破たん寸前だった「FREETEL」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/346926/092701138/

「7月以降は身売り先を探していた」(別の業界関係者)という。

突然の買収劇に驚かされたが、業界関係者の間では「プラスワン・マーケティングの資金繰りが厳しく
経営破たんは時間の問題」と見る向きが多かったようだ。
同社はヨドバシカメラが大株主となっており、2016年11月に第三者割当増資で42億1500万円の調達に成功。
2017年3月には総務省の官民ファンドなどから30億円を調達した。

国内ではタレントを起用した派手な宣伝を展開し、独自店舗「フリーテルショップ」の大幅な拡大に乗り出すなど、
競合他社も羨む“行け行けどんどん”ぶりだった。
そんな同社の雲行きが怪しくなってきたのは、2017年4月21日に消費者庁の行政処分を受けてからだ。
消費者庁は「業界最速」や「シェアNo.1」といった同社の広告表示が優良誤認や有利誤認に当たる、
として措置命令を出した。「一気に資金繰りが厳しくなった」(業界関係者)とされる。

プラスワン・マーケティングの苦しい台所事情は様々なところに表れていた。
回線の増強が追い付かなくなり、ユーザーから「通信速度が遅い」とのクレームが殺到。
「販売代理店への販促金の支払いも一部で滞っていた」(業界関係者)ような状況だった。

この状況に慌てたのが、監督官庁の総務省である。
プラスワン・マーケティングが経営破たんに陥れば、数十万件のユーザーが被害を受けることになる。
引き受け先がようやく楽天に決まり、胸をなでおろした格好だ。

顧客獲得費用を考えれば妥当な買収額で顧客当たりの買収額は8300円程度になる。
ただ、プラスワン・マーケティングは消費者庁から行政処分を受けたように強引な手法で顧客を獲得してきた面もある。
他社への乗り換えを検討している顧客も少なくないとみられる。

今回の買収劇は「序章にすぎない」
格安スマホ市場はレッドオーシャン化が著しい。総務省によると、MVNOサービスの事業者数は2017年6月末時点で713社に拡大した。

MVNOのほとんどは赤字とみられ、我慢の経営が続く。