ジャスティスバトルロワイアル Part3
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1 名前:創る名無しに見る名無し[sage] 投稿日:2010/09/04(土) 19:25:00 ID:uDrCIUCg [1/6]
「正義と悪はどちらが強いのか」
そんな単純かつ深淵なテーマを元にバトルロワイヤルを行うリレー小説企画です。
この企画は性質上、版権キャラの残酷描写や死亡描写が登場する可能性があります。
苦手な人は注意してください。
したらば
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/14034/
まとめwiki
ttp://www35.atwiki.jp/justicerowa/pages/1.html
前スレ
ジャスティスバトルロワイアル Part2
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1283595900/ テンマは大河の表情が変わった瞬間、足を庇うしぐさをしていたことを見逃さなかった。
大河は“テンマくんは洞察力があるわねぇ……”と、苦笑いを浮かべながら、左の踵をさする。
「この靴、ハイキング向きの靴じゃなくて、ちょっと擦っちゃったみたい……」
確かに大河が履いている靴は紐のない革靴――21世紀ではローファーと呼ばれる、舗装された道に適した靴である。
当然、テンマにはその知識はないが、一目見て、その硬さから長時間歩くための靴ではないことを察した。
「あははっ、迷惑掛けてごめんね……」
大河は“悪い悪い”と、愛嬌をふりまきながら、詫びる。
しかし、気さくさとは裏腹に、笑みは次第に陰りを帯び始める。
「でもさ……」
大河は言葉を詰まらせ、呟く。
「私の痛みなんて……一人ぼっちになっちゃった、たけるくんの心の痛みに比べれば……痛みにすら入んない……
こうして、私が足をさすっている間にも……
たけるくん、危ない目に合っているかもしれない……
こんな痛みぐらいで立ち止まっているなんて……とっても……もどかしいよ……」
「タイガ……」
テンマは悟った。
大河がこの林の中で、ゴウラムという巨大な飛行兵器を呼ぼうとしたのも、一刻も早くたけるを助けなければならないという焦りからであったことを。
今、目の前で涙する女性の気持ちに答える方法は一つしかなかった。
「タイガ……河まで急ごう!」
テンマはそう叫ぶや否や、大河の腕を引っ張る。
「え……え〜!!!」
大河が状況を把握した時には、テンマは大河を背負い、林の中を駆け出していた。
「な……な……」
驚いたのは大河の方である。
大河を背負っているのは士郎よりも幼い少年。
体格も士郎と比較すると一回り小さいくらいであろう。
そんな少年が体重(自主規制)kgの成人女性を、二宮金次郎の薪の如く背負い、悪路を走り抜ける。
しかも、この少年はその程度のこと屁でもないらしく、涼しげな表情のままで――。
「え……えーと…テンマくん…」
大河の心に、何とも言い難いむず痒さが込み上がってくる。
それは、物のように扱われていることへの不平なのか、大した怪我でもないのに赤ん坊のように背負われていることへの照れなのか。
とにかく、この入り混じった感情を整理することができない大河は、“おろしなさ〜い!”と、テンマの背中をポカポカ叩く。
「ははっ、くすぐったいよ、タイガ!」
テンマはその子供じみた反応を大らかに受け流す。
(けど……)
その瞳は真っ直ぐに林の先――たけるがいるであろう東の方角を見据えていた。
たけるは東洋人独特の健康的な褐色の肌の持ち主であり、その天真爛漫な笑顔は太陽が燦々と輝く浜辺を連想させた。
(あの笑顔を消してなるものか!)
たけるが生きているという僅かな可能性を信じ、テンマは河を目指した。
【B-9/林:朝】
【テンマ@聖闘士星矢 冥王神話】
[属性]:正義(Hor)
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、未確認支給品1?
[思考・状況]
基本行動方針:聖衣を取り戻し、この場から脱出する
1:タイガを守る
2:パンドラを探す
3:バットマンとマッティーに会ったら協力を頼む
4:たけるを助ける
【藤村大河@Fate/stay night】
[属性]:一般人(Isi)
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、スーパーマンのコスチューム、Pちゃん・改@天体戦士サンレッド、装甲機ゴウラム@仮面ライダークウガ
[思考・状況]
基本行動方針:みんなと一緒に生きて帰る
1:士郎を探す
2:テンマが心配
3:バットマンとマッティーに会ったら協力を頼む
4:たけるを助ける
※承太郎から、吉良、DIOについて聞きました。
※装甲機ゴウラム
クウガの支援のために作られた、古代の兵器。自律飛行が可能。
最高時速500km/hを超えるが、本ロワにおいては、性能が大きく制限されている。
また、バイクと融合することでその性能を大きく向上させるが、ビートチェイサー2000以外と融合した場合
融合解除後に金属部分を失い、化石化してしまう。(金属を補充出来れば再生可能)
一度呼び出した後は、呼び出した人物の付近を飛行し、命令がなくとも自由意志で支援する。
その人物が死亡した場合は、最も近くにいる聖なる心を持つ人物に自動で委譲される。
もしくは支援対象本人による委譲宣言により、支援対象を変更可能。
※スーパーマンのコスチューム
バットマンの友人、クラーク・ケントがスーパーマンとして活躍するとき着るコスチューム。
スーパーマンのチート的能力は、全て本人の能力のため、服に特殊効果はない。
※Pちゃん・改
フロシャイムのヌイグルミ怪人チーム「アニマルソルジャー」の一員。
ヒヨコ型の怪人で、自身の改造のしすぎにより、会話もほとんど出来ない。
宇宙空間、深海を航行可能、液体金属のボディ、ビーム砲、核兵器など、フロシャイム最強クラスの能力を誇る。
ただし、すぐに充電が切れてしまうため、長時間は戦えず、サンレッドを倒すには至らない。
充電に成功しても、上記の能力は大きく制限されているものと思われる。 一応、宣言しておいた方が良いか。
ラスト代理投下まで終了です。
投下乙!
テンマは放送の主に気付いたかな?親父との再会は果たしてあるのか
タイガーとの絡みは和む。実に和む。数少ないロワの清涼剤やでえ……
二人は果たしてタケルwithドラ様と再会出来るのか?一番の不安要素は松田ァ!だったりするけどw 投下乙
テンマとトラはいいコンビだなw
ホント、このロワではいい清涼剤だわ
さて、ドラ様以外にも松田ァ!がいるんだよな…… 揺らぎのある正義や一般枠のなかではしっかりした大人だねタイガーさん
10日にしたらばに投下されたSSが、まだこちらに投下されてない模様。
一応代理投下行きます。 683 : ◆KQoCua90H.:2011/02/10(木) 03:51:04 ID:lBj7m9KE
「何なんだよ、これはよォーっ!?」
目を覚ましたら炎の中に囲まれていた。そんな訳も分からない状況にサンレッドはパニックになっていた。
「あの変態カラス避けヤローが目覚めてからそれから…。クソッ、後からは何も思い出せやしねぇ…」
何故こんなことになったのか、必死に考えてみるが、これといった記憶は思い当たらない。
いつもの二日酔いで記憶がぶっ飛んだか?いや、そんなことを考えるよりも、まずは逃げることが先だ。
そう思い、サンレッドは一目散にこの場を去ろうとする。
その直後
「あー、私の名前は賀来巌……」
第一放送がサンレッドの耳に響き渡った。
「かよ子が死んだ…だと?何言ってやがんだよ、あのヤローはよ…?」
賀来の放送によって上げられた名前の列は、細かい内容こそ頭に入っていないものの内田かよ子という名が呼ばれただけでも十分すぎるほどサンレッドに大きな衝撃を与えた。
そもそもこの殺し合いがヴァンプ将軍の仕業だと(勝手に)思っているサンレッドにとっては信じがたい話だ。
かよ子とヴァンプは近所付き合いで仲がよい。そんな関係にあるヴァンプがかよ子を死なせる…といったことは考えられない。
というか、あの小物臭いヴァンプが誰かを殺したり死なせたりするようなタマじゃないことは分かるほどサンレッドはヴァンプを心底から悪だと思ってはいない。
だったら、今の放送は…
「熱ぢぃっ!?」
ガラでもなくいろいろ考えている間も、炎は容赦なくサンレッドを襲う。
「と、とにかく今は考えている暇がねぇ!あの放送だって悪戯かなんかだろ!きっとそうなんだよ!」
こんな状況で物事にふけっている余裕は無い。
サンレッドは、とりあえず今の放送は聞かなかったことにして、ただひたすらこの場を脱出することに専念することにした。
だが、しかし
「・・・チッ、どこもかも炎で囲まれてやがる。どーやって逃げりゃいいんだよ?」
炎。炎。炎。
サンレッドが辺りを見渡してもどこもかも炎に包まれていて見た限りだと逃げ場は見当たらない。
このままだとなすすべなく焼け死んでしまう。
「冗談じゃねー・・・。灼熱の戦士であるこのオレ様がよりによって炎で死ぬだと?笑いものってレベルじゃねーぞ?」
いっそ炎を無視して突っ込むか?
そう思ったが、そもそも黒い煙や巨大な炎の壁が視界を塞いでいるのでどこから突っ込めばいいかも分からない。
用は、完全に手遅れ。
サンレッドは将棋やチェスでいう、チェックメイトにはまったのだ。
「チックショー!シャレになんねーよ!オラァ!!」
ヤケクソで手に持っていた鋼のマスクを思いっきり投げ飛ばす。
さっきから手に持っていたその金属マスクが炎の熱を吸収して熱かったというのも理由でもあった。
だが、その行為もサンレッドにとっては意味はなさないだろう。
「…チッ、ここまでか。ヴァンプのヤロー。後で覚えとけよ…」
もう何をやっても無駄なのだろうか。そう思ったサンレッドは、全てを諦めたかのように膝を付いて座り込んだ。 684 : ◆KQoCua90H.:2011/02/10(木) 03:52:07 ID:lBj7m9KE
ドバシャー!!
「ウオッ!?」
その時、今度はサンレッドの視界が白い粉塵で真っ白になった。
何が起こったのかとその方向を見ると、なんとそこで激しく燃えていたはずの炎の壁が吹き飛んでいた。
『おーい、こっちだ!早く来い!』
ひょっとして助かったのか?
誰かが炎を消し飛ばし、声をかけてくれているのだろうか。
無意識のうちに声があったところへ足を運ぶと、微かながら炎の道が出来ており、その向こうには人影がちらついていた。
「助かった…のか?」
◇ ◇ ◇
「あー、なんつーか…ワリィな。こんな炎の中を助けてくれるなんてよ。えーっと、あんたの名は…?」
無事に炎の中を抜け出したサンレッドは、近くにあったベンチに座りこみ自分なりに感謝の言葉を示す。
「俺は剣持勇。警察の者だ。人々を守るのが仕事のようなものだからな。礼はいい」
剣持という名の中年は答える。
彼によると、放送の少し前に激しい爆発が起き、駆けつけてみるとゴミ処理場が火の海に包まれていたという。
爆発なんていつ起きたか?なんて傍から見ればマヌケなことをサンレッドは思っていたが、それはとりあえず置いておく。
「あー…そう。ところで、よくオレの居場所が、いやオレがあの中にいることが分かったな」
「ああ、それか。突然こんなものが炎の中から飛び出してきてな。誰かが炎の中から投げつけて助けを求めているのかと思ったんだ」
そう言う剣持の手には、ついさっき自分が投げ捨てた鋼のマスクが握られている。そしてどこかで調達してきたのか、傍らにはいくつかの消火器が転がっていた。
ああ、なるほど。八つ当たりで投げつけたマスクがこんなところで役立ったとは。
だが、間接的に命を救ったはずのそのマスクを見ていると、なんだかムカつきを覚えるのだが…
「ところでだが、何故お前はあの炎の中にいた?あの爆発は誰が起こしたのか?」
「いや…。それが、よく覚えていねぇ…。いつの間にかあの炎の中にオレがいたとしか…」
「…はぁ?あんな爆発に巻き込まれて、頭に残らないわけが無いだろう」
「だーかーらー!本当に覚えてねーんだよ!カラス避けヤローが目を覚ましてからそれっきりで…」
「本当か?しらばっくれているんじゃないだろうな。お前の態度からだと、金田一のように頭が良くない俺から見れば、お前が爆発を起こしたようにさえ感じるぞ…」
なんなんだよ、このオッサンは!?
