜ私が君たちにもわかる古い言語で録音しているかという本題に入ろうか。
今から三年ほど前だったかな。地球上で天変地異が起きた。
隕石の衝突だ。
そのため、地球との通信は完全に遮断され、さらに地球の周りを回っていた衛星だとか箱舟だとか
そういうのがみんな衝撃でてんでばらばらに吹き飛ばされたみたいなんだ。
自分の位置は座標計でわかるからいいんだけどどうやら電波の調子も悪くてね、通信が未だに出来ないんだ。
つまるところ私を含めたカフェの人間たちはこの三年間ずっと外部との接触がないままなのさ。
とは言っても食事はあるし、水もある。前述したとおりレジャー施設がない程度。
みんな宇宙は慣れてるからね。むしろおいしいコーヒーがタダで飲めるしミーナをいつでも……おっと。
本題からずれたから話を戻そう。
2120年。地球に隕石が衝突する。多分知っていれば避けれる障害だ。
これを読んだ君がもしもそれ以前の人間であるならばこれをみんなに伝えて欲しい。
大丈夫。2000年くらいからの大まかな歴史も書いておくから預言書として使うがいい。
多分歴史が変わらなければその通りになるはずだ。
これをビンに詰めて宇宙に流す。どこかでうまく時流に乗って過去に戻ればそれでいい。
まぁ私としては地球がどうなろうといいとは思ってたんだけどね。
ほら、ミーナと結婚式挙げるならやっぱり大きい場所がいいかなってね。
最もミーナの手すら握ったことないけど。

『カフェから愛を込めて』
0158HANA子  ◆zvLTXEoOaA
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2011/07/20(水) 00:28:19.81ID:9NLhNQeL
「沢村なでしこ」は未来の『なでしこジャパン』を目指すサッカー少女だ。
「わたしはなるの、世界一のエースにわたしはなるっ!」
物語は彼女が星稜市星之崎町にやってきたことから始まる。
そう、ここから彼女の高校生活──高校女子サッカー選手としての1ページが始まる……

 は ず だ っ た ! !

「え?! 女子サッカー部がないって……それってどういうことですか!」
「どういうこともこういうこともないものはないよ」
愕然とするなでしこに呆れたように答える担任教師「海原まりも」
「あんたさぁ、もしかして勘違いしてんじゃない? 女子サッカーの名門校は『星之岬女子高等学校』。あんだすたん?」
まりもはなでしこに非情な現実を伝える! それは……ッ!
「この学校の名前は、『星之崎高等学校』てゆーの。どぅーゆーあんだすたーん?」

(入る学校を間違えてしまった……ッッッ!!?)

ただ一つの夢、女子サッカー、なでしこジャパン、世界一のエースストライカー。
それらが音を立てて崩れ始めてしまった15歳の春。
このまま彼女の夢は潰えてしまうというのか?

(なんとかしなきゃ……。そうだ、考えよう。考えて、考えて、考えるの! なでしこっ!!)

そう、彼女は諦めない! 彼女もまた自らをヒーロー足らんとする、勇気ある者なのだからっ!
そして始まるなでしこのロスタイムからの大逆転ストーリー。
彼女は仲間を集め、女子サッカー部を、自分の居場所を作ることが出来るのか?
そして彼女の、その夢の行く先は?!

『市立星之崎高等学校女子サッカー部10番 なでしこっ!』

ホイッスルが鳴り響く、その瞬間までは……止まらないッ!!




京アニあたりでアニメ化やりそうな雑誌で女子サッカー漫画をやると思うから、連載なんてしないよ!
0159創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/07/20(水) 02:41:55.16ID:sjrPxVSo
「俺はなぁ! こういう本を読む度に思うんだよ。
 なんでこいつらはこんなに受身なのだと!
 こいつらはいつも普段と変わらない日常がどうこうで、いざ女の子とトラブルが起きると面倒だの斜に構えてやがる。
 もしも誰かに巻き込まれなければこいつの日常はずっと何も変わらぬものだ。
 だからこそ俺はこれに異を唱えるべく攻め手で行こうと思うんだ。
 ハーレムが出来るのを待つんじゃない。ハーレムを作るのが俺の目的だ!
 お前も付き合ってもらうぞ!」
「えっ」
眼の前で演説をしていたのは僕の友だちであるちょっと、いやかなり不良が入っている天王寺という男だ。
小中学校ともに色々と伝説を残している。
その中でもクラス中からいじめを受けていた僕を助けて自らの家来にしたというのはかなり有名な話だ。
最もそれはちょっと違うために僕は彼を友だちだと表現した。
ちなみに彼が何に怒っているかというとラノベの主人公達についてだ。
「まずはおかしな部活を立ち上げようか。何でも出来る部活がいいかもな。
 そこに女の子を集めよう。これはうまく行けば素晴らしい花園を作ることが出来るぞ!」
「あの、天道くん」
「なんだ、クソメガネ」
「その、部活だって場所とか必要だし、そもそもラノベに出てくるような女子だと居ないと思うんだけど」
「それだからてめぇは主人公になれないんだよ!
 いいか! なぜ俺がてめぇと同じレベルの学校に入れるように猛勉強したかわかってるのか!
 それはな、この学校には既に丁度いい部活があるからだよ!」
「天道くんすごい勉強頑張ってたと思ったらそんな理由で……」
「人生なんて一寸先は闇だ! 何が起こるかわかりゃしない!
 だからこそ! 今この瞬間を! 輝かせるために! 俺は努力を惜しまないぜ!
 さぁよく見とけ! そして語り継ぐがいい!
 コレが俺の素晴らしい物語だ!」

『肉食主人公と草食眼鏡君』
0160創る名無しに見る名無し
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2011/07/21(木) 03:06:02.04ID:V1JGil5n
子どものころ、台風や天候が悪くなるたびに胸の奥がざわつく感覚があった。
自らの理解も手も届かぬ向こう側からやってくる巨大な雲。生暖かい風。
やがて世界は暗闇に閉ざされ、創世記の大洪水のような雨が地上を埋める。
成長して天気がどういう仕組みになったかわかった今でもそのざわつきが取れることはなかった。
大学生になり分別を知るようになってからは台風の日に外で遊ぶなどということはやらなくなったが
ぼぅと雨が打つ窓から空を眺めるようなことをよくやった。
「まるで誰かを待っているみたいね」
アキがそういうとそれまで語っていたユキがゆっくりと視線をアキに向けた。
「待っている?」
「そう。あの人の手の届かない領域からなにかが来るのをね」
ユキはそれを聞くと再び窓の外に視線を向けた。

ユキがいなくなったのはあの夏の前の台風が去った後だ。
その年の夏はあまりセミが鳴かずなんとなくぱっとしない印象であったが
台風が過ぎると同時に例年通りの喧しさと暑さがやってきた。
まるで台風が風や雲と一緒に夏を連れてきたように。
だけど代わりにユキを持っていってしまった。
ユキはずっと待っていたのかもしれない。
何かが来るのではなく、あの天へ行ける機会を。
恋人のいなくなった部屋で夏の空を見上げる失恋した人の物語。

『嵐の先へ』
0161創る名無しに見る名無し
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2011/07/22(金) 16:37:02.27ID:F5u2Gnc3
当然のことながらそれについて説明出来る人間は今までも、そしてこれからも出てくることはないだろう。
世界は、いや人間はあの日から老いるという現象から開放された。
時間というのは常に一方通行であり、それを阻害する手は今の人間は持っていない。
人は生まれ、育ち、老い、死ぬ。それが全ての生物もそうであるように人の命の流れであった。
しかし人間の命の流れだけが逆転した。
全ての人間はその日から若返り始めたのだ。一日一日確実にだ。
その現象が確認され、広まってから一年が経ち、あらゆるシステムは崩壊した。
子どもは永遠に大人になれず、学校というものは消失してしまった。
今まで生きたその年齢は途中で事故死や病死することはあれどその人間の絶対的余命となった。
なによりも問題となったのは子どもを産むことが出来なくなったということだ。
孕んだ時点で逆転現象により、子どもはいなくなってしまうのだ。
全ての人間は若くなり、そしてゆっくりと滅亡の道を歩む世界を描いたSF小説。

