左利き用の自動車とか、左利き用の弓矢とか、左利き用の鉄砲とか、無いよね。
自動車は、ハンドルとシフトレバーの左右は国・地域(法域)ごとに決まっている、足操作のアクセルは右でクラッチは左というのは
全世界の市販車で共通。
弓矢は、左で弓を構え、右手で矢をつがえて弦を引くことは全世界で共通。外界との初の接触が20世紀後半とかいう狩猟民族も
例外はなく、左手で弓、右手で矢。つがえ方は文化圏ごとに違いがあって、和弓では弓身の右に矢を構えるので弓が端(上下)が
少し右に真ん中が左に横方向にも曲げてある。モンゴル・中近東・ヨーロッパの弓では弓身の左に矢を構えるので左が凹むように
に曲げてある。
左利きに厳しい日本では、当然、右に持つ弓も左にはめるカケも作られていないし、バリアフリー先進国でスポーツ振興も盛んな
スウェーデンでも右の凹んだアーチェリーの弓なんか手に入らない。
どこの国にも軍隊や治安維持組織のようなものはあって銃器の訓練はあるけれど、右でトリガーを引く訓練だけ。左利きだから
ライフルやマシンガンを右脇で構えて左手をトリガーにかける、というようなことは無い。民間で銃器の取り扱いを許している場合も、
講習会や練習場で左でトリガー引く持ちかたしたらこっぴどく怒られるよ。

自動車、弓矢、鉄砲に共通するのは、或る程度の年齢に達した段階で初めて取り扱い、始める際には指導役が付く、日常生活や
子供の遊びの中での経験が殆ど不要。
例えば、野球やテニスでは、棒状のものを振り回す、握ったものを放り投げるというような、子供が自然に始める遊びで得た経験値を
用いるから、右打・左打が決まってしまう。水泳でクロールの息継も、後ろから名前を呼ばれたときにどっちに振り返るかというような
経験値に支配されてる。

これから判ることは、先天的に利き手というものは決まっているのではなく、単純に、経験値の蓄積の差、慣れが利き手の差だと
いうことだ。