まず第一話。
情景描写がほとんど存在しないために読んでいてもまったくと言っていいほど
ビジュアルが浮かばない。
主人公は、矢海はどういう格好でどういう髪型でどういう場所に立っているのか。
死神形態のダフスはどういう迫力を持っていて、女性体のダフスはどう可愛いのか。
それがまるで分からないから感情移入のしようがない。
可愛いを「可愛い」とだけ表現するのは文章ではなくただのキャラ設定だと理解しよう。

それから主人公の一人称について。
これが丁寧語である意味はちゃんと考えてあるのだろうか。
作中の他人に対する態度は不良のそれであって、モノローグが丁寧語というのは
何らかのギャップ効果を狙っているのか、読み進めていけばあっと驚くギミックが
待っているのか。

第二話。
このパートは光の一人称であることを明示しないと読者は混乱するだけ。
それ以前にまず一ページ二行目。

>光が気を取り戻した時には竜真はうつ伏せに倒れていた。

光の一人称としておかしい。
これ以降も二話は人称・視点の混乱が激しい。
まずは提示すべき情報としてはいけない情報、表現をしっかりと切り分けるところから。

またダフスの第一声、「よろしいか」も後の口調からすれば違和感が強い。
「よろしいでしょうか」とすべき。

二ページ目。
唐突にダフス視点でのモノローグになっている点は上記同様、混乱を招くだけの失敗。
また設定説明の羅列に工夫がなく非常に退屈。
読者目線のキャラである光をまったく活かせていない。
オーソドックスにいくなら質疑応答形式で丁寧に状況を説明すべき場面。
ここを読み飛ばされると、おそらく読者は後の展開についてきてくれない。

三ページ目以降。
光が唐突に語りだしているが、そもそもキャラクタを一切描いていない段階で
いきなり主義主張を絶叫されたところで誰の共感も得られない。
ここまで緩やかな展開、死神を交えた日常を描いておいて急に落とすであるとか、
何らかの形で光という人間の下地をしっかりと固めておかないと空回りするだけ。

またこの場面、竜真が特に意味もなく二人の足元に倒れっぱなしのはず。
シュールギャグとしての効果を狙うのでなければ、シチュエーションとして不適当。


最後に、人に批評を頼むならせめて誤字脱字くらいはしっかり直そう。
校正もしていない文章を人に読ませているのかと思われてしまうので。