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【評価】創作物の批評依頼所【批判】

0001創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/25(月) 22:11:59ID:waiZ1CaZ
自分の作品を批評してもらいたい人のためのスレです
SS、絵、音楽などジャンルは問いません
ただし、外部作品を晒すときは、作品のあるスレやサイトなどにこのスレで批評依頼した旨を何らかの形で記載してください

添削や赤入れなどは、板内に専用スレがあればそちらで
なければ、ここで依頼しても構いません
0155アヤメちゃん
垢版 |
2012/08/31(金) 22:58:29.17ID:2jnp4Rcm
2050年。
全ての物事は予測可能になっていた。
街の裏路地にある空き缶ですら、世界中にばら撒かれた物体観測素子によって、
その位置、輪郭、色素、質量、もろもろを情報化しヴァーチャルマップにリアルタイムで記録された。
どこにどういう物があって、それらの関係が変化したときの予測がつく世界。
空気中にも散布された観測素子は気象の予測も可能にした。
人は生まれた時点で心拍数や脳波を記録する素子を注射されシステムに連結された。
これにより人は体調不良や病気を本人の自覚症状以前の段階で発見するようになって、寿命の飛躍的な長化を遂げた。
すべてが情報化され最適なリスク回避のプログラムが即座に組まれて、人類は極めて合理的に運営されるようになった。
こう聞くと、あなたは薄ら寒い管理社会を想像するだろうか?
そうはならなかった。
人々が合理的に振舞う為に必要なのは何も網羅的な情報ではない。
この時代の人々が携帯端末からいつも呼び出しているアプリケーションは「占い」だった。
「あなたは〜をするのが最適です。」
このような形でほんの5分後の自分の行動を最適化できるとあっては、これを見ないわけにはいかない。
完成してまだ数年しか経っていないが、ほとんど世界中の人々がこのシステムに少なからず寄りかかって生活するようになっていた。
その中でも、囃卓(はやしすぐる)は中毒的と言ってもいいほどに、この占いを駆使していた。
囃卓はこのシステムの開発者の弟で、兄は作成して程なくこの世を去っていた。自殺だった。
明るい兄だったのでショックだったが、囃卓はそのことを深刻に考えるのを諦めて、自分は自分として生きようと決めたのだった。
囃卓は1人でこのシステムを開発していた兄の傍で雑用のようなことを手伝っていただけで、
システムの複雑なところはさほど理解していなかったが、それでも最も傍に居たものとして、
管理を引き継ぐとともに、最もその恩恵を受ける存在となった。
なぜか?
自分の都合の良いように、占いで流す情報を操作できたからだ。
まあ、ありそうな話だ。ゲーム理論的に閉じた系ならばそれをコントロールできる玉座に座った時、どうなるか?
ほとんどの場合、玉座に座った者は自分の行った行為の結果に後ろから追いつかれ、あえなく玉座を追われることとなる。
そういうのがオチだ。
しかし機械の演算によって補助された占いは、囃卓に快適な人生を提供していた。
占いの結果は情報空間を何度も迂回し、囃卓の作為が囃卓に追いついて追い詰める、ということは起こらなかったし、
半無限に遅延可能なのだから、今後も起こらないだろうと思われた。
0156アヤメちゃん
垢版 |
2012/08/31(金) 22:59:00.69ID:2jnp4Rcm
囃卓の日課は朝の散歩だ、もっとも神聖な時間、一日の始まり。
占いを鬱陶しいと感じることもある。
でも今はただ歩くだけだ。気の向いた方へとただ歩くだけ。
長い人生の気楽なひととき。
囃卓はこの時間を愛していた。
しかし、その幸せは占いのアラートによって破られる。
「子供が遊んでいたスケートボードがそのまま坂をスベって来ます。避けて下さい」
囃卓は、ああ、まあ、こういうこともあるか。と思い。
アプリケーションに、「どうしたらスケートボードをそのまま拾い上げることができる?」
避けて他の人に当たったら危ないし。と新たなオーダーを出した。即座に占いアプリが答える。
「右の角から軽自動車が出てきますので、その角の前に出てください。
 22秒後にスケートボードが左前の家の塀にぶつかり、40秒後にあなたの足元に来ます。」
囃卓はそれに対応するつもりで動いた。角の前で待つ。
・・・
しかし。
・・・
1分経ってもスケートボードは姿を現さなかった。
おかしい。
こんなことはありえない。
占いの精度は囃卓の周囲で最大になるはずなのだ。
というか、それ以外の可能性があるとしたら、
観測不可能域から、たとえば宇宙から隕石が飛来し直撃してスケートボードを止めている、ぐらいじゃないと説明がつかない。
が、そんなもの落ちてきてない。
囃卓は不思議すぎる成り行きの結果を確かめようと、角を曲がった。
そこにはゴスロリファッションの少女が、くるぶしを抱えてうずくまっていた。
どうやら彼女にスケートボードが直撃したらしい。痛そうだ。
「ううう・・・!あたし、なんでこんなに不幸なのかしら・・・!」
痛みではない部分でも立ち上がれないらしい。
「昨日書いたポエム通りになるし・・・!」
ゴスロリ少女はものすごく気になることを言った。

囃卓はふらふらと家に帰ると、なんだか不安なのでドアの鍵を閉めて、考え始めた。
物理的に観測がほぼ100%可能な世界で占いが外れて、
尚且つゴスロリ少女のポエムが一歩先を行くというのか?
それは問いではなかった。認めるしかない事実だ。
超常的な何かは一旦置いといて、占いがポエムに遅れをとる理由を考えると、
アプリを見ていた1手ぶん遅れた。ということなのか?
なんだかおかしなことになってきたな・・・。
なんかもうアプリ見るの辞めたくなってきたな・・・。
囃卓は占いにハマる前の囃卓に戻りつつあった。
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