塾の一講師だけども、映像授業なるものがごく一部にしか普及していなかった10年前と比べて、
我々の実感としての受験生の学力は残念ながら上がってない。
センター試験の得点力に限ってみれば、10年前との難易度差を考慮すれば少し上がったことにはなるのだろうが、
それはセンター試験難化や私立大のセンター参入により、受験生が時間と労力をセンター対策につぎ込むようになった結果。
俺は10年前の受験生だが、センター対策なんて10日くらいしかやらなかったからな。

映像授業が充実して多くの受験生が恩恵を得ているのにどうして?という問い以前に、
なぜ10年前と比べて(ある程度金さえ出せば)便利な場所のきれいな自習室だトップ講師の映像授業だ、
こんな至れり尽くせりの環境(10年前の田舎者の我々などからすればまるで夢のような)が整っているのに、それがそのまんま受験学力の向上につながってきていない。

今の子は「とにかく自分でやるかやらないか」の部分ですごく受け身なんだよね。
よく分かる授業をしてくれないとやる気が落ちるなんてのもそこが弱いから。
昔の受験生は教師がどうだろうがとにかく自分がやるしかない、やってなんぼ、って感覚は皆共有してた。

よく分かる授業ってのは大事なんだけども、それはいわゆるインプットのそれも第一段階に過ぎない。
インプットの段階ですらその続きがまだあって、その後アウトプットを存分にやって初めて自分の血肉になる。
今の受験生はそこを何か勘違いしてる奴が多いと思うんだ。 ドラゴ