必死にありのままのことを伝えようとしてもまるで聞いちゃいない。
マッポというからには証拠という証拠を搾り取ろうとする魂胆は納得できるだろうが、ここまでしつこいとは…
助けてもらっといて恩知らずかもしれないが、スゲェむかつく。ぶっ飛ばしたいくらいに
「あーもう。誰か、本当のことをこのオッサンに説明してくれよぉ…。このままだと、オレの怒りが爆発寸前…」
サンレッドは頭を抱えながら、殺し合いが始まってから溜まりに溜まっていた怒りを抑え俯いていた。 685 : ◆KQoCua90H.:2011/02/10(木) 03:53:27 ID:lBj7m9KE
『サンレッドよ。私が全てを話してやるぞ』
と、そこへ一人の男が現れ、サンレッドの名を呼ぶ。
その男の外見はというと
1.頭に折れたモップの毛の部分を被っている
2.半袖の丈夫そうな鎧を着用
3.下半身はパンツだけの男
…どう見ても変態である。変態以外の何者でもない。
『サンレッドよ…。しばしの仲だったとはいえ、このロビン…』
「黙れ、変態モップ頭!オレはてめーなんざ知らねーっ!!」
同等の変態度の誇る平坂黄泉に出会った当時のように、サンレッドは反射的に蹴りを仕掛けた。
それも、今までの鬱憤の晴らすがごとく、情け無用の一撃を
ドグシャア!
『アッー!!!!!!!!!!』
変態モップ頭の股間にそびえ立つ、立派なゴッサムタワーにぶちまけた。
「あー…ちっとやりすぎちまったか?」
ついうっかり急所を攻撃してしまったサンレッドは、恐る恐る相手の顔色を覗こうとする。
だが、先に相手の具合を調べていた剣持はこう言った。
「…だめだ。急所を潰され、死亡している」
「はぁ?冗談だろ、オイ!?」
【変態モップ頭 死亡】
「………(汗)」
「…とりあえず、殺人の現行犯としてお前を逮捕する」
瞬間、剣持に手を捕まれ、ガチャリと手錠をかけられる。
「なんでそーなんだよぉーッ!つーか、あれで殺っちまったってシャレになんねーよ!?」
「俺たちも男だから分かるだろうが、アレは相当痛いぞ?ショック死するのも無理は無い」
『ま、待ってくれ…』
「うぉっ?死人が生き返った!?」
剣持がサンレッドをどこかへ連れていこうとする直後、死んだと思われたモップ頭が剣持の足をつかみ、引き止めようとした。
『わ、私は超人レスラーなのだ…。急所を攻撃されるなど、リングにおいてはよくあること…。だが、やっぱり痛い…(汗)』
そして、正体不明のウイルスで復活したゾンビか何かのように、ゆっくりと立ち上がった。
【変態モップ頭 生存確認】 686 : ◆KQoCua90H.:2011/02/10(木) 03:54:31 ID:lBj7m9KE
◇ ◇ ◇
「…オメー、本当にあのロビンか?何つーか、マスク取ってモップ被っただけでまったく別人に感じるんだが…」
「…そうか。まぁ、無理も無いだろうな。この姿はかつての復讐鬼だった頃の私と酷似しているからな…」
「あー、そう。ま、この辺は俺たちとは関係なさそうだし細かいところはごちゃごちゃ言わねぇ」
「ところで、何故お前はそんなモップをわざわざ被っているんだ。サンレッドでなくとも、誰だって変人に見えてしまうぞ?」
「うむ、それはだな…」
ロビンマスク(変態モップ頭の正体)は辛くも起き上がった後、サンレッドに自分の正体を明かし何故自分がこんな姿になってしまったのかを語る。
サンレッドがカラス避けの男に催眠術で操られていたこと。
アリサが黄色いボンテージを着た女に殺されたこと。
その女が仕掛けた爆弾で自分たちが炎の中に閉じ込められたこと。
マスクを脱ぎ捨ててサンレッドの拘束を解き、そのままカラス避けの男を爆殺したこと。
そして放送後、死なせてしまったと思っていたサンレッドが放送でまだ名前を呼ばれていないということから、まだ生きているのではないかと思い急いで戻ってきたという。
覚えの無い、だが本当ならば辻褄のあうロビンマスクの事実にサンレッドは頭を抱えうつむく。
「マジかよ…ぜんぜん覚えてねぇ…」
「そうか、それほどまでに、あの男の催眠術は強力だったということだな」
敵ながらあっぱれだった。その点だけは、ロビンマスクは感心しているようだ。
「それにしても胸糞悪くなる話だな。年半ばいかぬ少女を殺した挙句、爆弾で皆殺し…。
俺は今まで多くの殺人犯を見てきたが、ここまで腹立たしい話はほとんど無かったぞ」
ロビンマスクの話を傍から聞いていた剣持はというと、彼が語る惨劇に怒りを露にし、身を震わせていた。
催眠術とか言う訳の分からない話があったものの、それ以上に酷い惨状の前にはそんなことは頭に入らない。
それほどまでに直情的で正義感が強い警官である、剣持の感想である。
「警官を務めている剣持どのでもそう思うか。だからこそ、私はここで立ち止まるわけにはいかんのだ。
アリサ嬢だけではなく、サンレッドには辛いだろうがかよ子さんも死んだ。他にも10人ものの犠牲者がいる。
私が殺したあの悪党も含まれているだろうが、それ以外はどうかは分からない。
アリサ嬢のようにか弱き者かもしれないし、あのカラス避けのような悪党が成敗されたのかもしれんが…とにかく犠牲者が出ていることは確かなのだ」
「………」
サンレッドは答えない。剣持は相変わらず怒りで拳を奮わせるばかり。 687 : ◆KQoCua90H.:2011/02/10(木) 03:55:23 ID:lBj7m9KE
「私は立ち止まらん。この手で弱き者を守り、悪を成敗する。だからこそ、私は行く。
あの黄色い女は放っておくと何をしでかすか分からんし、あの悪魔将軍もいる。こうしている間も犠牲者が出ないとは限らないものだからな」
ロビンマスクはくるっと背を向き、サンレッドたちから離れていく。
表向きでは隠していただろうが、相当怒りと自責の念でいっぱいだったのだろう。足取りだけでもそれらのオーラが痛いほど伝わっている。
「………」
剣持は他にも山ほど聞きたいことがあったはずなのだが、なぜかロビンマスクを呼び止めようとする気になれなかった。
あんな危険そうに見える奴を野放しにしていいのかと傍から見ればそう思えるが、あれでもかなりの正義感に満ちた男なのだろう。先ほどの彼の誓いともいえる言葉は嘘偽りを感じない。
そして、その正義感と直情的な性格は自分に良く似ている。もし自分がロビンマスクと同じ立場だったら同じような行動を取ってしまうだろう。冷静沈着な明智がいない今ならなおさらだ。
だが、それでもどうしても言いたいことがある。それは…
「…待てよ」
そんな中、空気を読めないかのようにサンレッドがロビンマスクを呼び止める。
その声に反応し、ロビンマスクもこちらを向かずとも足を止める。
「オメーがあの放送がマジだと思ってんのか?かよ子が死んだっていう…」
「少なくとも私は本当だと思っている。現に目の前で殺されたアリサ嬢も名を呼ばれた。そして、定期放送はルールでもあるからな。それに嘘偽りは無いだろう。
お前も口で否定しているだろうが、内心では同じことを思っているはずだ」
「………」
ロビンマスクの答えにサンレッドはしばし黙る。
そして、一息ついた後
(チッ、そうかも知れねーな…。オレはてっきりヴァンプの野郎のイタズラかと思っていたけどよ…
あいつがあんな手の込んだことが出来るわけねぇしする度胸もねぇ。こりゃ、アイツの仕業じゃねぇ。マジなイカレ野郎の手立てだろーな…)
そう思わざるを得なかった、サンレッドだった。 688 : ◆KQoCua90H.:2011/02/10(木) 03:56:10 ID:lBj7m9KE
サンレッドの態度から見て、彼も全てを悟ったであろう。そう思い、ロビンマスクはまた歩みを始める。
すると、そこへ…
カラン…コロン…
鋼のマスクが自分の足元へと転がってきた。
そう、今までずっと自分が被ってきた大切なマスクだった。
「…忘れもんだろ。持ってけよ」
後ろからサンレッドのやる気の無い声が聞こえる。彼なりの気遣いだろう。だが、しかし…
「いや…。それは受け取れない」
「…はぁ?」
ロビンマスクは、足元のマスクを拾う素振りすら見せず、ただ転がっているマスクを見つめるのみ。
「正義超人を名乗っておきながら、目の前の少女を救うことの出来ぬ私に、それを被りロビンマスクを名乗る資格は無い」
「…よく分かんねーけど、オメーからマスクを取ったら何が残んだよ。いや、その鎧とパンツだけで十分っちゃ十分だけどよ。それと、モップ頭」
「ロビンマスクを名乗れない今の私には、かつての復讐鬼『バラクーダ』の姿がお似合いだろう。アリサ嬢もここにいるならば、同じようなことを言うだろうからな」
「いや、あのガキの場合、その格好をなんとかしろって言うんじゃ…」
「(聞いていない)そう言うわけだ。だから、そのマスクは置いていく。しばしの間、預かっていてくれ」
(ダメだ、聞こえちゃいねぇ…)
サンレッドのツッコミがまるで耳に入っておらず、激流になすすべなく流されるかのように勝手に話が進んでいく。
「(あー、もうメンドクセェ)ったく、分かったよ。こんな趣味悪ぃマスク、お荷物以外の何物でもねーけどよ。そんなにいらねーってんなら持っといてやるよ」
でも、何だかんだで義理堅いからなのか、サンレッドはマスクを拾いバッグの中に入れる。
「ったく、今度テメーに会ったらムリヤリ被せてやりてーぜ」
「心配は無用だ。次にそなたに出会うときは、ロビンマスクを名乗るにふさわしい男になっているだろう。いや、必ずやなってみせると誓おう」
ロビン…いや、バラクーダはそう宣言し、歩み始める。
こんな姿を自らさらけ出してでも、彼は目的のために前へと進み始めるのだった。 689 : ◆KQoCua90H.:2011/02/10(木) 03:57:48 ID:lBj7m9KE
「待ってくれ」
だが、更にサンレッドとは別の声がバラクーダを呼び止める。
今までずっと沈黙を保っていた剣持からの声だった。
「一人で行くのか。俺たちが一緒ではいかんのか?」
「すまない、剣持どの。訳ありだが…それは承知できない」
せっかくの剣持の好意だが、バラクーダはそれを突き放す。
進んで復讐鬼となった彼にもプライドがある。先ほどまでロビンマスクを知る者と一緒だと、気まずい気持ちがあるのだろう。
「ならば、忠告だけでもしておく。これだけは忘れないでくれ。
復讐だとか正義だとかさんざん言っていたが…そう語りながら犯罪に手を出した人間を俺は何人も見てきた。
お前もそれに捕らわれすぎて、取り返しの付かないことだけはするなよ」
「…承知した。それも徹した上で、私はロビンマスクを名乗れるよう努力しよう。それでよろしいかな?」
「分かった。その言葉を信じるぞ」
お互いに相槌を打ち、了承を確認する。
そして、今度こそバラクーダは前へと進み、あっという間に姿を消す。
残されたのは、二人の男と、未だに近くで燃え続ける炎の嵐とそれに焼かれる建物の悲鳴だけだった。
【G‐10/ゴミ処理場近辺:朝】
【ロビンマスク@キン肉マン】
[属性]:正義(Hor)
[状態]:マスク喪失、軽い火傷、ゴッサムタワーが痛む
[装備]:いつものリングコスチューム、頭にモップ(変態モップ頭)
[道具]: 無し
[思考・状況]
基本行動方針:正義超人として行動する。それを貫き通し、ロビンマスクの名を名乗れる男になる。
1:黄色い女(雨流みねね)を探し、凶行を止める。
2:なのは、すずかを探す
3:うう……マスク……
[備考]
※参戦時期は王位争奪編終了以後です。
※アノアロの杖が使えるかどうかは不明です。
※マスクを失い、バラクーダの外見となっています。モップが取れると長髪風ではなくなります。
※ヴァンプを悪行超人として認識しています。
690 : ◆KQoCua90H.:2011/02/10(木) 03:59:16 ID:lBj7m9KE
◇ ◇ ◇
「あーあ、何やら何までめんどくせー奴だったな」
バラクーダが去った後、サンレッドは本人がいないことをいいことに真っ先に本音を漏らした。
「まぁ、否定は出来んな。だが、不思議と好感を持てる男だったと俺は思うぞ」
「はぁ?オマワリさんよぉ、あんたの目は腐ってんのか?