『0への帰還』
0162創る名無しに見る名無し
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2011/07/23(土) 04:27:11.85ID:iQw//4Af
両親の死を機に東京の大学に進学し、故郷を捨ててから七年が経った。
遺品の整理などは全て親戚がやってくれたおかげで故郷に戻る機会はなかった。
いや、もしかしたら戻りたくなかったのかもしれない。
海があり、山があり、川があり、森があったあの地はあまりにも輝いていた。そう輝きすぎていた。
それはあまりにも人を引きつける魔力があった。
だけど同時にあの地は時間が止まっていた。不変で平穏の地。だから東京に逃げたのだ。
お盆になると親戚から毎年電話が一本来る。帰って来るのかと。
そのたびに適当な理由をつけて帰れないと回答している。
実際、大学は想像よりも忙しく、社会人となってからはさらにそれが増した。
三年目となり、ようやく仕事のコツや流れが掴めるようになり、やっとゆっくりと休める夏休みを迎えることとなった。
「今年の夏、ここに行かない?」
ある日、恋人が差し出した旅行雑誌に乗っていたのは故郷の近くの海だった。
ふと帰りたくなった。同級生は今もあの地にいるのだろうか。
そこで恋人に提案をした。そこの近くがうちの故郷だからそこに行かないかと。
社会に揉まれ、自分がわからなくなった人たちへ送る
自分を見つけ出すための物語。

『七年目の追想』
0163創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/07/24(日) 05:20:21.07ID:QlkFHd8b
家に帰ると机の上に『ごめんね』という書置きがしてあった。
字からすると母親だと思う。ふと横のゴミ箱を見るとくしゃくしゃに丸めた紙が何枚も入っていた。
『こんなことは』
『お父さんとお母さんは』
『幸せに』
何枚も書き直したのだろう。そして最後に行き着いたのが今机の上にある書置きだ。
なるほど。私は両親に捨てられたのか。
そこへドアのカギを開ける音が聞こえてきた。両親かと思ったら見知らぬいかにもな男達だ。
「あの、お父さんたちならどこかへ行ってしまったみたいです」
それを聞いて男達は笑い始めた。
「知ってるよ。さらにお前とこの家が三千万の借金の肩代わりになったこともな」
男は私の肩をぽんと叩いた後、家の奥へと入っていった。
しばしの間、男達に家の案内をする。やりながら私は状況を冷静に考えた。
おかしい話だ。昨日までは確かにお父さんがいて、お母さんがいて。
仲良く食卓を囲んで、笑いながら食事をしていたではないか。
男達に連れられて、白い大きな車に乗せられる。
あまりにも現実感がないがどうやら私は売られてしまったようだ。家とセット販売だ。
「これから私はどうなるのですか?」
隣にいた禿頭の男に聞く。男は私を足の先から頭の天辺まで見た後、目を見据えた。
「お前は俺たちの親分に売られたんだ。だから決めるのは親分だ。
 まぁ高校生なら風俗で稼がせるのが常套だろうよ。見た目も悪くはないしな」
クソッタレ人生にようこそだ。恨むなら両親を恨みな。助手席に居た男が続けた。

こういう方々の親分というとなんとなく体つきの良い髭を蓄えた人間を想像していた。
その親分はまさしくその通りすぎてなんともかんともスタンダードな人だなぁと場違いに思った。
親分は部屋にいたほかの人たちを出て行かせて、自分の席からソファーに座り、私を体面に座らせた。
最初に短くどういう経緯でこうなったかを話してくれた。特に新しい情報はない。
「お前の今後についてだがとある男と一緒の家に住んでもらう」
これはつまりその男の玩具として生きろということだろうか。専用機といったところか。
「安心しろ。お前の想像するような下種な話じゃねぇ。ただ一緒に暮らすだけだ。
 そうだな、家事ぐらいはやってもらうことになるだろう」
「夜のお相手をする、ということは……」
親分はにやりと笑った。カッコいい笑い顔だった。
「相手は80近い老人だ。立つもんも立たんさ」
「では本当に一緒に暮らすだけですか?」
「ああ、そうだ。期限はその男が死ぬまでだ。期限を迎えた後のお前の待遇は老人の指示次第だ」
「あの、その男の方ってどういう方なんですか?」
親分ははぁと一つため息を吐いた。
「俺のオヤジだ」
借金のかたとして売られた少女と一代にしてその地にその男ありとまで言われた男の
奇妙な、だけどふんわりと幸せな生活。

『ひだまり』
0164創る名無しに見る名無し
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2011/07/25(月) 08:38:57.04ID:UkqVN7QD
東京でひっそりと開かれたその裁判はどこにでもある殺人事件のものとして世間では知られていた。
渋谷のマンションで女性が殺害されたと言うものだ。
警察は当初から強盗目的で押し入った犯人が女性に見つかり、勢いで殺害したのだろうと説明していた
犯人は後に自主をしてきて、後は裁判の判決を待つだけ。というのが世間での認識である。
ただその裁判は一般人には公開されなかった。なぜならば事実は違うからだ。
渋谷のマンションで起きた殺人事件。部屋は全てに鍵がかかっており、密室状態。
女性は首を縄のようなもので縛られた後が残っていたが狂気となった縄は残っていない。
さらにいくら現場を調査しても被害者以外の人間がいた証拠が一切取れなかった。
それだけではない。女性が死んでいたのは玄関から遠く離れた居間。
椅子から横に落ちるようにして倒れていた。机の上にはコーヒーが残っていたという。
身体の外傷は首の縄の跡以外なく、苦しさから首をかきむしった様子も身体を動かし物に当たった様子もない。
このことから女性は誰もいない部屋の中で突然首を絞められ、一瞬で死んだ。ということになる。
自主を名乗り出た犯人の女性は犯行手順についてたった一言で片付けた。
魔術、だと。
これは近代の日本において今までもそしてこれからも起こらないあろう
魔女裁判に纏わった人間たちの物語である。

『古は遠く』
0165HANA子  ◆zvLTXEoOaA
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2011/07/25(月) 20:30:59.73ID:PagVDdn1
ふとした時に思い出す。あの素晴らしい休暇のことを。
怖いことが何度もあった、見知らぬ総ての物がただただ恐ろしかった。
悲しいこもあった、辛い事だってたくさんあった。
でも、寂しくはなかった。

ふとした時に思い出す。この素晴らしい仲間達のことを。
助け合って、力をあわせて、そうして幾度もの危機を乗り越えてきた。
冗談を言い合い、笑いあい、たまにしんみりしたりして絆を深め合ってきた。
時に諍いを起こしたこともあった。本気で怒り、本気でケンカして、それでもまた……手をとりあった。
ブランドン、生まれついての冒険家! 君はきっと今も元気に星の海を旅しているんだろうね。
トール、いつか聞いたあの娘とは仲良くやっているかい? 会いに行くって約束、きっと果たすよ。
ノック・ノック、とても強かった僕らのリーダー、みんなのお兄さん……軍の仕事は大変だろうけど君になら出来るさ。
リンゴ、君がいなかったら僕達はきっと力を合わせて戦うことなんて出来なかった。君がいたからこそ僕達は“仲間”になれた!
そして……そして、ユウ! 大事な僕の親友! どこにいようと、何をしていようと、僕は君の友達で居続けるよ!
そんな僕の14人の仲間たちを──忘れない、忘れることはない。

