ありがとうございましたー!

ランチタイムの最後のお客さんが帰ったのは午後2時少し前だった
私は急いで膳を片付け 昼休憩のまかないも食べずにスーパーへ自転車を走らせた
今朝、新聞販売所のチラシ挟みの時に見たスーパーの福引きの景品に子供用自転車があるのをチェックしていたからだ
「神様お願いします!自転車がまだ誰にも当たってませんように!」
キキーッ
高いブレーキ音を鳴らして自転車を止めると福引き会場へ向かった

あった!まだ子供用自転車は残っていた

日曜日ということもあり長蛇の列だったがハズレが多いのか10分ほどで私の番になった。
ドキドキドキドキドキドキ心臓の音が皆んなに聞こえそうな気がした
店員さんが笑顔で話しかけてきた
「お買い物レシートをお願いします」
「え!?レシート?」
「はい。お買い物レシート1,000円につき1回 回せます。」
小雅に自転車を当ててあげる事ばかり考えてた私は福引きの参加条件を見落としていたのだった。

顔が真っ赤になるのが自分でもわかった。
「す、すみません。買物するの忘れてました。また後から来ます。」
私は店員さんに頭を下げてその場を離れた

1,000円以上か。2日分のお買い物しなきゃだめだわ。私はいつも財布には1日500円しか入れてなかった。余計な物を買わないようにと私なりに考えた方法だった

「あと500円。」悩む理由は無かった

私はアパートに戻ってピンクのパンダさんから出した500円玉を財布に入れ再度スーパーへ向かった