★大宇宙大漁船(おおぞらたいりょうぶね)
時は未来。スペースコロニーの量産により、人類が太陽系全域に生活圏を
広げた時代。突如外宇宙より数万単位の宇宙怪獣の群れが襲来する。人類は
宇宙船艦数千隻を動員した総力戦をもって迎え撃ったが、数が多すぎる上
繁殖力も高く倒しても倒してもキリが無かった。連邦政府は科学の粋を結集
して宇宙怪獣たちの生態や目的等を調査する。結果、彼らは知的生命体では
なく侵略の意思は無い事、海流に乗って移動する魚の群れのように大宇宙を
群れを成して移動し、偶然たどり着いた太陽系の環境が気に入って居座った
だけらしい事、彼らは大別して100種類ほどに分類され、身や卵が大変
美味なもの、骨格が大きく丈夫で建築資材に使えるもの、脂が高純度の燃料
になるもの、特定の臓器に薬効成分の有るもの等、人類の役に立つ種が多い
事などが判ってくる。それからおよそ一世紀。宇宙怪獣と戦うのは宇宙船艦
ではなく、民間の総合商社に所属する宇宙漁船の仕事になっていた。
この物語は過激な宇宙怪獣保護団体「スペースシェパード」の妨害を掻い潜り、
いかにライバル会社より漁獲量を上げるかを競う宇宙漁師たちの戦いの記録である。