あんな見た目だけでも十分犯罪者くせぇアレをどーやったらそんな目で見れるんだよ。
オレがあんたの立場だったらあんなの即タイホだぜ!?」
「いや…なんだろう。外見さえ目を瞑れば、警官として勧誘したくなるほどの正義漢だったから…と言うしかないだろうな」
「ムチャクチャだな…」
サンレッドは呆れ顔になりながらため息をつく。
「ところで、お前はどうなんだ」
「は?」
突然話がそれて妙なことを聞かれたサンレッドは疑問に思う。
「これまでの話の流れからすると、お前も放送で呼ばれた名前の中に知り合いがいたようだからな。それに関してお前はどう思っているんだ?」
「……」
剣持の質問を聞いた瞬間、サンレッドはピタリと動きを止める。
内田かよ子
サンレッドと同棲している女性で彼の恋人である。
そんな彼女が6時間足らずで何者かに殺され、この世を去った。
そのことに対し、彼はどう思うのだろうか。
「分からねぇ…。分からねぇけどよ…」
瞬間、近くにあった壁が陥没しひび割れが起きる。
どうやら、サンレッドが素手でコンクリートを殴り砕いたようだ。
「今、オレは最高にムカついている。ただ、それだけだ」 691 : ◆KQoCua90H.:2011/02/10(木) 04:00:12 ID:lBj7m9KE
「…もし、構わんならば、お前も俺と同行するか?」
「なんだよ、突然」
「いや、今のお前は何もすることが無くて無気力なように感じてな。そこで、俺と一緒に警官としての仕事を手伝ってもらおうと思っただけだ」
「……」
突然の剣持の誘いだが、サンレッドは何も答えない。
「俺は今、一人の神父を追っている。名前は賀来巌だ。残念なことに、行方が分からなくなったがな。
あの放送が奴本人とは思えんし、手詰まりに近い状態だが…」
「……」
「お前も付き合ってみないか?…警官として働いてみるのも、悪くないかもしれんぞ?」
そう言い、剣持はサンレッドの顔を見やる。
「オレにサツになれってか?ガラじゃねーなぁ」
「…ダメか。流石にムシがよすぎるか…」
どう見てもチンピラにしか見えないこの男に働けと言っても無駄なのだろうか。
そう思った剣持は心の中でため息をつくが…
「…いや」
うつむいたままだったサンレッドは、ここでふと顔を上げた。
「…でもま、このままボケッと突っ立っているよりはマシか。
いいぜ、刑事さん。オレも、ウサ晴らしついでに付き合ってやっからよ」
なんだかんだ言って、相手は自分を炎の中から助けてくれた命の恩人なのだ。
こういう形で借りを返すのも悪くは無いだろう。そうサンレッドは思った。
「そうか。感謝する」
「勘違いすんじゃねーぞ。オレは借りを返すだけだからな。あと、ついでにウサ晴らしも兼ねてな」
悪ぶってはいるものの、灼熱のヒーローは情に厚い男なのだ。
「さて、これからどうするかだが…」
「とりあえず、テレビ局に行ったらいいんじゃねーの?よく覚えてなかったけどよ、あの放送ってあんたが探していたヤツのものなんだろ?」
「いや、あれが本物の神父だとは俺には思えんが」
「つっても可能性はゼロじゃねぇじゃねーか。どっちみちそれ以外に手がかりがねぇんじゃ、そっちに賭けるしか無いだろ」
「…確かに、それも一理あるか。それに、ブラフだったとしても主催者の手がかりを得られる可能性だってある。そう考えると、行かない手は無いな」
「んじゃ、行くか」
「おう」
692 : ◆KQoCua90H.:2011/02/10(木) 04:00:59 ID:lBj7m9KE
剣持は思った。
自分がサンレッドを誘った辺りから彼の中の正義が見えたような気が…いや、元から持っていたものをやっと表へ引っ張り出してきたような感じだった。
自分の勘の当たり具合など金田一の推理の確実さと比べると雲泥の差だが、それでも自分はそう思った。
この腐ったゲームを終わらせるには、他にも正義感のある者たちが必要だ。
ロビンマスクのような者がいればいいし、そうでなくてもサンレッドのように引っ張り出してもいい。
今後もこのように丸く収まるといい…と願う剣持だった。
【H‐9:ビル建設現場:朝】
【サンレッド@天体戦士サンレッド】
[属性]:その他(Isi)
[状態]:全身に筋肉痛のような痛み、軽い打撲
[装備]:お手製マスク
[道具]:基本支給品一式、マルボロ(1カートン)@現実、ジッポーのライター@現実、ロビンマスクのマスク@キン肉マン
エビスビール(350ml)×9@現実
[思考・状況]
基本行動方針:剣持と同行し、借りを返す。
1:ヴァンプ将軍とさっさと合流し、主催者をシメる
2:かよ子を殺した奴をブチのめす
3:なのは、すずかを探す
[備考]
※催眠中の記憶はありません。何かのきっかけで蘇る可能性はあります。
※悪魔将軍の説明について聞き流しているのでほとんど覚えていません。ロビンマスクもサンレッドがきちんと聞いていると思っているので、この作中でも再度話したりしていません。
※なのはとすずかのことを覚えているかは不明です。あのときのアリサの必死さ(と恐ろしさ)次第では覚えている可能性もあります。
【剣持勇@金田一少年の事件簿】
[属性]:その他(Isi)
[状態]:健康、主催者に強い怒り
[装備]:マテバModel-6 Unica(装弾数6/6)@現実
[道具]:基本支給品一式×2、手錠とその鍵(サンレッドからは既に外しています)、不明支給品0〜4(うち0〜2は、賀来の分。判明した支給品の一つは手錠)
[思考・状況]
現在の方針:テレビ局へ向かい、調査する
基本行動方針:この事件を金田一一と共に解決する
1:金田一と合流する
2:放送は必要な部分以外はブラフだろう。
3:というかここ何処だよ?
4:異次元? MWという毒ガス兵器? 死神? ばかばかしい…。 そういや、催眠術もあったような気が…。クソッ、頭が痛くなってきた…
[備考]
※参戦時期は少なくとも高遠遙一の正体を知っている時期から。厳密な時期は未定。
※Lの仮説を聞いています。 以上で代理投下終了。
題名は「灼熱の赤が燃える」だそうです。
Vという存在は無政府主義だ。
もちろん、主義主張をするだけではない。
彼は人を殺した。物を爆破した。人を変えた。
苛烈なまでに。冷酷なまでに。
激しさを秘めながら、心の中は下面に隠れた素顔のように明らかにされない。
だが、彼は自分を理解されたくない、と考えているわけではない。
むしろ、もっとも誰かに理解されたいと思っているのではないだろうか。
そうでなければ、襲われている少女を二人も救うことなどなかったはずだ。
本当にそうだろうか。
彼は決して自らの心情を吐露したりはしない。
ただ魅せるだけ。ただ示すだけ。
そうして他社の変容をも受け入れる。
もしかすると、彼は作りたがっているのかもしれない。
仮面の怪人、Vという存在を。
□
間桐慎二は目を覚ましていた。
激しい痛みから失神し、どのくらい経ったかはわからない。
いくらか痛みが和らいだことから判断すると、かなり寝ていたのだろう。
慎二はうっすらとまぶたを開き、周囲を確認する。
頬は砂浜に押し付けられ、波の音が聞こえてきた。
風から潮の匂いがして、髪がべたつきそうだと思った。
(そんなのんきなことを考えている場合じゃないッ!)
慎二は焦りつつも、慎重に神経を尖らせる。
拘束はされていない。あのバケモノと男ふたりから逃げるなら、今がチャンスだ。
そう思って全身に力を入れた時だった。
『目覚めたか、迷い人よ』
バレている、と慎二は気づいて跳ね起きた。
警戒心をむき出しにして、傷の痛みに顔をしかめながら相手を確認する。
そいつはバケモノの女でも、不気味な雰囲気の男でも、いけ好かない美形でもない。
朝日の昇る海を一心に見つめる、仮面の怪人。
「ま、またお前か! いきなり現れて……何者だ!?」
『ふふふ、名は失ったと心得よ。炎に呑まれ、灰となったのだ。
それでも呼びたいのならば、“V”と呼ぶといい』
慎二は答えずキョロキョロと逃げ道を探した。
Vがわずかに友好的な態度をとっていることにさえ気づかない。
もっとも、平時でもVの態度には気づかなかっただろうが。
『落ちつきたまえ。今のところ君を害するつもりはない。胸の手当てが証拠だ』
「そんなこと言って、油断したら殺すつもりだろ! 僕は騙されないぞ!」
手当てを確かめながらも、慎二は言い切る。
その物言いに対しても、Vの反応は変わらない。
仮面を被っているため、表情はわからないのだが。
無言で睨み合うだけの時間が過ぎた。
すると、慎二の腹が空腹を訴える。
「ぐっ、こんなときに……」
『ついてきたまえ』
そう言って振り返るVから、逃げれるか少し考えた。
結果、ボコボコにされた最初の出会いを思い出し震える。
小さく舌打ちをしながらも、慎二は従った。
一軒の木造建築は数十人入れるほどの広さを持っていた。 のれんが奥の厨房と客席を隔てている。
壁には木札のメニューが置かれていた。
海の家、というのはどこも変わらないものだ。
かつて友人や取り巻きと共に来た場所を思い出しながら、慎二は奥の厨房を見る。
ジュージューと何かを焼く音が聞こえる。
肉を焼いているのだろうか。いい匂いが漂ってきた。
匂いに刺激され、腹の音が止まらなくなっている。
そう、慎二にとって意外な行動をVはしていた。
料理、と言う行為をだ。
(今のうちに逃げるか?)