ふとした時に思い出す。あの素晴らしい休暇と、この素晴らしい仲間達のことを。
あの日々はもうすでに遠いけれど、決して忘れることはない。絆が断ち切れることもない。
喜びを共にした。
怒りをぶつけあった。
哀しみを分かち合った。
そして、
人生を楽しんだ。
あの日々があったから僕は今ここにいられる。
どんなに強い困難に遭おうとも、辛い嵐に見舞われようとも、あの日々が僕に尽きない勇気を与えてくれる。

この頃僕は思い出す。
初めての宇宙、初めての船、初めての冒険のことを。
旅立ちの日のことを。
初めての惑星、初めての星空、初めて間近に見た炎の美しさを。
生きるために力を尽くすということを。
初めての友達、初めての仲間、初めての戦いの辛さを。
自分の人生を生きるということのほろ苦さを。

そして、あの素晴らしい休暇の日々のことを。


【銀河十五少年漂流記】

いつか、思い出の星の海で──また。
0166HANA子  ◆zvLTXEoOaA
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2011/07/25(月) 20:34:01.05ID:PagVDdn1
もう一つ


「汎銀河大戦終結100年を記念した式典がもうまもなく始まろうとしています!」
TV中継のレポーターが声を張り上げる様子が宇宙ステーションのざわめきの中に溶けていった。
惑星軌道上に設置されたステーションはこの一大イベントの為に特に建設された特別なものだった。
かつて大きな戦いが銀河の──星の海を覆い尽くしていたという。
その頃の時代を知る者は少ない。多分この銀河でももう100を越えることはないだろう。
それでも、だからこそ? 《その悲劇》を語り、語り継ぐことは必要なのだ──人々はそう思っているのだろう。
「こちらをご覧ください!」
興奮した面持ちでレポーターの女が精一杯の声を張り上げる。
「こちらがかつての大戦で多くの英雄たちを輩出した“伝説の船”を現代の最新技術で蘇らせた宇宙船です!」


係留されている白亜の船


「でっかいお船だネェ。お父様、あれって乗れるのォ?」


それは、光の速ささえ越えて星の海を跳ぶ


「見ろよノック・ノック、宇宙に帆船が浮いてるぜ?」


《エイリアン・スター・シップ》


「あんな船に乗ることが出来たら僕ァ幸せだね。もう死んでもイイ!」


少年達の《家》となる船


「宇宙(ソラ)に帆を張って滑るように跳ぶ船かよ。まるでマンガじゃないか」


吸い込まれる様に彼らの運命はこの船に集まっていく。

宇宙暦801年、汎銀河大戦終結100年記念式典の最中、宇宙ステーション《タイターニア》にて披露されたレプリカ・エイリアン・スター・シップ《ビーグル号》が突如同ステーションから出港、ハイパードライブを行い虚空に飛び去った。
当時《ビーグル号》には見学の学生10人と児童5人、その中の一人に従うベビーシッターロボット一台が乗船しており、共に行方不明と報じられた。

なぜ《ビーグル号》は出港し、ハイパードライブを行ったのか? 誰が、何のために?
なぜ当時の《ビーグル号》に専属の乗組員や職員は一人も乗船していなかったのか? どうして少年たち15名だけで乗り込むことができたのか?
数多の疑問は尽きない。
そして、なによりも……
少年達はいずこへと飛び立ってしまったのか。


【銀河十五少年漂流記】


それはとても長い、忘れられない《夏》になる。
0168創る名無しに見る名無し
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2011/07/26(火) 03:04:51.18ID:i4LEnNfy
この世界はあまりにも多くのノイズで埋め尽くされている。
そのノイズはぼくの身体に入ると滅茶苦茶に中身を荒らしてしまう。
だからぼくはその危険なノイズを聞かないように耳に蓋をするんだ。
いつもヘッドフォンをして、人気のないところで空を見上げている彼はよくそういっていた。
私は彼に一言、こう言ってあげた。
「厨二病乙。もうすぐ高校卒業する癖にまだそんな子ども染みたこと言ってるの?
 ぷぎゃーしてあげようか? ノイズ入っただけで身体がぐちゃぐちゃとか内臓どうなってんのさ。
 そもそも世界はあんたなんかに対して興味なんて持ってないから。
 あんたに向けられたノイズなんてないんだよ。
 ただあんたがそれらの情報を必要としないからそれをノイズと処理しているだけ。
 よかったね。あんたには敵はいないんだよ。味方もいないだろうけどさ」
彼は言葉を無くして私を見ていた。私はそれを見て、声を上げて笑った。
私はいつもヘッドフォンをしている。だからあんなやつが勘違いしたのだろう。
世界の音を遮断するため? 違う。私は世界の音を全て採取するためにしているのだ。
このヘッドフォンは音を流すためではなく、吸収する役割を持っている。
それをヘッドフォンのコードの先の媒体に記録しているのだ。
その後、私は友人宅で友人と共に今日の記録の解析をする。
確かに集れば解析は難しく、まとめてノイズとしがちだ。
だけどもしもそれを一つ一つ丁寧に別けられたらその音はノイズではなく情報になるのではないか?
そして全てが解析去れた時。その時こそこの世界からノイズがなくなる時なのだ。
私はそれを聞かされた時、厨二病乙と言うと同時にそのヘッドフォンを装着していた。
耳を塞いで引き篭もる思考のやつらよりかはよっぽどいい理由だったからだ。

『サイレントノイズ』
0169創る名無しに見る名無し
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2011/07/27(水) 03:11:51.75ID:sOd1t80W
「……、……し」
眠い。まだ眠いんだ。起こさないでくれ
「ま……し」
このままゆっくり眠っていたいんだ。もう全部放り出して……。
「まさしっ! 意味のわかんないこと言ってないで起きなさい!」
「はいっ! ……あれ?」
確か、俺は仕事帰りだったはずなのになんでお袋がいるんだ?
いや、そもそもお袋は八年前に。
「全く。夏休みだからって寝て過ごさせやしないよ!」
のっしのっしと台所へ戻る後姿はまさしくお袋だ。これは夢なのか?
頬を捻っても痛い。一体何が起きてるんだ。
ふと見たカレンダーには八月という字とそれっぽいイラストが書かれている。
ただその八月の隣には1990年と書かれていた。
突如小学五年生の夏休みにタイムスリップした主人公。
最初は戸惑ったものの徐々に蘇る記憶と景色が重なっていく。
戻ることの出来ない。何度も神に願ったこの夏。もしもこれが夢でないのならば。未来を変えることが出来るのならば。
「ん、弟。お前もアイスを食うか?」
この姉を死の運命から放つことが出来るではなかろうか。
あなたには帰りたい夏がありますか?
もしも帰ったら――あなたは何をしますか?

『夏の色を探して』
0170創る名無しに見る名無し
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2011/07/28(木) 03:27:20.42ID:FTTgsl/c
物語には必ずきっかけというのが存在する。
だがもしもそのきっかけがなければそれは物語に成り得ないのか?
何も変わらない起こらない普遍的な日常を描いた作品「毎日」を始め
殺意を抱いた少年が閉鎖された雪山で人を殺し、そして居合わせた探偵に
推理されていく「逆解決」。
ただの文字列が並ぶだけの中から作品を見つけ出す「擬態」など
型破りの短編を七つ収録した規格外の作品がついに誕生。
あなたはこれを読んだ後、普通の小説が読めなくなる、かも?

