高性能化の鍵は「3Dプリント」、GEが新型タービンで記録更新  
  
GEが新型のHAタービンを開発。
金属3Dプリンタを活用して製造した新しいデザインのパーツによって、
従来の62.22%を上回る64%の発電効率を実現した。  
  
  GE(米国・コネチカット州)は、コンバインドサイクル発電時に発電効率64%以上を実現する、「HAガスタービン」をこのほど発表した。
同社が18カ月前に記録した、当時世界最高となる効率62.22%を上回った。
この発電効率の向上は、同社の顧客に対し、数百億ドルの燃料削減効果をもたらすという。
  
 GEのエンジニアは9HAガスタービンの燃焼システムのために、今回、積層造形技術を活用し新たな部品を開発した。
具体的には、発電効率向上のため燃料と空気の最適な予混合比を実現する新たなデザインのパーツを、金属3Dプリンタで製造し、導入している。
この新たな燃焼システムは、既に米国サウスカロライナ州グリーンビルにあるGEの全速全負荷の試験設備で試験稼働に成功しているという。  
 
 こうした取り組みの結果、新型の「9HA.02」は、ガスタービンと蒸気タービンを1台ずつ用いる総出力826MW(メガワット)のコンバインドサイクル発電において、一定条件下では送電端効率64.0%を提供することが可能となった。
2017年までは63.7%を上限としていたが、今後、2018年からはコンバインドサイクル発電で64%超のHAガスタービンの発注が可能となる。なお、GEでは2020年代前半までには発電効率65%を達成するガスタービンを開発する計画だという