アウディ、経費削減のため次世代技術の開発施設も計画を中止に
             2016年10月21日 18時00分(Autoblog Japan)
http://jp.autoblog.com/2016/10/21/audi-will-spend-less-on-future-technology/

 アウディの経費削減策は、本来守られるべき対象にさえ、結果的に打撃を与える
可能性があるようだ。親会社のディーゼル排出ガス不正問題を受けてアウディが行
うコスト削減策の概略を、ロイター通信が報じている。

 アウディは電気自動車(EV)や自動運転技術、コネクテッドカー技術などに重点的
に取り組み、その一方で自動運転車のためのテストコースと、新たなコンセプトカー
やバッテリーを製造する施設の建設プランを中止する予定だという。つまり、アウデ
ィが現在、注力している分野だ。

 しかし、こうしたニュースは驚くに値しない。あまり利益を上げることができず、恐ら
く期待していたほどの注目も集められなかった、少量生産のEVモデル「R8 e-tron」
が生産終了となることについてはすでにお伝えした。

 今後は、現在開発中である同ブランド初の万人向けEV、e-tronのクロスオーバー
が2018年に登場する予定だ。間違いなく安全度の高いプロジェクトといえるが、自動
運転機能を搭載するまでにはこれまでの想定より恐らく長い期間を要するだろう。

 今回の投資における方針変更から読み取れることもある。アウディが本社を置くイ
ンゴルシュタットに建設を予定していたため「IN-Campus(イン・キャンパス)」と呼ばれ
ていた自動運転技術用のテストコースは、実際の研究施設というよりもお飾り的な意
味合いが強かったのかもしれない。あるいは、既存の施設やどこか別の場所に新設
するコースでテストを行っても、同じ結果を得られるとアウディは考えたのだろう。だが、
新型クロスオーバーEVがベルギーで生産されることになった上、さらにこの計画が
保留となれば、ドイツの雇用が減少することになるため、同社の労使協議会は動揺を
隠せないようだ。