『地球侵略計画』
0171創る名無しに見る名無し
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2011/07/29(金) 09:48:25.44ID:An2he0tI
夏休みの恒例行事、お盆の帰省。
ご多聞に漏れず、うちの家族も父方の田舎。所謂「ド田舎」という場所まで帰省しにいった。
とは言っても毎年来ているので特に目新しいものはない。逆にそれだけ変化がない場所ということだ。
空は蒼く、海は空を映し、山は緑に揺れる。電車の音は聞こえず、車すらあまり通らない。
中学生の頃はその辺中を駆け回ったが高校生となってからはそのような元気もわかず、古びた駄菓子屋でアイスを買っては
ごろごろしながらゲームをやる日々だ。
そんな様子を見ていた父親が「なまっちろい身体をちっとは小麦色にしてこい」と怒鳴るものだから仕方なく海水浴に向かった。
家から徒歩5分。そこには地元の子ども程度しかいないプライベートビーチ的なものが存在する。
適当に泳いでは、誰かが刺したパラソルで休んだりしていると、視界の端を一人の少女が通った。
その服は蒼空に浮かぶ白雲のように白く、その肌は下品さを感じさせない小麦色の肌をしていた。
彼女が麦藁帽子を取ると、風が彼女の黒髪を大きく後ろへ流した。
その姿はまるで映画から出てきたような、そう、物語の少女であった。
何かが動いた。もしかしたら今から夏が始まるんじゃないか。そんな気さえした。
そう、したのだ。しただけだったのだ。それだけだったら確かにしたのだ。
よく見てみよう。綺麗な白いワンピースには所々破れや土汚れがあるではないか。葉っぱすらくっ付いている。
髪だって美しいがよく見ると小枝がついてるではないか。これはちょっと女の子としてどうなのだろうか。
「ん? 三須さんちの家族か? そういえば毎年帰省してたな」
「え、あ、はい」
「いやー、この辺って田舎だからさー。友だちとかみーんな外にいっちゃうんだよねー。
 暇で暇で仕方なかったんだよー。あんたもそうでしょう?」
「え、あー、まー、そうだね。暇っちゃ暇だけど」
「それじゃさ、遊ぼうよ」
こうして美少女野生児との冒険が始まった……。

『野生児と一緒!』
0172創る名無しに見る名無し
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2011/07/30(土) 04:36:50.17ID:kwtG2mgX
地球には月という衛星が飛んでいる。
それがどのように出来て、どのくらいの間そこにいるのかははっきりとわかっていない。
通ろうとした星が地球の重力に捕まったという話もあるし、地球に隕石が衝突した際に宇宙に飛びでた岩石の塊なんて説もある。
いずれにせよ、月は地球の馴染み深いものとして古くから芸術や占いなどに使われてきた。
そしてこれからも地球にとって最も近い星として親しまれていくだろう。
「というわけで君たちには月まで行ってもらう」
「隕石じゃないのか? なんか飛んでるらしいじゃないか」
「俺、知ってるぞ。アメリカ中の荒くれ者を集めて隕石爆破するんだろ?」
「あー、ディープインパクトだな」
「アルマゲドンじゃなかった?」
「ディープブルーだろ」
「そら鮫だ」
「ありゃちょっと意外な展開だったな」
「映画談義はそこまでです。正確には月に着陸した正体不明の船を調査してほしいのです」
「あー、つまりなんだ。未知との遭遇?」
「E・T?」
「インディペンデス・デイだろ」
「俺はサインを推すね」
「糞映画だな!」
「バット持ってくか!」
「水も忘れんなよぉ!」
「シャーラップ! 別に討伐しろというわけじゃないんです。何があるのかの調査です。
 前報酬も払ってるんですからしっかりしてくださいね」
「ああ、あれな。行きのラスベガスですっちまったよ」
「奇遇だな。なんかポーカーしてたら糞つえぇ女がいてさ」
「お前もか。あの青い髪のツインテールのやつだろ? 日本語喋ってたぜ」
「お前日本語わかんのか」
「任せろよ。フジー ゲイシャー スシー テンプーラ コタツー オレンジ!」
「最後英語じゃねぇか」
「そういえばコタツコタツいってたな。コタツってなんだ?」
「コタツというのは日本式の暖炉です。前報酬をすろうがなんだろうが知ったこっちゃありません。
 世界の危機というほどではありませんが人類の歴史に残る可能性があるミッションです。
 いいですか? それほど大事なミッションなんですからちゃんとこなして下さいよ」
「しかしなんだってそんな大事なものを俺たち荒くれ者に頼むんだ? お抱えの優等生ちゃんだっているだろ?」
「……場合によっては討伐していいと許可が出ています」
「そうこなくっちゃ!」
月に着陸したことが確認された謎の宇宙船。その正体はなんなのか?
地球と人類の未来は一体どこへ向かうのか?

『ユニバーサルオーバーラン』
0173HANA子  ◆zvLTXEoOaA
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2011/07/30(土) 19:44:10.25ID:jMDteX/S
阿藤忍は決して恵まれていない青年ではなかったはずである。
だが、彼にとって「恵まれている」ということと「満ち足りている」ということは、決して同義のことではなかったのだ。
良家の生まれであり、これまでも──これからも人生は順風満帆であるはずの青年はある日忽然とその姿を消した。
失踪した婚約者・阿藤忍の行方を探す“わたし”。何の手がかりも得られずに途方に暮れる彼女の手元にある日小さな小包が届く。
その荷札に書いてあったのは阿藤忍の名と失踪する前日の日付。
小包に入っていたのは丁寧に布で包んだ小さな銀色の鍵だけだった。
“わたし”は知っていた。
阿藤忍がもはや現実の世界には何一つ希望など持っておらず、ただひたすら夢の世界に赴くことを願っていたことを。
彼から贈られた“銀色の小鍵”それが阿藤忍なりの謝罪であることを“わたし”はやがて知ることになる……。

表題作「夢をシンじて」の他、市営団地に潜む全く同じ顔をした奇怪な子どもたちによる恐怖を描いた「大好き五つ子」。
霧深い山中の廃村で若者たちが引き起こした淫靡な惨劇。それを見てきたことのように語る老婆の「霧に潜む悪魔」。
事故で死んだ両親を思い続ける少年とその少年を引き取った叔母を襲う怪異「天までとどけ」。
ある日突如“勃発”した小学生同士の本職顔負けな規模の本格的な“戦争”に翻弄される親達を描いた「キッズウォー」。
など、当たり前の日常から本の少しだけ乖離した世界の恐怖を描いた五編をお送りする。

創発ホラー文庫夏の新刊【夢をシンじて】
0174創る名無しに見る名無し
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2011/07/31(日) 05:08:54.29ID:AjJ5xwbn
かつてその世界には【神様】と呼ばれる崇高たる者たちがいた。
【神様】たちは人間の弱き心を救う為、はるか古代の時より人間と友にあった。
しかし人間たちは自らの弱き心を技術によって補強することにより、全ての人間が所謂【超人】と言われる者たちへと変貌を遂げたのだ。
そう、人間たちは【神様】が不必要になったのだ。
人間たちの信仰心を糧に力を持ち、存在を保っていた【神様】たちは力を失い、やがて獣たちと同類の生物として扱われるようになった。
やがて野良神と呼ばれるようになった生物は崇拝の対象から娯楽のために狩猟される生物に変化した。
生物と似て異なるそれらはどれだけ痛めてもすぐに再生することからハントの格好の的となったのだ。
時には弓で、時にはバットで、時にはトラップを仕掛け。
時には街中で、時には森林で、時には山中で。
朝も昼も夜もなく。ただ、快楽のために。その不死身の生物を。
殺し続けた。
遠い昔。【神様】と呼ばれる人間たちの上に居る、人の与り知らぬ領域に住む者たちがいた。
今はただの獲物だ。
神が狩られる世界。それは我々の世界の延長線上に存在するのか?
超人の可能性と神の行く末を描いたSF小説。

