今まで見てきて一番有意義なやり取りが成立した気がするがトピックからするとどちらの立場からもさほど結論は変わらないようだな。
剣道の価値観は実戦そのものではない。剣でのやり取りの一部分をフォーカスして、現代ではその精神を人間としての生き方に沿え高めていこうとする文化。
当たり判定が不自然だ、という批判はそのような剣道の性質を理解していないからそう見えるだけ。攻撃偏重の価値観が肌に合わないなら余所へ行けば良いし誰も止めない。
そのように剣道が文化として、また競技として実戦の要素を切り落としながらもなお剣の道であろうと足掻く矛盾からこそ競技としての歪みも生まれる。
そのような足掻きをどう評価するかは人それぞれなのだろう。

剣道なんて150年の歴史も持たない競技、その内容や取り巻く環境も戦前戦後、現代とどんどん変わっている。
また数年程経ったら剣道を巡る議論や環境も全く違うものになっているのかも知れないな。
柔道のように国際主義の中で合理化・定式化の波に揉まれて剣道としての本来の姿を著しく見失ったものにはなっていないでくれと、現代の剣道家としては願うばかりか。
何が「正しい剣道」なのかは誰かが決めて押し付けるものではなく理想的には個々が考えるべきことだから、剣道日本のようなジャーナルで様々な剣道を紹介し、比較議論するような試みがもっとあっても面白くなるかもしれんね。