生活保護を申請した日以降に、誰かからお金を借りたりもらったりすれば、
それは収入とみなされ、収入分は基本的に(就労収入の一部控除などを除き)減額されます。

しかし、申請日前の援助や借金によって生活保護が受けられなくなったり、
生活保護費が減額されたりすることはありません。

◆親族による過去の支援を理由に生活保護が受けられないとか、過去に支援した分が減額されるといったことはない
収入が一定以上ある家族と、これまで同居していた無年金無資産(あるいは低額年金など)の高齢者の方の場合、
民間の老人ホームなどに入所すれば単独申請が可能です。

ところが、これまで家族が面倒を見てきたのだから数カ月は申請できないと言われたという相談もよく受けます。
そのようなことはありませんから、施設入所した当日に単身で生活保護申請することは可能です。
仕送りや食糧支援など、何らかの経済援助をしてきた親族がいても、
生活保護申請日時点で別居しており、かつ申請日以降に理由にかかわらず今後の経済援助ができない
(実際にない)ということであれば、過去の支援を理由に生活保護が受けられないとか、
過去に支援した分が減額されるといったことはありません。

また、経済援助ができないなら、その証明となる資料を出してほしいなどと求められることがありますが、
これも任意の協力要請で強制でもなければ、罰則なども当然ありません。

別居かつ今後経済援助が(理由にかかわらず)できない親族の資産や負債状況といった個人情報を、
開示しなければいけないということはありません。

別居の親族が、こうした求めに協力をしないことを理由に、
保護費が減らされたり、保護を受けられなくなることはありません。

三木 ひとみ

行政書士法人ひとみ綜合法務事務所

特定行政書士