【題】けだるい風

私が自転車をこいでいると「あつい、あつい」とけだるい風がふいてきた。
「私も暑い」といいかえすと「ハァ…」とため息をついてどこかへ行ってしまった。
坂道を自転車でかけ上がろうとすると「がんばれ、がんばれ」と、けだるい風が言ってくる。
応援してくるのはありがたいが、向かい風はありがたくない。
そう思っていると、後ろから背中を押してくれた。
けだるさと、少しだけの熱と、不自然な冷たさを持つけだるい風。
この夏一番の、けだるさです。