2017年7月5日

「佐鳴」が秀英予備校提訴 「虚偽発言で信用失墜」

 就職説明会で虚偽の話を広められ予備校の社会的評価を下げられたとして、浜松市を中心に佐鳴予備校を展開する「さなる」(東京)が、静岡市に本社を置く秀英予備校と同社取締役の男性に、約二千万円の損害賠償を求めて静岡地裁に提訴したことが分かった。
両予備校はどちらも小中高生を対象とした県内の二大学習塾として知られる。第一回弁論は二十八日。

 訴状によると、秀英予備校の取締役の男性は四月十六日、同社が福岡市で開いた就職説明会で、不特定多数の求職者に「さなる」を名指しして
「授業をやらないで頑張れって話ばかりする」「元社員から聞いた話で、経理担当者がいないので生徒の入金をごまかして盗んでいる」などと虚偽の話をして、同社の名誉や信用を故意におとしめたとされる。
三月に福岡市であった合同企業説明会でも、同様の発言があったとされる。

 さなるの代理人弁護士は「内容証明を送付したが回答はゼロに等しかった。この件に関して、さなるには就職希望者からの問い合わせがあり、生徒への影響も懸念される」と提訴した理由を説明。
「録音があるので事実関係の争いは難しいだろう」と話した。

 損害賠償のほかに秀英予備校に対して、中日新聞を含む四紙への謝罪広告の掲載も求めている。

 秀英予備校の担当者は「訴状を確認中で、回答は控える」とした。