安保ペースのまま試合終了かと思われたが残り15秒、安保が左ヒザ蹴りを出したところで郷州がタイミングよく左ストレートを伸ばし、安保は尻もちをつくようにダウン。
これが決定的なポイントとなり、判定2-1で郷州がタイトルを奪取。郷州はリングにうずくまって男泣きし、場内からは感動の郷州コールが沸き起こった。
試合中にセコンドからの指示が聞こえない、自分を励ます応援も聞こえないことは格闘家にとって不利な条件だ。
しかし、イーファイトが10月度「ゴールドジムプレゼンツ格闘技月間ベストファイター」に郷州を選び、インタビューしたところ郷州はこう語った。
「でも、見ることは出来るので。インターバル中でも最近は指示が分かるようになったかなと思います。
(試合中で)興奮しているからこそ、逆に集中力も上がって口の動きがよく見えるんだと思います。
それにゼスチャーもあるじゃないですか。アドバイスしてもらったことが出来るようにもなりましたし、インターバル中に周りを見る余裕も出来てきました」
今後は王者としてKrush王座の防衛を重ねていくと共にK-1のベルトも狙って行きたいとの目標を掲げる郷州。そして「こういう風に取り上げていただくことで、他の耳が聞こえない人たちの目にも入るので凄くありがたいです。
耳が聞こえなくてもチャンピオンになった選手がいるってことをもっともっと発信していきたいです」と、同じハンディを持つ人たちに勇気と希望を与えていきたいと話している。