『頂点の空』
0175創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/08/01(月) 09:19:22.75ID:n00ltSPY
気付けばもう八月だ。
この前まで「ああ、今年も何も起こらない夏が来るのか」なんて鬱になったもんだ。
しかし今年の俺は一味違うぜ。何せ青春18切符を手に入れたからな。
JRも洒落たもん作るモノだな。俺はこいつを握ってちょっとだけ旅に出るぜ。
お前等もどうだ?
そこにはない青を探しに電車に乗ろうじゃないか。

『八月の電車に乗って海を見に』
0176創る名無しに見る名無し
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2011/08/02(火) 08:48:42.25ID:RqAkhBCe
その最初の出来事は小規模でほとんどの人間が知らないようなものだった。
やがて一年が経った頃、その出来事について書かれたwikiに奇妙な文章が付け加えられた。
「これは進行中の事件である」と。
何かを勘違いした人間が書き加えたのだろう。それを見た編集者はその文を消し去った。
しかし次の日。世界中のインターネットは「データが抜け落ちる」という謎の現象に見舞われることになる。
インターネット上の全ての情報が虫食い状態になり、使用が不可能になったのだ。
現象は留まることを知らず、ついには主要なサーバーまで落ち始めた。
インターネット史上最悪の危機に人間たちはどう立ち向かうのか。
そして前身たる事件「夕鶴クライシス」を知る創発民たちが取った行動とは。
仮想世界の終焉とそれによる現実への影響を描いた作品。

『幻想、消滅』
0177創る名無しに見る名無し
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2011/08/02(火) 11:23:49.13ID:7OArcq0y
なんだか小松御大が書いてそうなお話が増えていて
なんだかとっても嬉しいなって
0178創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/08/03(水) 04:24:23.82ID:0ZQ7HN08
俺が彼女について知っていることは多くはない。
日の入りから日の出までを主な活動時間とし食事は一日二回。そこそこな量を食べる。
普段は家に篭り、読書をしているが時折下界探索と名目し、外に出る。
見た目は六年前に自宅で自殺した俺の妹と同じであり、成長はしない。
彼女は自らを吸血鬼と名乗るが血は飲まず、またシャワーを好み、炒った豆はよく食う。
そして彼女の目的は「神を殺すこと」。
それは普通の人が感知できない時間に行なわれる。
彼女を大将とし、契約を結んだ俺たちは神の僕たちと殺しあうのだ。
なぜ俺の町がその戦いの舞台となっているのかはわからない。
ただ人でなくなった者たちはその街に集い、徒党を組んだり彼女のように契約を結んだりして、神を殺すために戦っている。
そして神を殺した時に何が起きるのか。それを実際に知っている人間は誰もいない。
ただ人外の者たちは言う。
「神を殺せば、その呪われた運命すらも祝福に満たすことが出来る」と。
今日も、その時間が来る

『神殺しゲーム』
0179創る名無しに見る名無し
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2011/08/04(木) 04:04:34.69ID:KfNM5Boz
「ヒマラヤ山中にノアの箱舟があるらしい」
ネット上のオカルトなんてのはほとんどがデマである。
この情報だってまぁどこからどうみたってデマにしか見えない。
大抵の人間が「そんなロマンがあったらいいよね、ステキだよね」と思いながら見ているのだろう。
だからそれを発見した人間もあるわけないだろと思いつつ寄り道がてら噂の場所に行ったのだ。
それは確かに存在した。かつて世界を壊滅させた大洪水から生物を守ったと言われている伝説の箱舟。
全ての生物がつがいとなって乗っていたというその船の木の残骸から察するとその大きさは途方もないものだったとしか言えない。
興奮した発見者は船を探索、そして偶然にも丸々朽ちずに残っていた部屋のドアを開けることになる。
その中に居たのは、ノアの箱舟の最後の船員であった――。
伝説上の出来事の証人となるこの世のあらゆる生物系から独立した生命体が目覚める。

『箱舟の乗員』
0180創る名無しに見る名無し
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2011/08/05(金) 10:45:26.96ID:iMyNsqlR
ぼくの幼馴染には太陽のように明るく、風のように走るのが速い女の子がいる。
その速さと言ったらその辺中の大会から優勝だけをかっぱらってくるほどだ。
将来はオリンピック選手確実とまで言われている。
それに比べてもぼくは運動は苦手というほどはないが真ん中ぐらい。
勉強のほうは自慢ではないが学年ではトップクラスなので優秀なだけど地味な生徒である。
そんな違いからか、幼馴染と言ってもあちらには人がよく集っているのでぼくからどうこうすることはない。
たまに向こうから挨拶してくるのを返すぐらいだ。一応は友人である、という証なのだろう。
多分この先も彼女の周りには人が溢れ、ぼくの周りには必要最低限な人しかいないのだ。きっと。
彼女が交通事故にあったという知らせがあったのは夏の大会を控えた頃だった。
原因は居眠り運転。自主トレーニングの夜のランニング中にはねられたそうだ。
命には別状がないとのことだったのでぼくは胸を撫で下ろした。
お見舞いに行くも、いつも人がいたのでなんとなく入れず結局行かずじまいのままだった。
夏の終わりぐらいだろうか。今日も人がいるだろうと思いつつ病室に向かうと珍しく誰もいない。
彼女はベッドに座り、本を読んでいた。ぼくに気付くと今まで見たことないくらい弱々しく微笑んだ。
「足、もう動かないんだって」
椅子に座ったぼくに白いギプスで固定された足を見せながら呟いた。
何も言えなかった。今まで見てきた彼女は人生の全てを走ることに懸けてきた。
それが一瞬でなくなったのだ。
「最初はね、みんな来てたんだよ。何も知らなかったんだろうね。
 私がもう走れないんだ、って笑いながら言うとね、みんな一瞬固まるの。面白いくらい同じ反応。
 で、すぐに笑いながら大丈夫大丈夫って言いながらそそくさと帰っちゃうの。それでそれっきり。
 その時気付いちゃったんだ。私が友人だと思っていた人も、もしかしたら両親さえもみんな。
 私じゃなくて【日本期待の選手】とお友だちになりたかったんじゃないかって」
彼女の頬を静かに涙が伝う。
「それでなくなった私はもう何にも価値がないんだろうなって。
 あの人たちから見たら多分今の私は壊れた玩具程度でしかないんだろうって」
その姿はあまりにも痛々しかった。花瓶に刺さった萎れた花が風に揺れる。
「確かに今の君はいつもの君らしくない。いつもだったらもっとそんなん知るかー! 治してやるー!
 とか足がだめなら手で走ればいいじゃない! とかよくわからないことを言うからね」
彼女のすすり泣きが止まる。そして止まっていた心の何かが動き出した。気がする。
「大丈夫。君が一人になってもぼくは側にいるよ。足が動かないのが衝撃的だったせいで
 精神的にも弱っちゃってるだけさ。だから友だちいなくなっても気にしないことだね」
ここまで喋ったところで彼女に殴られた。頭を擦りながら、顔を上げると彼女は嬉しそうに笑っていた。
世の中には理不尽なことなんていっぱいある。それはかまいたちのように一瞬で不幸を残していってしまう。
でもここでもしも止まってしまったら、それは敗北してしまうことになるのじゃなかろうか。敗北した先に何があるというのか。
だからぼくは諦めない。彼女が折れそうになったらいつだって支えるために怪我が治るまでずっと側にいる。
これはとある平凡な男の子と非凡な女の子が太陽と風を取り戻すための二年間の物語。

『イカロス』
0181創る名無しに見る名無し
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2011/08/06(土) 16:21:04.85ID:2A5y1v7x
罪というのは罰を受けることにより許される。
犯罪は刑罰を受けることで許される。
このふたつは果たして同じ意味を持っているのだろうか。
いじめの主犯格の小学生。
万引き癖がついてしまった女子高生。
結婚詐欺を繰り返す無職の女性。
母親を殺めた引き篭もりの男性。
罪を犯したという点以外は無関係であった四人の物語が
ある少女という点で一つに交わる時、贖罪と奇跡の世界が見えてきた。
ちっぽけな世界で起きた最大の事件たちの行方は?

