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年度末で相談が増加中!雇い止めを通告されたらすぐに相談を
有期雇用
 この年度末は雇止めの相談が例年に増して多く、コロナ渦における私たち労働者の窮状、企業の雇用責任放棄がますます深刻化していることを痛感します。コロナ渦で多くの労働者が職を失っていますが、解雇の何倍も多いのが雇止めです。
今回はこの雇止めと有期雇用契約についての基礎知識をお伝えします。
■中途解約のできない有期雇用契約
 有期労働契約とは期間の定めのある契約です。労働基準法により、原則としてその長さの上限は3年間と制限されています。有期労働契約においては、原則として、使用者は期間中に解約することはできず、労働者は期間満了まで労務を提供する義務を負います。
つまり、会社にも労働者にも、期間満了までの間、義務(会社は雇用義務、労働者は労務提供義務)を果たす事が求められるのです。例外として、1回の有期労働契約の期間が1年を超える場合、労働者は1年を超えた後はいつでも使用者に申し出ることで退職をすることができます。有期労働契約の期間中、労働者の地位は極めて強く守られています。このため、雇用の調整弁として使うため短い期間での有期労働契約を繰り返し結ぶ会社が増えています。
■「期間満了」で当然に雇止めが出来るわけではない
 雇い止めとは、上記のような有期雇用の労働者に対して契約の更新をせず、契約期間満了を理由に雇用関係を終了させることです。有期雇用とは読んで字のごとく期間を区切って労働契約を結ぶことなので、実は、雇い止め自体は別に違法でも何でもありません。かといって、無条件に期間満了で雇止めができるわけではありません。労働者に「更新期待権」が発生するとき、合理的な理由のない雇い止めが無効とされるのです。
この場合の」合理的な理由」には解雇と同等の理由が求められます。更新期待権が生じた労働者の雇用は期間の定めのない労働者同様に強く保護されることとなります。使用者がこの「更新期待権」の存在を知らなかったり、有期雇用契約は当然に打ち切りができるものであると誤解していること、労働者の無知につけ込むことで不当な雇止めが後を絶ちません。雇い止めの問題を考えるときは、この「更新期待権」が発生しうるかどうか、が大きなポイントとなってくるため、しっかりと検討する必要があります。