大型のハリケーン「マシュー」の暴風雨に見舞われたカリブ海のハイチの死者数は7日までに、842人に上った。
7日未明には米南部フロリダ州沖に達し、同州で60万世帯が停電した。
オバマ大統領は6日、南部フロリダ、ジョージア、サウスカロライナの3州に非常事態を宣言した。

 ハイチでは、ハリケーンが通過し、水が引くにつれて見つかる遺体が増えており、衛生状態の悪化でコレラの感染拡大も懸念されている。
AP通信は、米国の大西洋岸を脅かす暴風雨としては過去10年以上で最大だと伝え、フロリダ州のスコット知事は「今回の暴風雨は怪物だ」と警戒を呼び掛けた。

 ハリケーンは7日の夜にはフロリダ州を直撃するか、同州沿岸を通過するとみられる。
5段階分類で2番目に強いカテゴリー4だったが、やや勢力を弱め、カテゴリー3となった。

 同州などでの航空便欠航は4500便に上った。
ノースカロライナ州も独自に非常事態を宣言。避難する車で道路が渋滞し、ガソリンスタンドや商店でガソリンや商品が底を突く事態になっている。

 ロイターによると、中南米最貧国ハイチでは死者が572人に達したと複数の当局者が明らかにした。
数千人が家屋の倒壊や洪水などで住む家を追われたほか、自宅にあった食料を流される被害も出ている。
少なくとも35万人が何らかの支援を必要としているとされ、2010年のハイチ大地震以来の人道的危機とされる。

 ハイチと同じ島にあり、隣接するドミニカ共和国では4人が死亡。観光地として知られるバハマでも家屋に被害が出ている。(共同)


[ 2016年10月8日 02:00 ]

http://www.sponichi.co.jp/society/news/2016/10/07/kiji/K20161007013495830.html