何度目かわからない思考を続けるも、そのたびにVが振り返ってくる。
こちらの心を読んでいるかのような行為に、慎二は怖気が走った。
今度もまた、視線を送られるのだろうか。
戦々恐々としていると、焼いている音が止む。
『さあ、空腹を満たすといい』
そう言ってエプロンをつけたままのVは、作った朝食を木のテーブルに並べた。
目玉焼きが一つにハムが三切れ。そしてコッペパンが二つほど。
衛宮なら、ちゃんと和風の朝食が出るのに、と不満を内心漏らす。
とはいえ、この現状で料理に手をつけるほど、慎二はVを信頼していない。
「いったい何を企んでいる? 毒殺か!? 僕は騙されないぞ!!」
『いま殺すのなら、寝ているときにそうしている。
事実、君を捕えた三人はそのつもりだったがね』
Vに告げられた事実に、慎二は恐慌を起こしそうになった。
どうにか反応を隠し、表情をさらに険しくする。
「じゃあ、お前は僕に恩を売っているつもりなのか?」
『恩義を感じるのなら、私ではなくナノハと言う少女にしたまえ。
彼女は君に襲われたにもかかわらず、罪を許した。普通はできないことだ』
「ハッ! そいつはとんでもない馬鹿だ」
『ある意味、その通りだ』
慎二は意外そうにVを見た。彼は彼で、仮面の下に切りわけたパンを詰め込んでいる。
『汚らわしい犯罪者が聖女に心を打たれて改めることなどない。
ただ待っているのは、正義の鞭のみだ』
「お前……ッ!」
侮辱の言葉に慎二は怒りをあらわにする。
Vの表情が、仮面とはいえまったく変わらないのも怒りに拍車をかけた。
『だが、彼女の思いを無為にするのも心苦しい。
それに、君は理念が欠片もないが、その身体能力は惜しい』
慎二はまたも疑問符を浮かべる。
『問わせてもらおう。君はなぜ悪疫のようなルールに囚われ、主催者の意のままに権利を奪われなければならぬのか?
それだけの力を得てなお、首輪の主を誅殺しようとしないのか?』
「だって、それがルールだろ! 強い奴が生き残る!
魔術師のルールで、僕ら人間の基本的な本能だ。弱肉強食って奴さ」
『ならば、俺を殺してみるか?』
慎二の動きが止まる。
Vからかつてない圧力が全身を締め上げている。そんな錯覚を起こした。
『ふふふ、冗談だ。だが、考えてもみたまえ。
圧倒的力を持つ相手に、知恵と勇気、そして希望を武器に立ち向かう!
心が踊る状況だとは思わないかね?』
「ハッ! 勝手に言っていろ。だいたい、お前は言い方に芝居かかっているんだよ」
『芝居心こそ、大事なものさ』
「いちいち癇に障る奴だな。お前は僕をどうしたい!?」
我慢できずに立ち上がり、唾を飛ばす勢いで慎二は詰め寄った。
Vはゆっくりと顔を上げる。
『それは君が決めることだ』
「はあ?」
ククク、と相手は喉を鳴らした。
嘲笑されているのだと思い、慎二は機嫌が悪くなる。
それを察したのか、Vは話を再開した。
『君を解放しようと思っている』 瞬間、慎二の胸が踊った。ようやくこの不気味な怪人と離れられる、と。
だが、その期待はあっさりと覆される。
『だが、私を同行させるという条件をつけさせてもらおう。
最初に出会ったときのように、思慮なき行為に出た場合は制裁を加える』
「いやだ、と言ったら?」
『彼女の願いを叶えることはない。悲しいことだが、しかたあるまい』
殺す、とVは言外に宣言していた。
慎二はゾッとしながら、現状を考える。
(くそ、選択の余地はないということか!)
現在、勝算はまったくない。
Vは万全の状態である“超人”の自分をくだしたのだ。
怪我をしている自分が勝てるとは思わない。
もう少し万全なら、あれは何かの間違いだと判断して襲いかかっていたのだが。
「ああ、わかったよ! しかたない」
『理解が早くて助かる』
「けど、僕が決めることってどういう意味だよ?」
『人は血によって運命を決めるものではない。
その生き様! その魂で決めるものだ! これから君は自ら道を決めたまえ。
道によっては手を貸そう。だが、あくまで今までのような行動をとるのなら、覚悟はしたまえ。
理念を殺すのは骨が折れるぞ』
静かな語り口を前に、慎二はゴクリとつばを飲んだ。
同時に重い口調に圧倒はされたものの、チャンスだと理解する。
要するにこの男は自分しだいで手助けをしてくれるというわけだ。
衛宮士郎のようなお人好しな行動を強要されるのは気にくわない。
だが、この男と超人である自分の力を合わせれば、たとえサーヴァントが相手でも勝ち目が出る。
(そうさ、利用すればいい)
上手く動かせば都合のいい手駒が入った。
慎二はそう考え、笑みが漏れそうなのをこらえる。
それにVを強い奴をぶつけ、弱ったところを突けば自由になれる。
最初の借りは絶対忘れない。いずれ後悔させれる。
いいことづくめだ。
「わかった。しかたないから、僕に同行させてやるよ。名前は間桐慎二。間桐でも慎二でも好きな呼び方をすればいい」
『理解した。それではマトウ、よろしく頼む。
食事をしながらで構わないから、放送の内容を聞きたまえ』
ようやく警戒を解き、パンを口に放り込みながら、Vの話す内容を聞く。
自分に運が向いてきた。慎二は密かにほくそ笑んだ。
□
間桐慎二は知らない。
Vは一人の少女を変えるために、拉致監禁を実行し、暴力を振るったということを。
仮面の男にとっては真実を悟らせるためなら、手段は問わない。
心を追い詰めることも、世界を破壊することも、愛を与えることも。
彼にとっては必要な過程に過ぎない。
ゆえに、慎二に対してVの対応は『優しすぎた』のである。
Vは本当に、間桐慎二を変えるつもりがあるのだろうか。
本当に罪を贖えることができると、考えているのだろうか。
なによりVは、本当に新たなVを必要としているのだろうか。
すべては仮面の下に、理念という答えを持って隠れていた。
【I−3 海の家/一日目 朝】
【V@Vフォー・ヴェンデッタ】
[属性]:悪(set)
[状態]: 健康
[装備]:バッタラン@バットマン(残弾多数)、レイピア@現実 マインゴーシュ@現実
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
基本行動方針:?????
?:慎二を調教し……。
?:なのはの友人(アリサ、すずか)を捜す。
【間桐慎二@Fate/stay night】
[属性]:その他(Isi)
[状態]: 刺傷多数(軽)、ダメージ(大)、残虐超人状態、普通心臓破壊、いずれも手当て済み。
[装備]:ナチス武装親衛隊の将校服@現実、ドクロの徽章付き軍帽@キン肉マン、
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
基本行動方針:Vを利用してやる。
1:とりあえずVと行動を共にする。
2:Vにいずれ復讐する。
[備考]
※普通心臓が破壊された為、徽章を取ると死にます。
投下終了します。
矛盾、誤字がありましたら、指摘お願いします。 乙です
Vさんの調教マジでえげつないから困るw
ワカメは耐えられるかな? 書けるかな。
なんとも優しい調教開始。しかしワカメはその事に気付いていないとはっ!
一応チョットした誤字。
>そうして他社の変容をも受け入れる。
>>そうして他者の変容をも受け入れる。
かと。 皆様投下乙です。
>聖闘士として
ゴウラムタイガーPちゃんカスタムならダグバにもかつる!
しかしテンマとタイガーはまともすぎて逆に目立っている気がしますね
>灼熱の赤が燃える
サンレッドが可哀想すぎる
ロビンマスクよ、お前のはゴッサムタワーではなくロンドンブリッジではないのか
>砂浜の迷い人
Vがワカメをもしゃもしゃ喰ってWになると思ってハラハラしていましたが無事でなにより
一体どんな拷問がくるのか楽しみで夜も昂りが治まりません! ワカメが覚醒イベが来るのか?!
それともやっぱりワカメはワカメなのか コンバンビ。
ルンゲのやーつーが出来ちゃっているので、ズギャっと投下しちゃいます。 想定より、早い。
それが、ルンゲが「放送」を聞いた最初の感想だった。
Hor2名、Set1名、Isi9名、合計12名。
12名もの人間が、たった6時間で死んだ、という。
それが事実かどうかの確証はないが、この主催者の性質上、嘘は無いと思える。
実験を進めるという目的からすれば、ここで嘘をつくことには利点がない。
そして何より、属性ごとの人数を伝えてきたこと。
それは正に、「自分が属する属性の法則に気付け」というメッセージに他ならない。
ルンゲは既に、グループ分けの法則に一つの仮説、推論を立てている。
それは、「法の執行者と、犯罪者、それ以外の無辜の市民」という分け方だ。
その推論を推し進めば、恐らくIsiが、「無辜の市民」である。
犯罪者と法の執行者の対立を主軸としているとするならば、真っ先に犠牲となるのは、特別な訓練を受けていない市民になる確率が高い。
また、人数配分においても、法の執行者や犯罪者より、無辜の市民を多く配置している可能性は高い。
であらば、例えば放送で聞いたヴォルフガング・グリマーは、Isiである、と考えられる。
また、結城によって殺されたと推測される、七瀬美雪という日本人の少女も、このグループであろう。
後は、HorとSetの何れかが法の執行者で、何れかが犯罪者であるという事になる。
勝利条件を素直に受け取れば、Horが法の執行者で、Setが犯罪者という可能性が高いが、それはまだ確証を得た推論とも言えない。
ジェームズ・ゴードン。数刻前にその死体を確認した、ニューヨーク(本人は、ゴッサムなどと洒落めかして言っていたが)の市警察本部長。
ポイズン・アイビー。ゴードンより聞いた、毒と植物を使う異常犯罪者。
後数人、呼ばれた名前の中で、犯罪者か法の執行者であるという事が確認できる人物がいれば、この推論からさらに進める事が出来るだろう。
つまり、死んだ犯罪者がポイズン・アイビー1人だけなら、Setが犯罪者という可能性が高く、死んだ法の執行者がジェームズ・ゴードン1人ならば、Setが法の執行者である可能性が高くなる。
しかし ―――。
結城美知夫。ジョーカー。そして、Dr.テンマ。
まだ名が呼ばれず、今知っている中で、犯罪者と考えられるのはこの3名のみ。
結城美知夫に関しては、この会場においてジェームズ・ゴードン、及び七瀬美雪を殺害した容疑が濃厚である。
放送で呼ばれた名前から推論を進めると言うことは、彼らや、彼らの同類が更に人を殺し続ける事を前提とする事になる。
たった6時間で12名が死ぬこの実験場に、果たしてどれほどの能動的殺人者が居て、さらに何人の人間が犠牲となるというのか ―――。
今、ルンゲは、石と鋼鉄の要塞の中にいる。
しかしこの要塞は、外部から来る敵を退けるためのものではない。
内部に居る者達を、外へ出さぬ為の要塞だ。
アーカムアサイラム。
地図上でそう記載されたこの施設は、ゴードンによるとゴッサムにはびこる異常犯罪者達を収容、治療する為の施設なのだという。
よもやこの時代に、鉄格子と拘束台に電気ショックでもあるまいと、そうは思うが、事実この施設に来てみると、おおかたその予想が外れているわけでも無いようであった。
違いと言えば、鉄格子が分厚い特殊強化ガラスになっている、程度。療養所、病院、というよりは収容所、という方が適切に思えるほどだ。
そこに収容されていたという異常犯罪者、ジョーカーの作ったとされる趣味の悪い車は、確かになかなかの高性能であった。
遠隔操作用のリモコンを使えば、遠くから自動操縦で障害物を避けつつ呼び出すことも出来るし、ハンドル周りのボタンにあるギミックは、さながら007かスパイ大作戦などの映画の如く、である。
設定を変えれば車高が変わってオフロード仕様にもなるし、馬鹿げた仕掛けでカマドウマの様な4脚を出せば、小さな河川や岩、倒木まで乗り越えられる。
成る程、たしかにこのような玩具を、贅を尽くして造りあげる妄執ぶりは、狂気に満ちた道化のやりそうな事である。
とはいえ今この場においては、これはかなり役に立った。
ゴードンの言う協力者、バットマンと名乗る男が立ち寄るかも知れないとされた施設の内二つ、このアーカムアサイラムと、ゴッサムタワーは、最初にルンゲが居たウェイン邸からは距離がある。
その上、移動経路が限定的で、ここまでの道のりもほぼ山道であった。
徒歩でこれを踏破はするのはかなりの時間と体力を浪費するが、この車の性能なら比較的容易い。
逆に言えば、徒歩でここに行くのは結構な手間である、という事で、だからルンゲは次なる移動先をアーカムアサイラムとしたのだ。
結城美知夫が居ると考えたためか? そうではない。
恐らく、ここに目当てのものがある、と踏んだからだ。
朝の澄んだ空気の中、カツカツと硬質の靴音が通路に響く。
足音を殺そうにも、ここまで静寂に包まれているとそれも難しい。そして逆に言えば、今ここで動いているのは、やはりルンゲただ1人なのだろう。
警備室、処置室、医療品の倉庫、ボイラー室に発電室、職員の詰め所と仮眠室に、食堂、院長室、書庫…。
おおよそ、この手の施設に必要と思える部屋は一通り揃っている。
それぞれ、実際に使用されていたかのような乱雑さと生活感があるが、にも関わらず生命の気配はない。
また、同時にやはり、妙な違和感がある。
何が? というと、それはやはりウェイン邸でも感じていた事。
映画か何かのセットであるかのような違和感だ。
全ては、「用意されている」という感覚。
この実験とやらを仕組んだ犯人は、ゴードンの証言とも合わせて考えれば、個々の被験者達と関連するであろう施設について熟知しており、それらを"再現"して用意してみせるという周到さを持っている。
そしておそらく、その中にいくつかの、「ヒント」を用意しているはずなのだ。
そう、先程の放送での、グループごとの死者の割合のように。
その中で、あからさまに置かれていたいくつかの資料に、ルンゲは目を通していた。
一つは、アーカム収容者に関する資料、である。
ここに集められているジョーカー、ポイズン・アイビーのものから、ほか数名の写真付き資料。
もう一つは、マルコム・ロング医師による、ウォルター・コバックスに関するレポート、である。
そして最後に、最も奇怪な資料が、イギリスの強制収容所で行われていた人体実験に関する手記、である。
さて、これをどうとるべきか?
