8.藁にもすがる思いで売却を検討…しかし、売れない!


その後、月々5万円にも上る赤字額の出費に耐えられなくなったAさんは、物件の売却を決意して大手不動産会社に問い合わせをした。

それとともに、赤字補填のため当面の資金を消費者金融から借りる決断をした。

Aさんが保有する物件の合計購入額は、3戸あわせて9,000万円だった。多少の損はでるかもしれないが9,000万円付近で売れるとAさんは考えていた。

しかし、売却査定を依頼した大手不動産会社からの回答は「6,000万円台でしか売れない」という内容で、Aさんは絶句した。

その会社の担当者いわく、そもそもAさんは1室目の物件からかなり割高で買っており、完成後の中古物件をその値段で買う人はまずいないとのことだった。

その後、数社に売却査定を依頼したが、どこも同じような回答だった。それでは、残りのローンを完済することができない。

それから半年たつと、消費者金融の支払いも厳しくなってきた。

Aさんは途方に暮れながらも、その後1年間ローンの支払いに耐えてきたが打開策がみつからず、やむなく自己破産の手続きをすることにした。