『カルマノイズ』
0183創る名無しに見る名無し
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2011/08/07(日) 04:38:55.23ID:IzO5dWAO
山の手線の走行中の電車内にて女性が突然死するという事件が起きた。
目撃者によると、ドアによりかかり携帯を弄っていた女性がいきなり倒れたという。
警察は死因を心臓発作とし、事件性はないとして調査をすることはなかった。
このように健常者に見える人間が突如倒れ、そのまま死亡するなどということは珍しくはない。
病魔というのは足音を立てず人間の側にまで来ているのだ。
全てはそれで片付くはずであった。
三日後に彼女の両親が同日同時間に同じ症状で死亡ということが起きなければ。
警察は最初の女性を中心に様々な情報を調べた。
その結果、彼女が死亡してから三日後から今日の五日後に彼女近辺だけで数十人の人間が死亡しているのだ。
いずれも症状は同じで外傷は無い。ただ奇妙な共通点として、遺体の近くには必ず携帯が落ちていたのだ。
さらにその携帯の送信履歴を調べた結果、死亡推定時刻から三日後にその携帯に入っている全ての人間にメールを送信したという記録が
発見された。当然のことながら携帯は警察が調査の物品として保管していたので誰かがいじることなど出来ない。
さらにセンターのほうでは記録があるにも関わらず、携帯のほうには送信、受信共に履歴が存在しないのだ。
そして翌日、警察に入った情報だけでもさらに数十人の人間の死亡が確認された。
死亡に関わったとされるメールの内容はどれも同じで一行の文でしかない。
現代社会において、重要な機器となった携帯。もしもそれが死を運ぶものになったとしても
人はそれを使い続けるのだろうか。

『死を受信しました』
0184創る名無しに見る名無し
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2011/08/08(月) 21:43:45.04ID:A4ZTMoK2
「うーん、やっぱりこの辺だね。地図的にも一致してるよ」
「へぇー、ここの遺構群が新宿って呼ばれた場所なのか……」
2012年に起きた最終戦争により、人類は滅亡の危機に瀕した。
土地は穢れ、文明は廃れ、残された人間も病に侵され、子どもが生れないという状態に陥っていた。
そこである科学者はある技術の復興に力を注いだ。
クローン技術と呼ばれるものだ。
そのとき、どのような経緯が存在したかはわからない。ただ残された人間を治療するよりか、新たな生命を作ったほうがいいと判断したのだろう。
技術は確立し、最初のクローンが生まれた。それが1000年ほど前の話だ。今日に置いてはアンドロイド技術と呼ばれている。
複数の人間の細胞をミックスすることにより、人間としての多様性を減らさず、なおかつ生殖機能も備わっている。
つまり人間と変わらない生命となったのだ。今では徐々に人口が増加傾向にあるのでアンドロイドの製作は中止している。
「この辺は結構空気綺麗だね。マスク外してもいいんじゃないかな?」
「いや、そこまで綺麗じゃないから。外しちゃだめだよ、アキコさん」
僕の隣で文句を言っているアキコさんもそうやって作られたアンドロイドの一人だ。
作られたのは製作中止の少し前ではあるがそれでも20歳と僕よりは年上だ。
だけどこうやってフィールドワークに来てもどちらかというと僕が彼女の世話をしている気がする。
「盛者必衰って感じだね。ここが都心とか呼ばれてたんでしょ?」
「うん。1000年前の話だけどね」
「それじゃ今となっては遺構群だからねぇ。しかも汚染区域だし」
人類は退廃してしまった世界で暮らす、人間とアンドロイドの生活。

『その後の世界』
0185創る名無しに見る名無し
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2011/08/09(火) 05:34:56.46ID:+3tJp8lf
大学生になった義弘は実家に小学生の頃のクラスメイトから同窓会の手紙が来たことを知る。
地元を離れた故に付き合いも切れてしまったし、戻るお金も惜しいと考えていたが
「タイムカプセルを掘り起こします」という一文が書いてあるということを聞いて、帰郷することを決心した。
小学五年の頃に十年後の自分に向けて書いた手紙を中に入れている。何を書いたのかは覚えていない。
夏休みの休暇を利用して久々に帰った地元は昔の面影を残しつつ、変化をし続けていた。
同窓会の日。旧友と近況について報告しつつ、自然と話題はタイムカプセルの話に移行した。
掘り出すのは明日のお昼。つまるところ二日連続の同窓会ということだ。
旧友たちも自分と同じらしく、何を書いたか覚えていないと口を揃えて言った。
次の日、母校の学校の片隅に埋めたタイムカプセルを掘り出した。
手紙を入れたであろう、白い箱が見えてきたとき、どこからともなく歓声が上がった。
箱から手紙を取り出し、みんなの手に渡る。最初に疑問の声を上げたのは配っていた元委員長だ。
手紙が一枚余ったのだ。どの手紙も封筒に宛名が書いてあるのだが、その手紙だけ名前がこすれてよく読めないのだ。
欠席した人間の分は全部ある。もしかしたらどこかのクラスのが混ざったのかもしれない。
その程度に考えていた義弘たちは封筒を開けて、驚愕する。
封筒の宛名を書いたのは確かに昔の自分の字だ。だが、中から出てきた手紙は全く違う字だったのだ。
そしてその手紙たちはどれも小学五年のときに十年後の自分たちに書いたものではなく
自らの命日が書かれた手紙だった。
十年の時を経て出てきたはずの手紙に書かれた死の予言。
その謎の隙間を見え隠れするのは存在しないはずの三十四人目のクラスメイト。
全ての謎は十年前の母校より始まった。

『タイムカプセル』
0187創る名無しに見る名無し
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2011/08/10(水) 04:14:37.81ID:YZD2Tzm3
目が覚めると周りはとてもうす暗く生臭かった。
必死に灯りを探していると、一人の少女が眼の前に座っていることに気付いた。
おはよう、気分はどうかしら。
彼女は優しく語り掛けるように私に話す。
すこぶる良い。
私はそう返した。
薄暗いため彼女の顔がどんな表情なのかわからない。
いや、そもそもにしてなぜ「少女」だと判断したのかもわからない。
ただ私は彼女を知っているような気がした。遠い昔。どこかで会ったような。
外のほうで大きな物音が聞こえる。そのとき初めてここが建物内であることを知った。
彼女は物音がしたほうを見た後、振り向きこう言った。
これからあなたたちを討伐するためにやってくる人たちがいる。
でも大丈夫。今のあなたたちならきっと勝つことが出来るから。
そういうと彼女は闇の中に溶け込んでいった。
言われた後、周りを見回す。私と同じように彼女の言葉を聞いていた奴らと目が合う。
その時。私たちは仲間だと本能で悟った。そしてこれから来る敵に大して何をすべきかを。
仲間たちと素早く指示をしあい、配置につく。部屋のドアが慎重に開いていく。
逆行に照らされた敵の姿は紛れもなく人間だった。
それを確認するや否や、私は陽動役として人間に襲い掛かった。
世界に蔓延したゾンビウィルス。それによって蘇生したゾンビと人間たちの抗争をゾンビ視点で描く。

『死んでも生きる』
0188創る名無しに見る名無し
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2011/08/11(木) 04:53:04.76ID:0F/LnV9Q
あなたの心にあるその場所はどんな色でどこなのだろうか。
夕暮の教室。朝日が照らす校庭。チャイムと共に賑やかになるお昼時の青空の下の屋上。
そこで交わされた会話はきっと何年先になっても記憶にあると思う。
憧れの異性と。尊敬する先輩と。苦楽を共にした部活の友人と。自分の意思を継ぐ後輩と。
それは決して人に侵されてはいけない聖域なんだと思う。
学校を舞台に語られる五つの小編。
あなたの思い出はまだ心の中で輝いてますか?

