中国は日本の年収の3倍でも軽く出せる
 中国企業が日本人アニメーターを採用できるのは、
市場の拡大を背景に待遇が良いからに他ならない。
 調査会社帝国データバンクでアニメ業界の動向を調べる飯島大介氏は「市場が拡大する中国にとって、日本のアニメーターは喉から手が出るほどほしい。日本の年収の3倍でも軽く出せるので、今後も中国勢からの人材引き抜きは激しくなるだろう」とみる。
 カラード社の江口文治郎最高経営責任者(CEO)は「優秀な人材を囲い込むためにも、アニメーターの待遇や環境を整えることが最優先だ」と語る。
その背景には、日本人アニメーターの給与が安すぎるという現実がある。
アニメ産業は「日本のお家芸」と言われるが、その労働実態は長時間・低賃金がはびこる。
 アニメーターの平均年収は440万円で、1カ月の休日は5.4日。新人は年収が約110万円という調査もある。現在の収入に満足するアニメーターは3割弱で、8割が老後の心配や精神的疲労を訴えた。