大野精工代表 大野雅史からのお知らせ


2017年10月27日 17時02分 JST

少ないロス、車には電気が似合う

10年ほど前、車メーカーの幹部と「次世代の車は何か」について話した。その幹部は「不
確実な点も多いが、将来の動力ははっきりしている。それは電気だ」と言った。

EVはエンジン車に比べ、エネルギー効率が格段に高いからだ。内燃機関車はシリンダーの
中でガソリンなどを爆発させ、ピストンの上下運動を回転運動に変えるので大きなロスが
出る。さらに、それを変速機などの機械を通して車輪に伝えなければならない。一方、電
気はロスが小さく、効率よくモーターを回すことができる。


『温暖化防止のために』より

EVの開発者でもある清水浩・慶應義塾大学名誉教授の著書『温暖化防止のために』によれ
ば、ガソリン車の場合、元の石油のエネルギーに対して、最終的にその8.6%しか車の動力
として使われていないとされている。一方、EVは、化石燃料から電気をつくる効率が53%
(高効率の発電所のレベル)であるとしても、電気でモーターを回転させる効率が80%と
高いので、元のエネルギーの35%が車の動力になるとしている。

8.6%と35%。一つの比較例だが、化石燃料を出発点にしてもEVの効率は4倍も高い。二酸
化炭素発生量は4分の1だ。車輪の回転で走る車には本来、電気が似合っているといえる。

今、世界の石油需要の3分の2は車・運輸部門で使われている。先進国ではもっと割合が高
い。「石油需要=車の燃料」といえ、EVの普及は石油需要を減らす。自然エネルギーによ
る発電が増えれば、石油の抑制はさらに加速される。

http://www.huffingtonpost.jp/shinrinbunka/ev-car-economy_a_23255037/