お盆に、東工大生の俺は親父と長野の親戚の家にいった。
伯父(大卒公務員)も来ていた。

伯父「○○君ももう社会人か!小さい頃よくだっこしてやったんだぞ!がっはっはー」
俺 「覚えていますよ」
伯父「で、4月からはどこに行くんだ?」
俺 「代ゼミ、あっ、代々木ゼミナールです」
伯父「そうか、予備校か!頑張ってる若者を後押しするいい仕事だな!何より就職できてよかったな!」
「お前と同じ年の息子の××覚えているだろ!あいつは信大から地銀だよ!」
親父「無言・・・(瞳が潤んでいた)」
伯父「おい、行員こっちこい(息子の××を呼ぶ)」
「○○も社会人だ。○○と昔よく遊んだだろ!」

本当は自分は就職できずに医学部再受験に走ったことを既に打ち明けてる××がやってきた。
××「(馴れ馴れしく)○○、久しぶりー、元気!あっ、叔父さん、こんにちは。」
親父「××君も、大きくなったな」
伯父「こいつも4月から行員だよー。○○君はどこだっけ?」

ニヤついている伯父を尻目に、一瞬にして××の顔色が変わった。
××「(しばし、絶句)・・・可哀想だからやめてやれよ親父」
伯父「?」
動揺しまくりの××は伯父を速攻連れだした。

以後、伯父親子は、俺達と話をしなかった。
久しぶりに汚いものを見る目と顔をみた。

帰りの車の中で、親父の目は充血してた。