書式、内容、ファイルケースなどから、後者二つは、この施設外で作られた記録と思われる。
ウォルター・コバックスという男は、レポートによると自警活動をしていた犯罪者で、自らをロールシャッハと名乗っていたという。参加者名簿にもあった名前だ。
ゴードンの語っていたアメリカらしい犯罪者だとは思う。
しかしもう一つ、イギリスの強制収容所での実験に関しては、あまりに荒唐無稽なSF小説のようだ。
まるでかつてのナチズムの様な、優生学的な差別と抑圧。それによりなされるマイノリティの"処刑"に、"人体実験"に、その五番目の獄舎に居た収容者の話。
近未来ディストピアSFそのものとも言える内容だが、妙なリアリティがある。
ゴードンの話した内容、アーカム収容者のリストにしても、ルンゲからすればコミックブックの様な馬鹿馬鹿しさがあったが、ここに置かれていた上記資料は、さらにその馬鹿らしさを助長している。
他愛のない作り事である。そう断じてしまっても何ら問題ない。いや、常ならばそう断じて当然である。
で、あるにも関わらず、この奇妙な違和感は何であろうか。
この地に拉致され、実験などと言うものに参加せられて以来の違和感が、ルンゲの冷徹な精神を越えて、大きくなり始めている。
それは、保管室という場所でケースに入れられていたいくつかの道具を見たときにも感じた事である。
『Mr.フリーズの冷凍ガスボンベ』『スケアクロウの恐怖ガス』『リドラーの杖』『スカーフェイス人形』『トゥーフェイスのコイン』……。
これらはこのアーカムアサイラムの収容者達が犯罪を犯す際に使用していた道具類なのだという。
しかし、あまりにも子供じみている。
ルンゲとて、多くの異常な犯罪者、猟奇殺人鬼などの犯罪を捜査したり、或いは資料などを調べたりしてきている。
一見異常に思える彼らの行動や執着も、その背景をきちんと読み解けば、彼らなりの筋道があることは分かる。
しかし、だ。
ここにある資料やそれら保管されていた道具類は、ルンゲの知りうるものからして、あまりに突飛で、正にコミックじみている。
まさに、テレビアニメの『超人スタイナー』の世界のような。
プロファイリングには、何よりその対象が基盤とする文化についての知識が必要である。
Dr.テンマを知るために、ルンゲは「日本人的な発想、思考法」について知ろうとした。
ゴードンが語り、このアサイラムに収監されていたというアメリカの異常犯罪者達もまた、ルンゲにとって一筋縄ではいかぬ文化基盤を背景としている様に思える。
であらば、この犯人は…?
アーカムアサイラムの、或いはそれら以外の場所に居たとされる異常犯罪者の資料をここに置き、さあ謎を解いてみろと言わんばかりに挑発するこの犯人は一体…?
この犯人が背景としている文化基盤、その世界は一体どんなものなのだろうか?
ルンゲは考える。あまりにも…足りない。
院長室と表札の出ていたその部屋は、重厚なマホガニーの机に、赤い絨毯。革張りの椅子は座り心地が良く、ウェイン邸に較べれば簡素だが、それでも快適な部屋だ。
一通りアサイラムの中を調べた結果、犯人が用意しておいたであろうそれが、この部屋にあった。
電話機、である。
ごく普通の、変哲もない有線電話。ただそれだけだが、先程のウェイン邸では全て撤去されていた。恐らく、他の多くの場所でも同様だろう。
受話器を取り、音を聞く。ツー、ツー、との信号音。
なるほど、やはり、「これを使え」とのメッセージであったのだ、と、確信をする。
ルンゲはバックパックから、最初に支給されていた『黒の船』のコミックを取り出していた。
支給された以上、そこには何かしらのヒントがあるはずだ。ルンゲはそう考えていた。
実際、どうやらその通りであったらしい。
犯人が隠したヒントは、コミックの内容にあるのでは無かった。
その中の広告ページ。
『ピラミッド宅配社』『病院』『学校』『さくらテレビ』『ゴッサムタワー』、そして『アーカムアサイラム』の広告。
それぞれの広告に、電話番号が書かれているのだ。
ルンゲは考える。
これらの何れかにかければ、誰か他の参加者と接触できるかもしれぬ、と。
ルンゲに今足りないのは、何よりも情報だ。
開始以来、ルンゲが会った人間はゴードンと結城。1人は殺され、もう1人は逃げ出した。あと1人、強いて言うならば既に物言わぬ骸となっていた少女のみ。
Dr.テンマを追うにしろ、結城美知夫を追うにしろ、何よりこの実験を企画した犯人を追いつめるにしろ、やはり、情報が圧倒的に足りない。
先程の放送の中で呼ばれた、「テンマ」という男が、彼の追っているDr.テンマで無いことは明白であった。
しかしその名が呼ばれたことで、何等かの変化は起きるだろう。
テレビ局がある以上、まずはそこで放送が成されたと見るのが妥当。
さて、しかし ―――。
ルンゲは考える。
この何れかの場所に居るかもしれぬ者は、果たして遵法者か殺戮者か、あるいは無辜なる市民か。
そして何より、ルンゲにとって一体何をもたらす者であろうか………?
----
【A-9/アーカムアサイラム:朝】
【ハインリッヒ・ルンゲ@MONSTER】
[属性]:その他(Isi)
[状態]:健康
[装備]:ルールブレイカー、テイザーガン、ジョーカーモービルとそのリモコン
[道具]:基本支給品一式×2、『黒の船』のコミック@ウォッチメン、小型無線機A〜B、不明支給品0〜2
ロールシャッハの資料、Vの人体実験に関する資料
[思考・状況]
基本行動方針: ケンゾー・テンマを捕まえ、また今回の事件を仕組んだ犯人も捕まえる。
1:何れかの施設に電話を掛けてみる。
1:結城美知夫を捜す。
2:ブルース・ウェイン(=バットマン?)に不信感。
[備考]
※ヨハンの実在と、テンマの無実を知る以前より参戦。
※ゴードンより、バットマン、ジョーカー、ポイズンアイビーに関して情報を得る。
※結城より、金田一一、剣持勇、高遠遥一、賀来巌に関して情報を得る。
※犯人のグループ分けを、[法の執行者]、[一般市民]、[犯罪者] ではないかと推論。
※アーカムアサイラムの保管庫にある道具類
アーカム収容者達の使っていた道具がいくつか保管されている。
使える状態か、また万全なものかどうかは不明。 わすりてた。
引き続き、
正義戦隊ゴ12th 第五話 熱烈歓迎新たな仲間! ◆GOn9rNo1ts
の代理投下するだす。
『正義が必ず勝つんじゃない。勝ったものが正義なんだよ』
◇ ◇ ◇
バットマンが出て行って、少し後。
地下空間は、思っていたよりずっとずっと静かだった。
耳を澄ましても、何処か遠くで行われている戦いの音はここには聞こえて来ない。
代わりとでも言うようにポタリと、どこからか雫が垂れる。
ちょっとした音がやけに大きく響き、思わず心音が跳ね上がる。
その時のドキドキさえも痛いほど耳に残り、僕は小さく溜息をついた。
「大丈夫、雪輝君?」
そう言った武藤まひろちゃんは、けろっとした顔をしている。
明るく、表情豊かに僕に話を振ってくれる彼女の存在が、今はなにより有り難い。
『殺し合い』の舞台の隅っこでたった一人きりで待っているよりも、何倍も楽な気分だった。
情けない。本来は男である僕の方が気概を見せなければ行けないというのに。
だけど、自分の臆病さをこの場で嘆いていても仕方ない。
携帯を見ると、時刻は5時44分。
もうすぐ放送だ。メモや名簿を取り出そうとデイパックに手をかける。
……知らず知らずのうちに、手が震えていた。
「まひろちゃんは、さ」
「どうしたの?」
「怖くないの?」
言うまいか迷っていた思いを、吐き出した。
僕に習うように自分のペンを取り出したまひろちゃんに、問いかける。
放送。彼女はその意味をきちんと理解しているのだろうか。
誰が死んだかを知らされる、ということは、つまり。
「もしかしたら、もしかしたらだよ?」
「自分の大切な人が……死んでる、かもしれないんだよ?」
「…………」
「僕は、正直言って怖いよ」
我妻由乃。
色々あった。本当に色々あったけれど、彼女は僕の恋人だ。
幾度となく僕の命を救い、敵対する未来日記所有者を返り討ちにした最強の少女。
それでいて、僕なんかを怖いくらい好きで、愛してくれている、彼女。 「死ぬなんてありえない、なんて、言えない」
死ぬなんてショッキングな出来事が画面の向こうでしか起こらない、なんて幻想はここに来る以前からなくなっている。
殺人鬼に襲われたりテロリストに襲われたり猟犬に追われたり……どうして自分が生きているのか不思議なくらいなのだ。
我妻由乃がいなければ、何度死の運命に食い潰されていた事やら。
そんな僕にとっての生命線、由乃でさえも、まだ生き残っていると断言することは出来ない。
彼女のことだ。僕を探すのに必死で、他の人のことを蔑ろにしている光景が簡単に目に浮かぶ。
厄介事に巻き込まれているか、恐らく高確率で厄介事を巻き起こしている。
……考えたくはなかったが、僕のため、ご褒美のために積極的に殺しに走っている、なんてこともあり得ないわけではない。
彼女が他参加者と争いになる、なんてのは火を見るより明らかだった。
そして、この場には悪魔将軍のような化け物やバットマンのような戦い慣れた玄人も参加している。
いくら由乃が強いと言ってもそれは普通の人間を相手にしていた場合で、上に上げたような人達と対峙して無事でいられる保障はない。
死んでいても、おかしくないのだ。
「ごめん、こんなこと言って、でも」
由乃を失う、なんて想像をすると胸が張り裂けそうになる。
絶望。ドドドドと押し寄せる感情に抗う術もなく呑み込まれそうになる。
想像しただけでもそうなのだ。もし現実になったら、僕は一体どうなってしまうのだろう。
死んでも生き返らせれば良い、なんて簡単には言えない。
既に僕たちはデウスの許から別の人間の掌に移ってしまっている。
この実験を主催した人物が死人の復活を出来る、なんて保障は何処にもない。
それどころか、由乃なしで僕はこの実験を生き延びることが出来るのだろうか。
溢れ出す不安。止めどない恐怖。
今まで由乃に頼ってきたツケが回ってきたのだろう。自業自得だ。
僕は、いつになく不安定だった。参ってしまっていた。
出会って間もないまひろちゃんに、本音を漏らしてしまうほどに。
「大丈夫だよ」
だから。
彼女の真っ直ぐな言葉が、眩しかった。
「雪輝君の大切な人も、私のお兄ちゃんも、生きてる。きっとそうだよ」
