聴覚支援学校に通っていた子どもが死亡した事故での損害賠償をめぐる裁判。

原告側は亡くなった児童が将来得られるはずだった収入について
「人間の尊厳に基づいて算出すべき」

などと主張しました。

 2018年、大阪市生野区で聴覚支援学校に通っていた井出安優香さん(当時11)が重機にはねられて死亡しました。両親は、重機を運転していた男と当時の勤務先を相手取り、安優香さんが将来得られるはずだった収入(逸失利益)を含めて約6000万円の損害賠償を求めています。

 これまでの裁判で、
被告側は
『聴覚障がい者は学力の遅れや就労の難しさがある』

として、逸失利益は
「聴覚障がい者の平均賃金(一般労働者の平均賃金の約60%)」

で算出すべきと主張。

 これに対して原告らは12月15日、「雇用機会や待遇は平等に確保する義務があり人間の尊厳を考慮すべき」などとして、被告の主張は差別だと反論しました。

 (安優香さんの父 井出努さん 12月15日)
 「“どうして安優香が悪いの”と幻聴とも言える娘の声が耳から離れません。娘の11年間の努力と将来を否定されて、私たち家族の精神的苦痛は増すばかりでした」

《同記事・動画版》
https://www.youtube.com/watch?v=orYfMyAI2B4

聴覚障がい者の逸失利益…遺族『人間の尊厳に基づいて』被告は一般労働者の60%主張
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20211215/GE00041547.shtml
2021/12/15 19:33