稼動中の原発で、機械に付いている大きなネジが一本緩んだことがありました。
動いている原発は放射能の量が物凄いですから、その一本のネジを締めるのに働く人三十人を用意しました。
一列に並んで、ヨーイドンで七メートルくらい先にあるネジまで走って行きます。
行って、一、二、三と数えるくらいで、もうアラームメーターがビーッと鳴る。
中には走って行って、ネジを締めるスパナはどこにあるんだ?といったら、もう終わりの人もいる。
ネジをたった一山、二山、三山締めるだけで百六十人分、金額で四百万円くらいかかりました。

 なぜ、原発を止めて修理しないのかと疑問に思われるかもしれませんが、
原発を一日止めると、何億円もの損になりますから、電力会社は出来るだけ止めないのです。
放射能というのは非常に危険なものですが、企業というものは、人の命よりもお金なのです。