「でも、もしかしたら……」
「雪輝君は、その人のことを信じてないの?」
「そ、そんなことないけどさ」
「じゃあ、一緒に信じよう!信じる者は救われるっ!」
一人で駄目なら二人で信じよう。
そう言いながら僕の近くにやってきて、ぱっと手を繋いでくれた。
思わず握り返す。ぎゅっと握られた両手は、暖かかった。
ぶんぶん元気に手を振る彼女の顔に、不安が全くなかったとは断言できない。
彼女の指から震えを感じなかったといえば、嘘になる。
彼女だって、怖いのだ。怖いに決まってる。
大切な人を失うかもしれないのだ。怖くないわけがない。
だけど、恐怖を乗り越え希望を持とうとする強い意志。
それは、大人ぶった理屈で壊してはいけないと思った。
「……うん、そうだね」
近くで見るまひろちゃんは、思っていたよりずっとずっと可愛かった。
くりくりと輝く両目は、小動物を思わせる。リスのようだ。
化粧っ気のない素肌が、健康的でさっぱりとした清涼感を感じさせた。
笑みを形作る桜色の唇に、思わず心臓が跳ねる。
服の端から、年相応に丸みを帯びた女の子の身体が見え隠れする。
何故か、手に汗が滲む。
「どうしたの、雪輝君?顔真っ赤だよ?」
「な、なんでもないよっ。それより、放送の準備準備っと」
胸を張って言えることではないが、僕はその、所謂女の子経験に乏しい。
由乃に(恐ろしいまでの)アプローチをかけられるまでは、ラブレター一つ渡すのにも必死だったのだ。
そんな僕が、二人きりの状況で、両手を握るくらいの至近距離で女の子と見つめ合うのは……少々キャパシティを超えたいた。
気まずさをまぎわらせるために、手を離してわざとらしく視線を右往左往させる。
そんな僕の様がおかしかったのか、クスクスと笑うまひろちゃん。
ああ、恥ずかしいっ。
「あ、あのっ!ところでさ!」
「なあに、雪輝君?」
少しでもこの方向性を変えようと、話題を作る。
「まひろちゃんは……未来は変えられると思う?」
さて、それでは。
本題に移ろう。
「未来を変えるって……私達が頑張れば、嫌な未来を変えられるよ、ってことかな?」
むー?と首を傾げ、少し考え込むまひろちゃん。
突然、今までとは関係ない話題を振られたのだ。混乱するのも無理はないだろう。
その混乱が「本当のこと」ならばだが。
「いや、そういうことじゃなくって……まひろちゃんって未来予知とか信じるかな」
「占いとかのこと?……良いことは信じるし悪いことはあんまり信じたくないかな」
反応は薄い。これといって変化もなく、普段通り。
目も泳いでいないし、自然体そのもののまま会話を続けている。
どこからどう見ても、普通の女の子のまま。
やはり杞憂だろうか。思い過ごしだろうか。
彼女が「未来日記所有者だ」なんて。
勿論、根拠もなくこんなことを考え始めた訳じゃない。
僕なりの考え、筋道だった理屈があってのことなのだ。
バットマンを担いでえっちらおっちら歩いていた、あの時。
僕の未来日記、無差別日記がノイズを漏らしながら「未来を変えた」
簡単に説明すると、未来日記の未来を変えることが出来るのは同じ所有者だけ。
つまりあの時、所有者の誰かが未来を変化させたことになる。
由乃が「雪輝日記」を使い、僕のもとへとやって来るのか?
それとも、雨流みねねがまた僕を殺しに来るのか?
はたまたあの変態、平坂黄泉がこちらに迫ってくるのだろうか?
正直、どれもまずかった。
由乃は間違いなく「そんなコウモリ男に構ってないで私と一緒に行こう!」と言ってくるだろう。
それを断ってしまえば、下手をすると「障害」であるバットマンを排除しかねない。
みねねだった場合は最悪で、こちらが殺されるのも時間の問題となっていたかもしれない。
黄泉の場合は、全く予想が出来ないぶん、ある意味一番対処に困る。
誰が来ても、状況が悪くはなれど良くはならない。
そんな状況だったのだ、あの時は本当に冷や冷やした。
だけど、変わった未来は「見知らぬ女の子が走ってくる」というもの。
それがまひろちゃんだったわけだけど、つまり一体どういう事だろう。
まず第一に考えたのは、彼女が僕も知らない所有者である、ということ。
絶対にあり得ない、とは言い切れない。
選ばれた12人ではなくても、8thの孫日記所有者という可能性もある。
もしかしたら、支給品の中に未来日記があったのかも知れない。それならまだ良いのだが。
いずれにせよ、僕は所有者という可能性に少々神経過敏になっていた。
彼女は僕を騙して利用するつもりなのではないか?
あるいは、僕が油断する瞬間を虎視眈々と狙っているのではないか?
ここに来る前の、デウス《神》による所有者達のサバイバルゲーム。
そこで何度も裏切られて、死にかけて。僕はもう、誰も疑わない人間ではいられなくなった。
信じたい、だけどこちらも命がかかっている以上、そう簡単にはいかない。
モヤモヤした気持ちを抱えたまま、僕はまひろちゃんと行動していた。
でも、僕なりに感づかれないよう彼女を観察してみても、やましいところは何一つ無いように見えた。
先程の質問、核心的な問いにもまるで反応が無く、拍子抜けと言わざるを得ない。
ならば、やはり第2の可能性。
「主催者がそういう細工をした」と考えるのが、筋が通っている。
他参加者のちょっとした気まぐれなどで、未来が変化する。
そういう風に未来日記を作り替えたと考えれば説明はつく。
ゲームマスター側がどれだけの技術力を持っているかは知らないが、少なくとも町の一つや二つを支配下においてしまうヤツなのだ。
デウスのような、得体の知れない力を駆使して未来日記を改造出来たとしても、なんらおかしくはない。
若しくは、デウス本人が一枚噛んでいるか。あの神がそう簡単に出し抜かれるとは思えないし、そっちの方が説得力がある。
「いや、変なこと聞いてごめんね。何でもないんだ。ただのどーでもいい話」
大丈夫。彼女は所有者じゃない。そう自分に言い聞かせる。
だいたい、僕を狙う所有者だとしたら、彼女が見せてくれた拳銃で僕はとっくに殺されている。
主催者が僕の疑心暗鬼さえ計算していたとすると、見事にしてやられたと言わざるを得ない。
だけど、もう懸念は消えた。まひろちゃんはかけがえのない僕の仲間だ。
……少なくとも、お互いのグループがHorとSetでは無い限りにおいて、だけど。
今まで猜疑の視線を向けていたのが申し訳なくなって、頭を下げた僕を、まひろちゃんは。
「変な雪輝君」
無差別日記が、更新される。
『武藤まひろの知り合いがやって来た』
◇ ◇ ◇
暗い暗い空間があった。
ところどころに備え付けられている明かりが、チカチカと小さく己の存在を主張する。
見る者もいない電光掲示板が、薄い緑の光を発していた。
『AM 12:08』
深夜遅く。道端には、終電を逃した酔いどれサラリーマンも、夜はこれからと言わんばかりの厚いメイクを施した女もいない。
それどころか、がらんとした世界には人っ子一人見えない。
もっと言えば、人間の気配そのものがない、と言ったところか。
ちらほらと見える居酒屋やバー、24時間営業をモットーとするコンビニエンスストアにさえ、人類は存在していなかった。
生物が綺麗さっぱり死に絶えた、と見えるそんな場所に異物が二つ。
いや、二人。
何処とも知れぬ街角で、痩身の男と、年端もいかぬ少女が向き合っている。
異常だった。
何が異常かと言えば、コンビニ店員さえいないこの空間に人間がいることそのものがおかしい。
普通とは違う状況に普通が紛れ込んでいる。それは、普通ではなくて異常と呼べる。
それだけでなく、二人の雰囲気もどこかいびつだった。
禁断のデートの真っ最中と言うほど浮き足だってもいないし。
かといって、子供の夜遊びを咎める大人、というほどガビガビした空気でもない。
敢えて言うならば、そう。
影に潜み顔もよく見えない陰気な男と、惚けているような顔をした少女は。
ドラッグの密売人と、買い手のような。
怪しい宗教勧誘に引っかかった、典型例のような。
そんな、怪しい雰囲気。
男が気怠げに口を開く。
訥々と、少女のこれからの業務内容を報告し始める。
彼女の方はと言うと、口を挟むこともなく淡々と男の言葉を脳裏に刻み込んでいた。
落ち着きのある、というより、落ち着きしかない、とでも言えばいいだろうか。
話を聞く、以外の行動を忘れきってしまった体である。
肯定の言葉以外を許されていない風である。
機械のように、ロボットのごとく、必要な情報をプログラミングされていた。
「君はただ、多くの仲間を作ればいい。出来る限り沢山。見知らぬ人間でも救ってあげなさい」
「はい」
「ただし、君は誰かに言われてそうするのではない。自分の意志でそうするんだ。
君は優しい娘だ、まひろちゃん。きっと君はいっぱい友達を作るんだろうね」
「はい」
「その友達を、今度私に会ったら是非とも紹介してくれたまえ。
その時を楽しみに待っているよ。それでは」
「はい」
「君は、次に私に会うまで、私に会ったことを忘れる。良いね」
「はい」
そうして。
男が耳にしていたボイスレコーダーから、音が漏れる。
彼は影のように闇に紛れてその場を立ち去り、少女だけが残された。
彼女が深い深い沈黙を発して、数分後。
「……あれっ?わたしは何を……」
◇ ◇ ◇
「タイムリミットハ一時間、カ」
午前6時。
放送を聞き終わった平坂黄泉は、頭の中の予定表を確認する。
まずはこの先で行われている戦いに介入し、悪を滅する。
その後、一時間後に禁止エリアとなると思しきこの周辺から迅速に離脱。
最後に、みねねが待つ511キンダーハイムへと向かう。
放送の時に行われたいざこざ、賀来とテンマの争いも気になるが、まずはこの三つを確実に達成しなければ。
「確カニ、キンダーハイムヘト続ク橋は禁止エリアカラ外レテイルノダナ?」
ゆらりと小さな影が首肯する。
武藤まひろは、いつもの明るい表情をのっぺりと削ぎ落とし平坂黄泉の問いに答えていた。
その様はゾンビか、はたまた操り人形か。瞳に映るのは暗い下水道。
隣に佇む天野雪輝も、似たり寄ったりの顔を貼り付けて静かに黄泉の指示を待っていた。
「ソレデハ行クゾ、ピンク、グリーン」
黄泉がすぐに戦闘の現場に向かわなかった理由。
一つは、戦力の補強のため。
何の策もなく馬鹿正直に突っ込むなど馬鹿のすることだ。
黄泉は犬死など望んではいないし、未来日記のDEADENDも軽視しない。
一人で行っては死ぬ。それでは二人ではどうか?三人では?