『放課後の聖域』
0189創る名無しに見る名無し
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2011/08/12(金) 09:15:02.48ID:JpUSmbDI
その日。なんとなく足を帰路から外した私は道に迷った挙句、小さな公園に行き着く。
車に轢かれかけたり、犬に吼えられたりと散々な目にあっていたので私は思わずブランコに腰を落とし、深く息を吐く。
時はオウマガドキ。近くにあった木の棒で漢字を書こうとするがわからない。逢禍時? 遭禍時?
ふと、影が私のほうへ伸びていること気付く。顔を上げると薄汚い男性がニコニコと笑いながら私を見ていた。
「お客さんは運がいい。当日券が丁度余っていたのだ」
そういうと男性は懐から一枚の券を取り出した。
駅の切符のようなサイズのその紙には切符と同じように行き先と値段が書いてあった。
【幻想行き 無料】
「あの、別に私はいらないのですが」
「まぁそういわずに。乗り場は君の最寄の駅。時刻は今日の日付変更線ぴったりだ」
「いりません。こんなの」
「貰っておくだけでいいんだよ。行くか行かないかは君次第だ。それではまた駅で」
男性はそういうと消えていった。
気付くと時計は七時を回っている。陽はとっくに落ちていて、もう真っ暗だ。
私は車に轢かれそうになりつつ、だけど犬に吼えられずに帰路へついた。
その日の夜。私は駅のホームにいた。
まだ普通に電車は通っている。周りを見れば、少なからずとも乗客がいる。
だけど十二時きっかり。その電車は何事もなかったかのようにホームについていた。
ポケットに入れた切符を強く握り、その電車に私は乗り込んだ。
銀河鉄道を彷彿とさせる、だけどそれは夢だけではない幻想の世界へ。
人生に少し絶望した私とそれに乗り合わせた数人の人間が体験すると共に不可思議な旅へどうぞ。

『レール』
0190創る名無しに見る名無し
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2011/08/13(土) 11:49:09.97ID:RMK9vwod
まずこの物語を読む読者には最初に結末を知ってほしい。
みんな死んでしまうという結末を。
確かにそれは悲劇だ。わかりやすく、そしてよくある終り方。
だけど本当にそれは悲劇にしか成り得ないのだろうか?
登場人物たちが納得の死を迎えたとしたらそれは悲劇以外になにかになるのではないだろうか?
この物語が喜劇なのか、、それともそのまま悲劇なのか。それはあなたたち読者が決めてほしい。
誰かがそう言っていたから。ではなくあなた自身が読み解き考え、答えを導いてほしいのだ。
何の色移りのないあなただけの色の答えをどうか。
それでは語ろうか。
全ての人間が希望と夢を背負い、それのために戦ったちっぽけな物語を。

『ハイビスカス』
0191創る名無しに見る名無し
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2011/08/14(日) 09:58:37.35ID:GyMRhCvC
その戦場が開くのは年に二回。
そう聞けばピンと来る人間も多いだろう。
必要なものは武器ではない。水と根性と健康な身体だ。
信じてはいけないのは友人と情報。奴らは簡単に裏切り、情報はデマが飛び交う。
歓迎されるものは参加者。お客様はケツを捲って一昨日きやがれというわけだ。
気をつけるべきはトイレと気候。行きたいと思ったときには手遅れだし、やばいと思ったときには死するときだ。
勘違いしてはいけないのは雰囲気。オタクだらけだからといって何をやっても許されるわけじゃない。
そして君たちは世間一般から変質者として見られることが多いということ。
今年も始まり、今日で終る。現代に存在する仮想と空想の戦場へ。

『こみっくまーけっと』
0192創る名無しに見る名無し
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2011/08/15(月) 16:28:42.47ID:FPgiybKZ
その村にはお盆に行なう奇習がある。
茄子や胡瓜に割り箸などを刺し、馬に見立てるなどというのはどこにでもあるものだが
さらにもう一つ。狼に似せた木彫りの人形と適当な大きさの肉を置くのだ。
そして15日の夜遅くにそれを懐に入れ、提燈に灯りを灯し神社へ向かう。
16日を迎えると同時に人形を本殿のほうへ向けて置き、祭事の合図と共に手を合わせ頭を下げる。
こうすることで戻ってきた先祖たちが帰る際に狼が護衛をしてくれると言われている。
ただこの話には続きがある。
儀式が終了した後、人形はそのまま置いていくことになる。それが朝になると消えているのだ。
また軒先に置いておいた肉も朝にはなくなってしまう。
それについて村人たちは口を揃えて言う。
「人形は狼となり、肉を食らった後森へ帰る。だからここにはまだ狼が生きている」と。
周知の通り、日本の狼というのは既に絶滅している。もしも見つけることが出来れば大発見だ。
この話を小耳に挟んだ数馬は単身その村へ赴き、真実を確かめる。

『狼送り』
0193創る名無しに見る名無し
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2011/08/16(火) 04:46:50.01ID:SHBaoc7W
彼女は自他共に認める天才であった。
幼くして幅広い学問の知識を得た彼女は羨望と嫉妬の視線に晒されていた。
それでも彼女は動じることなく自らのやりたいことをやりたい分だけこなしていた。
だがある日。彼女は薄々気付いていたことが事実だということに絶望してしまった。
それは「この世界のあらゆる知識を得て、あらゆるモノを研究するにはあまりにも時間も脳の容量も足らない」ということに。
当然のことなのだ。身体は所詮一つ。脳の限界だってある。人間の限界は超えられない。
彼女は大いに苦悩し、一つの結論に到達した。
私一人で無理ならば、私をさらに増やせばいい。
クローン計画は始まり、そして語る前に終了した。彼女を元に生み出された七人の天才。
これは彼女とその七人の子どもたち。そして一人の世話役の交流を描いた奇天烈なお話である。

『天才たちの憂鬱』
0194創る名無しに見る名無し
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2011/08/17(水) 05:43:29.79ID:biaM00Ik
「多分明日は生き残れない」
この世には英雄と言われるものがたくさんいる。それは次元を問わずにしてだ。
「敵は強いのか?」
そして英雄と称賛されることのない影の英雄というのもたくさんいる。彼女もそのうちの一人だ。
「いんや。そうだねぇ……真ん中くらいかな。今まで戦った中ではね」
彼女は地球を侵略する化物を退治する力を得た。だが化物との戦いは空間の狭間で行なわれる。
「それなのに勝てないのか」
故に迷い込まない限りは普通の人間はその戦いに気付くことがない。
「予知能力で敵がどんなものかわかるけどさ。今度の敵は完全なインファイト系、つまり超接近戦闘型なんだよ」
退治する英雄たちが化物に敗北し、化物が外に出て初めて人々はその存在に気付くのだ。
「それに比べて私はこの通り銃を獲物にした遠距離型。相性が悪いのさ」
要は地球外からやってくる侵略者を玄関で門前払いするのが英雄というわけだ。
「同じくらいの強さでも距離を取ってくれるタイプならまぁ勝てたんだけどね。こればっかりは仕方ない」
英雄はどのようにして増えるのかはわからない。ただ言えるのは知っている限りで残っている英雄は。
「だったら逃げればいいじゃないか。死にに行くことなんてないよ」
彼女だけなのだ。
「別に死にはしないさ。ただ記憶が弄られてここじゃないどこかに吹き飛ばされるだけ。あとあいつらが外に出ちゃうかな」
「誰にも感謝されず負けたらどこかへ送られて……。そんなの絶対おかしいじゃないか!」
「でもさ、君だって私と同じことするよ」
「……」
「だって私は選ばれた英雄なんだからね」

