「はい、これ こっちが私、こっちがシャンからのチョコレート 昨日二人で作ったのよ ラッピングはシャンが一生懸命してたわ とうしゃんにはこっちの柄がいいかしらって、選んでたのよ」
「これ、本命チョコ?」
「当たり前じゃない 本を見ながら作ったから味はどうかわからないわよ
それから、チョコレートは長靴さんだけじゃなくて、みんなにあげたのよ つまり義理チョコ」
ドバイまで行った俺は何だったんだ…
「ありがとう、今日は遅いから明日食べるよ おやすみ」
俺は二つの箱を自分の部屋に持っていった
でも、ちょっと開けてみるか
むすめの箱の包みをそっと開けてみる 箱の上にカードがあった そこには
「とうしゃんへ しゃんがつくりました たべてね」
と、覚えたばかりの文字で書いてあった
文字の大きさはまちまちだけど、一生懸命書いた様子が伺える
ひとつ食べてみる チョコレートは甘くて、少しだけしょっぱい味がした
おいしかったよ、ありがとう
つまのチョコはちょっと怖い気もするが、明日食べよう

リーリー@バレンタインデーのお話