数は力だ。火は一つ一つでは小さいが、合わさると大きな炎になる。
黄泉は、御目方教の時の経験を生かす。彼は勝利のために一切の努力を惜しまない。
二つめの理由、それは、これから行われる放送で禁止エリアが発表されるからだ。
大前提として、黄泉は目が見えない。これは、禁止エリア関連の事柄について、大きく不利に働く。
みねねからある程度の説明は受け、待ち合わせ場所であるキンダーハイムの位置はなんとなく掴んでいるが、黄泉が会場全体を把握するにはほど遠い。
今ここにいるエリアは本当に正しいのか、もしかすると自分は思いもよらぬ所にいるのはないか。
正義を成す前に首輪が爆発してお陀仏では、お話にならない。
つまるところ、黄泉は彼をサポートする仲間が欲しかったのである。
そこで、彼は得意の超聴覚を駆使し、戦闘が行われている下水道を一旦迂回。
少しでも、ほんの少しでも勝機を増やすために、人の気配がする場所にやって来た。
辿り着いた先にいたのは、同じ未来日記所有者である1st、天野雪輝。
そして、彼が数時間前に『仲間にしておいた』武藤まひろ。
こんなに早く再会するとは思わなかったが、彼女を上手く利用し雪輝も『仲間にする』ことが出来た。
駒は、勝手に動かれるよりもこちらで管理しておいた方が良い。
黄泉は、御目方教の一件よりイレギュラーを何よりも恐れていた。
『私ハ正義ヲ為シテイル。私ノ勝利ハ確約サレタ未来ナノダ。ソウデナクテハナラヌ。
ソノタメニハ、正義ノタメニハ、私ハ手段ヲ選ンデナドイラレナイ……ソウダロウ?』
彼の独り言に対し、正義日記は何も語らない。
果たしてDEADENDは回避できたのか。自分の選択は正しいのか。
黄泉の正義に関してしか語らないソレは、酷く使い勝手が悪いものだ。
さらに、主催者からの制限により、他の未来日記と同じく正義日記も改悪されている。
例えばそう、「何度も同じ記述を聞くことが出来ない」といった風に。
他の未来日記所有者ならばこうはならなかっただろう。
例えば、雪輝や由乃の携帯ならば、書き換わる未来を見ることで己の死を回避できたかどうか分かる。
もっといってしまえば、黄泉以外の所有者は自身の目でもってDEADENDの消滅を確認することが出来る。
液晶画面だろうが巻物に書かれた文字だろうが、それが消える、という確かな証拠を認識する。
しかし、全盲の黄泉が頼ることの出来るのは「音」のみだ。
聞こえなくなったからと言って、それが本当に消えたのかどうか黄泉に判断することは出来ぬ。
いくら常人を遙かに超えた聴覚を持ち合わせていようとも、聞こえないという事態に対応できるはずがない。
いつ訪れるか分からぬ死の宣告に怯えながら、消えたかどうか判別できぬ「分からない恐怖」に抗いながら、12thは戦わなければならない。
DEADENDは本当に消えたのか、分からないまま戦わなければならない。
それでも。
「私ハ私ノ正義ヲ貫ク」
ここで逃げてしまえば、彼はヒーローにはなれない。
正義を冠する未来日記を持つ資格などありはしない。
いくら可能性が低くても、彼は悪に勝利する義務がある。
あらゆる犠牲を払ってでも、勝たなければならない。
例え罪無き人間を洗脳し、駒として利用しようが、勝たなければならない。
それが、平坂黄泉の正義なのだから。
「急ガナケレバナ」
禁止エリアのこともそうだが、懸念は他に幾つかある。
その内の一つ。我妻由乃。
今、目の前でゆらゆらしている天野雪輝の関係者についてである。
黄泉の策を悉く破壊し尽くしたとびっきりの異常者は、黄泉の中で最高級の危険分子としてインプットされている。
放送を信じれば、残念ながら彼女はまだ健在のようだ。
あのとびきりの異常者は、天野雪輝にご執心。
雪輝を探して会場内を飛び回っているのは想像に難くない。
何処かで野垂れ死んでしまうという希望的観測を持つには、彼女の存在感は圧倒的すぎる。
己の完璧な計画を完膚無きまでに叩き潰した2ndを軽視することなど、できようはずもない。
普通の身体を持っているのだから銃で撃てば死ぬ。頭を殴られれば死ぬ。首を絞めれば死ぬ。
しかし、黄泉は彼女がそうやって死ぬところを全く想像できなかった。
そもそも、彼女が雪輝の傍にいないことがイレギュラーなのだ。
何時、いつも通りに雪輝の隣に現れるのだろうか。一日後?一時間後?一分後?
いや、この瞬間にも「ユッキー♪」と背後から顔を出しても何も可笑しくはない。
耳をすます。何者かが近づいてくる音は、今のところ聞こえない。
それでも、由乃が下水道を大爆走している様を想像し、黄泉の焦りは募る。
「ヤツガ現レル前ニ、片ヲツケネバ」
我妻由乃と接触してしまえば、自分は終わりだ。
今の天野雪輝の状態を見て取った彼女は、間違いなく激昂して自分を殺しに来る。
一切の躊躇も無しに。邪魔な石ころを蹴飛ばすように。
黄泉に操られている、と分かっている御目方教信者達でさえ、彼女は手加減無しで殺し尽くしたのだ。
操っている本人が命乞いなどで見逃してもらえるわけがない。
雪輝のコントロールをこちらが握っているというアドバンテージが、彼女の前で何になろう。
人質にとろうものなら地獄の果てまで追い詰められ、首を刈り取られる。
雪輝の命を盾に自害を命じても、黄泉が思いもよらぬ手段でこちらに噛みついてくるだろう。
頼みの心音爆弾も、あの女の前では心許ないオモチャでしかない。
雪輝を救うためなら命さえ捨て特攻してくる様が、脳裏にまざまざと浮かんだ。
危険だ。下手をすれば、黄泉の最大の障害になりかねない。
雪輝を手駒として扱う以上、何か手を打たねばなるまい。
「サテ……準備ハ整ッタ。ゴ12th、出動スル!」
雪輝とまひろの支給品を確認し、自分の持っている物と兼ね合わせ最善と思しき策を練る。
彼らに指示を与え、自らも現場へと向かわんと地を蹴った。
陽の当たらぬ世界を一人と二人が走っていく。
この先に待ち受ける悪を滅ぼすため。
己の正義=勝利のため。
死人となったはずの男と、死人も同様の顔をした少年少女達は、止まらない。止まれない。
◇ ◇ ◇
『最善を尽くしたけどそれでも足りない?それなら、最悪を尽くせば良いじゃないか』
【F−9/下水道内:朝】
【平坂黄泉@未来日記】
[属性]:その他(Isi)
[状態]:全身ボロボロ、肋骨を骨折
[装備]:変態的ヒーローコスチューム(ボロボロ) 心音爆弾@未来日記 、モップの棒@現実
[道具]:基本支給品一式、黄泉の正義日記のレプリカ@未来日記、雨流みねねのTNT時限爆弾、不明支給品(数不明)
[思考・状況]
基本行動方針:ヒーローらしく行動する
1:正義とは勝つこと。雪輝達を利用しつつ、悪魔将軍を倒す。
2:倒したら511キンダーハイムに向かう。
3:ひとまずみねねと組み、このゲームにおける『勝利』を目指す。
4:赤い外套の正義の味方(アーチャー)への対処は状況次第。
5:ロビンマスクへの敗北感。
[備考]
※悪魔将軍の容姿、技などを知りました。
※H−9、ビル建設現場の不明支給品を拾いました。数、内容は確認していません。
基本支給品×2には手を付けておらず、目が見えていないため、取り残しがあるかも不明です。
【天野雪輝@未来日記】
[属性]:その他(Isi)
[状態]:左腕に裂傷(治療済み) 、黄泉が洗脳中。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、雪輝の無差別日記のレプリカ、不明支給品0〜1、拾った工具類
[思考・状況]
基本行動方針:自分のグループを判明させて、同じグループの人間と共闘して勝ち残り、神となって全てを元に戻す。
0:?????
1:まひろと共にバットマンたちを待つ。
2:由乃と合流…?
3:悪魔将軍怖いっ! でも死んだのか…?
【武藤まひろ@武装錬金】
[属性]:その他(Isi)
[状態]:健康、黄泉が洗脳中。
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ワルサーP99(16/16)@DEATH NOTE ワルサーP99の予備マガジン1
[思考・状況]
基本行動方針:人は殺したくない
0:?????
1:アーチャー、バットマンを待つ。
2:お兄ちゃん………
【備考】
※参戦時期は原作5〜6巻。カズキ達の逃避行前。 投下乙です
ルンゲ、さすがに現実じゃないの一言で切り捨てられなくなってきたが…
外に出て誰に会うかで今後の行く末が決まりそうだ
正義オタクの分際で色々やるなぁw
ユッキーも催眠状態だw
でもその二人が居ても悪魔将軍相手は無茶だ
死人が出そうだ 文才が無い俺には信じて待つことしかできないんや・・・! 2011/02/19(土) 00:07:10 ID:4URqqpAu
今週から始まった金田一少年の事件簿がロワ(ってかSAW?)をしているなw ・1の連続予約破棄
・不必要な議論の長期化
悪いことが続けば将来有望と言われたロワもこうして廃墟になるんだな
再起を考えるならとりあえずあの避難所を捨てて新しく借りなおしたらどうだ?
新規ロワと違ってある程度投下した書き手トリが先導すれば復活するかもよ
もうみんな興味無いなら話は別だが
避難所にも人がいるかわからないのでこちらに。
避難所で提案していた通り、まとめwikiメニューに「支給品以外のアイテム」欄を
新設、その中に【各種資料集】を追加しました。
せめてもの呼び水になれば。 続きを楽しみにしてる無力な読者ならここにもいるんだがなぁ… 金田一一、天馬賢三、竜ヶ峰帝人、折原臨也、言峰綺礼 投下します
「ふむ……やはり、Isiの参加者が犠牲になる向きが強いか」
「俺や金田一君の説……Horが他人を守る者、Setが他人を害する者、Isiが他人に守られる者として設定されている以上、
参加者はそれらの属性に見合った人格と能力の持ち主である……ってのも、これで推測の域を超えたかもねぇ」
「でも、Isiの人たちが一方的に虐殺されてるって……Setの人たちの方が、Horの人より強大って事なんでしょうか?」
「いや……単に、Hor達によるIsiの保護が遅れているだけだろう。参加者達が凡そ己の属性を読めている、とすれば。
Set、ヨハンのような者たちは見つけた弱者を付け狙い、殺すだけで目的を達成するのだから当然行動も早くなる」
「……」
朝日が差し込む病院のエントランスに、五人の人間が頭をつき合わせている。
彼らは今しがたこの『実験』の経過報告を聞き、それぞれがそれぞれのリアクションを取っていた。
死者に送る十字を切る神父。放送の内容に想いを馳せる情報屋。冷や汗を浮かべる少年。顔を歪める医者。
そして……放心する、名探偵。
「何より気になるのは……『テンマ』と『賀来巌』の寸劇。これが何を意味するのか、だな」
「ん? どうかしたのかい、金田一君。一緒に推理しようよ。名探偵なんだろう? 推理しなよ、ほら」
「美雪が……死んだ」
「退場ってことは、そういうことだろうね。これで君の知り合いは残り二人だ」
「金田一一。君の気持ちもわかるが、今は悲しんでいる場合ではないだろう。
君が我々に語った『信じてくれ』という言葉は―――その意志は。もう揺らぎ始めているのかね?」
「美雪だけじゃない、12人だぜ! 12人も……死んだんだぞ! なんでそんなに落ち着いて……」
数多くの難事件を解決してきた金田一にとっても、この『事件』は未曾有の災厄だった。
規模もさることながら、探偵の周囲で起こらない性質。
そして近しい者の死と言う最悪の形でじわじわと迫ってくる感覚。全てが、初の体験だった。
焦燥する名探偵に、神父と情報屋が哀れむような視線を向ける。あるいは、嘲るような目線か。
「訂正したまえ、金田一一。『死んだ』のではない、『殺された』のだ。七瀬美雪も、他の者もな。
天災でも事故でもなく……このおぞましき実験に浮かされた、悪意持つ者たちによって、殺されたのだ。」
「だからこそ落ち着いて、殺人者への警戒を強めなければ……って、むしろ名探偵の君の方が理解してるよねぇ?」
「臨也さん、退場者の情報が嘘ってことはないでしょうか? 参加者を惑わす為の」
「それにしては、読み上げるr退場者数のが多すぎる。すぐに露見するような嘘を吐くとは考えがたいな……。
あのヨハンを手中に収め、実験に参加させるような者ならばなおさらだ」
そう、これは『事件』ではなく『実験』。
金田一が過去の事件でかき集めたような証拠も動機もトリックもなく、犯人すら固定されない戦場。
未だ半信半疑の美雪の死も、この非現実的な空間ゆえか、持ち前の勘のよさゆえか、金田一は肯定しかけていた。
それゆえに、金田一の頭脳は正常な動作を行わない。あまりにも急すぎる展開に、彼の頭は回ろうとしない。
神父、言峰綺礼は……死に慣れている。浸っている。情報屋、折原臨也は他人の死を特別視していない。
少年、竜ヶ峰帝人にとっては……あくまでも他人事。医者、天馬賢三は、死者よりも生者に意識を向けている。
金田一は……"死"を知っていながら、それに臨んではいなかった。彼が遭遇してきた死は、いわばまな板の上の鯉。
解くべき事件の真実に繋がる、意味のある死だった。では、金田一にとって……美雪の死に、意味はあるのか?