なぜ彼女が選ばれてぼくが選ばれなかったのか。それはわからない。
「お前があたしの相手かな。というか一人? お仲間さんは?」
内にある才能。それがなかった。ただそれだけの話なのかもしれない。
「生憎あんたの仲間に皆殺しされたよ。まぁ殺されてはいないけど」
目に見えぬ、感じることも出来ぬ、意味のわからない基準がために彼女は戦い、ぼくは観測するだけとなったのだ。
「ほほう。で、あんたが最後の一人ね。こりゃあたしも地球侵略第一歩の英雄として祭られるかもな! かもね!」
ぼくは彼女が選ばれた時からずっと同じ戦場にいる。そう。ただ観ているだけ。
「こっちも侵略者をぶっつぶした英雄としてちっとは崇められてもいいのにねぇ。なんでこうも扱いが違うものなのか」
彼女がピンチの時も。彼女の仲間がやられた時も。ただぼくは見ていただけなのだ。
「ニャッハッハッハ。ま、その辺は世界を恨むんだね。我々の戦いが認知されるかどうかだし」
そして今日。ぼくは彼女がやられていくのを観るだけとなるのだ。
「あんたたちの存在が認知されたら終わりだよ。全く残念なシステムだ」
「それで、降参するんだったら一撃で苦しまずやるけどどうする? 君の獲物から考えるとあたしの討伐はまず無理でしょ」
「はっ。図に乗るなよ侵略者」
ガチャンと聞きなれた金属音が聞こえた。彼女は二丁の銃を構える。
「あんたを道連れにしてでもぶっつぶしてあげるよ。かかってきな」
誰も知らないところで誰かが世界のために戦っている。そんな話はありがちだ。
だけど実際それを目にし、そして何よりも自分がその戦いに何の助力も出来ないとわかったとき。
自分がどれだけちっぽけな存在かを痛感する。

『英雄たちの道標』
0195創る名無しに見る名無し
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2011/08/18(木) 02:16:02.12ID:YhJTxgmT


何故戦わなければならないのか。
何故耐えねばならないのか。
噴き上がる炎と肌を焼く熱風は、彼の疑問に答える事は無い。
あらゆる苦難を乗り越えた果てになお試練を要求されるのは、
最強の名を欲しい侭にする者の宿命か。
聖と魔の力を得た彼の前に現れる最後の地獄門。
彼は怖れる事は無い。そこが全てを焼き尽くす炎の海と分かっていても。
理由は一つ――強くなるために。更なる力を得るために。

次回、『焼プリン』
炎と風が、彼を最強のスイーツへと変える。

0196創る名無しに見る名無し
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2011/08/18(木) 03:49:01.14ID:+va/v04E
私の名前は五十嵐京子!
学校では自分で言うのもあれだけど才色兼備でバイトにモデルまでやっちゃったりしてます。
趣味はバイオリンと料理。バイオリンは県大会優勝したことも!
みんなにはきょーちゃんって呼ばれてます。よろしくねっ!
「ほう」
「すいません。嘘つきました」
眼の前にいるよくわからない小動物に頭を下げる。
「いや、別にいいんだよ。そういうキミになりたかったんでしょう? もう無理だけど」
「うぐ……」
「えーっと、高校デビューに失敗して苛められて引き篭もりになって高校中退か。
 バイト経験なんて当然なく来年には二十歳になると。趣味はインターネットサーフィンか。要するに無趣味だね。
 ちなみに胸のサイズはBくらいで処女と」
「おい、最後いらないだろ」
「魔法少女なんだし処女のほうがいいでしょ? 誰とでもねんごろの仲になるビッチなんて主人公向きじゃないさ。
 まぁ最もキミはそういうのにはなれないけどね」
「ぐふぅ……」
「あ、少女って歳でもないか。もうすぐ二十歳なわけだし。魔法若年女かな」
「い、いや。少女だよ! 心はいつでも乙女チック!」
「ぼくの中の定義では陰毛が生える前までなんだ」
「 」
「さてと、そんな人生真っ暗なキミにワンチャンだよ」
「……なんだ。最近流行ってるのか? 魔法少女ってやつは。お前みたいな胡散臭い小動物と契約してキャッキャウフフってさ。
 なに、私ティロ・フィナーレでもすればいいの?」
「図に乗るなよ。お前はマミさんほど可憐で可愛いと思ってンのか? 引き篭もりニートが」
「 」
「それにあんたが戦うのは魔女じゃなくて違うものだしね」
「どんどん口悪くなるね……。で、何と戦うの? 怪獣? どうせ世界支配がなんちゃらって言うんでしょ?」
「てめぇの低脳に合わせて発言してやってんだよ。涙流して頭土にすりつけ感謝しろよ。愚図が。
 はっきり言ってやるよ。ぼくはこの世界で将来何が起きるのかを知っている。未来人……とは別のタイプだけどそう思って構わない。
 そうだな。例えばてめぇが今から一年後、この部屋で首を吊ったりな」
「え……」
「とんだ親不孝者だよな。勝手に自爆して引き篭もったかと思ったら挙句の果てに首吊り。知ってるか? そういう死体が出ると匂いがついて困ったりするんだよ。
 幸い発見が早かったから腐るには到らなかったけどね」
「……」
「さぁそこで選択だ。てめぇがここでこの話を断ればこの死は確定されたものになる。運命がどうこうってわけじゃねぇ。
 ただぼくが去った後、てめぇの記憶からぼくとの対話部分をそっくり削除するからだ。だからてめぇは確実に死ぬ。
 このまま大人しく死を受け入れるか。あるいはぼくに協力するか。
 何、仕事の内容は簡単なものさ。てめぇはこれから誰かのところへ向かい、側にいてやるだけでいいんだ」
「側にいるだけ?」
「そうだ。期間は三日だな。場所は国内だけ。その人の所へ赴き、話を聞いたりなんだりするだけ。
 三日経ったらその人は自殺するから」
「そんな」
「選べ。
 全てを諦め、世界に絶望し、ただ一人孤独に首を吊って人生を終えるか。
 全てを諦め、世界に絶望した多くの人間を最後に少しだけ救ってやる仕事をするか」

『死神の祝福』
0198創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/08/19(金) 03:26:16.58ID:gUB8woKt


その白い肌は、彼女の誇りだった。
その肌を目当てに何人もの男が寄ってくるからだ。
硬いもの、軟らかいもの、臭いもの、大きいもの――
もっと白く、もっと臭く汚されたくても、彼女に与えられるのは
どろりとした夜のような黒。
今日も彼女は誰かにのしかかられ、黒く汚され、誰かの中で滅茶苦茶に
ねぶられる――

次回、『寿司』
破滅へと堕ちていく快楽に、彼女の心は抗えない――

0199創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/08/19(金) 18:47:03.97ID:zQP0b9fH
小学生のころは父親を見ても、何も思わなかった。それが当たり前だと思っていたから。
中学生のころは父親を見たら、どこか軽蔑していた。その程度の人間と思っていたから。
大人になれば
どこかに働きに出かけ、誰かと結婚し、子どもを養い。
それが当たり前のことだと思っていた。
自分もそうなるのだろうと勘違いしていた。
だけどそれがどれだけ難しいことなのか。歳を経るにつれてわかるようになった。
大人になった人。まだ子どもの人。その境界に立つ人。
そんな彼らが織り成す成長と退化の物語である。

『おとなになるための資格』
0200創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/08/20(土) 01:25:09.17ID:sW/vOVTw
>>199
急にマジメw
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