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キハユニ16が郵便車史上まれな珍車であると言いますのはその
特異なスタイルもさることながら、郵便室、荷物室の仕切りが
なく、1カ所だけの側扉のそばに「郵便荷物」と書かれていた
ことです。明治初期のものは知りませんが、どのような合造車
でも郵便と荷物は分けられていて、郵便乗務員は郵政省、荷物
は荷扱掛、車掌など国鉄が担当しましたから混乗して同じ部屋
を分け合うなんてことも理論的にはありません。しかして車内
をのぞくと構造は区分棚を設けた郵便室で、その使い方を観察
した限りでは和歌山のやつはあるときは京都〜王寺〜和歌山で
郵便輸送、またあるときは紀勢線などで小荷物輸送に使ってお
り、郵便室又は荷物室のどっちかに使うと解釈すればある程度
理解できますが珍しいことに変わりありません。
通学途中に京都駅で「京王下二」に乗り合わせた(と言っても
乗るのはキハ)ことがよくあって、時たまキハユニ16が登場し
ますが、仕切り壁に近い座席で壁に耳を当てて締切郵袋の読み
上げを聞いていました。
また、よく山中渓に阪和貨物の撮影に行くと、きのくに何号だ
ったか、キハ58系の先頭にこのキハユニ16が新聞輸送で連結さ
れ、京王のようなとろい速度でなく、急行運転で疾走していた
光景が思い出されますが、何かキハ58らに「早ぉ走れ」と押さ
れているみたいでかわいそうに見えました。
湘南スタイルというのか正面2枚窓の個性派で、乗務してみた
かった車両のひとつですが、おっしやるように夏の暑さは気動
車は格別で、キユ25以外は暑くて大変だったと想像されます。
なお、一部貫通改造したものや九州で郵便室拡張、郵荷分離改
造を受けたものもあるようですね。