災害時に弱いキャッシュレス社会、現金が重要に。セイコーマートの事例より
https://news.yahoo.co.jp/byline/kubotahiroyuki/20180908-00096089/

 我が家の近くにセイコーマートがある。セイコーマートは顧客満足度で
毎年1位を取っているとされる北海道を拠点とするコンビニエンスストアチェーンである。
道内を中心に約1100店を展開。茨城では84店、埼玉では9店が営業している。その茨城のうちのひとつの店舗に6日に昼食を買いに出かけたところ、
レジに手書きの張り紙があった。

 これは交通系のICカードなど電子マネーなどでの決済に加え、公共料金の支払い、
ゆうパックの受付が出来ない状態となっていることを知らせるものであった。

 この日の早朝3時に北海道で震度7の地震が発生していた。セイコーマートは北海道が拠点であり、これは地震とそれによる停電の影響と思われた。

 実際に朝日新聞がこれについて取材していたようで、セイコーマートの関東事業本部は取材に対し、
「本社のホストコンピューターがダウンしたのが原因。お客さまには、しばらく不便をおかけすることになり、申し訳ない」と話したそうである。

 ただし、このセイコーマート、地震とそれによる停電にもかかわらず北海道では奮闘していたことがツイッターなどで紹介されていた。

電子マネーの利用については道内だけでなく関東地方の店舗でもできなかった。

この際にも当然ながらクレジットカードや電子マネーなどは使えない。これらは電気の問題だけでなく、
ネットワークにアクセスできないと使い物にならないためである。
これに対して現金についてはネットワークで確認する必要はないため、このような緊急時においても使うことができる。

日本ではなかなかキャッシュレス化が進まないとされるが、それは日本人が現金好きだからという面もあるかもしれないが、
何かあったときに頼れるのが「現金」ということを、これまでの震災などの経験で学んでいたことも大きいのではなかろうか。

しかし、災害時のリスクを考えれば一定の現金を保有せざるを得ないこと、営業店舗にあっては電気がなくても営業は可能となるような
仕組みを、特に地震などの災害の多い我が国においては必要なのではないかと思った。