いよいよ決断の時が来たということだろうか。10月31日、中間決算の記者会見に臨んだ三菱重工社長、宮永俊一は自らの決断を口にした。「私は何としてもスペースジェット)を成功させたい……。そのためにも親会社であるわれわれ三菱重工が前面に出て、(重工の)全経営資源を投入していく」宮永によれば、スペースジェットの開発を担ってきた子会社、三菱航空機に任せていた様々な判断を、親会社の三菱重工内に設置する社長直属の組織「スペースジェット事業推進委員会」に移すという。従業員1.3千人余の不動産子会社「MHIファシリティーサービス」を1億円で米系ファンドに売却したのも、同社発祥の地の“聖域”長崎造船所の事業規模を徹底的に縮小したのも、すべてスペースジェットを軌道に乗せる資金を捻出するため。なりふり構わぬ待ったなしの決断が宮永の冒頭の言葉だ。パワハラ、サービス残業有りの本物のブラック企業認定である。444