○「特許博士」を摘発
 肩書きの欲しい人に本物の博士号と紛らわしい登録商標出願中の「特許博士」を
授与し、手数料として1件100〜200万円を受け取っていた東京都の株式会社「特
許大学」が25日、軽犯罪法違反(官名詐称)の疑いで警視庁防犯特捜隊の家宅捜索
を受けた。(中略)直接の容疑となったのは、神奈川県内の男性が「特許農学博士」
の申請をした際、社長が正規の資格がないのに「工学博士、政経学博士」と記載した
名刺や領収書を交付して、学校教育法に基づく学位を詐称した軽犯罪法違反だが、
社長は普段から「学長」と名乗り、「特許博士」を受けた人の中には正規の博士号
と信じて、医院の看板に「医学博士」と掲載した医師や博士号受領祝賀会を開いた
町工場経営者もおり、警察では詐欺の可能性もあるとみて調べを進めている。これ
までに「特許博士」を買った人は約1000人で、手数料総額は10数億円に達すると
いう。(1980/11/26)