小さな雪山が出揃ったところで、私と小雅は再びバトンタッチした。
「ふわふわの氷が潰れないように、こうして少し高いところからね」
細く細く、カルピスを回しかけていく。うっとりと眺める小雅とシャン子ちゃん対して、コトちゃんは香りに反応した。
「おばちゃん、これ、とってもいい匂いがするね」
「マンゴーの香りだよ」
「やっぱり!ばあばのお家で食べた事あるよ。コト、マンゴー大好き」
さすが、マレーバクのお子さん。日本で産まれ育っても、きっと南国の果物に血が騒ぐのだろう。
「さあどうぞ、召し上がれ」
「頂きまーす!」
「あっシャン子ちゃん!そんなにお口いっぱいに入れちゃうと」
「んんんんーっ!頭がキーンってするでしゅー!」
「そう言おうとしたのに、シャン子ちゃんったら」
「でも美味しいでしゅ!シャンもマンゴー好きになったでしゅ」
「コトもかき氷、好きになったよ」
「シャンもお家で、かき氷作ってみたいでしゅねえ」
「シャン子ちゃんちの大きな氷は、パンダちゃんに入らないんじゃないかな」
「パパくらい大きなパンダちゃんがあれば作れましゅよ!」
「シャン子ちゃん頭いい!」
「ガリガリするのは、お兄さん達にお願いしよう!」
「お兄しゃん達なら、雪だるま作れるくらいガリガリできましゅよね!」

キャハハハハ!と弾む笑い声に、私もつられて笑ってしまう。かき氷に喜ぶ姿と、子供達らしい発想が微笑ましくて。
そして…ついつい、頭のてっぺんにハンドルを着けたリーさんと、それを交代で回すお兄さん達を想像してしまって。