電化がまだ取手までの頃、
北海道に転勤した親父や家族と一緒に赴任する時、
上野駅の地上ホームの今は「四季島」は発着する番線に、
青函連絡船に接続する夜行急行「北斗」が夕方で出発に迫る時刻。

その急行「北斗」の後部改札口寄りには、
何両かの荷物車と郵便車が連結されていて、
ターレーに引かれた荷車が新聞の包みを満載にして、
狭い荷物ホームに連なって、
シャツ姿の人夫さんが秒速で新聞の包みを荷物車に放り込んでいる。

発車時間を気にしている助役さんがしきりに時計を眺めて、
積み込み状況を見守っている。

その頃私達家族はもう「北斗」に乗り込んで、
寝台車の所定の席についている。

発車のベルがなかなか鳴りやまず、
父は新聞の積み込みが長引いていると語る。

ちなみにそうした新聞(全国紙)は北海道まで運ばれて、
翌日日付遅れで配達されると知った。

思えば全盛時代の光景、
ちなみに北海道内の接続は急行「まりも」で根室行。
赴任先に着いたのは翌日の夕方頃。