小雅はシャン子と一緒にイオンに来ていた。
月曜日の買物で歩き回って母を疲れさせないように下見だった。
イオンは広く お店も数え切れないほどあった。ましてや幼い2人には途方もなく広くて魔法の国のように思えた。

「小雅ちゃん!ここのお店キラキラしてかわいいでしゅねー」
「ほんとかわいいねシャン子ちゃん、ちょっと見てもいい?」
「ハイでしゅ!見ましゅよ!
2人は色とりどりのキラキラのバッグが並べられた店内でキャッキャッ楽しそうにバッグを眺めていた

どれも可愛いくてなかなか選べない小雅は、諦めて店を出ようとしたら、店の入り口付近にディスプレイされていたバッグに目が止まった

「シャン子ちゃん?このバッグどうかな?
「とてもかわいいでしゅよ小雅ちゃんに似合いましゅ♪」

ほんとに?小雅はシャン子にかわいいって言われ嬉しくてバッグを決めた

大将のおじちゃんからお給料2万円もらったし、バッグを買ってお釣りで母ちゃんとサイゼリアでハンバーグ食べよー♪
小雅はニコニコしながらバッグを手に取って鏡に映したりしてシャン子とはしゃいでいたら、バッグに付いていた値札が見えた。35,800円 小雅は固まった。せっかくシャン子ちゃんが可愛いって言ってくれたバッグなのに。今にも涙が溢れそうだった

ツカツカツカツカ
店員の綺麗なお姉さんが笑顔で話かけてきた

「いらっしゃいませ可愛いお客様♪
「こちらのバッグとてもお似合いですよ♪
お姉さんは続けた
「こちらのバッグは税込み価格35,800円ですが、月曜日からスプリングセールで半額の17,900円になります。ウフフ内緒ですよ」
お姉さんは口元に指を立てシーってしながらウインクした