廃止から20年を過ぎ、訪れる人も少なく。
園に入ると、昔、デパートの屋上に置かれていたような子供用の遊具があちこちに
並んでいた。そこから奥に行くと、広い芝生とかつては日本の鉄道輸送を担ってきた
車両群が並ぶ。どれも塗装がハゲ、あちこちに錆が目立ち朽ち果てた姿を隠し切れ
ない状態だ。

小さな親子連れが、ぽつんとベンチに座り弁当を広げていた。
手持無沙汰にするママに話を聞いた。
「とても静かなところですね・・」
会話はそれ以上続かなかった。子供の生まれる前の知らない時代に活躍していた
車両に興味が沸くはずもないわけである。

かつては軽井沢までの橋渡し、多くの人々がホームに降りて駅弁を買うなど賑わいを
見せた横川駅。その時代も通り過ぎ、人々の記憶からフェードアウトしていくだけの空
間が、ここにある。