戦後、国鉄になってからのちの事だが、構内施設にも建築基準法適用が義務付けられるようになった。
以前は鉄道省は最古の官庁と言っても良いほどの歴史を持つので、様々な基準を省内で作成することで他官庁の介入を受けなかった。
有名なところでは蒸気機関車用のボイラーの技術仕様や基準は鉄道省が監督し、通産省などの干渉を受けなかった。(これは海軍省なども同じ)

戦後の国鉄誕生以降も構内建築物については鉄道省時代を引き継いで独自の基準を設け、建設省の干渉を受けない体制がしばらく継続していた。
しかし、時期が不明なのが歯がゆいことっだが、建築基準法の適用を受けるように国からの行政指導があった。運輸省はもはや守ってくれなかった。

この時点で古レール再利用の用途が大幅に狭まった。建築物の構造材は国の認可を受けねばならないが、レールが認可される訳がない。
駅構内でおなじみの古レールを使う建築物の伝統は、終了となった。遡って違法となる訳ではないが、大規模な改修も出来ない。
今も残存する古レールの跨線橋は、実は貴重な存在なのです。再建は不可能です。