「……すまねえ。気持ちの整理、つかねえよ」
否。理解できず、肯定を拒む死に、意味などない。あったとしても、納得はできない。
金田一にとって、美雪とはそういう女だった。一緒にいるのが当たり前の存在だった。
病院の外に、夢遊病者のようにフラフラと歩き出す金田一を、残る四人は……あえて、見送った。
彼を無理に引き止める事が彼の為にならないと、誰もが感じていた。
「……一人には、できないですよね」
「私は追いかけるが……言峰、折原。君達はどうする?」
鋭い視線を送る天馬。彼も、金田一を徒に追い詰めるような神父と情報屋の言葉に、不快感を感じていた。
志は同じと信じたいが、性格は絶望的に合わない……そんな視線を浴びせられて、二人は平然と返答する。
「我々がいては、彼も心が休まるまい、職業柄、我々は真実を語る癖があるのでな」
「神父はお小言、情報屋は大口。別に真実ってわけじゃないと思うけどね。まあ、自重するよ」
二人は、目を伏せて先ほどの発言を後悔するような素振りを見せる。
帝人が天馬に付き添って金田一の様子を見守りにいく、と決めた時には、臨也は僅かに眉を顰めたが。
「まあ、彼ならそう遠くないうちに立ち直るだろうから、よろしく頼むよ」とだけ言って、その背中をぽん、と叩いた。
言峰も未練そうに帝人に祝福の言葉をかけ、「己の思うままに進め、少年」と激励した。
「合流場所はさっき言ったE-04の舗装道……別の人とも約束してるんだけどさ。そこって事で頼むよ」
「どこかへ移動するのか? 金田一君が落ち着いてから、全員で行動した方が……」
「時間は有効に使いたい。人の心はそう簡単に休まるものでもないしな……まあ、無茶はせんよ」
周囲の探索とHor、あるいはIsiの参加者との接触を試みる、と言峰と臨也。
天馬と帝人が頷き、今まさに病院を出た金田一の後をゆっくりと追い始め―――。
思い出したように、臨也が金田一の背中に声をかける。
「金田一君。個人的にはさ、君は七瀬美雪を真っ先に探しにいくべきだったと思うよ。それが出来なかったのは」
「君が名探偵であり……この実験の『解決』を念頭に行動したからだ。その後悔を繰り返したくないのなら」
「「君は――――――セイギノミカタに、なるといい」」
臨也の言葉を継ぎ、唱和する言峰の、二人の言葉は金田一に何らかの影響を与えたようで。
金田一は一瞬立ち止まり、しかし靴先の向きは変えずに、朝日を見上げるように首を上げ。
何も言わずに、歩き始める。その背中からは、何の感情も見えなかった。
「……自重するんじゃ、なかったんですか」
「今のはただの激励だよ、酷いなぁ。俺がいつも他人に嫌がらせをしてるように言わないでよ」
「ドクター天馬、少年を頼むぞ。……ヨハンという男、こちらでも捜しておこう。テレビ局も我々が調べておく」
「……貴方が本当に超常の力を持っているとしても。油断だけは、しないでくれ」
こうして、五人は三人と二人に別れた。
◇
............
「……さて、Setを探しにいこうか」
二人きりになった空間には、しかし友好の空気も親愛の情もなかった。
そんな無機質なエントランスにごく普通の声質で言峰の言葉が響く。
臨也が、ディパックを担ぎ上げる事でその声に応える。
二人が数刻前の連れションで語った今後の展望……HorとSetの大軍団を拵えるという発想を、叶えるために。
「Setの連中……ドクターが言うには、好戦的な奴ら。はてさて、他人とつるむようなのがどれだけいるのやら」
「少年の観察を中断してまで、お前の道楽に付き合うのだ。無駄足でないと思いたいものだ」
「まあ……今の段階じゃ、自分がSetと仮定してる奴が会話に応じる可能性は低いけどね」
彼らが行おうとしているのは、いわば下見。
最大12人を殺戮したと思われるSet陣営の参加者がどれほどのものなのかを、観察するための。
「テンマと賀来巌も気にはなるけど……胴元に雇われて放送するような連中だ。慎重に行くにこしたことはないね」
「わざわざ参加者を使い、参加者間のいざこざをそのまま放送することを許した……なにか企みがあるのだろうな」
まだ見ぬ黒幕の全容。実験を円滑に進めようとする二人にとっては、いずれ接触したい存在。
ゆえに、それに繋がっていると見たテンマと賀来巌を、探る。抉る。
(……それにしても、放送を聴いてたときのドクター。なんか、変だったよねぇ?)
臨也の観察眼は、放送で『テンマ』の声が流れた時の天馬の微妙な表情の変化を捉えていた。
グリマーの死に関する反応ではない。
自分と同じ名前の参加者の登場に驚いた……というような様子でもなかった。
むしろ、テンマの声そのものに驚いていた、という体。
言峰も気づいているだろうが、あえて言及しないのは天馬にとってもその驚きが確信を伴なう物ではないからか。
何者かに騙されているのではないか……という、疑心を孕んだ驚愕だったのか。
「もし、俺の想像通りだとしたら、言峰さんと話が合いそうな奴……いるかもね」
「精々、期待するとしよう」
名探偵は正義の味方に、少年は観葉植物に、医者は道具として扱う二人。
新たな愛玩対象を探す為、彼らは恥じることなく、臆すことなく、日の光の下を歩き始めた。
【F-3:市街地:一日目・朝】
【金田一一@金田一少年の事件簿】
[属性]:正義(Hor)
[状態]:健康
[装備]:なし
[持物]:デイパック、基本支給品、レイジングハート(スタンバイモード) 、風紀委員の自転車@めだかボックス
[方針/目的]
基本方針:……。
0:……。
[備考] ※美雪をIsi、剣持をHorかIsi、高遠をSetと推測し、それを前提に行動しています。
またその推測が外れている可能性も視野に入れています。
※レイジングハートがベルカ式カートリッジシステムになっているかはまだわかりません。後の書き手様にお任せします。
天馬、言峰、折原といくらかの情報交換をしました。
【天馬賢三@MONSTER】
[属性]:正義(Hor)
[状態]:健康
[装備]:コルトガバメントM1911A1(7/7)、予備弾倉4つ
[道具]:基本支給品、不明支給品1〜2、月の腕時計@DEATH NOTE、医薬品多数
[思考・状況]
基本行動方針:ヨハンの抹殺。負傷している者がいれば治療する?
1:とりあえず、金田一を追って見守る。
2:ニナを探す。
3:放送の声、聞き覚えが……?
[備考]
金田一、折原、言峰といくらかの情報交換をしました。
折原臨也と、第一放送後に合流する場所を密かに決めています(H-04の舗装道)。
【竜ヶ峰帝人@デュラララ!!】
[属性]:その他(Isi)
[状態]:健康(高揚感?)
[装備]:なし
[持物]:デイパック、基本支給品、支給品1〜3(本人確認済み)
[方針/目的]
基本方針:死にたくないけど……
1:他の人達と協力していく。
2:言峰さんが信用できない。
3:ヨハンに興味?
[備考] 少なくとも原作6巻以降のいずれかより参戦
金田一、天馬、言峰といくらかの情報交換をしました。
【G-3:市街地:一日目・朝】
【折原臨也@デュラララ!】
[属性]:悪(Set)
[状態]:健康
[装備]:メス(コートの隠しポケットに入っている)
[道具]:基本支給品、セルティの首、属性探査機、属性電池(Isi)属性電池(Set)
[思考・状況]
基本行動方針:実験を完遂させつつ、その中で活躍してヴァルキリーに認められ、天国へ行く。
1:Horらしき参加者を見つけ、五代達との合流を促して擬似Horによる大集団を作る。
2:Isiらしき参加者を見つけたら、人間観察がてら人間不信に追い込む。
3:Setらしき参加者に遭遇した場合、様子を見て情報収集・擬似Set集団形成促進の為に接触する。
4:属性電池を探索する。
5:ここで活躍できなかった場合の保険の為に、本ちゃんの戦争に必要な竜ヶ峰帝人はなるべく保護したい。
6:言峰綺礼とはなるべく協力関係を築いていきたい。
7:テレビ局に向かい、Setの参加者の下見をする。
[備考]
登場時期は原作2巻終了後。
吉良吉影と、第一放送後に合流する場所を密かに決めています(H-04の舗装道)。
金田一、天馬、言峰といくらかの情報交換をしました。
言峰綺礼より、更にいくつかの情報を得ました。
【言峰綺礼@Fate/stay night】
[属性]:悪(Set)
[状態]:健康
[装備]:なし
[持物]:デイパック、基本支給品、支給品0〜2
[方針/目的]
基本方針:?????
1:他の者と今後の行動方針について話し合う。
2:テレビ局に向かい、Setの参加者の下見をする。
3:折原臨也とは、なるべく協力関係を築いていきたい。
4:天馬たちと合流後、竜ヶ峰帝人を観察する
[備考] 出展時期は他の人にお任せ。
金田一、天馬、折原といくらかの情報交換をしました。
原作二巻当時における竜ヶ峰帝人の情報を得ました。多少臨也の主観混じり(?) 以上で投下終了です。
指摘などありましたらお願いします 久々の投下乙でした!いやあ、長かった・・・。
はじめちゃん大ピンチ。そしてここぞとばかりに傷を抉りにくる臨也と言峰ェ・・・
ていとくんはともかく、テンマ先生ならフォローできるか・・・?
これからちょくちょく予約されるといいなあ・・・。 はじめちゃん……名探偵故に事件の解決を先に目指したってのは皮肉だなぁ
この言葉ははじめちゃんに深く突き刺さっただろうな
しれっと激励とか言ってるんじゃねえよw 外道二人組がww
天馬もヨウマの声に気づいたのか?
改めて投下乙でした!!
投下乙!
やっぱりはじめちゃんにとって美雪の死は大打撃だよなぁ
Dr天馬は金田一の様子とヨウマの声にいっぱいいっぱいだろうけど自分も「テンマ」だから気をつけないとな
>「「君は――――――セイギノミカタに、なるといい」」
ここんとこが読んでてライスピ本編本郷さんの「仮面ライダーとして 生きればいい」と重なって感じた
名探偵もライダーも正義ってのは因果なものだねぇ 投下乙です
はじめちゃん、こうなったか・・
確かに憎しみ感じるより、放心するタイプだろうな
そして傷口に塩塗り込む二人組w 創発は半年くらい書き込みなくてもdat落ちしないから
保守の必要は無いと思う ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています