ワタナベ式の教材購入してやったけど、習得は非常に困難。

ワタナベ式に限らず記憶術全般に言えることだけども
覚えようとする事柄(単語、概念)に非常に鮮明なイメージ
(形、色、質感、雰囲気まで細部にいたる写真や動画並み)を描き、
それらイメージを身体の各場所に配置したり、イメージとイメージを
連鎖させたりする。
(たとえばイメージAがイメージBに刺されて激しく出血。イメージBは
イメージBがイメージCに、ガソリンをかけられて炎上…)

ワタナベ式以外の記憶術、フランセス・イエイツの『記憶術』
(古代ローマや西洋中世の記憶術について書いてある)なんて
読んでみても、基本的に同じ。

問題は普通、第一にそんな写真級のイメージは描けないこと。
第二に覚えようとする事柄(概念や単語)を呼び起こすのに
都合のいいイメージを作りにくいこと。(イメージだけ思い出せて
それが何の概念や単語と結びついてるか分からなくなる。忘却と同じ)

中にはできるようになる人がいるみたいだけども(メアリー・カラザース
の『記憶術と書物』にソビエトの心理学者ルリアが調査した記憶術師の
例が載ってます。)、この人はもともと直感像の持ち主だったみたいで、
その能力のおかげで記憶術が習得できたみたいです。さらにこの能力を
伸ばすために猛烈に訓練をして、聞いたことのない単語でもそれを
イメージに変換できるようしたそうです。

だから自分に能力が不足してるから記憶術で挽回してようと
思ってるんだったらマズ記憶術は無理。
ワタナベ式や類似品のいんちきにだまされないように。