新型コロナウイルスの感染が急拡大する中で、「学習塾」のクラスターが目立っている。
学校は夏休みだが、塾には行くという子どもが多い。

今のところ12歳未満の子どもはワクチンの対象外。それだけに保護者には不安が募る。

NHKの7日の報道によると、千葉県船橋市にある学習塾、「湘南ゼミナール小中部西船橋教室」では
同日までに小学4年生から中学3年生までの児童生徒43人と職員3人の46人の感染が確認された。

塾ではマスク着用などの感染対策がとられていた。
しかし、せきの症状のあった講師が感染発覚までの数日間にすべてのクラスを教えていたという。

同県八千代市にある学習塾「早稲田アカデミー勝田台校」でも10代の児童生徒19人と職員1人のあわせて20人の感染が確認された。

静岡県浜松市でもクラスターが発生した。中日新聞は4日、市内の学習塾で3日までに講師や生徒19人、
家族1人の計20人の感染を確認したと報じている。

「あなたの静岡新聞」によると、この塾では、生徒は座席を1席ずつ空けて座り、授業中の講師や生徒のマスク着用は徹底していたという。
ただ、休み時間などに窓を開ける換気は行われない時があり、徹底されていなかった可能性がある、という同市の見方を伝えている。

学習塾関連のクラスターは、7月末から8月にかけて埼玉県や神奈川県でも報告され、デルタ株による感染拡大で急増している。

全国学習塾協会は6日、以下のような「感染症対策徹底のお願い」を学習塾事業者に通知し、注意を呼び掛けている。

「感染力の強いデルタ株への置き換わりが進む中、これまでクラスターがなかった百貨店・理美容・学習塾や、
職場や家庭・学校など身近でも発生していて、これまで以上に、人と人との距離をとる、換気、同じ場所に同じメンバーで長時間いないことなど、
感染防止策の徹底が必要です」

「引き続き、学習塾事業者のみなさまにおかれましては、感染症対策ガイドライン、チェックリストまた、
感染の疑い・感染判明時の対応方法をご参照いただき、感染症対策の徹底継続をお願い申し上げます」


デルタ株関連では、米フォーブスが8月5日、「米南部でコロナ感染の子どもの入院が急増」と米国状況を報じ、
沖縄タイムスも7日、「小児でも重症化 沖縄で0〜15歳の入院患者が急増」と新たな動きを伝えている。

コロナ対策の再有力な手段はワクチンだが、厚生労働省のウェブサイトによると、接種の対象は、満12歳以上。
「12歳に満たない方は、新型コロナワクチンの接種の対象にはなりません」。

ファイザー社の新型コロナワクチンは当初、16歳以上が接種対象だったが,
海外の臨床試験結果を踏まえ,6月1日から、年齢が12歳以上に引き下げられた。

しかし、「12〜15 歳」も条件付き。厚労省の「12〜15 歳のお子様の保護者の方へ」という説明書には、
「接種させる場合には、予診票の署名欄に、保護者の氏名を署名してください」「予診票に保護者の署名がなければ予防接種は受けられません」となっている。

ワクチン接種の対象年齢は、現時点の科学的知見に基づいて決められている。12歳未満の子どもが接種できるワクチンはいつできるのか。
厚労省のサイトによると、ファイザー社やモデルナ社の新型コロナワクチンは現在、海外で、生後6か月〜11歳を対象とした臨床試験が実施されており、
今後、接種の対象年齢が広がる可能性はあるという。今のところ、その時期はまだはっきりしないようだ。
https://www.j-cast.com/trend/2021/08/11418012.html?p=all